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第二章

色々とゲームってすごい

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 学園内の講堂で、入学式は始まった。私はラウルさんと共に、新任教師枠で挨拶をした。

「聖女様?」
「本当に、私達と同年代なんだ……」

 などとざわめきが起きたが、笑顔でスルー出来るくらいなので問題ない。

(こういうのは、寄り添いを教えたりする時もあるし……思えば、ほぼ貴族の令嬢令息だし。そもそもが落ち着いてるんだろうな……いや、でも)

 そこまで考えて私は以前、エマから聞いた話を思い出した。
 そして、新入生代表として殿下ユリウスが壇上に上がった途端――生徒達から男女共に歓喜の声が上がり、前世で芸能人がサプライズで現れた時のようになったのに、フッと遠い目になった。

(乙女ゲーだと、殿下の挨拶では黄色い声が上がってたって聞いていたけど……何かうん、負けたわ)
(カナさん、勝負だったの!? 私には、カナさんが一番よ!)
(ありがとう、イザベル)

 騒がれたら騒がれたで困るが、ここまで反応が違うと笑うしかない。
 圧倒的な差にダメージを受けた私を、現世の私イザベルは一生懸命励ましてくれた。うん、本当に天使。



「ここが、保健室です」

 そう言って、ナタリー先生に連れて来られた部屋は――文字通り、前世で見た『保健室』だった。ベッドが二つ。あと鍵がかかった棚には、薬が。かかっていない棚には、湿布や包帯が並んでいる。

「ここでは基本、貧血や熱発などの生徒を休息させたり、魔法の訓練で怪我をした生徒の応急処置をしたりします。ただ、本格的な治療になるとここには設備が無いので、病院にお願いすることになります」
「そうなんですね」
「ええ。ただ、多感な時期なので不安や悩みを解決しないと、根本解決にならず再発するので……その部分を、強化したいと思っていました」

 そこまで言うと、ナタリー先生は不意に私の手を両手で握ってきた。そして、髪の色と同じ栗色の瞳をキラキラと輝かせながら言葉を続けた。

「あと個人的にはもう一つ、イザベル先生にはお礼を言いたくて……実は私、ここの卒業生でして! 魔力が少なかったんですが、生活魔法が出来たおかげで、無事卒業して教員になれました! 本当に、ありがとうございますっ」
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