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第一章/馴れ初め
尋問 ※ ~エルデ視点~
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「える、も、だぇ…」
「まだですよ。
あなたを突然殴ったのは誰なのか…
全て聞き出すまではね」
タビトに聞かなくても、本当は全部知ってる。
たくさんの精霊が教えてくれたから。
尋問しながら私はタビトの中で蠢く。
ぬぷ、ぬぷと言う緩慢な水音がいやらしく響く。
あれからもう一度、感度を上げる魔法を掛けた。
タビトは全身が性感帯になったようで、腰に優しく触れただけで身体をビクビクと反応させ、後ろをキュンキュンと締め付けて来る。
「一人だけは、知っていますよ。
近所の女から殴られたのでしょう?」
…………
本当は彼女だけじゃない。
真っ赤な嘘を吹き込まれた人間が何人も、確かめもせず正義を振りかざして…。
吹き込んだ馬鹿はさっさと消したが、噂というのは面倒なものだ。否定するのに一月も掛かってしまった。
「あ、あ、かのじょは、ちがうの」
「何がです」
「かんちがい、させられてて、あやまり、きた…」
…………
知っている。
殆どの人間が謝りにきた事を。
あの街の人間は意外にも善良な者が多かったらしく、手土産を持って謝罪に行った者も多くいた。
そうして、タビトの味方になった…
助けを呼べばすぐに駆け付けてくれる程度だが、特別な力を持たない者達にはそれが精一杯だろう。
彼らは愚かだっただけだ…
彼らは、わざわざ人を傷つける為だけに嘘をつく人間を見たことがなかった。
だから役人らしき者のいう事を鵜呑みにした。
役人すら、自分たちを騙る人間がいるとは思っていなかった。
それほど平和な街だったのだ。
だから、火事が起きた後、タビトは街の人を守るために逃げた。
住む場所が無いから、でない事は分かっている。
火事で燃えた屋敷は再建され、家具や、小さな子の落書きまで再生したのが分かっている。
街の人間はその屋敷を守り、残されたものを大事に取っていてくれたのだ…
タビトがいつ帰って来ても良い様に。
「え、えるで、も、やめて」
「では、その彼女以外には?」
「お、お、ぼえて、なぃ、からぁ」
「…そうですか」
本当の事を言わないタビトにはお仕置きをする。
ゆっくり腰を引いて、一気に奥まで突く。
甲高い声を上げて身体を弓なりにしならせ、口の端から涎を垂らすタビトを見て、自分も涎が止まらなくなる。
「あ、ああ、ああっ!?」
「タビトは、嘘つきです。
それも他人を守るための嘘ばかり…。
私が嫉妬でおかしくなるのも仕方ないでしょう?」
「…あ、ひ…っ!」
ここまで溜め込んだ精も思いも全部ぶちまけないと終われない。
好き、大好き、愛してる、私のものに、私だけのものに、なって欲しい。
私だけを大事にして欲しい、なのに。
「タビトが覚えてないというのなら、精霊に後で尋ねましょう。
あなたに手を上げた者は全員、片腕をもいでしまいましょうね?」
本当は片腕をもぐだけじゃ足りない。
実は善良だとか、騙されていたとか…
関係ない、タビトに愛されている事が許せない。
「や!あ、だめ、しないれっ、だめ」
「では助けたい者だけでも教えて…ね?」
「ま、まちの、ひとは、だまされたの」
「誰に?」
「う、う、しらない…っ」
「…また嘘をつくんですか?
もう一度お仕置きをしましょうか」
「しらな、ほんと、ひ、ひ、い、い、い、いや」
もう一度、ゆっくり、ゆっくり腰を引いて、たっぷりじらしてから一気に突きあげる。
どちゅ!と言う音と同時にパン!と腰がぶつかる。
「っーーー!?」
「このまま、しっかり穿ちこんであげましょうね」
「や、や、やだっ、ひ……」
容赦なく腰を振る私。
がくがくと揺れながら、萎えないそこから汁を吐き出すタビト。
目の焦点が合わない彼を引き戻す為にキスをする。
…………
知っている。
直接謝りにいく勇気が持てず、誰に騙されてやってしまった、と謝罪文を書いた者が数人いた事を。
タビトがそれを読んで、返事を書いた事を。
こうして許してくれたのだ、と手紙を見せて、懐かしそうに話す街の人間を見たから……。
未だ心に燻る激情を、何度もタビトの中へ突き入れる。
私を愛して、私を求めて、私を、私だけを…!
「辛いですか?タビト。
でも、私だって辛かったのですよ?」
「も、もう、わかっ、あぁ!!」
「あなたがされた事全部、あなたの口から教えて。
良かった事も悪かった事も……」
「ああっ!?いう、いうからぁ!も、おく、ぐちゅって、しないれっ、ひいっ!?」
足りない、足りない、足りない。
もっと欲しい、欲しがって欲しい。
「愛しています、タビト、愛しているんです、ずっとずっと、子どもの時から」
「ひ、ぁ、し、しって、しってるからっ!!」
知ってるのに、愛をくれないあなた。
それでも愛する私。
「意地の張り合いなら、負けませんよ。
覚悟してください、タビト」
「まだですよ。
あなたを突然殴ったのは誰なのか…
全て聞き出すまではね」
タビトに聞かなくても、本当は全部知ってる。
たくさんの精霊が教えてくれたから。
尋問しながら私はタビトの中で蠢く。
ぬぷ、ぬぷと言う緩慢な水音がいやらしく響く。
あれからもう一度、感度を上げる魔法を掛けた。
タビトは全身が性感帯になったようで、腰に優しく触れただけで身体をビクビクと反応させ、後ろをキュンキュンと締め付けて来る。
「一人だけは、知っていますよ。
近所の女から殴られたのでしょう?」
…………
本当は彼女だけじゃない。
真っ赤な嘘を吹き込まれた人間が何人も、確かめもせず正義を振りかざして…。
吹き込んだ馬鹿はさっさと消したが、噂というのは面倒なものだ。否定するのに一月も掛かってしまった。
「あ、あ、かのじょは、ちがうの」
「何がです」
「かんちがい、させられてて、あやまり、きた…」
…………
知っている。
殆どの人間が謝りにきた事を。
あの街の人間は意外にも善良な者が多かったらしく、手土産を持って謝罪に行った者も多くいた。
そうして、タビトの味方になった…
助けを呼べばすぐに駆け付けてくれる程度だが、特別な力を持たない者達にはそれが精一杯だろう。
彼らは愚かだっただけだ…
彼らは、わざわざ人を傷つける為だけに嘘をつく人間を見たことがなかった。
だから役人らしき者のいう事を鵜呑みにした。
役人すら、自分たちを騙る人間がいるとは思っていなかった。
それほど平和な街だったのだ。
だから、火事が起きた後、タビトは街の人を守るために逃げた。
住む場所が無いから、でない事は分かっている。
火事で燃えた屋敷は再建され、家具や、小さな子の落書きまで再生したのが分かっている。
街の人間はその屋敷を守り、残されたものを大事に取っていてくれたのだ…
タビトがいつ帰って来ても良い様に。
「え、えるで、も、やめて」
「では、その彼女以外には?」
「お、お、ぼえて、なぃ、からぁ」
「…そうですか」
本当の事を言わないタビトにはお仕置きをする。
ゆっくり腰を引いて、一気に奥まで突く。
甲高い声を上げて身体を弓なりにしならせ、口の端から涎を垂らすタビトを見て、自分も涎が止まらなくなる。
「あ、ああ、ああっ!?」
「タビトは、嘘つきです。
それも他人を守るための嘘ばかり…。
私が嫉妬でおかしくなるのも仕方ないでしょう?」
「…あ、ひ…っ!」
ここまで溜め込んだ精も思いも全部ぶちまけないと終われない。
好き、大好き、愛してる、私のものに、私だけのものに、なって欲しい。
私だけを大事にして欲しい、なのに。
「タビトが覚えてないというのなら、精霊に後で尋ねましょう。
あなたに手を上げた者は全員、片腕をもいでしまいましょうね?」
本当は片腕をもぐだけじゃ足りない。
実は善良だとか、騙されていたとか…
関係ない、タビトに愛されている事が許せない。
「や!あ、だめ、しないれっ、だめ」
「では助けたい者だけでも教えて…ね?」
「ま、まちの、ひとは、だまされたの」
「誰に?」
「う、う、しらない…っ」
「…また嘘をつくんですか?
もう一度お仕置きをしましょうか」
「しらな、ほんと、ひ、ひ、い、い、い、いや」
もう一度、ゆっくり、ゆっくり腰を引いて、たっぷりじらしてから一気に突きあげる。
どちゅ!と言う音と同時にパン!と腰がぶつかる。
「っーーー!?」
「このまま、しっかり穿ちこんであげましょうね」
「や、や、やだっ、ひ……」
容赦なく腰を振る私。
がくがくと揺れながら、萎えないそこから汁を吐き出すタビト。
目の焦点が合わない彼を引き戻す為にキスをする。
…………
知っている。
直接謝りにいく勇気が持てず、誰に騙されてやってしまった、と謝罪文を書いた者が数人いた事を。
タビトがそれを読んで、返事を書いた事を。
こうして許してくれたのだ、と手紙を見せて、懐かしそうに話す街の人間を見たから……。
未だ心に燻る激情を、何度もタビトの中へ突き入れる。
私を愛して、私を求めて、私を、私だけを…!
「辛いですか?タビト。
でも、私だって辛かったのですよ?」
「も、もう、わかっ、あぁ!!」
「あなたがされた事全部、あなたの口から教えて。
良かった事も悪かった事も……」
「ああっ!?いう、いうからぁ!も、おく、ぐちゅって、しないれっ、ひいっ!?」
足りない、足りない、足りない。
もっと欲しい、欲しがって欲しい。
「愛しています、タビト、愛しているんです、ずっとずっと、子どもの時から」
「ひ、ぁ、し、しって、しってるからっ!!」
知ってるのに、愛をくれないあなた。
それでも愛する私。
「意地の張り合いなら、負けませんよ。
覚悟してください、タビト」
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