19 / 31
第一章/馴れ初め
尋問 ※ ~エルデ視点~
しおりを挟む
「える、も、だぇ…」
「まだですよ。
あなたを突然殴ったのは誰なのか…
全て聞き出すまではね」
タビトに聞かなくても、本当は全部知ってる。
たくさんの精霊が教えてくれたから。
尋問しながら私はタビトの中で蠢く。
ぬぷ、ぬぷと言う緩慢な水音がいやらしく響く。
あれからもう一度、感度を上げる魔法を掛けた。
タビトは全身が性感帯になったようで、腰に優しく触れただけで身体をビクビクと反応させ、後ろをキュンキュンと締め付けて来る。
「一人だけは、知っていますよ。
近所の女から殴られたのでしょう?」
…………
本当は彼女だけじゃない。
真っ赤な嘘を吹き込まれた人間が何人も、確かめもせず正義を振りかざして…。
吹き込んだ馬鹿はさっさと消したが、噂というのは面倒なものだ。否定するのに一月も掛かってしまった。
「あ、あ、かのじょは、ちがうの」
「何がです」
「かんちがい、させられてて、あやまり、きた…」
…………
知っている。
殆どの人間が謝りにきた事を。
あの街の人間は意外にも善良な者が多かったらしく、手土産を持って謝罪に行った者も多くいた。
そうして、タビトの味方になった…
助けを呼べばすぐに駆け付けてくれる程度だが、特別な力を持たない者達にはそれが精一杯だろう。
彼らは愚かだっただけだ…
彼らは、わざわざ人を傷つける為だけに嘘をつく人間を見たことがなかった。
だから役人らしき者のいう事を鵜呑みにした。
役人すら、自分たちを騙る人間がいるとは思っていなかった。
それほど平和な街だったのだ。
だから、火事が起きた後、タビトは街の人を守るために逃げた。
住む場所が無いから、でない事は分かっている。
火事で燃えた屋敷は再建され、家具や、小さな子の落書きまで再生したのが分かっている。
街の人間はその屋敷を守り、残されたものを大事に取っていてくれたのだ…
タビトがいつ帰って来ても良い様に。
「え、えるで、も、やめて」
「では、その彼女以外には?」
「お、お、ぼえて、なぃ、からぁ」
「…そうですか」
本当の事を言わないタビトにはお仕置きをする。
ゆっくり腰を引いて、一気に奥まで突く。
甲高い声を上げて身体を弓なりにしならせ、口の端から涎を垂らすタビトを見て、自分も涎が止まらなくなる。
「あ、ああ、ああっ!?」
「タビトは、嘘つきです。
それも他人を守るための嘘ばかり…。
私が嫉妬でおかしくなるのも仕方ないでしょう?」
「…あ、ひ…っ!」
ここまで溜め込んだ精も思いも全部ぶちまけないと終われない。
好き、大好き、愛してる、私のものに、私だけのものに、なって欲しい。
私だけを大事にして欲しい、なのに。
「タビトが覚えてないというのなら、精霊に後で尋ねましょう。
あなたに手を上げた者は全員、片腕をもいでしまいましょうね?」
本当は片腕をもぐだけじゃ足りない。
実は善良だとか、騙されていたとか…
関係ない、タビトに愛されている事が許せない。
「や!あ、だめ、しないれっ、だめ」
「では助けたい者だけでも教えて…ね?」
「ま、まちの、ひとは、だまされたの」
「誰に?」
「う、う、しらない…っ」
「…また嘘をつくんですか?
もう一度お仕置きをしましょうか」
「しらな、ほんと、ひ、ひ、い、い、い、いや」
もう一度、ゆっくり、ゆっくり腰を引いて、たっぷりじらしてから一気に突きあげる。
どちゅ!と言う音と同時にパン!と腰がぶつかる。
「っーーー!?」
「このまま、しっかり穿ちこんであげましょうね」
「や、や、やだっ、ひ……」
容赦なく腰を振る私。
がくがくと揺れながら、萎えないそこから汁を吐き出すタビト。
目の焦点が合わない彼を引き戻す為にキスをする。
…………
知っている。
直接謝りにいく勇気が持てず、誰に騙されてやってしまった、と謝罪文を書いた者が数人いた事を。
タビトがそれを読んで、返事を書いた事を。
こうして許してくれたのだ、と手紙を見せて、懐かしそうに話す街の人間を見たから……。
未だ心に燻る激情を、何度もタビトの中へ突き入れる。
私を愛して、私を求めて、私を、私だけを…!
「辛いですか?タビト。
でも、私だって辛かったのですよ?」
「も、もう、わかっ、あぁ!!」
「あなたがされた事全部、あなたの口から教えて。
良かった事も悪かった事も……」
「ああっ!?いう、いうからぁ!も、おく、ぐちゅって、しないれっ、ひいっ!?」
足りない、足りない、足りない。
もっと欲しい、欲しがって欲しい。
「愛しています、タビト、愛しているんです、ずっとずっと、子どもの時から」
「ひ、ぁ、し、しって、しってるからっ!!」
知ってるのに、愛をくれないあなた。
それでも愛する私。
「意地の張り合いなら、負けませんよ。
覚悟してください、タビト」
「まだですよ。
あなたを突然殴ったのは誰なのか…
全て聞き出すまではね」
タビトに聞かなくても、本当は全部知ってる。
たくさんの精霊が教えてくれたから。
尋問しながら私はタビトの中で蠢く。
ぬぷ、ぬぷと言う緩慢な水音がいやらしく響く。
あれからもう一度、感度を上げる魔法を掛けた。
タビトは全身が性感帯になったようで、腰に優しく触れただけで身体をビクビクと反応させ、後ろをキュンキュンと締め付けて来る。
「一人だけは、知っていますよ。
近所の女から殴られたのでしょう?」
…………
本当は彼女だけじゃない。
真っ赤な嘘を吹き込まれた人間が何人も、確かめもせず正義を振りかざして…。
吹き込んだ馬鹿はさっさと消したが、噂というのは面倒なものだ。否定するのに一月も掛かってしまった。
「あ、あ、かのじょは、ちがうの」
「何がです」
「かんちがい、させられてて、あやまり、きた…」
…………
知っている。
殆どの人間が謝りにきた事を。
あの街の人間は意外にも善良な者が多かったらしく、手土産を持って謝罪に行った者も多くいた。
そうして、タビトの味方になった…
助けを呼べばすぐに駆け付けてくれる程度だが、特別な力を持たない者達にはそれが精一杯だろう。
彼らは愚かだっただけだ…
彼らは、わざわざ人を傷つける為だけに嘘をつく人間を見たことがなかった。
だから役人らしき者のいう事を鵜呑みにした。
役人すら、自分たちを騙る人間がいるとは思っていなかった。
それほど平和な街だったのだ。
だから、火事が起きた後、タビトは街の人を守るために逃げた。
住む場所が無いから、でない事は分かっている。
火事で燃えた屋敷は再建され、家具や、小さな子の落書きまで再生したのが分かっている。
街の人間はその屋敷を守り、残されたものを大事に取っていてくれたのだ…
タビトがいつ帰って来ても良い様に。
「え、えるで、も、やめて」
「では、その彼女以外には?」
「お、お、ぼえて、なぃ、からぁ」
「…そうですか」
本当の事を言わないタビトにはお仕置きをする。
ゆっくり腰を引いて、一気に奥まで突く。
甲高い声を上げて身体を弓なりにしならせ、口の端から涎を垂らすタビトを見て、自分も涎が止まらなくなる。
「あ、ああ、ああっ!?」
「タビトは、嘘つきです。
それも他人を守るための嘘ばかり…。
私が嫉妬でおかしくなるのも仕方ないでしょう?」
「…あ、ひ…っ!」
ここまで溜め込んだ精も思いも全部ぶちまけないと終われない。
好き、大好き、愛してる、私のものに、私だけのものに、なって欲しい。
私だけを大事にして欲しい、なのに。
「タビトが覚えてないというのなら、精霊に後で尋ねましょう。
あなたに手を上げた者は全員、片腕をもいでしまいましょうね?」
本当は片腕をもぐだけじゃ足りない。
実は善良だとか、騙されていたとか…
関係ない、タビトに愛されている事が許せない。
「や!あ、だめ、しないれっ、だめ」
「では助けたい者だけでも教えて…ね?」
「ま、まちの、ひとは、だまされたの」
「誰に?」
「う、う、しらない…っ」
「…また嘘をつくんですか?
もう一度お仕置きをしましょうか」
「しらな、ほんと、ひ、ひ、い、い、い、いや」
もう一度、ゆっくり、ゆっくり腰を引いて、たっぷりじらしてから一気に突きあげる。
どちゅ!と言う音と同時にパン!と腰がぶつかる。
「っーーー!?」
「このまま、しっかり穿ちこんであげましょうね」
「や、や、やだっ、ひ……」
容赦なく腰を振る私。
がくがくと揺れながら、萎えないそこから汁を吐き出すタビト。
目の焦点が合わない彼を引き戻す為にキスをする。
…………
知っている。
直接謝りにいく勇気が持てず、誰に騙されてやってしまった、と謝罪文を書いた者が数人いた事を。
タビトがそれを読んで、返事を書いた事を。
こうして許してくれたのだ、と手紙を見せて、懐かしそうに話す街の人間を見たから……。
未だ心に燻る激情を、何度もタビトの中へ突き入れる。
私を愛して、私を求めて、私を、私だけを…!
「辛いですか?タビト。
でも、私だって辛かったのですよ?」
「も、もう、わかっ、あぁ!!」
「あなたがされた事全部、あなたの口から教えて。
良かった事も悪かった事も……」
「ああっ!?いう、いうからぁ!も、おく、ぐちゅって、しないれっ、ひいっ!?」
足りない、足りない、足りない。
もっと欲しい、欲しがって欲しい。
「愛しています、タビト、愛しているんです、ずっとずっと、子どもの時から」
「ひ、ぁ、し、しって、しってるからっ!!」
知ってるのに、愛をくれないあなた。
それでも愛する私。
「意地の張り合いなら、負けませんよ。
覚悟してください、タビト」
1
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
一介の大学生にすぎない僕ですが、ポメ嫁と仔ポメ、まとめて幸せにする覚悟です
月田朋
BL
のうてんきな大学生平太は、祖父の山で親子ポメラニアン二匹に遭遇する。そんな平太が村役場で出会ったのは、かわいくも美人なモカときゃわわな男児マロンの、わけありっぽい親子だった。
パパなのにママみのあるモカに、感じるのは同情&劣情。
はたして親子は何者なのか、聞きたくてもマロンの夜泣きにはばまれ、夜は更けて。二人の恋の行方はいかに。
パパなのにママみのあるかわいいおくさんはお好きですか(大混乱)
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
モラトリアムの猫
青宮あんず
BL
幼少期に母親に捨てられ、母親の再婚相手だった義父に酷い扱いを受けながら暮らしていた朔也(20)は、ある日義父に売られてしまう。彼を買ったのは、稼ぎはいいものの面倒を嫌う伊吹(24)だった。
トラウマと体質に悩む朔也と、優しく可愛がりたい伊吹が2人暮らしをする話。
ちまちまと書き進めていきます。
元妻の血縁ナシDK息子と2週間発情同居性活
掌
BL
欲求不満メスおじさんの「あきら」(受)が、別れた元妻の「ほのか」と現夫との息子を家で預かることになり、その息子で童貞高校生の「カズくん」(攻)に発情し発情され、悶々ムラムラなすれ違い性活をした末、ドスケベラブハメ性活を送る話。
おにショタ、ショタおにの逆転ありをゆるく反復横跳びする内容(挿入はカズくん×あきらのみ)で、攻めが山ほど喘ぎ、数行程度ですが受けの攻めに対するアナル舐め描写が含まれます。表紙画像はネタバレのため読後にご覧ください(タイトルなしverはTwitterに有)
【祝】ついに人物へ名前がつきました
シリーズタグ→カズあき
pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。
なにかありましたら(web拍手)
http://bit.ly/38kXFb0
Twitter垢・拍手返信はこちらから行っています
https://twitter.com/show1write
会社を辞めて騎士団長を拾う
あかべこ
BL
社会生活に疲れて早期リタイアした元社畜は、亡き祖父から譲り受けた一軒家に引っ越した。
その新生活一日目、自宅の前に現れたのは足の引きちぎれた自称・帝国の騎士団長だった……!え、この人俺が面倒見るんですか?
女装趣味のギリギリFIREおじさん×ガチムチ元騎士団長、になるはず。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる