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【過去ばなし】チート魔術師とチャラ男令息
目が覚めると、そこは
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ふと目を覚ますと、心配そうにのぞき込む懐かしい顔があった。
「シド…ここは」
すると知らない男が答える。
「客間で御座います、ギゼル殿」
…ああ、こいつは…
本当にどこにでも潜んでいるもんだな。
シドが俺に聞く。
「大丈夫かギゼル?
ちゃんと食ってるか?」
「…さあな。
すまん、水を一杯、貰えるか」
俺がシドに頼むと、知らない男が黒のマグカップに水を持ってきた。
それを受け取って、一言。
「なあシド、俺、食い物に毒が入ってるかどうか分かる魔法が使えるようになったんだぜ」
「え?」
知らない男は震え出した。
「いいか、見てろよ?
毒が入ってたら、この水が白く濁る…『鑑定』」
マグカップの水は一瞬で白く濁る。
知らない男は扉へと一目散に走る。
その男の腕を瞬時に捕まえ、シドが言う。
「なぜ、毒を盛った」
「く…、死ね!!」
「『結界』」
知らない男が自由な方の手をかざした瞬間、俺はそいつを結界の中に閉じ込めた。
「え、あ、あああ!」
そいつの魔法はすべてそいつが被る仕様。
どうやらこいつ、氷魔法でシドを凍死させようとしたらしいが…
「わー、エグーい」
「そんな事はない、生きていれば助けてやる」
そう、生きていれば治癒を施して逃がしてやる。
もう一度殺しに来るなら、その時は殺す。
「3日に1回はこうやって誰かが殺しに来る。
飯に毒を盛る奴に、魔法を向けてくる奴もいれば、切りかかって来るのもいるし、ナイフを腰だめに構えて突撃してくる子もいる」
「は?」
「子どもの親を人質にして、子どもに罪を犯させようとするのがいるのさ」
「マジか、王都終わってんな~」
「本当にな」
もう、俺は何度も殺されかけて、殺した。
最初に殺したのは、俺の村の領主だ。
それも、殺そうとしてきたから殺した。
ただそれだけ。
息子を殺したんだ、他人を殺すのに抵抗はそれほど…無かった。
だけど…
「ああ、だからもう、いっそ死んだ事にして皆に合流できないか考えてるんだが…
同じ体型の死体を用意するのは…忍びなくて」
「そうだな、どうしても子どもになるもんなぁ」
どうしても、子どもは殺せない。
息子の事を思い出して…
だって、みんな、男の子なんだ。
この世界は極端に女性が少ない。
少なすぎる…
「有翔…なんで、俺の方が」
「…その、ユート君の生まれ変わりは、まだ見つかんないのか」
「ああ、どこにも…」
…探しても、どこにもいない。
「いないんだ、有翔が…」
あの子はもうどこにもいない。
だったら、俺の生きる意味は…
「おい、しっかりしろ、ギゼル」
死にたい、死んでしまいたい。
有翔のいる場所へ俺も行きたい。
そうだ、どうしてこんな単純な事に気が付かなかったんだ。
「次に殺しに来た奴に、殺される…」
「ギゼル!」
「もう、無理だ、俺は…」
涙が、止まらない。
どうして、みんなと一緒に居た時は、一滴も出なかった涙が…
と、遠くで。
…控えめな、ノックの音。
その後から聞こえる、声…
「…すみません、今はその」
「……」
「いや、死体が…や、その」
「……」
「すいません、取り込み中で、あっ!」
足音、訓練されていない人間。
「ギゼル?」
誰かの声。
遠くて聞こえない…
「まさか、異…、待っ…、……、解……」
「……分かった」
誰かが近づき、俺に触れる。
「ギゼル殿、聞こえるか。
あなたの行動に『間違いは無かった』」
…誰?
「聞いてくれ、ギゼル殿。
あなたは『悪く無い、悔やむ事は無い』。
『懺悔はもう必要無い、思い詰めてはいけない、前を向いて、生きている者を見て声を聞け』」
…誰の声だか知らないが、頭のなかに直接語りかけられているような、感覚…
頭の靄が、晴れていくように…
「…あなた、は…?」
「私はリブリー…オーセンの第一王子。
まずは、謝罪を」
「…謝罪?」
「貴方から家族を奪った事。
故郷を奪った事。
命を危険に晒した事。
そして、あなたに掛けられた「異能」の力に、気が付かずにいた事」
「……異能?」
何だ……それは。
「王の直系のみが使える力。
特定の感情や、それに伴う感覚を増幅させる力だ。
父か弟、どちらかがあなたの「罪悪感」を多大に増幅させ、心を壊そうとしていたようだ」
つまり、俺は、ずっと精神攻撃を…受けてた?
俺がそれに、掛かって…たってのか?
ち…俺と、したことが。
「今、それを私が解いた」
「貴方が?今?」
「ああそうだ、どうだろうか、気分は…」
「…分からん、が、……クリアだ」
だから今、全ての感覚が戻ったのか。
だから…感じ取れるのか、これが。
「その事に気付かなかったとは…申し訳、」
「王は軽々に謝るものではない」
「ギゼル殿?」
今、大広間は囲まれている。
「…現王は死に、あなたの弟も死ぬ。
ならば次の王は貴方だろう?
今宵の大広間に、軽装とはいえ武装した騎士団を集めた手腕、見事だ」
「何だって?」
リブリー殿下に付いてきたメルバが泡を食っているが、構っている暇は無い。
「そろそろ仕掛けて来る頃だ、なぁ、シド」
「うん、そうだな。
だからキャンディッシュの弟をそこで寝かしてる」
「えっ」
シドは鼻が利くタイプだ。
第27騎士団が先制攻撃を得意としてるのはそのおかげ。
「…リブリー、どういう事」
やっぱり未だ状況が掴めないらしいメルバが右往左往する…
その様子を見てると、何だか逆に落ち着く。
にやり、と笑いながらリブリー殿下が言う。
「今夜が最終決戦だ、という事だ。
ギゼル殿、私の……第一王子としての、最後の頼みを聞いてくれ」
「ああ、勿論」
「大広間の者を誰一人、死なせないで欲しい」
「…任せろ」
色々と眠っていた感覚が、起き出したような気分だ。
「ああ、その『お願い』を叶える為に、城を壊しても構わんか?」
「構わん、私が私の責任において処理する」
「OK」
向こうも魔術師を集めて来ているだろう。
一棟二棟は覚悟して貰わないとな。
俺はここに残る王子様とキャンディッシュ兄弟を守るために、気合いの入った結界を各個人個別に展開し、シドと一緒に部屋から飛び出した。
「シド…ここは」
すると知らない男が答える。
「客間で御座います、ギゼル殿」
…ああ、こいつは…
本当にどこにでも潜んでいるもんだな。
シドが俺に聞く。
「大丈夫かギゼル?
ちゃんと食ってるか?」
「…さあな。
すまん、水を一杯、貰えるか」
俺がシドに頼むと、知らない男が黒のマグカップに水を持ってきた。
それを受け取って、一言。
「なあシド、俺、食い物に毒が入ってるかどうか分かる魔法が使えるようになったんだぜ」
「え?」
知らない男は震え出した。
「いいか、見てろよ?
毒が入ってたら、この水が白く濁る…『鑑定』」
マグカップの水は一瞬で白く濁る。
知らない男は扉へと一目散に走る。
その男の腕を瞬時に捕まえ、シドが言う。
「なぜ、毒を盛った」
「く…、死ね!!」
「『結界』」
知らない男が自由な方の手をかざした瞬間、俺はそいつを結界の中に閉じ込めた。
「え、あ、あああ!」
そいつの魔法はすべてそいつが被る仕様。
どうやらこいつ、氷魔法でシドを凍死させようとしたらしいが…
「わー、エグーい」
「そんな事はない、生きていれば助けてやる」
そう、生きていれば治癒を施して逃がしてやる。
もう一度殺しに来るなら、その時は殺す。
「3日に1回はこうやって誰かが殺しに来る。
飯に毒を盛る奴に、魔法を向けてくる奴もいれば、切りかかって来るのもいるし、ナイフを腰だめに構えて突撃してくる子もいる」
「は?」
「子どもの親を人質にして、子どもに罪を犯させようとするのがいるのさ」
「マジか、王都終わってんな~」
「本当にな」
もう、俺は何度も殺されかけて、殺した。
最初に殺したのは、俺の村の領主だ。
それも、殺そうとしてきたから殺した。
ただそれだけ。
息子を殺したんだ、他人を殺すのに抵抗はそれほど…無かった。
だけど…
「ああ、だからもう、いっそ死んだ事にして皆に合流できないか考えてるんだが…
同じ体型の死体を用意するのは…忍びなくて」
「そうだな、どうしても子どもになるもんなぁ」
どうしても、子どもは殺せない。
息子の事を思い出して…
だって、みんな、男の子なんだ。
この世界は極端に女性が少ない。
少なすぎる…
「有翔…なんで、俺の方が」
「…その、ユート君の生まれ変わりは、まだ見つかんないのか」
「ああ、どこにも…」
…探しても、どこにもいない。
「いないんだ、有翔が…」
あの子はもうどこにもいない。
だったら、俺の生きる意味は…
「おい、しっかりしろ、ギゼル」
死にたい、死んでしまいたい。
有翔のいる場所へ俺も行きたい。
そうだ、どうしてこんな単純な事に気が付かなかったんだ。
「次に殺しに来た奴に、殺される…」
「ギゼル!」
「もう、無理だ、俺は…」
涙が、止まらない。
どうして、みんなと一緒に居た時は、一滴も出なかった涙が…
と、遠くで。
…控えめな、ノックの音。
その後から聞こえる、声…
「…すみません、今はその」
「……」
「いや、死体が…や、その」
「……」
「すいません、取り込み中で、あっ!」
足音、訓練されていない人間。
「ギゼル?」
誰かの声。
遠くて聞こえない…
「まさか、異…、待っ…、……、解……」
「……分かった」
誰かが近づき、俺に触れる。
「ギゼル殿、聞こえるか。
あなたの行動に『間違いは無かった』」
…誰?
「聞いてくれ、ギゼル殿。
あなたは『悪く無い、悔やむ事は無い』。
『懺悔はもう必要無い、思い詰めてはいけない、前を向いて、生きている者を見て声を聞け』」
…誰の声だか知らないが、頭のなかに直接語りかけられているような、感覚…
頭の靄が、晴れていくように…
「…あなた、は…?」
「私はリブリー…オーセンの第一王子。
まずは、謝罪を」
「…謝罪?」
「貴方から家族を奪った事。
故郷を奪った事。
命を危険に晒した事。
そして、あなたに掛けられた「異能」の力に、気が付かずにいた事」
「……異能?」
何だ……それは。
「王の直系のみが使える力。
特定の感情や、それに伴う感覚を増幅させる力だ。
父か弟、どちらかがあなたの「罪悪感」を多大に増幅させ、心を壊そうとしていたようだ」
つまり、俺は、ずっと精神攻撃を…受けてた?
俺がそれに、掛かって…たってのか?
ち…俺と、したことが。
「今、それを私が解いた」
「貴方が?今?」
「ああそうだ、どうだろうか、気分は…」
「…分からん、が、……クリアだ」
だから今、全ての感覚が戻ったのか。
だから…感じ取れるのか、これが。
「その事に気付かなかったとは…申し訳、」
「王は軽々に謝るものではない」
「ギゼル殿?」
今、大広間は囲まれている。
「…現王は死に、あなたの弟も死ぬ。
ならば次の王は貴方だろう?
今宵の大広間に、軽装とはいえ武装した騎士団を集めた手腕、見事だ」
「何だって?」
リブリー殿下に付いてきたメルバが泡を食っているが、構っている暇は無い。
「そろそろ仕掛けて来る頃だ、なぁ、シド」
「うん、そうだな。
だからキャンディッシュの弟をそこで寝かしてる」
「えっ」
シドは鼻が利くタイプだ。
第27騎士団が先制攻撃を得意としてるのはそのおかげ。
「…リブリー、どういう事」
やっぱり未だ状況が掴めないらしいメルバが右往左往する…
その様子を見てると、何だか逆に落ち着く。
にやり、と笑いながらリブリー殿下が言う。
「今夜が最終決戦だ、という事だ。
ギゼル殿、私の……第一王子としての、最後の頼みを聞いてくれ」
「ああ、勿論」
「大広間の者を誰一人、死なせないで欲しい」
「…任せろ」
色々と眠っていた感覚が、起き出したような気分だ。
「ああ、その『お願い』を叶える為に、城を壊しても構わんか?」
「構わん、私が私の責任において処理する」
「OK」
向こうも魔術師を集めて来ているだろう。
一棟二棟は覚悟して貰わないとな。
俺はここに残る王子様とキャンディッシュ兄弟を守るために、気合いの入った結界を各個人個別に展開し、シドと一緒に部屋から飛び出した。
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