69 / 218
【過去ばなし】チート魔術師とチャラ男令息
めげている場合じゃない!
しおりを挟む
…ギゼルとの昼食会は、散々な結果に終わった。
個人的な情報を引き出すどころじゃない…
もっと恐ろしい物を引き出してしまった。
「…随分、教室から人が消えましたね」
「ああ、逃げたんだろ?
脛に傷持つ貴族の多さに呆れる…その貴族に取り込まれた父にもな」
「……そっか」
感情の無い声で言うリブリー。
仲が悪いとはいえ、自分の父親が数々の失策を犯した事に気が滅入っているんだろう。
「おまけに、金のある家を片っ端から取り込んでいた弟の派閥も、もう駄目だ」
俺の代わりが居なくなるのも困るがな…、とリブリーが薄く笑う。
「まあ構わんさ、王家の遠縁など腐るほどいる…と言いたいところだが、それも遠征で死んだり、まあ…半分以上駄目になったからな…」
王宮からも人が消えている…と、父から聞いた。
意外と早く動いたな、と一言添えて。
「…僕が、ギゼル殿の逆鱗に触れたから」
「ばーか、あの程度の事が逆鱗なわけないだろ。
もし逆鱗に触れたとしたら、今頃学園が跡形もなく吹っ飛んでる」
「…下手な慰め、有難う」
僕がそう返すと、リブリーはクツクツと笑った。
「実際、ちょっと予定が早まっただけの事さ。
単なる増殖を『大増殖』になるまで放置し、甚大な被害を招いた責任は、誰かが取らねばならん。
君の父上すらも領軍の練度が低かった責任を取って蟄居なさるとあって、私腹を肥やしたクズ共を死刑にしろ…と世論に火が点いた。
君の父上は自分の使いどころを分かっていらっしゃるな、さすがだ」
「そう、だね。父は…立派だ」
あの後、真面目に釣書を見た。
父上が選んだ釣書の相手は、全員…今も学園に問題なく通っている。
つまり、堅実な領主の子であり、真面目に領地を切り盛りしている貴族だという事だ。
だから彼らは、僕のフラフラした態度に物申したくなったんだ…
「…それなのに僕は…「抱けなくはない」なんて、偉そうに言って」
「相手には謝罪したか?」
「うん」
「和解して、仲間にできそうか」
「…がんばる」
彼らは結婚に夢を見てるんじゃなかったんだ。
この国を支えていく家の一員になる事に夢を見ていたんだ。
だから僕に遊びを辞めろと言ったんだ。
醜聞を撒き散らして、敵対する派閥につけ入る隙を与えるな…って。
勘違いばっかして、最低だ。
だけどもう間違わない。
ギゼルの過去を繰り返さない、その為に、僕に今何が出来るか。
もう子どもじゃない、大人にならなきゃ。
卒業までの時間を無駄にしちゃいけない。
「僕、釣書をくれた子たちに、言ったんだ。
やっぱり君と結婚は出来ない、って…」
「ほう?」
「どうしても一緒になりたい人が出来たから、君とは結婚できないって、言ったんだ。
そしたら彼ら、『そこまでメルバ様を変えたお人なら、一度お会いしたいですね』って言うんだ…
そんなの誰か分かってるくせに」
僕の事をからかって遊んでいるんだ。
けどこれ、今までのぶんの仕返しだよね…
自業自得…だけど、溜息くらい…
僕が大きな息を吐こうとした、その瞬間。
「ほほう、だったらその場をもうけるか」
「…ひゅえっ!?」
「第27騎士団が遠征から戻ってくる。
ギゼル殿も戦友に会いたかろう」
えっ…ええー!!
個人的な情報を引き出すどころじゃない…
もっと恐ろしい物を引き出してしまった。
「…随分、教室から人が消えましたね」
「ああ、逃げたんだろ?
脛に傷持つ貴族の多さに呆れる…その貴族に取り込まれた父にもな」
「……そっか」
感情の無い声で言うリブリー。
仲が悪いとはいえ、自分の父親が数々の失策を犯した事に気が滅入っているんだろう。
「おまけに、金のある家を片っ端から取り込んでいた弟の派閥も、もう駄目だ」
俺の代わりが居なくなるのも困るがな…、とリブリーが薄く笑う。
「まあ構わんさ、王家の遠縁など腐るほどいる…と言いたいところだが、それも遠征で死んだり、まあ…半分以上駄目になったからな…」
王宮からも人が消えている…と、父から聞いた。
意外と早く動いたな、と一言添えて。
「…僕が、ギゼル殿の逆鱗に触れたから」
「ばーか、あの程度の事が逆鱗なわけないだろ。
もし逆鱗に触れたとしたら、今頃学園が跡形もなく吹っ飛んでる」
「…下手な慰め、有難う」
僕がそう返すと、リブリーはクツクツと笑った。
「実際、ちょっと予定が早まっただけの事さ。
単なる増殖を『大増殖』になるまで放置し、甚大な被害を招いた責任は、誰かが取らねばならん。
君の父上すらも領軍の練度が低かった責任を取って蟄居なさるとあって、私腹を肥やしたクズ共を死刑にしろ…と世論に火が点いた。
君の父上は自分の使いどころを分かっていらっしゃるな、さすがだ」
「そう、だね。父は…立派だ」
あの後、真面目に釣書を見た。
父上が選んだ釣書の相手は、全員…今も学園に問題なく通っている。
つまり、堅実な領主の子であり、真面目に領地を切り盛りしている貴族だという事だ。
だから彼らは、僕のフラフラした態度に物申したくなったんだ…
「…それなのに僕は…「抱けなくはない」なんて、偉そうに言って」
「相手には謝罪したか?」
「うん」
「和解して、仲間にできそうか」
「…がんばる」
彼らは結婚に夢を見てるんじゃなかったんだ。
この国を支えていく家の一員になる事に夢を見ていたんだ。
だから僕に遊びを辞めろと言ったんだ。
醜聞を撒き散らして、敵対する派閥につけ入る隙を与えるな…って。
勘違いばっかして、最低だ。
だけどもう間違わない。
ギゼルの過去を繰り返さない、その為に、僕に今何が出来るか。
もう子どもじゃない、大人にならなきゃ。
卒業までの時間を無駄にしちゃいけない。
「僕、釣書をくれた子たちに、言ったんだ。
やっぱり君と結婚は出来ない、って…」
「ほう?」
「どうしても一緒になりたい人が出来たから、君とは結婚できないって、言ったんだ。
そしたら彼ら、『そこまでメルバ様を変えたお人なら、一度お会いしたいですね』って言うんだ…
そんなの誰か分かってるくせに」
僕の事をからかって遊んでいるんだ。
けどこれ、今までのぶんの仕返しだよね…
自業自得…だけど、溜息くらい…
僕が大きな息を吐こうとした、その瞬間。
「ほほう、だったらその場をもうけるか」
「…ひゅえっ!?」
「第27騎士団が遠征から戻ってくる。
ギゼル殿も戦友に会いたかろう」
えっ…ええー!!
121
あなたにおすすめの小説
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる