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【過去ばなし】チート魔術師とチャラ男令息
めげている場合じゃない!
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…ギゼルとの昼食会は、散々な結果に終わった。
個人的な情報を引き出すどころじゃない…
もっと恐ろしい物を引き出してしまった。
「…随分、教室から人が消えましたね」
「ああ、逃げたんだろ?
脛に傷持つ貴族の多さに呆れる…その貴族に取り込まれた父にもな」
「……そっか」
感情の無い声で言うリブリー。
仲が悪いとはいえ、自分の父親が数々の失策を犯した事に気が滅入っているんだろう。
「おまけに、金のある家を片っ端から取り込んでいた弟の派閥も、もう駄目だ」
俺の代わりが居なくなるのも困るがな…、とリブリーが薄く笑う。
「まあ構わんさ、王家の遠縁など腐るほどいる…と言いたいところだが、それも遠征で死んだり、まあ…半分以上駄目になったからな…」
王宮からも人が消えている…と、父から聞いた。
意外と早く動いたな、と一言添えて。
「…僕が、ギゼル殿の逆鱗に触れたから」
「ばーか、あの程度の事が逆鱗なわけないだろ。
もし逆鱗に触れたとしたら、今頃学園が跡形もなく吹っ飛んでる」
「…下手な慰め、有難う」
僕がそう返すと、リブリーはクツクツと笑った。
「実際、ちょっと予定が早まっただけの事さ。
単なる増殖を『大増殖』になるまで放置し、甚大な被害を招いた責任は、誰かが取らねばならん。
君の父上すらも領軍の練度が低かった責任を取って蟄居なさるとあって、私腹を肥やしたクズ共を死刑にしろ…と世論に火が点いた。
君の父上は自分の使いどころを分かっていらっしゃるな、さすがだ」
「そう、だね。父は…立派だ」
あの後、真面目に釣書を見た。
父上が選んだ釣書の相手は、全員…今も学園に問題なく通っている。
つまり、堅実な領主の子であり、真面目に領地を切り盛りしている貴族だという事だ。
だから彼らは、僕のフラフラした態度に物申したくなったんだ…
「…それなのに僕は…「抱けなくはない」なんて、偉そうに言って」
「相手には謝罪したか?」
「うん」
「和解して、仲間にできそうか」
「…がんばる」
彼らは結婚に夢を見てるんじゃなかったんだ。
この国を支えていく家の一員になる事に夢を見ていたんだ。
だから僕に遊びを辞めろと言ったんだ。
醜聞を撒き散らして、敵対する派閥につけ入る隙を与えるな…って。
勘違いばっかして、最低だ。
だけどもう間違わない。
ギゼルの過去を繰り返さない、その為に、僕に今何が出来るか。
もう子どもじゃない、大人にならなきゃ。
卒業までの時間を無駄にしちゃいけない。
「僕、釣書をくれた子たちに、言ったんだ。
やっぱり君と結婚は出来ない、って…」
「ほう?」
「どうしても一緒になりたい人が出来たから、君とは結婚できないって、言ったんだ。
そしたら彼ら、『そこまでメルバ様を変えたお人なら、一度お会いしたいですね』って言うんだ…
そんなの誰か分かってるくせに」
僕の事をからかって遊んでいるんだ。
けどこれ、今までのぶんの仕返しだよね…
自業自得…だけど、溜息くらい…
僕が大きな息を吐こうとした、その瞬間。
「ほほう、だったらその場をもうけるか」
「…ひゅえっ!?」
「第27騎士団が遠征から戻ってくる。
ギゼル殿も戦友に会いたかろう」
えっ…ええー!!
個人的な情報を引き出すどころじゃない…
もっと恐ろしい物を引き出してしまった。
「…随分、教室から人が消えましたね」
「ああ、逃げたんだろ?
脛に傷持つ貴族の多さに呆れる…その貴族に取り込まれた父にもな」
「……そっか」
感情の無い声で言うリブリー。
仲が悪いとはいえ、自分の父親が数々の失策を犯した事に気が滅入っているんだろう。
「おまけに、金のある家を片っ端から取り込んでいた弟の派閥も、もう駄目だ」
俺の代わりが居なくなるのも困るがな…、とリブリーが薄く笑う。
「まあ構わんさ、王家の遠縁など腐るほどいる…と言いたいところだが、それも遠征で死んだり、まあ…半分以上駄目になったからな…」
王宮からも人が消えている…と、父から聞いた。
意外と早く動いたな、と一言添えて。
「…僕が、ギゼル殿の逆鱗に触れたから」
「ばーか、あの程度の事が逆鱗なわけないだろ。
もし逆鱗に触れたとしたら、今頃学園が跡形もなく吹っ飛んでる」
「…下手な慰め、有難う」
僕がそう返すと、リブリーはクツクツと笑った。
「実際、ちょっと予定が早まっただけの事さ。
単なる増殖を『大増殖』になるまで放置し、甚大な被害を招いた責任は、誰かが取らねばならん。
君の父上すらも領軍の練度が低かった責任を取って蟄居なさるとあって、私腹を肥やしたクズ共を死刑にしろ…と世論に火が点いた。
君の父上は自分の使いどころを分かっていらっしゃるな、さすがだ」
「そう、だね。父は…立派だ」
あの後、真面目に釣書を見た。
父上が選んだ釣書の相手は、全員…今も学園に問題なく通っている。
つまり、堅実な領主の子であり、真面目に領地を切り盛りしている貴族だという事だ。
だから彼らは、僕のフラフラした態度に物申したくなったんだ…
「…それなのに僕は…「抱けなくはない」なんて、偉そうに言って」
「相手には謝罪したか?」
「うん」
「和解して、仲間にできそうか」
「…がんばる」
彼らは結婚に夢を見てるんじゃなかったんだ。
この国を支えていく家の一員になる事に夢を見ていたんだ。
だから僕に遊びを辞めろと言ったんだ。
醜聞を撒き散らして、敵対する派閥につけ入る隙を与えるな…って。
勘違いばっかして、最低だ。
だけどもう間違わない。
ギゼルの過去を繰り返さない、その為に、僕に今何が出来るか。
もう子どもじゃない、大人にならなきゃ。
卒業までの時間を無駄にしちゃいけない。
「僕、釣書をくれた子たちに、言ったんだ。
やっぱり君と結婚は出来ない、って…」
「ほう?」
「どうしても一緒になりたい人が出来たから、君とは結婚できないって、言ったんだ。
そしたら彼ら、『そこまでメルバ様を変えたお人なら、一度お会いしたいですね』って言うんだ…
そんなの誰か分かってるくせに」
僕の事をからかって遊んでいるんだ。
けどこれ、今までのぶんの仕返しだよね…
自業自得…だけど、溜息くらい…
僕が大きな息を吐こうとした、その瞬間。
「ほほう、だったらその場をもうけるか」
「…ひゅえっ!?」
「第27騎士団が遠征から戻ってくる。
ギゼル殿も戦友に会いたかろう」
えっ…ええー!!
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