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ざまぁなど知らぬ!
【幕間】王子様の想い
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貴族名鑑を覚えさせるという名目で、自室にロンバードを連れ込んだ。
当然だが、お勉強だけでは終わらない。
キスもするし、多少の睦み合いもする…
婚約者なのだし、俺はもう20歳だぞ。
子作りに励んだっていいくらいだ。
秘術が無ければ子は授からんというが、俺とロンバードであれば奇跡の一つも起きるだろう。
「なあ、ロンバード?」
「ん…っ、うん…、ん…」
「夢の中で、お前はどんな風に俺に抱かれているんだ?」
「…め、で、ちゃ…はぁ…っ」
常に機会を狙っていた。
そもそも俺はロンバードの婚約者だ。
本来誰にも遠慮など要らないはず…
なのにだ。
あのお堅い大魔術師殿が、18歳までそういう事はならん、と…
そう強くご主張なさる所為で、一部の連中もすっかりそのつもりになりやがって。
ロンバードよりも相応しい者が出てくるかもしれない、だと?
そんな者がいるなら私の前に連れて来てみろ。
抑圧された10代を過ごさせられたお蔭で、ロンバード以外の者に何をされても何も感じないのだぞ?
俺を勃たせてから物を言え。
一人も成功した試しがないくせに。
「俺はお前しか愛せない…」
「あ…ふ、ふぅ…ん」
「愛してるよ、ロン」
そもそもこの婚約は国家戦略だ…などと、いつまで13歳児の考えた屁理屈を信じているんだ?
俺がロンバードと結婚すれば、父のギゼル殿は益々国家の為に働いてくれるだろう…などと言って父や母に頼み込んだのは事実だが…
奴らは阿呆なのか?
父も母も一瞬で見抜いた事であるのに。
それを『国の為とはいえ、あのような貧民上がりの親の子を…おいたわしい』だと?
その言葉、メルバの耳に入ってみろ…
いや入ったから根も葉も無い…いや、無くもないか…悪評が立っているんだがな。
メルバもメルバで社交界に多大な影響力を持つ貴族なのだから、奴らも少しは考えてものを言えば良いのに…やはり阿呆なのだろう。
嫌味を言う暇があるなら頭を少しは働かせろ、としか言いようが無い。
…まあ、最近ではロンバードの才能を外に出さない為にする結婚である、と切り替わった様だが…
『あのような見目麗しくもない者を態々』
『貴族らしくない者を王族に云々』
『あの才を魔術塔の為に活かす事こそ国益であるからして、ここは他の者を娶られるべき』
……等々。
ーー見目麗しくない?
お前らに見せる顔が冴えないのは当たり前だ。
ロンバードはつまらん事を言う奴の前で、目を輝かせられも微笑んでやれもせんからな。
現にロンバードとまともな会話が出来る連中は、多くが虜に……大いにクソ腹立たしい。
「んっ…、はぅ…」
「ふふ…っ、可愛い」
こんなに愛らしい者はいないと、分からん連中の方が不幸だな。
ーー貴族らしくない?
そもそも貴族「らしさ」とは何だ?
そこを明確にしてから言え。
ロンバードはあれでいて礼儀作法も完璧だし、ダンスも優雅に踊れる。
当然、お前らの言葉の裏くらい読んでいる。
本人はそれが嫌で付き合わないだけだ。
そもそも、あのメルバが父なのだぞ?
王家とも遜色ない躾が出来ていない訳が無かろう。
悪評のある貴族を覚えさせてはいないようだがな。
ロンバードが学園内で最低限の礼儀のみに留めているのは、単に合理性だ。
何より本題を優先したい者達はそれを歓迎している。
そしてわざわざ身分を隠して、煩い外野からロンバードを守っているのだ。
「…愛されているな?ロンバード」
「ふ…あぅ、…ちがぁ…」
「そうだ、お前を抱いて良いのは俺だけだ」
「ん…、だぃ…、らけ…」
ーーそして最後の1つは…
単なる魔術局員たちの愚痴だ。
王子妃と魔術局長の兼務は難しいから跡は継がせない、とギゼル殿が言った事で混乱しているらしい。
これを機に、向上心を持って働くが良いぞ。
その方が国益に適うだろうからな。
「可愛いロンバード…あと半年で俺のものだ」
メルバに連れられて茶会デビューをした日のロンバードを思い出す。
第1王子の何たるかを知っていながら、それを利用する為に近づいてくる事もなく、行儀良くケーキを食べるロンバード。
俺が話しかけると
『王宮はお菓子職人様の腕も一流なのですね』
と言ってにこやかに笑うロンバード。
毎日食べたいか、と聞いたら
『それでは父のメルバが悲しみます故』
と困り顔で笑うロンバード。
将来の夢を尋ねると、
『父のギゼルを補佐する魔術師になります』
と、屈託のない笑顔で宣言したロンバード。
宮廷に興味は無いのかと聞けば、
『それに相応しい方はいくらでもおられます故、私は魔術塔の中から国をお支えしたく存じます』
と、毅然とした笑顔で答えるロンバード…
俺はその全ての笑顔にやられたのだ。
作り物でない笑顔に…
まさか作り笑顔が出来ないとは思わなかったがな。
とはいえ、もう少しでそれも覚えられるだろう。
最近になって急に妙な媚を売るようにもなったし…
本当に、全く。
「普通に頼みに来ればいいものを…。
だからつい意地悪をしたくなるのだぞ?」
「んぅう」
…お前の見ている夢に、入り込めたら…
もっと過激な事も教えられるのにな。
当然だが、お勉強だけでは終わらない。
キスもするし、多少の睦み合いもする…
婚約者なのだし、俺はもう20歳だぞ。
子作りに励んだっていいくらいだ。
秘術が無ければ子は授からんというが、俺とロンバードであれば奇跡の一つも起きるだろう。
「なあ、ロンバード?」
「ん…っ、うん…、ん…」
「夢の中で、お前はどんな風に俺に抱かれているんだ?」
「…め、で、ちゃ…はぁ…っ」
常に機会を狙っていた。
そもそも俺はロンバードの婚約者だ。
本来誰にも遠慮など要らないはず…
なのにだ。
あのお堅い大魔術師殿が、18歳までそういう事はならん、と…
そう強くご主張なさる所為で、一部の連中もすっかりそのつもりになりやがって。
ロンバードよりも相応しい者が出てくるかもしれない、だと?
そんな者がいるなら私の前に連れて来てみろ。
抑圧された10代を過ごさせられたお蔭で、ロンバード以外の者に何をされても何も感じないのだぞ?
俺を勃たせてから物を言え。
一人も成功した試しがないくせに。
「俺はお前しか愛せない…」
「あ…ふ、ふぅ…ん」
「愛してるよ、ロン」
そもそもこの婚約は国家戦略だ…などと、いつまで13歳児の考えた屁理屈を信じているんだ?
俺がロンバードと結婚すれば、父のギゼル殿は益々国家の為に働いてくれるだろう…などと言って父や母に頼み込んだのは事実だが…
奴らは阿呆なのか?
父も母も一瞬で見抜いた事であるのに。
それを『国の為とはいえ、あのような貧民上がりの親の子を…おいたわしい』だと?
その言葉、メルバの耳に入ってみろ…
いや入ったから根も葉も無い…いや、無くもないか…悪評が立っているんだがな。
メルバもメルバで社交界に多大な影響力を持つ貴族なのだから、奴らも少しは考えてものを言えば良いのに…やはり阿呆なのだろう。
嫌味を言う暇があるなら頭を少しは働かせろ、としか言いようが無い。
…まあ、最近ではロンバードの才能を外に出さない為にする結婚である、と切り替わった様だが…
『あのような見目麗しくもない者を態々』
『貴族らしくない者を王族に云々』
『あの才を魔術塔の為に活かす事こそ国益であるからして、ここは他の者を娶られるべき』
……等々。
ーー見目麗しくない?
お前らに見せる顔が冴えないのは当たり前だ。
ロンバードはつまらん事を言う奴の前で、目を輝かせられも微笑んでやれもせんからな。
現にロンバードとまともな会話が出来る連中は、多くが虜に……大いにクソ腹立たしい。
「んっ…、はぅ…」
「ふふ…っ、可愛い」
こんなに愛らしい者はいないと、分からん連中の方が不幸だな。
ーー貴族らしくない?
そもそも貴族「らしさ」とは何だ?
そこを明確にしてから言え。
ロンバードはあれでいて礼儀作法も完璧だし、ダンスも優雅に踊れる。
当然、お前らの言葉の裏くらい読んでいる。
本人はそれが嫌で付き合わないだけだ。
そもそも、あのメルバが父なのだぞ?
王家とも遜色ない躾が出来ていない訳が無かろう。
悪評のある貴族を覚えさせてはいないようだがな。
ロンバードが学園内で最低限の礼儀のみに留めているのは、単に合理性だ。
何より本題を優先したい者達はそれを歓迎している。
そしてわざわざ身分を隠して、煩い外野からロンバードを守っているのだ。
「…愛されているな?ロンバード」
「ふ…あぅ、…ちがぁ…」
「そうだ、お前を抱いて良いのは俺だけだ」
「ん…、だぃ…、らけ…」
ーーそして最後の1つは…
単なる魔術局員たちの愚痴だ。
王子妃と魔術局長の兼務は難しいから跡は継がせない、とギゼル殿が言った事で混乱しているらしい。
これを機に、向上心を持って働くが良いぞ。
その方が国益に適うだろうからな。
「可愛いロンバード…あと半年で俺のものだ」
メルバに連れられて茶会デビューをした日のロンバードを思い出す。
第1王子の何たるかを知っていながら、それを利用する為に近づいてくる事もなく、行儀良くケーキを食べるロンバード。
俺が話しかけると
『王宮はお菓子職人様の腕も一流なのですね』
と言ってにこやかに笑うロンバード。
毎日食べたいか、と聞いたら
『それでは父のメルバが悲しみます故』
と困り顔で笑うロンバード。
将来の夢を尋ねると、
『父のギゼルを補佐する魔術師になります』
と、屈託のない笑顔で宣言したロンバード。
宮廷に興味は無いのかと聞けば、
『それに相応しい方はいくらでもおられます故、私は魔術塔の中から国をお支えしたく存じます』
と、毅然とした笑顔で答えるロンバード…
俺はその全ての笑顔にやられたのだ。
作り物でない笑顔に…
まさか作り笑顔が出来ないとは思わなかったがな。
とはいえ、もう少しでそれも覚えられるだろう。
最近になって急に妙な媚を売るようにもなったし…
本当に、全く。
「普通に頼みに来ればいいものを…。
だからつい意地悪をしたくなるのだぞ?」
「んぅう」
…お前の見ている夢に、入り込めたら…
もっと過激な事も教えられるのにな。
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