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ざまぁなど知らぬ!
【閑話】暗躍する女子
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「そうですわ!
お兄様の側近になって、一緒にお仕事なされば良いのではありませんこと?」
「えっ、どういうこと?」
私はミリエッタ。
オーセン国ブロマンス協会の発起人にして転生者!
私が学園に入ってから推しに推してるご兄弟、それがキャンディッシュ侯爵令息ズ!
兄のロンバード様は変人で皆に優しい方。
弟のセジュール様は妖精の様に可愛らしく賢い方。
兄の足りないところを補う弟。
その弟を陰ながら守り、大切に想う兄…
あーーーもーーー
尊い尊い超尊い!!!
たまらないわ…特にセジュール様からの愛が少しだけ一方通行なのが…
とうーーとーーーい!
2次創作待ったなしよ!
前世じゃ売れない同人誌ばっか描いて、強烈な頭痛がしたと思ったらポックリ…みたいな感じで死んだけど、今生は生きて生きて生きまくって、死がこの二人を分かつまで見届ける!
あっだめだめミリエッタ。
今は大事な時なんだから……ゲフンゲフン。
「よろしいことっ?ロンバード様にはセジュール様がいないと駄目なのですわ!
ご結婚なさっても側で支えて差し上げないと…
ですから、お兄様の補佐として、宮廷に上がるのですわっ!セジュール様なら出来ますとも!」
「……!そっか、その手が!……でも」
「何か御座いまして?」
「僕は、領地を継がなければ…だから…」
「あっ…そうでしたわね…」
そうなのよ。
お兄様がとんでもない魔力の持ち主で、もう一人のお父様である大魔術師の跡を継ぐと目されている上に、ダリル第1王子様の婚約者でもあるから、セジュール様はキャンディッシュ家の次期当主にならざるをえないの…
せつないわーーー!
でも何とかしてあげたーーい!
何なら私が代わりに、ううんそれは駄目。
お二人を見られなくなっちゃうもの。
だけど、セジュール様は何か思いついていらっしゃるご様子よ?
うふふ…これが…兄弟愛…
お互いに恋愛感情は無くても、想い合う気持ちは誰にも負けない!!
そう、これが……
ブ ロ マ ン ス っ!!
生まれ変わって良かった!
サンキューゴッド!!
あっ、ブロマンスは、別に兄弟でなくとも良いのですわよ?
仲の良すぎる男子たちを見てときめく貴女!
ぜひブロマンス協会にご一報ですわっ!!
そんなセジュール様は、私の存在を忘れて考え込んでいらっしゃる…
「あっ、でも…そうだ、うーん…ギゼル父様が…だから、まだギリギリ…あーでも…うーん…」
こういうところがご兄弟そっくりなのも…
うへへへへへへへ
はっ、いけないミリエッタ。
扇でお口を隠すのよ!
はしたない笑いがヤバいわよ!!
「……お兄様のご要望であれば大抵のことは通る、誰も将来の大魔術師様のご機嫌を損ねたくないから……だから……」
「でしたらお兄様を転が…いえ、ご説得なされば」
「今『転がす』って言った?」
「ええ…申し訳ありません、その…
ロンバード様はそういった部分で、その…」
あらやだ、口が滑ったわ!
でもそうなの、ロンバード様はあっちこっちフラフラ、それにやきもきするダリル殿下のお姿がたまらないって…皆が口を揃えて言うわ。
分かるわよ!
私もブロマンスにハマる前はゴリゴリに腐女子だったから、そこもまた美味しいの…
美形王子×天才魔術師…
スパダリ×天然…
一途×無自覚タラシ…
分かる、分かるわよ!
でも私の推しはセジュール様&ロンバード様。
ダリル殿下は美しいけど可愛くないんだもの!
……なーんて、私はこの局面にも萌が止まらなくて、ヤバい顔してるから下を向く。
それをセジュール様はどうやら勘違いなさったらしく、私のことをフォローしてくださる。
「うふふ…。
分かるよ、お兄様は他人の思惑にすぐに乗せられちゃうからね…そこが大変なんだけど」
セジュール様のその笑顔…。
大変なんだけど大好きなのね?
大好きなんでしょ!?
もーー辛抱たまらん!!
我、貴族令嬢たる前にブロマンスを愛する者!
故に美しきブロマンスを守るに躊躇なし!
「その通り!
そこをセジュール様が側でお助けになられること、それこそが正義なり!!ですわっ!」
私はついに拳を掲げ、セジュール様を鼓舞する。
貴族の婦女にあるまじきなど知らぬ!!
心の中ではガンバレって言っている!
聞こえて欲しいあなたにも!!
「ふふ、そうだね。
父に相談してみようかな?」
「ええ、ええ、是非とも!」
「ふふ、ありがとう、ミリエッタさん…
僕、もっともっと頑張らなきゃね!」
「そうですわ!」
どうやら私の心の声、届いたわね。
やはりブ◯ーハーツは神…
…って、いっけない、転生した歳がばれちゃう!
おほほほほ!
お兄様の側近になって、一緒にお仕事なされば良いのではありませんこと?」
「えっ、どういうこと?」
私はミリエッタ。
オーセン国ブロマンス協会の発起人にして転生者!
私が学園に入ってから推しに推してるご兄弟、それがキャンディッシュ侯爵令息ズ!
兄のロンバード様は変人で皆に優しい方。
弟のセジュール様は妖精の様に可愛らしく賢い方。
兄の足りないところを補う弟。
その弟を陰ながら守り、大切に想う兄…
あーーーもーーー
尊い尊い超尊い!!!
たまらないわ…特にセジュール様からの愛が少しだけ一方通行なのが…
とうーーとーーーい!
2次創作待ったなしよ!
前世じゃ売れない同人誌ばっか描いて、強烈な頭痛がしたと思ったらポックリ…みたいな感じで死んだけど、今生は生きて生きて生きまくって、死がこの二人を分かつまで見届ける!
あっだめだめミリエッタ。
今は大事な時なんだから……ゲフンゲフン。
「よろしいことっ?ロンバード様にはセジュール様がいないと駄目なのですわ!
ご結婚なさっても側で支えて差し上げないと…
ですから、お兄様の補佐として、宮廷に上がるのですわっ!セジュール様なら出来ますとも!」
「……!そっか、その手が!……でも」
「何か御座いまして?」
「僕は、領地を継がなければ…だから…」
「あっ…そうでしたわね…」
そうなのよ。
お兄様がとんでもない魔力の持ち主で、もう一人のお父様である大魔術師の跡を継ぐと目されている上に、ダリル第1王子様の婚約者でもあるから、セジュール様はキャンディッシュ家の次期当主にならざるをえないの…
せつないわーーー!
でも何とかしてあげたーーい!
何なら私が代わりに、ううんそれは駄目。
お二人を見られなくなっちゃうもの。
だけど、セジュール様は何か思いついていらっしゃるご様子よ?
うふふ…これが…兄弟愛…
お互いに恋愛感情は無くても、想い合う気持ちは誰にも負けない!!
そう、これが……
ブ ロ マ ン ス っ!!
生まれ変わって良かった!
サンキューゴッド!!
あっ、ブロマンスは、別に兄弟でなくとも良いのですわよ?
仲の良すぎる男子たちを見てときめく貴女!
ぜひブロマンス協会にご一報ですわっ!!
そんなセジュール様は、私の存在を忘れて考え込んでいらっしゃる…
「あっ、でも…そうだ、うーん…ギゼル父様が…だから、まだギリギリ…あーでも…うーん…」
こういうところがご兄弟そっくりなのも…
うへへへへへへへ
はっ、いけないミリエッタ。
扇でお口を隠すのよ!
はしたない笑いがヤバいわよ!!
「……お兄様のご要望であれば大抵のことは通る、誰も将来の大魔術師様のご機嫌を損ねたくないから……だから……」
「でしたらお兄様を転が…いえ、ご説得なされば」
「今『転がす』って言った?」
「ええ…申し訳ありません、その…
ロンバード様はそういった部分で、その…」
あらやだ、口が滑ったわ!
でもそうなの、ロンバード様はあっちこっちフラフラ、それにやきもきするダリル殿下のお姿がたまらないって…皆が口を揃えて言うわ。
分かるわよ!
私もブロマンスにハマる前はゴリゴリに腐女子だったから、そこもまた美味しいの…
美形王子×天才魔術師…
スパダリ×天然…
一途×無自覚タラシ…
分かる、分かるわよ!
でも私の推しはセジュール様&ロンバード様。
ダリル殿下は美しいけど可愛くないんだもの!
……なーんて、私はこの局面にも萌が止まらなくて、ヤバい顔してるから下を向く。
それをセジュール様はどうやら勘違いなさったらしく、私のことをフォローしてくださる。
「うふふ…。
分かるよ、お兄様は他人の思惑にすぐに乗せられちゃうからね…そこが大変なんだけど」
セジュール様のその笑顔…。
大変なんだけど大好きなのね?
大好きなんでしょ!?
もーー辛抱たまらん!!
我、貴族令嬢たる前にブロマンスを愛する者!
故に美しきブロマンスを守るに躊躇なし!
「その通り!
そこをセジュール様が側でお助けになられること、それこそが正義なり!!ですわっ!」
私はついに拳を掲げ、セジュール様を鼓舞する。
貴族の婦女にあるまじきなど知らぬ!!
心の中ではガンバレって言っている!
聞こえて欲しいあなたにも!!
「ふふ、そうだね。
父に相談してみようかな?」
「ええ、ええ、是非とも!」
「ふふ、ありがとう、ミリエッタさん…
僕、もっともっと頑張らなきゃね!」
「そうですわ!」
どうやら私の心の声、届いたわね。
やはりブ◯ーハーツは神…
…って、いっけない、転生した歳がばれちゃう!
おほほほほ!
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