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ざまぁなど知らぬ!
なりふり構わないスタイル
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俺の悪役令息作戦が失敗に終わってから1年。
俺は17歳になり、あと1年で卒業…と同時に結婚する。
お相手はもちろん、ダリル殿下。
もう外堀どころか内堀も埋まって、大阪夏の陣状態。
あとはもう本丸を取られるだけ…
具体的には、貞操を奪われるだけというか。
その…しょや?
結婚と同時に秘術を受けて、子作りも開始するんだって。
もう挿入してないだけで結構なプレイしちゃってるけどな…。
そんな俺は、今日も今日とてダリル様の部屋に呼び出され、お膝の上に乗せられてお菓子を給餌されている…
なにもかもが甘い。
「ところでロンバード、王妃教育の事なんだが」
「オーヒキョーイク?」
「お前には魔術塔での仕事があるから、最低限で良いんだが…外交だけはよく学んで欲しいんだ」
「ガイコー?」
「というわけだから、学生寮に部屋を用意した」
「ヨーイシュートー」
「俺とお前の二人部屋だ」
「ドーセー!!」
いいいいきなり!?
いや同居か?何で急にそんな!!
「国外にもお前と俺の仲を知らしめておかねばならんからな」
「まだ埋める堀があった!?」
「それから、演技の練習もだぞ」
「何で!?」
「お前、何でも顔に出過ぎだ。
言葉や行動に出さなければ良いという問題ではないぞ」
「うっ」
それってつまり、常に無表情に見えるようにすればいいのか?ってことは無表情の顔を映像に登録しておいて、それをプロジェクトマッピングみたいに顔面に投影する…だからその為にはまず…
「今、魔法でどうにかならないか考えただろ」
「はい、あ、あ~、はい」
「魔法を使わないで何とかする方法を覚えろ」
「そんな、魔法しか出来ることが無いのに!?」
「極端な事を言うんじゃない」
いやいやいやいや無理無理無理無理。
虐めの時のアレ見てたら分かるでしょーよ!
***
いきなりの出来事に戸惑いつつも、身の回りの最低限を持って来いと言われて一旦帰宅。
「…それじゃ、今日が最後の晩餐…」
「大げさだなぁセジュール、休みの日には戻ってくるんだから」
「そんな事言って、この前の休みも『げすとはうす』とやらに泊まったじゃないですか!」
「そ、それは…すまん」
セジュールは俺が王宮に泊まったあの日から、微妙に情緒が不安定だ。
時々あのミリエッタちゃんが励ましてくれているみたいだけど。
この前も、俺がダリル様に呼び出されたのに付いて来て、ふたりきりになるのを阻止しようとしてた。
何度も否定してたけど…
やっぱダリル様の事、好きだったんかな。
「…セジュール、俺とダリル様が結婚するのは…嫌?」
不安になって聞いてみた。
だって、もしそうなら、俺よりセジュールの方が王妃様として正しい気がするし。
すると、セジュールは目を潤ませながら言った。
「お兄様が誰と結婚するのも嫌ですっ」
「えっ、俺が結婚するのが嫌なのか!?」
えっ想定外!何で!?
俺が信じられない、という顔をすると、セジュールは俺の手をとり、ギュッと握って言った。
「お兄様は僕と離れ離れでも耐えられるかもしれないですけど、僕はお兄様と一緒にいたいんです!」
「そ…そうか、うん…うーん…」
まさかの告白に俺もびっくり。
あんな事を強要した俺に、そんな事言ってくれるなんて…
とても嬉しい。
嬉しいけど…嬉しいけど…うーん。
「…………」
「お兄様?」
「…………!」
ひらめいた!
「セジュールも一緒で良いか、聞いてみよう!」
「え…」
「ほら、おねだり作戦!まだやれることがあるんならやってみるし」
「おにいさま…!!」
すると、何故かこの話にメルバ父さんが食いついた。
「じゃあ二人とも寮に入るのかい?」
「まあ、上手く行けば、だけど…」
「分かった、私に任せて!」
「あ、え、うん…」
そう言ってメルバ父さんは意気揚々とどこかへ…
って、ちょっと待って。
それっておねだりで済まなくない…?
ちょ、ちょっとまってパパン!
どこへ頼みに行く気なの!?
俺は17歳になり、あと1年で卒業…と同時に結婚する。
お相手はもちろん、ダリル殿下。
もう外堀どころか内堀も埋まって、大阪夏の陣状態。
あとはもう本丸を取られるだけ…
具体的には、貞操を奪われるだけというか。
その…しょや?
結婚と同時に秘術を受けて、子作りも開始するんだって。
もう挿入してないだけで結構なプレイしちゃってるけどな…。
そんな俺は、今日も今日とてダリル様の部屋に呼び出され、お膝の上に乗せられてお菓子を給餌されている…
なにもかもが甘い。
「ところでロンバード、王妃教育の事なんだが」
「オーヒキョーイク?」
「お前には魔術塔での仕事があるから、最低限で良いんだが…外交だけはよく学んで欲しいんだ」
「ガイコー?」
「というわけだから、学生寮に部屋を用意した」
「ヨーイシュートー」
「俺とお前の二人部屋だ」
「ドーセー!!」
いいいいきなり!?
いや同居か?何で急にそんな!!
「国外にもお前と俺の仲を知らしめておかねばならんからな」
「まだ埋める堀があった!?」
「それから、演技の練習もだぞ」
「何で!?」
「お前、何でも顔に出過ぎだ。
言葉や行動に出さなければ良いという問題ではないぞ」
「うっ」
それってつまり、常に無表情に見えるようにすればいいのか?ってことは無表情の顔を映像に登録しておいて、それをプロジェクトマッピングみたいに顔面に投影する…だからその為にはまず…
「今、魔法でどうにかならないか考えただろ」
「はい、あ、あ~、はい」
「魔法を使わないで何とかする方法を覚えろ」
「そんな、魔法しか出来ることが無いのに!?」
「極端な事を言うんじゃない」
いやいやいやいや無理無理無理無理。
虐めの時のアレ見てたら分かるでしょーよ!
***
いきなりの出来事に戸惑いつつも、身の回りの最低限を持って来いと言われて一旦帰宅。
「…それじゃ、今日が最後の晩餐…」
「大げさだなぁセジュール、休みの日には戻ってくるんだから」
「そんな事言って、この前の休みも『げすとはうす』とやらに泊まったじゃないですか!」
「そ、それは…すまん」
セジュールは俺が王宮に泊まったあの日から、微妙に情緒が不安定だ。
時々あのミリエッタちゃんが励ましてくれているみたいだけど。
この前も、俺がダリル様に呼び出されたのに付いて来て、ふたりきりになるのを阻止しようとしてた。
何度も否定してたけど…
やっぱダリル様の事、好きだったんかな。
「…セジュール、俺とダリル様が結婚するのは…嫌?」
不安になって聞いてみた。
だって、もしそうなら、俺よりセジュールの方が王妃様として正しい気がするし。
すると、セジュールは目を潤ませながら言った。
「お兄様が誰と結婚するのも嫌ですっ」
「えっ、俺が結婚するのが嫌なのか!?」
えっ想定外!何で!?
俺が信じられない、という顔をすると、セジュールは俺の手をとり、ギュッと握って言った。
「お兄様は僕と離れ離れでも耐えられるかもしれないですけど、僕はお兄様と一緒にいたいんです!」
「そ…そうか、うん…うーん…」
まさかの告白に俺もびっくり。
あんな事を強要した俺に、そんな事言ってくれるなんて…
とても嬉しい。
嬉しいけど…嬉しいけど…うーん。
「…………」
「お兄様?」
「…………!」
ひらめいた!
「セジュールも一緒で良いか、聞いてみよう!」
「え…」
「ほら、おねだり作戦!まだやれることがあるんならやってみるし」
「おにいさま…!!」
すると、何故かこの話にメルバ父さんが食いついた。
「じゃあ二人とも寮に入るのかい?」
「まあ、上手く行けば、だけど…」
「分かった、私に任せて!」
「あ、え、うん…」
そう言ってメルバ父さんは意気揚々とどこかへ…
って、ちょっと待って。
それっておねだりで済まなくない…?
ちょ、ちょっとまってパパン!
どこへ頼みに行く気なの!?
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