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二つの世界が出会う時
【フェリス】固まっていく好きの気持ち
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高等部初の夏休みに入る前、僕はクレイドから誘われた。
「パッセルに『辺境の様子を見に行ってくれ』って頼まれてさ…。
良かったら、一緒に、行かない?」
「うん、行く!!」
「結構距離あるけど、大丈夫か?」
「うん!…あ、今度の休みに、旅の用意をしに街へ行こうよ!」
「おう」
…って、あの時は完全に二人で旅行する気だったのにな…。
何でか殿下に知られちゃってて。
そんで「婚約者のいるオメガが他のアルファと旅行するのは外聞が悪い」って一緒に付いてくる事になっちゃって…。
んもう!
それを理由にして、ババーン!と婚約破棄しろってことじゃん!!
なんなのこの人。
何度も結婚しないって言ってるのに!
「はぁ…」
「どうした、フェリス?」
「いえ、何でも…。
出てきて3日程しか経ってないのに、もう道が悪いんだなって思って」
「うむ…確かに、でこぼこしているな」
辺境の地まで、馬車で20日以上かかるって聞いた。
さすが辺境ってのは遠いんだな…と思ってたけど、もう少し道が良くなったら早く行けたりしないのかな…
あっ!
「そう言えば、パッセルが街道を整える魔法を教えてくれた!」
「ああそっか!つまり俺たちで出来るとこまでやっといてくれって事か」
そうそう、夏休みに入る1週間前くらいにパッセルが熱心に教えてくれたんだよね。
「確か土を風魔法で耕して、大きめの石は弾き飛ばして、土魔法で平らに整形して、その後に水を撒いて、乾かして、土を固める…だったか?」
「そうですそうです…って、あの時いましたっけ?殿下」
「いるに決まっているだろう、大体いつもあの勉強会には参加しているぞ」
そりゃそうなんだけどさ。
他のオメガの子のとこへ行かせてばっかりいたから、聞いてないかと思ったんだ。
「ちゃんと勉強してたんですね…殿下」
「しているに決まっているだろう!
…お前にテストの結果で負けたのが悔しかったからな」
「ははは、そう簡単に首位は譲りませんよ?」
「むむ…次こそ勝つ!2学期末に勝負だ!」
ははは…って3人で笑う。
殿下とはすっかり「友だち」になった。
もう「恋人」にも「伴侶」にもなれない。
そういう仲になったんだ。
殿下は気づいてくれてるかなぁ。
***
僕らは3人で街道を整えつつ、辺境へ向かった。
最初は苦労したけど、ちょっとずつ上手くなって今ではカーブしてる道も楽々だ。
「魔法上手くなってきた~!」
「だな、俺らこれで飯が食えるレベルだぜ」
護衛に付いてきた騎士団からも、魔法を使える人が交代で手伝いに出てくれた。
こういう街道を整えるって、戦う上でも大事なんだって。
確かに、躓いてこけて逃げ切れませんでしたって笑えないよな…。
よし、真面目にやろう。
「こんな充実した夏休み、初めてかも!」
「初めてって…大げさだなぁ」
「ううん、本当だよ。
僕がこんな風に人の役に立つ事ができるなんて、思ってなかったから」
「でも、今までだって慈善活動とかしてたんだろ?」
「この人と婚約するまではね」
僕は王子を見て、わざと意地悪く笑ってみせた。
だって、仕方ないでしょ?
夏のこの時期はシルウェストリス家の所有する街や村へ行ったり別荘へ行ったりしていた…
のは、子どもの時まで。
殿下と婚約してからは、王宮で厳しい王妃教育を受けながら各種のハラスメントに耐える期間に…。
「…王妃様になるんだからって言って、中等部に入った途端に長期休みは特訓期間になったんです。
殿下は『毎日俺に会いに来て、不快だ』とか言ってたけど」
僕は今まで我慢していた事を殿下に話した。
婚約者だった時には話せなかったのに、友だちになったら話せちゃうなんて不思議だなって思いながら。
「もう、長期休みになると蕁麻疹がでるくらい嫌でしたね」
「すまん…本当にすまん」
殿下が僕に謝る。
でも、今更どうしようもないし、僕はもう殿下の事を憎いとも思っていない。
って言うか、良く考えたら、周りの方がよっぽど酷かったんだよね。
僕もいい加減目が曇ってたんだな、って…。
「ふふっ、殿下の嫌味なんかむしろ可愛いもんですよ!
王妃様の何たるかを教えに来るほとんどの教師が、知識も嫌味も一流でらっしゃるから?
す~~~ぐ『オメガの貴方には難しいかもしれませんが』って言って、自分がアルファだって事を匂わせてご主張下さるんです。
しかもそこから『オメガには不要ですし、いっそ切り落としては?』って股間触って来たり」
「誰だその最低野郎は!!」
僕がそう言った途端、クレイドが怒った。
滅多に怒らないからか、とても怖い…。
僕はちょっと涙目になった。
…でも、そこには、本気で怒ってくれたのが嬉しかった涙も、ちょっと混じってた。
「…全員王都から追放しよう」
「うーん、でも、突然辞めて出てった人も結構いるから、王都にいるかどうか…あ~でも、知らずに雇っちゃう家があると困りますもんね」
後で全員の名前を書き出してお渡ししますよ、と僕が言うと、殿下は「頼む」と言った。
頭は下げなかった。友だちだからね。
それでこの話は終わり…の、はずだったんだけど、クレイドはまだ怒ってて…。
「…俺にも、そいつらの名前、教えろ。
二度とフェリスに近づかせないようにする」
「え…あ、あり…がと」
どうしよう、僕…
やっぱり、クレイドの事が、好きだ。
この前のお茶会でも、思ってたけど、僕…
「フェリス、これからそういう事があったら、俺に言え。
上級生だろうが教師だろうがぶっ潰す」
そう言って、かっこよく腕組みをして僕を見るクレイド。
「う、うん…」
どうしよう。
このひとは、パッセルを守るために騎士になろうとしてるのに。
僕のこと、守ってちゃだめなのに…。
とっても嬉しいのに、申し訳なくて。
目のやりどころに困って、ふと正面をみたら、殿下と目が合って…。
「…何、ニヤニヤしてるんですか」
「いやぁ~『早く相手を探せ』ってそういう事かぁ~と思って」
「なっ!!」
「はぁ~、俺も早く恋がしたいもんだ」
「だったら婚約を撤回してください!!」
殿下と僕はやいのやいの言い合いになる。
馬車の中の空気は一気に和らいで…
僕はあの時ぶりに、殿下に助けてもらったな…って、思った。
「パッセルに『辺境の様子を見に行ってくれ』って頼まれてさ…。
良かったら、一緒に、行かない?」
「うん、行く!!」
「結構距離あるけど、大丈夫か?」
「うん!…あ、今度の休みに、旅の用意をしに街へ行こうよ!」
「おう」
…って、あの時は完全に二人で旅行する気だったのにな…。
何でか殿下に知られちゃってて。
そんで「婚約者のいるオメガが他のアルファと旅行するのは外聞が悪い」って一緒に付いてくる事になっちゃって…。
んもう!
それを理由にして、ババーン!と婚約破棄しろってことじゃん!!
なんなのこの人。
何度も結婚しないって言ってるのに!
「はぁ…」
「どうした、フェリス?」
「いえ、何でも…。
出てきて3日程しか経ってないのに、もう道が悪いんだなって思って」
「うむ…確かに、でこぼこしているな」
辺境の地まで、馬車で20日以上かかるって聞いた。
さすが辺境ってのは遠いんだな…と思ってたけど、もう少し道が良くなったら早く行けたりしないのかな…
あっ!
「そう言えば、パッセルが街道を整える魔法を教えてくれた!」
「ああそっか!つまり俺たちで出来るとこまでやっといてくれって事か」
そうそう、夏休みに入る1週間前くらいにパッセルが熱心に教えてくれたんだよね。
「確か土を風魔法で耕して、大きめの石は弾き飛ばして、土魔法で平らに整形して、その後に水を撒いて、乾かして、土を固める…だったか?」
「そうですそうです…って、あの時いましたっけ?殿下」
「いるに決まっているだろう、大体いつもあの勉強会には参加しているぞ」
そりゃそうなんだけどさ。
他のオメガの子のとこへ行かせてばっかりいたから、聞いてないかと思ったんだ。
「ちゃんと勉強してたんですね…殿下」
「しているに決まっているだろう!
…お前にテストの結果で負けたのが悔しかったからな」
「ははは、そう簡単に首位は譲りませんよ?」
「むむ…次こそ勝つ!2学期末に勝負だ!」
ははは…って3人で笑う。
殿下とはすっかり「友だち」になった。
もう「恋人」にも「伴侶」にもなれない。
そういう仲になったんだ。
殿下は気づいてくれてるかなぁ。
***
僕らは3人で街道を整えつつ、辺境へ向かった。
最初は苦労したけど、ちょっとずつ上手くなって今ではカーブしてる道も楽々だ。
「魔法上手くなってきた~!」
「だな、俺らこれで飯が食えるレベルだぜ」
護衛に付いてきた騎士団からも、魔法を使える人が交代で手伝いに出てくれた。
こういう街道を整えるって、戦う上でも大事なんだって。
確かに、躓いてこけて逃げ切れませんでしたって笑えないよな…。
よし、真面目にやろう。
「こんな充実した夏休み、初めてかも!」
「初めてって…大げさだなぁ」
「ううん、本当だよ。
僕がこんな風に人の役に立つ事ができるなんて、思ってなかったから」
「でも、今までだって慈善活動とかしてたんだろ?」
「この人と婚約するまではね」
僕は王子を見て、わざと意地悪く笑ってみせた。
だって、仕方ないでしょ?
夏のこの時期はシルウェストリス家の所有する街や村へ行ったり別荘へ行ったりしていた…
のは、子どもの時まで。
殿下と婚約してからは、王宮で厳しい王妃教育を受けながら各種のハラスメントに耐える期間に…。
「…王妃様になるんだからって言って、中等部に入った途端に長期休みは特訓期間になったんです。
殿下は『毎日俺に会いに来て、不快だ』とか言ってたけど」
僕は今まで我慢していた事を殿下に話した。
婚約者だった時には話せなかったのに、友だちになったら話せちゃうなんて不思議だなって思いながら。
「もう、長期休みになると蕁麻疹がでるくらい嫌でしたね」
「すまん…本当にすまん」
殿下が僕に謝る。
でも、今更どうしようもないし、僕はもう殿下の事を憎いとも思っていない。
って言うか、良く考えたら、周りの方がよっぽど酷かったんだよね。
僕もいい加減目が曇ってたんだな、って…。
「ふふっ、殿下の嫌味なんかむしろ可愛いもんですよ!
王妃様の何たるかを教えに来るほとんどの教師が、知識も嫌味も一流でらっしゃるから?
す~~~ぐ『オメガの貴方には難しいかもしれませんが』って言って、自分がアルファだって事を匂わせてご主張下さるんです。
しかもそこから『オメガには不要ですし、いっそ切り落としては?』って股間触って来たり」
「誰だその最低野郎は!!」
僕がそう言った途端、クレイドが怒った。
滅多に怒らないからか、とても怖い…。
僕はちょっと涙目になった。
…でも、そこには、本気で怒ってくれたのが嬉しかった涙も、ちょっと混じってた。
「…全員王都から追放しよう」
「うーん、でも、突然辞めて出てった人も結構いるから、王都にいるかどうか…あ~でも、知らずに雇っちゃう家があると困りますもんね」
後で全員の名前を書き出してお渡ししますよ、と僕が言うと、殿下は「頼む」と言った。
頭は下げなかった。友だちだからね。
それでこの話は終わり…の、はずだったんだけど、クレイドはまだ怒ってて…。
「…俺にも、そいつらの名前、教えろ。
二度とフェリスに近づかせないようにする」
「え…あ、あり…がと」
どうしよう、僕…
やっぱり、クレイドの事が、好きだ。
この前のお茶会でも、思ってたけど、僕…
「フェリス、これからそういう事があったら、俺に言え。
上級生だろうが教師だろうがぶっ潰す」
そう言って、かっこよく腕組みをして僕を見るクレイド。
「う、うん…」
どうしよう。
このひとは、パッセルを守るために騎士になろうとしてるのに。
僕のこと、守ってちゃだめなのに…。
とっても嬉しいのに、申し訳なくて。
目のやりどころに困って、ふと正面をみたら、殿下と目が合って…。
「…何、ニヤニヤしてるんですか」
「いやぁ~『早く相手を探せ』ってそういう事かぁ~と思って」
「なっ!!」
「はぁ~、俺も早く恋がしたいもんだ」
「だったら婚約を撤回してください!!」
殿下と僕はやいのやいの言い合いになる。
馬車の中の空気は一気に和らいで…
僕はあの時ぶりに、殿下に助けてもらったな…って、思った。
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