175 / 214
恋人同士になる試練
20番目の祠 1
しおりを挟む
いつも通りに旅は進む。
付いてくる行商の人の列も随分長くなってきた…
いや、頼む台数は変わらないんだけど、勝手に付いてくるっていうか…
早く北の街へ行きたい人が多いんだ。
確かに北の街まで行けば、外周は一周まるまる浄化された道になる。
南・東・北・西の街を順番に巡るスタイルの行商が復活できるのだ…これはアツい。
「これで東と西と北の街と王都を繋ぐ道の浄化が終われば、本格的に行商が再開できます!」
「聖人様、どうかお願い致します!」
「はい、力の限り!」
そんな会話をしたりして行商人さんからの信仰を厚くしつつ、20番目の祠に到着した。
***
20番目の祠は、大変普通な外観をしていた。
ここでいう普通とは…円柱状の建物で、門があって、扉があって、扉から中に入れる物。
窓は無く、中に光が差し込まない設計だ。
多分、小説内で言うと「おっぱいの谷間に顔を埋める」アレにあたる祠だろう。
下らないけど「特筆すべき特徴が無い」祠の場所はそれで示唆してるんじゃないかな…きっと。多分。
「あとは中も普通かどうかだな…」
「前室の扉はどれでしょうスタイルのやつか?」
「そうそう、多分それが一番多いと思う」
【スカート】の次は【おっぱい】、という事はスタートした場所の次は普通の祠…
それでもどっちがスタート地点か絞りこめない。
「問題は中、だよな」
「今んとこ街以外の祠で一番多いのは、中で扉を選ぶタイプだな」
俺とトモアキはそんな会話を交わしつつ、みんなと一緒に入口の扉に立つ。
ミシェルが言う。
「それでは、20番目の祠に入る。
総員気を引き締めて臨もう」
「「はい」」
そうして、ミシェルが最初の扉を開ける。
いつも通り、リラさん・セレスさん・ハイドさん・セトさんの順に中へ…
それに続いて、ミシェル・俺・トモアキ・マルコさんが入る。
中へ入ると今回も灯りがほんのり灯る…
「暗闇では無いですね」
「良かった」
さあ、残り5つの最初の祠。
今回の仕掛けは…
「久々に、大広間に扉…だな」
「今回は7つか…6つは罠って事だな」
「幻惑系がいないといいですね」
「…あれは危険だ、知能が下がる」
「今度こそ完全に燃やしましょう!」
「頼んだぜセトさん」
そうだ、外周2番目の祠にまだいるはずの幻惑植物…
あれを何とかしないとな。
「北の街についたら、ちょっと足を伸ばして2番目の祠にもう一度行かなきゃ」
「そうですね、巡礼の旅が終った後には祠が信仰の場になりますから…」
「えっ」
「浄化の巡礼が無事終えられたと発表があってからだ。だから…間に合うと思う」
「いやいやいやいや」
やばいって。
そりゃこの国の人は決まりをちゃんと守る人ばかりだけど…
「北の街に着いたら、ミシェルと俺だけでもすぐに2番目の祠へ行かなきゃ」
「でもシゲがいないとイベント始められなくね?」
「そこはまあ…安全第一だし」
クリスチーヌさんに頼んで、遅らせてもらうように言ってもらおう。
「さて、どの扉から開ける?」
「右から順でいいだろう。
リラ、セト。頼むぞ」
「「了解」」
扉を開けて魔法を打ち込む作戦で、今回の祠攻略もスタートだ!
付いてくる行商の人の列も随分長くなってきた…
いや、頼む台数は変わらないんだけど、勝手に付いてくるっていうか…
早く北の街へ行きたい人が多いんだ。
確かに北の街まで行けば、外周は一周まるまる浄化された道になる。
南・東・北・西の街を順番に巡るスタイルの行商が復活できるのだ…これはアツい。
「これで東と西と北の街と王都を繋ぐ道の浄化が終われば、本格的に行商が再開できます!」
「聖人様、どうかお願い致します!」
「はい、力の限り!」
そんな会話をしたりして行商人さんからの信仰を厚くしつつ、20番目の祠に到着した。
***
20番目の祠は、大変普通な外観をしていた。
ここでいう普通とは…円柱状の建物で、門があって、扉があって、扉から中に入れる物。
窓は無く、中に光が差し込まない設計だ。
多分、小説内で言うと「おっぱいの谷間に顔を埋める」アレにあたる祠だろう。
下らないけど「特筆すべき特徴が無い」祠の場所はそれで示唆してるんじゃないかな…きっと。多分。
「あとは中も普通かどうかだな…」
「前室の扉はどれでしょうスタイルのやつか?」
「そうそう、多分それが一番多いと思う」
【スカート】の次は【おっぱい】、という事はスタートした場所の次は普通の祠…
それでもどっちがスタート地点か絞りこめない。
「問題は中、だよな」
「今んとこ街以外の祠で一番多いのは、中で扉を選ぶタイプだな」
俺とトモアキはそんな会話を交わしつつ、みんなと一緒に入口の扉に立つ。
ミシェルが言う。
「それでは、20番目の祠に入る。
総員気を引き締めて臨もう」
「「はい」」
そうして、ミシェルが最初の扉を開ける。
いつも通り、リラさん・セレスさん・ハイドさん・セトさんの順に中へ…
それに続いて、ミシェル・俺・トモアキ・マルコさんが入る。
中へ入ると今回も灯りがほんのり灯る…
「暗闇では無いですね」
「良かった」
さあ、残り5つの最初の祠。
今回の仕掛けは…
「久々に、大広間に扉…だな」
「今回は7つか…6つは罠って事だな」
「幻惑系がいないといいですね」
「…あれは危険だ、知能が下がる」
「今度こそ完全に燃やしましょう!」
「頼んだぜセトさん」
そうだ、外周2番目の祠にまだいるはずの幻惑植物…
あれを何とかしないとな。
「北の街についたら、ちょっと足を伸ばして2番目の祠にもう一度行かなきゃ」
「そうですね、巡礼の旅が終った後には祠が信仰の場になりますから…」
「えっ」
「浄化の巡礼が無事終えられたと発表があってからだ。だから…間に合うと思う」
「いやいやいやいや」
やばいって。
そりゃこの国の人は決まりをちゃんと守る人ばかりだけど…
「北の街に着いたら、ミシェルと俺だけでもすぐに2番目の祠へ行かなきゃ」
「でもシゲがいないとイベント始められなくね?」
「そこはまあ…安全第一だし」
クリスチーヌさんに頼んで、遅らせてもらうように言ってもらおう。
「さて、どの扉から開ける?」
「右から順でいいだろう。
リラ、セト。頼むぞ」
「「了解」」
扉を開けて魔法を打ち込む作戦で、今回の祠攻略もスタートだ!
12
お気に入りに追加
401
あなたにおすすめの小説

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

え?聖女って、女性がなるものだよね? ~期間限定異世界救済プロジェクト~
月夜野レオン
ファンタジー
俺、高校2年空手部のエース。ベランダでスイカにかぶりついてたのに、突然目の前にギリシャ風の衣装の男性が三人。
は?俺が聖女?なんすかそれ。どうせなら勇者とかで召喚してくれよ。
せめて聖女じゃなくて聖者にしようよ。え?これは譲れないって?なんでさ!?
とにもかくにもこの帝国を救わないとなんだが、スキルが特殊過ぎて目が点。
期限付きで異世界救済を始めます。行けんの?これ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる