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恋人同士になる試練
祠の数の謎
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14番目の祠も無事に終わってプチ祝勝会。
とは言っても大人はワインを飲んで、俺とトモアキはお茶。
あの時の愚行を繰り返してはいけない。
「残り10の祠での無事を祈って!」
「かんぱーい!」
…残り10。
本当に10なのか、俺にはもう分からない。
***
食事の後は寝るだけだ。
今日の後片付けはセトさんとリラさんがしてくれるという事で、俺は部屋に戻って地図を広げた。
「うーん…他に数字が分かれば、まだ考え方が変わるのかな」
3、12、24。
やっぱり3からいきなり12になるのが変だと思うんだけど…。
「地図で見る限りは、全部規則的に並んでるんだよな…」
「どうしたシゲ?」
「あ、トモ!…いや、何でもない!」
いつの間にか部屋に戻っていたトモアキに話しかけられて、俺は慌てて地図とメモを隠した。
だけどトモアキには隠しきれなかった。
「ああ、もしかして祠の事?
数がおかしいんじゃないかって、俺もちょっと思ってた」
「えっ」
「3の次が12って、そこだろ?」
「う、うん、そう」
そうなんだよな…と頷くトモアキ。
もしかして、ラブラヴ神様を不完全だって最初に見抜いたトモアキには、何か見えてる…?
「トモは、どう思う?」
「何となくでいいんなら、だけど…
最初が6、だと思う」
「何で?」
「シゲの光の力だよ」
そして、トモアキは手帳を取り出して、最初のほうのページを開いた。
______________
・レベル1…半径5mを浄化
・レベル2…半径10mを浄化
・レベル3…半径20mを浄化
・レベル4…半径40mを浄化
・レベル5…半径80mを浄化
______________
「光の力は、レベルが1上がるごとに範囲が2倍になる。
ってことは、最初の祠の数が6なら、祠も2倍ずつ増えるんだなって納得できる…どう?」
「でも、それなら5mって…」
最初が5で、10で、20で…
祠の数と全然違う数字になっちゃう。
だけどトモアキが言う。
「俺、思うんだけど、そもそも異世界なのにメートル法が通じる理由を考えたら、初代に近い聖女だか聖人だかが地球のメートル法を採用してる国から持ち込んだって考える方が自然だろ?
そもそもラブラヴ神様は別の単位で考えてたかもしれないし」
「うーん…確かに」
そもそも、この話は神様知識に無かった。
レベルがある事と、レベルは99で打ち止めになる事しか教えて貰ってない。
「その聖者様の1mと、ラブラヴ神様の1ナントカが同じ長さっていう保障、無くない?」
「…あ」
地球にだってヤード・ポンド法に尺貫法…
長さの単位も重さの単位も、国や地域で違ったり、時代で変わったり…。
そうか、だったら5m=6ナントカって事も有り得る!
「そっか、それなら光の力の数字と祠の数がリンクする…!」
「そう、そしたらそこに何かの意志を感じる気もするだろ?」
「そうだな、さすがトモ…!」
それに、6なら3の2倍、つまり王都近辺の3つの祠の間に一つずつあるとすれば、規則性を持ったまま存在を消すことも可能だ。
俄然「6つ説」が濃厚になってきた…
俺の中でだけど!
「それとさ、俺ずっと気になってんの。
王都の泉…俺ら1個しか行ってないけど、あんだけデカい街で泉1個って少なくね?
王都の祠と同じくらいの距離のとこにあるだろ」
「…地図には、王都の泉の位置は載ってないけど…同じくらいの時間、馬車で走った気がするな」
「だろ」
「泉…地下水が染み出してるとこ…あっ!?」
「うん?どうしたシゲ」
「地下水、遡ったら地中!」
「おう」
「光の力を遡らせる、すごい光の力で、ギューンって、それで地下を浄化する!!」
「お、おう」
そうだ、地下水脈!
井戸をあんなに浄化してるのに、何で気づかなかったんだろ…!
「祠の次は王都で泉探しだな」
「泉なら地図にも載ってそうなもんだけど…」
「うーん、でもこの地図には載ってないよ」
「そうなん?
じゃあ次の街で、王都周辺の詳しい地図とか探してみるか」
西の街に着けばまた地図を売ってる店もあるだろう。
もし無かったら、王都に戻って探せばいい。
クリスチーヌさんが言ってた「街道の浄化」もしなきゃならないし、すぐに旅に出る事になりそうだけど…
「けど、これが確実かどうか知らないぜ?
王都と内周の間に6つの祠が埋まってる可能性も同じくらいあるんだからな」
「…ああ、確かに…うん」
「3・6・12・24で2倍ずつ刻みだろ」
「……だよなぁ……」
いや、3ならまだしも、6…6かぁ。
それは…俺も、考えなくは無かったけど…
いや、考えたくも無いっていうか…
多すぎない?
とは言っても大人はワインを飲んで、俺とトモアキはお茶。
あの時の愚行を繰り返してはいけない。
「残り10の祠での無事を祈って!」
「かんぱーい!」
…残り10。
本当に10なのか、俺にはもう分からない。
***
食事の後は寝るだけだ。
今日の後片付けはセトさんとリラさんがしてくれるという事で、俺は部屋に戻って地図を広げた。
「うーん…他に数字が分かれば、まだ考え方が変わるのかな」
3、12、24。
やっぱり3からいきなり12になるのが変だと思うんだけど…。
「地図で見る限りは、全部規則的に並んでるんだよな…」
「どうしたシゲ?」
「あ、トモ!…いや、何でもない!」
いつの間にか部屋に戻っていたトモアキに話しかけられて、俺は慌てて地図とメモを隠した。
だけどトモアキには隠しきれなかった。
「ああ、もしかして祠の事?
数がおかしいんじゃないかって、俺もちょっと思ってた」
「えっ」
「3の次が12って、そこだろ?」
「う、うん、そう」
そうなんだよな…と頷くトモアキ。
もしかして、ラブラヴ神様を不完全だって最初に見抜いたトモアキには、何か見えてる…?
「トモは、どう思う?」
「何となくでいいんなら、だけど…
最初が6、だと思う」
「何で?」
「シゲの光の力だよ」
そして、トモアキは手帳を取り出して、最初のほうのページを開いた。
______________
・レベル1…半径5mを浄化
・レベル2…半径10mを浄化
・レベル3…半径20mを浄化
・レベル4…半径40mを浄化
・レベル5…半径80mを浄化
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「光の力は、レベルが1上がるごとに範囲が2倍になる。
ってことは、最初の祠の数が6なら、祠も2倍ずつ増えるんだなって納得できる…どう?」
「でも、それなら5mって…」
最初が5で、10で、20で…
祠の数と全然違う数字になっちゃう。
だけどトモアキが言う。
「俺、思うんだけど、そもそも異世界なのにメートル法が通じる理由を考えたら、初代に近い聖女だか聖人だかが地球のメートル法を採用してる国から持ち込んだって考える方が自然だろ?
そもそもラブラヴ神様は別の単位で考えてたかもしれないし」
「うーん…確かに」
そもそも、この話は神様知識に無かった。
レベルがある事と、レベルは99で打ち止めになる事しか教えて貰ってない。
「その聖者様の1mと、ラブラヴ神様の1ナントカが同じ長さっていう保障、無くない?」
「…あ」
地球にだってヤード・ポンド法に尺貫法…
長さの単位も重さの単位も、国や地域で違ったり、時代で変わったり…。
そうか、だったら5m=6ナントカって事も有り得る!
「そっか、それなら光の力の数字と祠の数がリンクする…!」
「そう、そしたらそこに何かの意志を感じる気もするだろ?」
「そうだな、さすがトモ…!」
それに、6なら3の2倍、つまり王都近辺の3つの祠の間に一つずつあるとすれば、規則性を持ったまま存在を消すことも可能だ。
俄然「6つ説」が濃厚になってきた…
俺の中でだけど!
「それとさ、俺ずっと気になってんの。
王都の泉…俺ら1個しか行ってないけど、あんだけデカい街で泉1個って少なくね?
王都の祠と同じくらいの距離のとこにあるだろ」
「…地図には、王都の泉の位置は載ってないけど…同じくらいの時間、馬車で走った気がするな」
「だろ」
「泉…地下水が染み出してるとこ…あっ!?」
「うん?どうしたシゲ」
「地下水、遡ったら地中!」
「おう」
「光の力を遡らせる、すごい光の力で、ギューンって、それで地下を浄化する!!」
「お、おう」
そうだ、地下水脈!
井戸をあんなに浄化してるのに、何で気づかなかったんだろ…!
「祠の次は王都で泉探しだな」
「泉なら地図にも載ってそうなもんだけど…」
「うーん、でもこの地図には載ってないよ」
「そうなん?
じゃあ次の街で、王都周辺の詳しい地図とか探してみるか」
西の街に着けばまた地図を売ってる店もあるだろう。
もし無かったら、王都に戻って探せばいい。
クリスチーヌさんが言ってた「街道の浄化」もしなきゃならないし、すぐに旅に出る事になりそうだけど…
「けど、これが確実かどうか知らないぜ?
王都と内周の間に6つの祠が埋まってる可能性も同じくらいあるんだからな」
「…ああ、確かに…うん」
「3・6・12・24で2倍ずつ刻みだろ」
「……だよなぁ……」
いや、3ならまだしも、6…6かぁ。
それは…俺も、考えなくは無かったけど…
いや、考えたくも無いっていうか…
多すぎない?
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