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聖人様になる旅路
内周最後の祠攻略 1
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早朝宿を出て祠へと続く道の入り口に立つ。
クリスチーヌさんがお見送りに来てくれて、お昼のお弁当を渡してくれる。
「行ってらっしゃいませ、カラタニ様、マキタ様。
聖騎士団の皆様、お二人をしっかりお守りくださいまし…頼みましたよ」
「かしこまりました」
内周最後だからか、挨拶が感慨深く感じる。
最後、気を引き締めていかないとな!
「じゃあ行ってくるね、クリスチーヌさん」
「宴会の準備、よろしくね!」
そう言って俺とトモアキは、騎士団のみんなに続いて森の中へ…
入って、3分。
「もう出るじゃん」
「数が半端ねえな」
「デカいのも小さいのも…うええ」
大小の巨大イモムシ。
乳幼児サイズから高校生サイズまでイモムシ。
木からプラーン…びっしり。
俺は小さな声でリラさんに聞く。
「これそっと通り抜けるとか無理ですよね?」
「ええ…さすがにちょっと、これは…
細い糸が張り巡らされていますし、厳しいかと」
こういう時はミシェルの風魔法…
と思うんだけど、朝からミシェルの目が妙にギンギンになっているので言いづらい。
すまん…なんかすまん。
そんなミシェルは努めて冷静にリラさんに言う。
「遠視で迂回ルートを探せるか?」
「ああ、やってみる」
「総員、戦闘準備。
リラの魔法に反応して奴らが襲いかかって来ることを想定して動け」
「はい」
確かに罠っぽい。
気をつけるに越したことは…
その時。
イモムシたちの目が一斉に…
「風よ我の前に刃となって途を切り開け!」
「今だ走れ!」
「分かった!」
光った瞬間ミシェルが魔法を唱え、イモムシたちや糸を切り裂く。
その魔法で出来た合間を俺たちは走る。
それを繰り返してとにかく全速力!!
「風よ我の前に刃となって途を切り開け!」
「走れ!」
マルコさんが叫ぶ。
「ミシェル!あと何回やれる」
「2~3回といったところだ!」
ハイドさんが叫ぶ。
「団長、しばらく温存を!みんな伏せろ!」
俺はとにかく伏せる。
ハイドさんはミシェルに斬り飛ばされたらしい大きな枝を持ちあげると、それを思い切り前へ投げる。
枝は凄い勢いで回転しながら飛んでいき、イモムシたちを吹っ飛ばして…
キャシキャシキャシキャシキャシ…
ん?
何か、足元…に…
「ぎゃぁああああ!!」
「シゲっ!!」
…あとはお決まりのアレ。
***
俺は前回同様、トモアキのおんぶにより祠まで搬送される。
「だってぇ!イモムシの模様が人の顔でニチャァ…って嗤ったんだもん…
この!この距離で!ニチャァ…って!」
「ふーむ、つまり今回は恐怖って感情が爆発したってことだな」
「うん…そう」
だって、伏せた俺の周りにいっぱい内蔵ぶち撒けたイモムシがいて、そいつらの模様がまるでホラー映画に出て来そうな顔で、その模様が…
やばい、トモアキに話してたらまた怖くなってきた。
「う~~っ」
ぷるぷると体が震える。
トモアキが俺の頭をわしわし撫でる。
セレスさんがトモアキに尋ねる。
「マキタ様、それは何か光の力と関係ある事なのですか?」
「うん、爆発させる感情が違うと、暴走した光の力の効果に差が出るのかどうか調べてるんだ」
「なるほど…」
ミシェルは相変わらずこっちを見ない。
見ると嫉妬するから見ない事にしたそうだ。
なるほど、一理…ある?
「さて、そろそろ祠に着きそうかな…」
「毎度思うんだけど、神様知識ってすげー正確だよな。
まあ神様だからって言っちゃえばそうなんだけどさ」
「今度お礼でもする?」
「そうだな…お供えとかどうすればいいかクリスチーヌさんに聞いてみようぜ」
最初の村へ戻れたら、みんなでお礼を言うのもいいかもな。
一応全員ラブラヴ神様の信者だろうし…
「トモ、俺そろそろミシェルのとこ行くわ」
「おう、行ってこい…頑張れよ!」
「おう!」
まずは目の前の祠が大事。
頑張っていこー!
クリスチーヌさんがお見送りに来てくれて、お昼のお弁当を渡してくれる。
「行ってらっしゃいませ、カラタニ様、マキタ様。
聖騎士団の皆様、お二人をしっかりお守りくださいまし…頼みましたよ」
「かしこまりました」
内周最後だからか、挨拶が感慨深く感じる。
最後、気を引き締めていかないとな!
「じゃあ行ってくるね、クリスチーヌさん」
「宴会の準備、よろしくね!」
そう言って俺とトモアキは、騎士団のみんなに続いて森の中へ…
入って、3分。
「もう出るじゃん」
「数が半端ねえな」
「デカいのも小さいのも…うええ」
大小の巨大イモムシ。
乳幼児サイズから高校生サイズまでイモムシ。
木からプラーン…びっしり。
俺は小さな声でリラさんに聞く。
「これそっと通り抜けるとか無理ですよね?」
「ええ…さすがにちょっと、これは…
細い糸が張り巡らされていますし、厳しいかと」
こういう時はミシェルの風魔法…
と思うんだけど、朝からミシェルの目が妙にギンギンになっているので言いづらい。
すまん…なんかすまん。
そんなミシェルは努めて冷静にリラさんに言う。
「遠視で迂回ルートを探せるか?」
「ああ、やってみる」
「総員、戦闘準備。
リラの魔法に反応して奴らが襲いかかって来ることを想定して動け」
「はい」
確かに罠っぽい。
気をつけるに越したことは…
その時。
イモムシたちの目が一斉に…
「風よ我の前に刃となって途を切り開け!」
「今だ走れ!」
「分かった!」
光った瞬間ミシェルが魔法を唱え、イモムシたちや糸を切り裂く。
その魔法で出来た合間を俺たちは走る。
それを繰り返してとにかく全速力!!
「風よ我の前に刃となって途を切り開け!」
「走れ!」
マルコさんが叫ぶ。
「ミシェル!あと何回やれる」
「2~3回といったところだ!」
ハイドさんが叫ぶ。
「団長、しばらく温存を!みんな伏せろ!」
俺はとにかく伏せる。
ハイドさんはミシェルに斬り飛ばされたらしい大きな枝を持ちあげると、それを思い切り前へ投げる。
枝は凄い勢いで回転しながら飛んでいき、イモムシたちを吹っ飛ばして…
キャシキャシキャシキャシキャシ…
ん?
何か、足元…に…
「ぎゃぁああああ!!」
「シゲっ!!」
…あとはお決まりのアレ。
***
俺は前回同様、トモアキのおんぶにより祠まで搬送される。
「だってぇ!イモムシの模様が人の顔でニチャァ…って嗤ったんだもん…
この!この距離で!ニチャァ…って!」
「ふーむ、つまり今回は恐怖って感情が爆発したってことだな」
「うん…そう」
だって、伏せた俺の周りにいっぱい内蔵ぶち撒けたイモムシがいて、そいつらの模様がまるでホラー映画に出て来そうな顔で、その模様が…
やばい、トモアキに話してたらまた怖くなってきた。
「う~~っ」
ぷるぷると体が震える。
トモアキが俺の頭をわしわし撫でる。
セレスさんがトモアキに尋ねる。
「マキタ様、それは何か光の力と関係ある事なのですか?」
「うん、爆発させる感情が違うと、暴走した光の力の効果に差が出るのかどうか調べてるんだ」
「なるほど…」
ミシェルは相変わらずこっちを見ない。
見ると嫉妬するから見ない事にしたそうだ。
なるほど、一理…ある?
「さて、そろそろ祠に着きそうかな…」
「毎度思うんだけど、神様知識ってすげー正確だよな。
まあ神様だからって言っちゃえばそうなんだけどさ」
「今度お礼でもする?」
「そうだな…お供えとかどうすればいいかクリスチーヌさんに聞いてみようぜ」
最初の村へ戻れたら、みんなでお礼を言うのもいいかもな。
一応全員ラブラヴ神様の信者だろうし…
「トモ、俺そろそろミシェルのとこ行くわ」
「おう、行ってこい…頑張れよ!」
「おう!」
まずは目の前の祠が大事。
頑張っていこー!
応援ありがとうございます!
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