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聖人様になる旅路
神の無茶ぶり
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少々濃い目の夢から覚めると、そこはお宿のベッドの上だった。
先に目を覚ましたらしいミシェルが朝食を持って来てくれたので、部屋で食べながら夢の話をした。
「神様が、次の祠もミシェルと儀式やれって」
「本当ですか!?」
「う、うん…」
そんな話をしたものだから、ミシェルは朝からご機嫌だ。
そして俺はちょっと憂鬱…
だって、昨日の話を総合すると、祠の中でしてる事を全部神様に見られてるって事じゃん?
しかも地球の神様に。
無理だよ~。
神様はいつもあなたを見守っています…にも限度があるじゃんか。
無理だよ~~。
だってそういうのは秘密にしとくもんじゃん?
ミシェルに告白されたのも大々的にバレてるし、キスしたのもトモアキにバレちゃうし。
無理だよ~~~。
俺は慎み深いタイプなんだってば。
そりゃ大きい風呂にはテンション上がるし、もちろん裸で入るし、湯舟にタオル漬けちゃ駄目ってルールは守るけど、人に裸見せたいタイプじゃないし、そ、それに、最終的に、せ、せ、せせせせせ…
無理だよ~~~~~~~!
「はあ…」
それと、あともう一個問題があるんだよ。
こっちもまあまあ大事な事なんだけどさ…
「シゲル、どうした?食欲ない?」
「ん…いや、ちょっと…考え事」
「はい、あーーーん」
「…あーん」
上機嫌で俺にスープ食わしてくるミシェル。
浮かれすぎじゃない?
俺、キスは気持ち悪くなかったって言っただけだぞ。
「美味しい?」
「…うん、美味しい」
「本当?じゃあもう一口、あーーん」
「…あーん」
スープが終ったと思ったら今度はパン。
仕方ないからパクリ…
「あっ、指が唇にあたっちゃった!」
「…そうですね」
「ふふ、これ、間接キスになるのかな」
「ちょ、ミシェルってば、もう!!」
自分の指をチュッチュするトラネキサム王国最強聖騎士団長…
これはあかん。
皆様が持ってるミシェルへのイメージが崩壊する。
「どうしたもんかね…」
「じゃあ直接キスしても?」
「……話の前後が繋がらなさすぎない?」
何をそこまで浮かれてるんだよ…。
はあ、もう…仕方ない…。
これで元に戻るんなら安いもんだ。
この状態じゃ話が進められないもんな。
うん。
「…………軽くなら」
……その後、俺の言葉に顔面まで崩壊したミシェルに顔中キスされまくり、俺は「選択を間違ったかな…」と軽く後悔した。
***
「…というわけで、ラジオ体操じゃない「息を合わせた行動」を新しく考えたほうが良いと思って」
「なるほど…」
夢でラブラヴ神様が言ってた「大事な話」。
とにかくラブみが必要だから、ラジオ体操でも良いけどラブいラジオ体操にして欲しいんだって。
ラブいラジオ体操って何?
意味わからんすぎるでしょ。
という事で、別のものに置き換える方がまだましだと思うんだけど…何も思いつかないんだよね。
だからミシェルにも考えてもらおうと思って。
俺は神様の要望をとりあえずミシェルに伝える。
「その行動を考えるにあたってなんだけど」
「ふむ」
「ラブみのあるやつにして欲しいんだって」
「……ラブみ……?」
「えっと、こう…恋愛に繋がりそうな感じ?みたいな事かなと思うんだけど。
ミシェル、何かいい考え…無い?」
「ふむ………………」
そういうとミシェルはじっと考え込んで…
考え込んで…
考え込んで…
そして、俺が最も恐れていた答えを出した。
「……ダンス、が、よい…のでは」
「ふぐっ!」
俺はすぐさま反論した。
「俺、踊れないよ」
するとミシェルが食い気味に言った。
「大丈夫だ、簡単なステップを教えるから、後は私に身を任せてくれ」
「えっ…?」
もしかして、ミシェルの言うダンスって…
「社交ダンスみたいな事……?」
「社交ダンス…が何かは分からないが、2人で肩や腰に触れ合った状態を保ちつつ一緒に踊るのだ」
それ社交ダンスじゃん!
試練は二日後だよ?
三か月でも無謀だってば!!
引きつる俺に、ミシェルが言った。
「次の試練では55分間、その「息を合わせた行動」をするのだろう?」
「うん」
「つまりシゲルの体力の事も考えると、緩やかで、動きの少ないダンスが良い!だろう?」
「う、うん」
「ではそれしかないなのだ。
シゲルまかせるわたし、だいじょうぶ」
「……ミシェル?」
なんで急にカタコトなの?
なんか緊張するような事あるのか…
あ、もしかして儀式が成立するか気にしてるとか?
それなら一理あるな。
「あのさ、事前にこれで良いか神様に聞いてみておくから、ちょっとやってみてもらっていい?」
「ふぬ!?い、いまか」
「うん、今」
「で、では、シゲルも立ってくれるか」
「うん、分かった」
そんなこんなで、ミシェルが俺に教えてくれたダンスとは…。
先に目を覚ましたらしいミシェルが朝食を持って来てくれたので、部屋で食べながら夢の話をした。
「神様が、次の祠もミシェルと儀式やれって」
「本当ですか!?」
「う、うん…」
そんな話をしたものだから、ミシェルは朝からご機嫌だ。
そして俺はちょっと憂鬱…
だって、昨日の話を総合すると、祠の中でしてる事を全部神様に見られてるって事じゃん?
しかも地球の神様に。
無理だよ~。
神様はいつもあなたを見守っています…にも限度があるじゃんか。
無理だよ~~。
だってそういうのは秘密にしとくもんじゃん?
ミシェルに告白されたのも大々的にバレてるし、キスしたのもトモアキにバレちゃうし。
無理だよ~~~。
俺は慎み深いタイプなんだってば。
そりゃ大きい風呂にはテンション上がるし、もちろん裸で入るし、湯舟にタオル漬けちゃ駄目ってルールは守るけど、人に裸見せたいタイプじゃないし、そ、それに、最終的に、せ、せ、せせせせせ…
無理だよ~~~~~~~!
「はあ…」
それと、あともう一個問題があるんだよ。
こっちもまあまあ大事な事なんだけどさ…
「シゲル、どうした?食欲ない?」
「ん…いや、ちょっと…考え事」
「はい、あーーーん」
「…あーん」
上機嫌で俺にスープ食わしてくるミシェル。
浮かれすぎじゃない?
俺、キスは気持ち悪くなかったって言っただけだぞ。
「美味しい?」
「…うん、美味しい」
「本当?じゃあもう一口、あーーん」
「…あーん」
スープが終ったと思ったら今度はパン。
仕方ないからパクリ…
「あっ、指が唇にあたっちゃった!」
「…そうですね」
「ふふ、これ、間接キスになるのかな」
「ちょ、ミシェルってば、もう!!」
自分の指をチュッチュするトラネキサム王国最強聖騎士団長…
これはあかん。
皆様が持ってるミシェルへのイメージが崩壊する。
「どうしたもんかね…」
「じゃあ直接キスしても?」
「……話の前後が繋がらなさすぎない?」
何をそこまで浮かれてるんだよ…。
はあ、もう…仕方ない…。
これで元に戻るんなら安いもんだ。
この状態じゃ話が進められないもんな。
うん。
「…………軽くなら」
……その後、俺の言葉に顔面まで崩壊したミシェルに顔中キスされまくり、俺は「選択を間違ったかな…」と軽く後悔した。
***
「…というわけで、ラジオ体操じゃない「息を合わせた行動」を新しく考えたほうが良いと思って」
「なるほど…」
夢でラブラヴ神様が言ってた「大事な話」。
とにかくラブみが必要だから、ラジオ体操でも良いけどラブいラジオ体操にして欲しいんだって。
ラブいラジオ体操って何?
意味わからんすぎるでしょ。
という事で、別のものに置き換える方がまだましだと思うんだけど…何も思いつかないんだよね。
だからミシェルにも考えてもらおうと思って。
俺は神様の要望をとりあえずミシェルに伝える。
「その行動を考えるにあたってなんだけど」
「ふむ」
「ラブみのあるやつにして欲しいんだって」
「……ラブみ……?」
「えっと、こう…恋愛に繋がりそうな感じ?みたいな事かなと思うんだけど。
ミシェル、何かいい考え…無い?」
「ふむ………………」
そういうとミシェルはじっと考え込んで…
考え込んで…
考え込んで…
そして、俺が最も恐れていた答えを出した。
「……ダンス、が、よい…のでは」
「ふぐっ!」
俺はすぐさま反論した。
「俺、踊れないよ」
するとミシェルが食い気味に言った。
「大丈夫だ、簡単なステップを教えるから、後は私に身を任せてくれ」
「えっ…?」
もしかして、ミシェルの言うダンスって…
「社交ダンスみたいな事……?」
「社交ダンス…が何かは分からないが、2人で肩や腰に触れ合った状態を保ちつつ一緒に踊るのだ」
それ社交ダンスじゃん!
試練は二日後だよ?
三か月でも無謀だってば!!
引きつる俺に、ミシェルが言った。
「次の試練では55分間、その「息を合わせた行動」をするのだろう?」
「うん」
「つまりシゲルの体力の事も考えると、緩やかで、動きの少ないダンスが良い!だろう?」
「う、うん」
「ではそれしかないなのだ。
シゲルまかせるわたし、だいじょうぶ」
「……ミシェル?」
なんで急にカタコトなの?
なんか緊張するような事あるのか…
あ、もしかして儀式が成立するか気にしてるとか?
それなら一理あるな。
「あのさ、事前にこれで良いか神様に聞いてみておくから、ちょっとやってみてもらっていい?」
「ふぬ!?い、いまか」
「うん、今」
「で、では、シゲルも立ってくれるか」
「うん、分かった」
そんなこんなで、ミシェルが俺に教えてくれたダンスとは…。
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