【完結】スパダリを目指していたらスパダリに食われた話

紫蘇

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メリー、クリスマス!

サンタコスか、トナカイコスか 1

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明日は政景さんと付き合い始めて初めてのクリスマス・イブ。

…だというのに、12月に入ったあたりから、政景さんはスマホを眺める時間が増えた。
画面を見てはボンヤリし、また画面を見てはボンヤリし…を繰り返しているのだ。

浮気の兆候でないことは分かってる。

きっと良からぬプレイを企んでいるに違いない。
だって独り言でブツブツ言ってる。

「サンタさんをトナカイが…
 トナカイさんをサンタが…」

政景さんは時々…いや、常々変態だ。

特に性的な意味でのコスチュームプレイには余念がなく、メイド服、チャイナ服、ナース服、学ランにセーラー服にブレザー、そして…スクール水着。

捕まらないのか不安になるレベルだ。
そして今日も俺をチラチラ見ながら言う。

「明日はクリスマス・イブだね、陽向」
「うん、プレゼント、楽しみにしててね」
「ああ」
「ケーキも一緒に焼こうね」
「ああ」

んもう…心ここにあらずなんだから。
明日はどうなることやら…。

***

早めの昼ご飯の後、一緒にケーキを焼いて、一緒に買い物に行って…夕方。

「メリークリスマス、陽向」
「メリークリスマス、政景さん」

シャンパンの入ったグラスを軽くぶつけ合い、乾杯してからクリスマス・ディナーを食べる。
毎年ファ○チキだった俺だけど、今年は何と手巻き寿司だ。

「手巻き寿司なんて久しぶりだ~!」
「ふふ、美味しい?」
「おいしいです!」

玉子焼きと酢飯は政景さんが作って、俺はキュウリとカイワレを切って盛り付けただけだけど…
美味しい!

「お吸い物も美味しい!」
「ふふ、茶わん蒸しもあるよ」
「えっ、いつの間に…!?」
「お吸い物でお出汁取ったついでにね」

そう言って政景さんはニコニコ笑う。
やっぱりスパダリはスパダリなんだな…料理は上手いし、そつがない。

「お正月は実家に帰るの?」
「いや、正月は混むので…いつも2月か3月に帰るんです」
「そうなの?じゃあ御節も作らないとね」
「そういえば、政景さんの実家はどんなお雑煮なんですか?」
「ああ、うちはね…」

…と、そんな話をしながら食事をし、時間は流れ…クリスマス特番の途中で、政景さんが言った。

「陽向、お風呂に入っておいで」
「……うん」

…ついに来た。
お風呂上がりに用意されているのはサンタコスなのか、はたまたトナカイコスなのか…。

「大丈夫、どっちのコスでも、する事は同じ…」

俺は緊張しながら、風呂場へと向かった。
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