【完結】スパダリを目指していたらスパダリに食われた話

紫蘇

文字の大きさ
上 下
12 / 32
受視点

スパダリと躾 ※

しおりを挟む
何でこんなことしてんだろ。

「そう、上手…飲み込みが早いね、ひなた」
「んっ…んっ…」
「そう、歯を当てないように…舌で転がすように」

俺、なんで課長のアレを咥えてんだろ。
何でこうなったんだろ。
俺、さっきまで片付けしてたはずで…

「こら、ひなた、他の事考えないの。
 相手を気持ち良くすることだけ考えなさい」
「ん…んう…」

わかんない、でも…
身体が熱くて、もう、こうするしかないと思って。
それに、課長のコレ、するの…きもちいい。

「ん…んっ…」
「喉の奥へ入れる練習も、そのうちしようね?」
「ん…っ…」

課長の言葉にいちいちゾクゾクする。
あまくて、脳が揺れるような声…
言うことをきかされたくなる、声…

「ひなた、もうすぐ出るよ…、いい?」
「…、ん、んん、っ!」

課長の、蜜、とやらが、口に放たれる。
思わず吐き出しそうになる、でも…

「零さないように、お口を開けてみて?」
「んっ…んんー…っ」

零すな、って、いうから。
我慢しなきゃ…

「ああ…いいね、ふふ…もうごっくんして良いよ」
「んぐ、ん、っ、っ」

無理矢理、飲み込む。
苦い…し、独特の匂い…だし、美味しくない。

「まさかげさんの、うそつき」
「何が?」
「おいしくない…」
「ふふ、でも飲んでくれたんだね」
「だって、の……!」

……また。
……まただ。

猛禽類の顔。

あの目で見つめられると、俺…

「…着替えなさい、陽向」
「ま、さかげ、さ、」
「それとも裸で連れ回されたいかい?」
「や、やです…!」

俺はその辺にあった服に着換えた。
ましなシャツ、ましなパンツ、ましなズボン…
脱ぐのも、着るのも、すぐそこで観察される。

緊張の中、着替え終わった俺に、課長が言う。

「じゃあ、行こうか」
「は、い」

俺は課長に腰を抱かれ、玄関を出る。
鍵をかけて、ズボンのポケットに…

「あっ!」

入れようとしたところを、課長に奪われる。

「この鍵は預かっておくよ。
 あの人形を処分するのに必要だからね」
「えっ、そんな、」

横暴な…と、言おうとしたけど、課長の顔には冷ややかな笑みが貼り付いてて。

「何か文句があるかい?」
「…ない、です…」

俺がそう言うと、課長は満面の笑みになる。
逆らえない…、そんな笑顔を浮かべる。

課長の本性はスパダリなんかじゃなくて…
ご主人様、だったのかも、しれない。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。

「じゃあ、別れるか」

万年青二三歳
BL
 三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。  期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。  ケンカップル好きへ捧げます。  ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。

処理中です...