132 / 134
おまけのエピソード
☆先生の「忘れた」過去
しおりを挟む
ユーゴと2回目のセックスをした後、先生は考えた。
「キスした後のユーゴ…変だったな」
軽くキスしただけだった。
なのにあんなに性的な興奮を覚えるなんて…
「…思い返してみたら、今までもそうだなぁ」
ちょっとキスしただけで、相手がすっかりその気になって…流されるようにセックスするのは、変だよなぁ。
酒場で、ちょっと好みの男に声をかけて…キスして、盛り上がって、挿れたり挿れられたりするのは、まだいいとして。
おふざけでキスしてきた女が、すっかりその気になってしまったり…
「あれはまずかったなあ…挿れてないから出来てないとは思うんだけど…」
王都の別宅へ「息子に手を出すな」と怒鳴り込んできたユーゴの父親に、押し倒されて無理矢理キスされて…そのまま抱かれたり。
「親子丼か…。まずいよなぁ」
ユーゴの父親は、その後何度も訪ねてきて、その度に体を重ねているのだが…。
「息子の代わりをしてやるからあの子に手を出すな」なんて理由だとしても…さすがに息子にバレたらまずいだろう。
ついでに言うと、息子より断然上手い。
比べちゃいけないことを比べてみてから、先生は自分の指を舐めてみる。
「…何も起きないけどなぁ」
でも、何かありそうなんだよな…
自分のキスに何か秘密が…
「動物実験?」
さすがに獣姦はしたことないな…
と独り言を言う。
どっちにしろ、自分の屋敷に戻って調べてみたほうが良さそうだと心にメモる。
ユーゴが知ったら確実に発狂するだろう遍歴。
知らぬが花…まあ、自分の父親との事以外は、もう薄々気がついているだろう。
「それでも好きだとしたら…強いよなぁ」
だからこそ、自分とは遊びのほうがいいだろう。
真っ直ぐでまっさらな可愛い男の子を、悪い道に引きずり込んでいるようで罪悪感が強すぎる。
「とにかく、確かめてみないとな…」
ユーゴが自分を好きだから抱きたいのか、自分のキスに浮かされてああいうことをするのか…
後者なら、いい。
そう思うと、胸がちくりと痛む。
「愛してる」
なんて…ユーゴに言われるまでは、ベッドの中での戯言以外で聞いたことがない自分が悲しくなる。
「どうやって確かめるかなぁ…」
ああ、そうか。
自分に性的な魅力を感じていない者に、
一服盛れば…わかるのでは?
「っていうか、もう…盛ってるのか…?」
そう、ユーゴの父親。
彼は最初、自分を殺すつもりでここに来た…はずだ。
でも、殺せないから…息子の代わりを買って出た。
その…はずだ。
「早いとこ気づくべきだったな…」
天を仰いで、自分の迂闊さを呪う。
気が付かなかったなんて…
いや、違う。
遊びのセックスしかしたことがないから、
気にしなかっただけだ。
「…今更、分かったところで…」
その時、扉をノックする音が聞こえた。
この音は…。
扉を開けると、訪問者はズカズカと中に入る。
「こんばんは、先生」
「…こんばんは」
「今日、また、息子が世話になったようだな」
「……」
「私では…足りないか?」
「足りるとか足りないとかそういうことじゃ、」
乱暴に唇を奪われる。
息が継げないくらい、激しいキス。
息子よりずっと上手な、大人のキス。
服を脱ぎ捨てながら、舌を絡め、追い詰めてくる。
そのまま壁に、押し付けられる。
彼の左手で、両手を頭の上で戒められる。
「あんたが足りるまで…抱いてやる。
私以外ではもう、物足りなくなるまで」
「ん…んっ」
巧妙なキスは、先生を乱すには充分なほど長い。
「んっ…、ふ……」
「今度はどんな風に…あいつに抱かれた?」
先生は顔を背ける。
顎を掴まれて目を合わせさせられる。
「……正直に、言ったほうがいい」
先生は固く口を閉ざし、俯く。
「まあいい…夜は、長いからな…」
じっくりその体に聞いてやる、と言いながら、彼は先生の耳から首筋に舌を這わせ、シャツの上から乳首に触れる。
壁に押し付けられたまま抱かれるのだ…と悟る。
慣れた手つきで愛撫され、声が漏れる。
「んっ…」
「私に溺れろ、シュン」
ああそうだ、もしかしたらあなたは僕の媚薬に溺れているのかも…と先生は思うが口には出さない。
彼は「息子の為に」していると…そう言っている以上は、それが彼の真実だろう。
その言葉の裏にあるのが、息子への愛なのか、自分への執着なのか…
分からないまま、今日も彼を受け入れる。
何十億年生きてても…
先生は「恋人」を作れない。
今日もただ、流れに任せて快楽を貪るだけ。
「キスした後のユーゴ…変だったな」
軽くキスしただけだった。
なのにあんなに性的な興奮を覚えるなんて…
「…思い返してみたら、今までもそうだなぁ」
ちょっとキスしただけで、相手がすっかりその気になって…流されるようにセックスするのは、変だよなぁ。
酒場で、ちょっと好みの男に声をかけて…キスして、盛り上がって、挿れたり挿れられたりするのは、まだいいとして。
おふざけでキスしてきた女が、すっかりその気になってしまったり…
「あれはまずかったなあ…挿れてないから出来てないとは思うんだけど…」
王都の別宅へ「息子に手を出すな」と怒鳴り込んできたユーゴの父親に、押し倒されて無理矢理キスされて…そのまま抱かれたり。
「親子丼か…。まずいよなぁ」
ユーゴの父親は、その後何度も訪ねてきて、その度に体を重ねているのだが…。
「息子の代わりをしてやるからあの子に手を出すな」なんて理由だとしても…さすがに息子にバレたらまずいだろう。
ついでに言うと、息子より断然上手い。
比べちゃいけないことを比べてみてから、先生は自分の指を舐めてみる。
「…何も起きないけどなぁ」
でも、何かありそうなんだよな…
自分のキスに何か秘密が…
「動物実験?」
さすがに獣姦はしたことないな…
と独り言を言う。
どっちにしろ、自分の屋敷に戻って調べてみたほうが良さそうだと心にメモる。
ユーゴが知ったら確実に発狂するだろう遍歴。
知らぬが花…まあ、自分の父親との事以外は、もう薄々気がついているだろう。
「それでも好きだとしたら…強いよなぁ」
だからこそ、自分とは遊びのほうがいいだろう。
真っ直ぐでまっさらな可愛い男の子を、悪い道に引きずり込んでいるようで罪悪感が強すぎる。
「とにかく、確かめてみないとな…」
ユーゴが自分を好きだから抱きたいのか、自分のキスに浮かされてああいうことをするのか…
後者なら、いい。
そう思うと、胸がちくりと痛む。
「愛してる」
なんて…ユーゴに言われるまでは、ベッドの中での戯言以外で聞いたことがない自分が悲しくなる。
「どうやって確かめるかなぁ…」
ああ、そうか。
自分に性的な魅力を感じていない者に、
一服盛れば…わかるのでは?
「っていうか、もう…盛ってるのか…?」
そう、ユーゴの父親。
彼は最初、自分を殺すつもりでここに来た…はずだ。
でも、殺せないから…息子の代わりを買って出た。
その…はずだ。
「早いとこ気づくべきだったな…」
天を仰いで、自分の迂闊さを呪う。
気が付かなかったなんて…
いや、違う。
遊びのセックスしかしたことがないから、
気にしなかっただけだ。
「…今更、分かったところで…」
その時、扉をノックする音が聞こえた。
この音は…。
扉を開けると、訪問者はズカズカと中に入る。
「こんばんは、先生」
「…こんばんは」
「今日、また、息子が世話になったようだな」
「……」
「私では…足りないか?」
「足りるとか足りないとかそういうことじゃ、」
乱暴に唇を奪われる。
息が継げないくらい、激しいキス。
息子よりずっと上手な、大人のキス。
服を脱ぎ捨てながら、舌を絡め、追い詰めてくる。
そのまま壁に、押し付けられる。
彼の左手で、両手を頭の上で戒められる。
「あんたが足りるまで…抱いてやる。
私以外ではもう、物足りなくなるまで」
「ん…んっ」
巧妙なキスは、先生を乱すには充分なほど長い。
「んっ…、ふ……」
「今度はどんな風に…あいつに抱かれた?」
先生は顔を背ける。
顎を掴まれて目を合わせさせられる。
「……正直に、言ったほうがいい」
先生は固く口を閉ざし、俯く。
「まあいい…夜は、長いからな…」
じっくりその体に聞いてやる、と言いながら、彼は先生の耳から首筋に舌を這わせ、シャツの上から乳首に触れる。
壁に押し付けられたまま抱かれるのだ…と悟る。
慣れた手つきで愛撫され、声が漏れる。
「んっ…」
「私に溺れろ、シュン」
ああそうだ、もしかしたらあなたは僕の媚薬に溺れているのかも…と先生は思うが口には出さない。
彼は「息子の為に」していると…そう言っている以上は、それが彼の真実だろう。
その言葉の裏にあるのが、息子への愛なのか、自分への執着なのか…
分からないまま、今日も彼を受け入れる。
何十億年生きてても…
先生は「恋人」を作れない。
今日もただ、流れに任せて快楽を貪るだけ。
0
お気に入りに追加
159
あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる