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どれだけ永く、生きてても
それからの皇太子殿下
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人間が初めて魔法を使った日から、100年。
その魔法が使われた湖のそばに、3階建ての校舎が2つ、建っている。
そのうちの1つは「国立魔法技術学園」。
トーリで400年近い歴史を持つ、世界最古の「学園」の分校として、今年発足したばかりの学校である。
魔法、または魔術を学ぶための学園には、入学希望者が様々な国から集まった…最初は入学希望者を国内限定にするつもりだったが、カラス連合共和国…通称「北のカラス」が随分騒いで、武力行使も辞さない勢いで抗議をしてきたために、仕方なく全ての国から希望者を募ることになったのだ。
100年で、魔術は随分身近になった。
特に「壊れたものを治す」魔術を売りにした修理屋は、街に1軒修理屋があるくらいに身近だ。
印刷も、最近は魔術を利用して絵を簡単に入れられるようになってきた。
魔術を利用した着火棒や、風を起こす装置など、家庭で使える道具も増えてきた。
だが、魔法…「狙って奇跡を起こす」ことが出来る人間は、国に2~3人いるかいないか、である。
狙って物を燃やすとか、
狙って水を浴びせるとか、
狙って風をおこすとか、
狙って雷を落とすとか、
扱いを間違えば戦の道具になりかねないので、魔法を使える人間は国を挙げて保護するのが世界の流れになりつつある。
「魔法使い」を増やしたい国は多い。
戦争の道具は、多いほうがいいに決まっている。
逆に魔術を使えるようになりたいものは民間に多い。
使える魔術によっては店を構えることも出来るので、手に職をつけたい者はまず魔術を学ぶのだ。
真新しい校舎の最上階にある一室、湖を望むバルコニーで2人の男が話をしている。
一方は白髪交じりの「普通の」中年男性、もう一方は絵に書いたような美青年…だが、右目と右耳を隠すような布を付けている。
先生と、クロエ。
肩書は「学園」理事長と魔法技術学園長。
ただ、今はいち研究者同士として話をしている。
「魔術も魔法の違い、ですか?
単純に言いますと、魔術は道具が必要になりますが、魔法は道具がいらない…ということです」
「回路を使うのが魔術、他次元を使うのが魔法、ということでいいのかな?」
クロエが頷く。
「そうですね、ただし召喚術についてはかなり厳しい制約がありますので、場所も限定されますし、終了させるための「捧げ物」が必要です…母を呼び出した時のように」
「あれはやっぱり特別なの?」
「他次元から魂を引っ張ってくるのですから、魂や次元によってはかなり条件を揃えないと…。
その人の使っていた物などが残っていれば、回路から思いを導くことはそれほど難しくはありません…ですから、あれは自分が自分の「母」を呼び出したからこそ上手くいったのでは、という考察もできるかと…自分の中に、母は居ますから」
そうかそうか…と先生も腕組みをして頷く。
「僕が失敗した原因と、クロエ君が成功した要因からは、色んな考え方ができるからね」
「そうですね…以前、この考えに基づいて母を呼び出したら、応えてくれました…姿を見ることは出来ませんでしたが…言葉を聞くだけならば、必ずしも「死ねる事」が必要なわけでは無さそうです」
先生が空を見上げて、言う。
「言葉だけなら、か…」
言葉だけでも欲しかったなぁ…と、呟く。
クロエが続ける。
「ただ、同じ次元にすでにいる場合には、混乱が生じるでしょうから、問題が起きる可能性は高いですね…同次元の人の魂を呼び出す実験は、まだしたことがありませんし…呼び出される側にも何が起きるかわかりませんから、たとえ…眷属でも」
先生も深く同意する。
「魂が無くて生きてる状態になったら困るしね」
だから、死んだ人間の召喚は難しい。
クロエはこの会談で最も重要な案件を切り出す。
「ですから、これは…禁忌とさせて頂きたい」
「そうだね」
「人の魂を召喚する事自体を禁忌と…すべきかと」
「まあ、他次元から呼び出せるなら同次元から呼び出すことも出来るのかな~ってなるもんね」
そうだね、そうですよね。
異議なし。
だが、先生はふと思ったことを口にする。
「…ね、もしかして、あの時僕が失敗したのは、あの時すでに彼女が同次元にいたから…なのかも」
「そうか!
先生がその方を呼び出そうとされたのは…
死後、どのくらい経ってからですか?」
「ん~、大体…400年くらい、経ってたかなぁ」
「つまり、他次元からここへ戻るのに、この次元では大体400年ほどの時間が必要…かもしれない?」
「なんせ、もう2000年以上前の話だし…「覚えていない」んだ」
「「忘れた」わけでなく、「覚えていない」んですね」
「うん、だから…「どこか」からは取り出せない」
「そうですか…そうなると、やはり危険ですね」
禁忌だなぁ、禁忌ですねぇと2人は頷きあう。
「そういえば講師は?」
「魔術に関しては、数が揃っています。
魔法に関しては…各国、魔法使いは保護の対象ですから、この国に迎えることは出来ません。
ただ、学びに来るものは幾人か…そのうち魔法を本国で教えるために教え方を学びに来るのでしょうが…。
能力があってその気があれば…より学びたいものを研究者兼講師に…と考えています」
魔法については、各国から2~3名程度を受け入れることになっている。どの国にも公平なように国ごとの受け入れ人数は同じ程度…ただ、トーリ本国だけは、許可された人数が少しだけ多い。
「まあ、この国でやらせてもらうんだし、迷惑料ってことで…ゆくゆくは講師に、と考えるなら、この国の魔法使いを増やした方がいいでしょうし」
他の国から来た者は、本国に帰って「仕事」があるだろう。
留めてはおけない。
「しかし、剣と魔法の世界か…。
ようやく異世界転生っぽくなってきたなぁ」
「異世界転生?」
「僕の元々いた世界で、ファンタジーものの古典ジャンルだったんだ。
黎明期には、それはもう沢山の作家が居てね…その中でも僕は「食」に関するものが特に好きでさ…どうしても諦められなくてね、それで農作物や家畜をイチから作るとこから始めて、ここまで来たんだよね。
最近、魔術で温度管理が出来るようになったでしょ?生ビールまでもうすぐなんだよ~」
暑~い夏に冷えた生ビール…
と先生はうっとりした表情で空を見る。
あれから何度も、ニホンシュとやらでやらかしたことは…「覚えていない」らしい。
「その異世界転生に描かれた異世界とは、どういう所なのですか?」
「まさにここだよ。剣と魔法…あとね、魔物!
魔王とか勇者とか、ドラゴンとか…」
「魔物か…。禁忌を犯すようなことがあれば、もしかしたら出てくることもあるかもしれないですね」
「やだなあ…魔物はいない異世界がいいよ、んで、和食で一杯引っ掛けるような場所があったら最高」
「ワショク?」
「学園で生産してるでしょ?醤油とか味噌とか…あれと出汁を使って作った料理のことかな…でも僕料理下手で、そうそう上手くはいかないもんだなぁって…あ、いっそ料理の学科でも作る?」
「いいですね、国中の食堂が盛り上がりそうです」
クロエは学園にいた時に「しっかり食べなきゃ駄目よ!」と言って、自分のおかずを大盛りにしてくれた優しい女性を思い出す。
自分も飢えるもののない国を造ろうと必死だったから、彼女が自分の手の届く範囲で「腹が減った」人間を出させないことに拘るのは分かる気がした。
彼女は、皆を食堂に来させたかったはずだ。
だから、料理の学科を創ることは、彼女の遺志が表れたようで嬉しい。
新しい学科の話で暫し盛り上がるが、ここは魔術と魔法の学園。そして今日は記念すべき開校日である。
「さて、そろそろ式も始まりますし、行きましょうか」
「そうだね…あーやだ、スピーチやだ」
「ユーゴさんは向こうなんですから、先生がやらないと誰もやりませんよ」
さあ早く…とクロエは先生を促して、2人は部屋を後にした。
その魔法が使われた湖のそばに、3階建ての校舎が2つ、建っている。
そのうちの1つは「国立魔法技術学園」。
トーリで400年近い歴史を持つ、世界最古の「学園」の分校として、今年発足したばかりの学校である。
魔法、または魔術を学ぶための学園には、入学希望者が様々な国から集まった…最初は入学希望者を国内限定にするつもりだったが、カラス連合共和国…通称「北のカラス」が随分騒いで、武力行使も辞さない勢いで抗議をしてきたために、仕方なく全ての国から希望者を募ることになったのだ。
100年で、魔術は随分身近になった。
特に「壊れたものを治す」魔術を売りにした修理屋は、街に1軒修理屋があるくらいに身近だ。
印刷も、最近は魔術を利用して絵を簡単に入れられるようになってきた。
魔術を利用した着火棒や、風を起こす装置など、家庭で使える道具も増えてきた。
だが、魔法…「狙って奇跡を起こす」ことが出来る人間は、国に2~3人いるかいないか、である。
狙って物を燃やすとか、
狙って水を浴びせるとか、
狙って風をおこすとか、
狙って雷を落とすとか、
扱いを間違えば戦の道具になりかねないので、魔法を使える人間は国を挙げて保護するのが世界の流れになりつつある。
「魔法使い」を増やしたい国は多い。
戦争の道具は、多いほうがいいに決まっている。
逆に魔術を使えるようになりたいものは民間に多い。
使える魔術によっては店を構えることも出来るので、手に職をつけたい者はまず魔術を学ぶのだ。
真新しい校舎の最上階にある一室、湖を望むバルコニーで2人の男が話をしている。
一方は白髪交じりの「普通の」中年男性、もう一方は絵に書いたような美青年…だが、右目と右耳を隠すような布を付けている。
先生と、クロエ。
肩書は「学園」理事長と魔法技術学園長。
ただ、今はいち研究者同士として話をしている。
「魔術も魔法の違い、ですか?
単純に言いますと、魔術は道具が必要になりますが、魔法は道具がいらない…ということです」
「回路を使うのが魔術、他次元を使うのが魔法、ということでいいのかな?」
クロエが頷く。
「そうですね、ただし召喚術についてはかなり厳しい制約がありますので、場所も限定されますし、終了させるための「捧げ物」が必要です…母を呼び出した時のように」
「あれはやっぱり特別なの?」
「他次元から魂を引っ張ってくるのですから、魂や次元によってはかなり条件を揃えないと…。
その人の使っていた物などが残っていれば、回路から思いを導くことはそれほど難しくはありません…ですから、あれは自分が自分の「母」を呼び出したからこそ上手くいったのでは、という考察もできるかと…自分の中に、母は居ますから」
そうかそうか…と先生も腕組みをして頷く。
「僕が失敗した原因と、クロエ君が成功した要因からは、色んな考え方ができるからね」
「そうですね…以前、この考えに基づいて母を呼び出したら、応えてくれました…姿を見ることは出来ませんでしたが…言葉を聞くだけならば、必ずしも「死ねる事」が必要なわけでは無さそうです」
先生が空を見上げて、言う。
「言葉だけなら、か…」
言葉だけでも欲しかったなぁ…と、呟く。
クロエが続ける。
「ただ、同じ次元にすでにいる場合には、混乱が生じるでしょうから、問題が起きる可能性は高いですね…同次元の人の魂を呼び出す実験は、まだしたことがありませんし…呼び出される側にも何が起きるかわかりませんから、たとえ…眷属でも」
先生も深く同意する。
「魂が無くて生きてる状態になったら困るしね」
だから、死んだ人間の召喚は難しい。
クロエはこの会談で最も重要な案件を切り出す。
「ですから、これは…禁忌とさせて頂きたい」
「そうだね」
「人の魂を召喚する事自体を禁忌と…すべきかと」
「まあ、他次元から呼び出せるなら同次元から呼び出すことも出来るのかな~ってなるもんね」
そうだね、そうですよね。
異議なし。
だが、先生はふと思ったことを口にする。
「…ね、もしかして、あの時僕が失敗したのは、あの時すでに彼女が同次元にいたから…なのかも」
「そうか!
先生がその方を呼び出そうとされたのは…
死後、どのくらい経ってからですか?」
「ん~、大体…400年くらい、経ってたかなぁ」
「つまり、他次元からここへ戻るのに、この次元では大体400年ほどの時間が必要…かもしれない?」
「なんせ、もう2000年以上前の話だし…「覚えていない」んだ」
「「忘れた」わけでなく、「覚えていない」んですね」
「うん、だから…「どこか」からは取り出せない」
「そうですか…そうなると、やはり危険ですね」
禁忌だなぁ、禁忌ですねぇと2人は頷きあう。
「そういえば講師は?」
「魔術に関しては、数が揃っています。
魔法に関しては…各国、魔法使いは保護の対象ですから、この国に迎えることは出来ません。
ただ、学びに来るものは幾人か…そのうち魔法を本国で教えるために教え方を学びに来るのでしょうが…。
能力があってその気があれば…より学びたいものを研究者兼講師に…と考えています」
魔法については、各国から2~3名程度を受け入れることになっている。どの国にも公平なように国ごとの受け入れ人数は同じ程度…ただ、トーリ本国だけは、許可された人数が少しだけ多い。
「まあ、この国でやらせてもらうんだし、迷惑料ってことで…ゆくゆくは講師に、と考えるなら、この国の魔法使いを増やした方がいいでしょうし」
他の国から来た者は、本国に帰って「仕事」があるだろう。
留めてはおけない。
「しかし、剣と魔法の世界か…。
ようやく異世界転生っぽくなってきたなぁ」
「異世界転生?」
「僕の元々いた世界で、ファンタジーものの古典ジャンルだったんだ。
黎明期には、それはもう沢山の作家が居てね…その中でも僕は「食」に関するものが特に好きでさ…どうしても諦められなくてね、それで農作物や家畜をイチから作るとこから始めて、ここまで来たんだよね。
最近、魔術で温度管理が出来るようになったでしょ?生ビールまでもうすぐなんだよ~」
暑~い夏に冷えた生ビール…
と先生はうっとりした表情で空を見る。
あれから何度も、ニホンシュとやらでやらかしたことは…「覚えていない」らしい。
「その異世界転生に描かれた異世界とは、どういう所なのですか?」
「まさにここだよ。剣と魔法…あとね、魔物!
魔王とか勇者とか、ドラゴンとか…」
「魔物か…。禁忌を犯すようなことがあれば、もしかしたら出てくることもあるかもしれないですね」
「やだなあ…魔物はいない異世界がいいよ、んで、和食で一杯引っ掛けるような場所があったら最高」
「ワショク?」
「学園で生産してるでしょ?醤油とか味噌とか…あれと出汁を使って作った料理のことかな…でも僕料理下手で、そうそう上手くはいかないもんだなぁって…あ、いっそ料理の学科でも作る?」
「いいですね、国中の食堂が盛り上がりそうです」
クロエは学園にいた時に「しっかり食べなきゃ駄目よ!」と言って、自分のおかずを大盛りにしてくれた優しい女性を思い出す。
自分も飢えるもののない国を造ろうと必死だったから、彼女が自分の手の届く範囲で「腹が減った」人間を出させないことに拘るのは分かる気がした。
彼女は、皆を食堂に来させたかったはずだ。
だから、料理の学科を創ることは、彼女の遺志が表れたようで嬉しい。
新しい学科の話で暫し盛り上がるが、ここは魔術と魔法の学園。そして今日は記念すべき開校日である。
「さて、そろそろ式も始まりますし、行きましょうか」
「そうだね…あーやだ、スピーチやだ」
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