【完結】どれだけ永く生きてても

紫蘇

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王子様と皇太子殿下 6

皇太子の悩み、王子の煩悩

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ソラ君の家に行って良かった。
解決の糸口も見つかったし…
ずっと言えなかった話も…ちゃんとできた。

内緒にしてるの、辛かったんだ。
でも、全部言えて、ちょっとスッキリした。

ずっと友だちでいてくれるって、言ってくれた。
二人が幸せな伴侶としてより添ってるのも、分かったし…だって、時々乱暴にするって…いうから、気になってたんだ…大丈夫なのかなって。

良かった。
ソラ君が、幸せで良かった。

あとは…ロウさんが言った、自分に自信を持つことを、やってみよう。
上手くいけばいいし、上手くいかなかったら…エースさんにちゃんと話してみよう。

出ないですけど、いいですか、って。
別に男の機能なんて、求められてないんだし…。
でも、もしダメだって言われたら…困るな。
今日から、1人で寝る練習もしよう…

僕はそう、決心した。

だけど……。

「今日から1人で寝ます」
そう告げると、エースさんは
「何でじゃ!?儂を嫌いになったのか!?」
と騒いだ。
「今日も…するじゃろ?だったら、わざわざ…」
というので、
「しばらくは、1人でしてみようかと」
と言ったら、
「それは…見守っておっても、良いのか?」
と聞くので、
「1人で風呂でします」
と言ったら、
「どうせ一緒に入るのじゃし2人で風呂でしよう」
と提案してきたので、
「風呂も1人で入れますから」
と言って却下した。

エースさんはがっかりしていたが、こんなことまで頼ってるようじゃ自分に自信なんて持てないし…
それに、依存度を少しでも下げないと、駄目だったときに生きていけなくなる、と思う。

…本当は、精通が無いからダメなんて、エースさんは言わないのも分かってる。だけど、もう人の優しさにつけ込んで、ぬくぬくしてちゃいけないんだ。
自分に自信なんて、分からないけど、自分がやってきたことには誇りを持ってる。
だから、それが自信になればいいんだ。
自分だけで何かが出来たら…自信になると、思う。

「自分に厳しくありたいんです」

そうエースさんに宣言して、1人で風呂に入って…してみた。全然駄目だった。気持ちよくならない…。
だけど、明日も、明後日も、その次も…
1人で、やってみよう。
納得できるまで…
研究だって、そうじゃないか。

----------

ソラの家に遊びに行ったクロエが、帰ってきたら何だか清々しい顔をしておったので

「良いことがあったんじゃろうな~そういう顔もするなんて全部知りたい見たい食べてしまいたい」

とアホなことを考えておったら…
クロエがとんでもないことを言い出した。

「今日から1人で寝ます」

えっ、何でじゃ?どうしてじゃ?
儂…嫌われたのか?
何、そういうわけじゃなくて?

「自分に厳しくありたい」

なんて、もうこれ以上気負わんでもいいのに。
何なら今まで甘えてこれなかったぶん、デロデロに甘やかして、甘やかしまくって、もっともっともっともっと依存させて、本ッッッッッ当に儂無しでは生きていけなくしてやりたいのに…

儂はしょんぼり、ムスコもしょんぼり。

これは、絶対にあいつらのせいじゃ。
明日すぐにでも尋問に向かわねばならん。

怒りに燃えて、1人ベッドでふて寝する…
ところ、じゃが。

「う…う、こんな、ぐ、う…」

ほれみろ、うなされとるじゃないか。
仕方ないの、反抗期か?…かわいいんじゃから。
ふふ、頭撫でるくらい…いいじゃろ?

「こんな…なら、…なんて…どうでも…」

ん?何ぞ?

「…ぼくなんか、どうでも…」
「…ぼくでは、ないぞ」

なで、なで…パシッ!
あっ痛っ!拒否!?寝ながら拒否!?

「…ぼく…なんか…ぼくなんか…」
「……そんなこと、ない。ぼくなんかって…言うのは、やめてくれんか、クロエ…」

そっと、手を握ろうとしたら、くるっと向こうを向きおった。
お…起きとるのか?寝とるのか?

……寝とるのか……。

横顔に口づけてやろうとしたら、また拒否された。

ムキーーー!
ここ暫く蜜月あまあまじゃったのに!
なぜじゃあぁあ!!!

あいつら、殺す…

と、儂は北の猟犬みたいなことを言いながら、悶々と夜を過ごした。

……あぁ?



寝られるわけ、ないじゃろ!
くそ、殺す…あいつら殺す…

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