【完結】どれだけ永く生きてても

紫蘇

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助手と先生

ユーゴと先生 5

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それから毎日、先生を抱いた。
「代わりなんかいない」
「愛してる、あなただけだ」
「俺に愛してるって、言って?」

それでも、先生はなかなか首を縦に振らない。

「これは、ね、気の迷い」
「僕、こんな、くたびれたおじさんだよ?」
「あ…あっ…!好き、なら、言って、あげる」

俺は性行為以外でも先生に求めて貰いたくて、毎日背中を追いかけて、仕事を覚えた。

「ありがと、ユーゴ。
 仕事では、もう君無しじゃ無理かもね」
「本当?じゃあ、愛してるって…言って」
「うん、有能な助手として、ならね」

たまには抱かない日が続いたら、意識してくれるんじゃないか…と思ったら、ロウが、

「お前、最近先生としてないの?
 余裕こいてると、攫われるぞ~」

と煽ってくる。
ちなみに、ロウと先生は「今はもう」肉体関係では無いそうだ。
お互い、恋人になるほどグッとくるものがなかったんだよね~なんて、この野郎…腹立つ!

「なんのつもりだよ…!」
「えー、俺より背の高いやつを苛めたいだけ」

ちっちゃいやつ苛めたら、可愛そうだろ?
だそうだ。2倍腹が立つ。

「抱かない作戦の他に、何かねえのか?
 お前、騎士団の副団長だったんだろ?
 このままじゃ全滅ですよ?副・団・長?」
「てめえぶっ殺す!」
「かかってこいやコラァ!」

作戦ったって、当たって砕けろと、押してだめなら引いてみろくらいしか、思い浮かばねぇんだよ!
こちとら初恋だぞ!

ロウと大喧嘩して、先生に叱られて、しょんぼり。

てめえ、昨日はお前のせいで、
お?やんのかコラ?

そして、次の日また喧嘩。
…ロウはただの喧嘩好きらしい。
自分よりデカいやつがいなくて、鬱憤ばらしだとよ。

迷惑千万だな!

先生…、俺、いつまで言い続ければいいんだよ。
心が折れそう…

でも、でも、ここで折れるわけにいくか!
そうだ、永遠に言い続ければ、いいんだ!
…と、腹をくくった、その日。

「いつまでも言うよ。先生、愛してる。」
「ふぅん…そっか、仕方ないなぁ」

えっ、いつもと反応が違う。

「あの日から、ちょうど10年になったことだしね」
「えっ…」

あの時の約束…覚えててくれたんだ。

「僕だってさ、色々とあるんだよ?」
「色々?」
「そう、色々。だけどまあ…いいか、って。
 君も、腹を括ったんだろ?そんな顔、してる。
 だからさ、僕も腹を括るよ。」
「……うん。」

先生が深呼吸して、覚悟を決めた顔で言う。

「恋人に、なろう」

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