【完結】どれだけ永く生きてても

紫蘇

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王子様と皇太子殿下 5

王子、皇太子との日々

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ここにきてから、暫く。

「だいぶ大きくなったね~」
「みんな元気に育つんだぞ~」

苗の鉢に話しかけるクロエの声がする。
今日も順調にクロエはかわいい。
今すぐ食べてしまいたい。

家の中にも大きな鉢が増えた。
どの向きの部屋が、どの薬草に向いているかを調べるのだと言う。
確かに庭のある家ばかりではないからのう。

毎晩寝る前に色んなことを話すようになってから、過去を思い出す事が多いのか、よくうなされておるので、よしよしと宥めたり、手を握ったりしていたら、ぎゅっと抱きついてきて離れなくなって…

ついに同じベッドで寝るようになった。

ベッドの位置の都合で、向き合う格好になると右側が下になってしまうから、背中から抱いて眠る。
すう、すうと寝息が聞こえてくると…

その、少しだけ、触ってみても良いのでは…と悪戯心というか煩悩というかが騒ぎ出して…。

すうはあと匂いを吸い込んでみたり。
うなじに口づけたり。
胸の尖りを触ってみたり。
際どいところを触って、反応をみたり。
「ふ…うん」なんて可愛い吐息を堪能したり。

クロエも多分、気がついとると思うのじゃが…

寝込みを襲うなんていかんじゃろ、とは思うものの、こうも、その…くっつくと…じゃな。

クロエがまだ小さいので、尻にナニが当たって…みたいなことにはならなくて済むが、もう少し大きくなってきたらそれも厳しかろう。

黙々と畑を作る作業をしていると、ロウがソラの腰を抱いて、いちゃついているのが目に入る。

殺す…

はっ、いかんいかん。
ロウがこっちに気づいたらしい。
手招きされる。

「エース、どう?」
「うむ…だいぶ距離は縮まったぞ。会話もかなり増えたし、近頃は同じベッドで一緒に寝とるし」
「順調だな」
「お陰様でな」

10日程前ソラがうちに来て、先生が言っていたあの話をしてくれたらしく、それから少しだけクロエが大胆になったような気がする。

「一緒に寝てほしいと誘ってくれるし…。
 エッチなこと…も、寝ているときにお触りする程度のことじゃが…許してくれとるし」
「で、結局、勃つの」
「そもそも、勃たないなんて嘘じゃしのう」

北の猟犬やら、ソラやらが殺気を出してくるもんで、黙っていただけじゃ、とうそぶく。

「仕事に戻る。クロエが心配するからの」

----------

今日の晩飯は、この前王都で仕入れてきた燻製肉に、玉ねぎと人参のスープと、これまた王都で流行っておる長くて固いパンを適当な幅に切ったやつ。
食事をしながら今日のことを話し、明日はこれをしよう、と計画をたてる。

「明日…また温泉に行くか?」
「いいんですか!行きたいです!」

だいぶ温泉が気に入っとるの。
濁り湯で、背中が見えんのがいいのだろう。
口調もくだけてきたし、そろそろエース「さん」でなくて、エース、と呼んでくれんかな…。

それから風呂に入って、その後もあれこれと話をする。
買ってきた本がどうとか、王都の人々の暮らし方とか…
たまには休みを作ってリリとおでかけするのもいいな、とか…。

そうして寝るときになって、
…クロエが、小さいけれど真剣な声で、言う。

「…一緒に、寝てください…」

儂は頷いて、クロエの隣に潜り込んだ。
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