【完結】どれだけ永く生きてても

紫蘇

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王子様と皇太子殿下 3

王子、作戦の成功を確信する

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やったぞ!

クロエの乗った椅子を押しながら、儂は心の中で快哉した。
儂は自然とクロエの背中に回ることに成功した。
つまり、わしはクロエにそのくらい信頼されとる、ということじゃ。

しかし、愛を伝える言葉が鬼門だとは…
鬼神の言う事を聞いて良かったわい。

北の猟犬どもが「私めが押しましょう」と言ってくるが、無視じゃ、無視。


義足ができるまでは、こうして外へ連れ出そう。

義足が出来たら、歩く練習を手伝うという名目で、手を握って共に歩く。

歩くのに慣れたら今度は馬に乗る訓練だと言って、2人で景色の綺麗な場所へ行って、昼の弁当をあーんで食べさせる。

それに慣れたら、次は恋愛小説を持っていき、クロエを膝に乗せて一緒に読む……

焦らず進まねば。

そうしてあの子に「愛する人と共に生きる幸せ」を教え…内容如何では、キス位できるかもしれん。
そうしたら、その先の、「エッチなこと」まで書いてあるような本を共に読めば…

フフフ。

となれば、雑事はさっさと片付けねば。
とっとと糞共を吊るして、帝国と終戦を締結して、本をじっくり選ばねばならんのう。

「ふむ」

しかし、吊るす…吊るすより、串刺しのほうが…少しは痛みを返してやれるかもしれん。

串刺しにしよう。

そんなことを考えながら歩いていると、クロエが左手を握ったり開いたり…ペンを持つようなしぐさをしたりしている。

これは、あれじゃな。左手で文字を書けようになるか気にしていると見た。

「左手の練習をするのなら、そこの学舎に紙とペンを売っておる処があるぞ」

そういうと、儂をキラキラした目で見て、それから思い直したように前を向いて、しょんぼりする。

買いたいけどお金がない、そんな顔じゃ。

「欲しいなら、後払いで買えるぞ?」
「えっ…、本当ですか!?買いたいです!」
「ならそちらにも行こうかの」

本当はなんぼでも買うてやりたいが、儂…というより第3王子に、借りを作りたくないじゃろうしな。

…これも鬼神の言うとった事じゃが…
帝国の都で貴族に借りを作ってしもうたとき、利子とばかりにナニをしゃぶらせたり尻を出せと要求するような屑が大勢おったとかで、借りを作らせようとすれば変に勘繰られる可能性もあるということじゃったが…

帝国は何じゃ?
屑の集まりか?
肥溜めか何かか?

あ、肥溜めは役に立つんじゃった、いかんいかん。

北の連中も鬼神も、さすがに戦場にも出てこん貴族は殺せなんだ…と言うとったな。

ならば、そいつらもついでに吊るすかの。

あ、いや、吊るすより串刺しじゃった。
痛みを思い知ってから死んでもらわねば!

そうそう、あとは拷問もせんとな。

とりあえず右腕はもぐとして、他には……
ふむ、イチモツをちょん切ってみるか。
爪を剥ぐのは道具がいるしの。


クロエの可愛い笑顔を見ながら、儂は決意を新たにするのであった。
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