【完結】どれだけ永く生きてても

紫蘇

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猟師と青年 2

猟師は青年と結ばれる

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砦から出ないなら連れて行っていいと言ってもらえたので、オレはソラ君を抱えて、人目につかない場所を探した。

途中でエースと会って、執務室の左の部屋が開いてるって聞いたので、そこへソラ君を運んだ。

「…………。」

神経を集中させる。半分狼の姿になって、唱える。

『魂よ、結びあえ』

キスをして、それから、首筋に牙をたてる。

ソラ君、ソラ君、ソラ君。
勝手でごめんね、オレは君を眷属にするよ。

ソラ君をぎゅっと抱きしめる。
不思議な光がオレたちを包んで、消える。

成功、したのかな。

ソラ君に巻かれた包帯をとると、深い傷も、浅い傷も、痣も…どんどん治っていく。

「成功、した……!」

オレが、ソラ君を、眷属にしたんだ。
ソラ君…きみは、オレと同じになったよ。
オレと同じ、死なない体になった…

目が覚めたら、なんて言おう。
好きだ?愛してる?
それより、眷属のこと、説明しなきゃ。
ええと、ええと、

「……っ」

あっ…ソラ君が、起きちゃった。
どうしよう、何も思いつかない。

「あの、あのね、ソラ君」
「……ロウ、さん?何で狼の格好…」

オレはソラ君をもう一度ぎゅっと抱きしめた。
思いつかないなりに、思ってたことを言おう。

「君なしじゃ、駄目なんだ。
 オレと一緒に…永遠に。
 ずっと、オレと一緒に生きて、くれないかな」
「永遠…?」
「そう、永遠」

ソラ君は、オレの目を見て、言った。

「いいっすよ」

「…、…いい、の?」

「はい、ロウさんと一緒なら、それで」

「……っ、永遠って、わかる?」

「不老不死とか、そういうことでしょ?」

「…知ってるの?」

「前にね、聞いたことがあるんす。
 トーリには、昔からずっと歳をとらない、不老不死の化物がいるって。
 だから、その…、そうなんだなと思って。
 あ、その、化物は、失言でした、すいません」

「怖く…ないの?」

「そうすね…少しは。」

「…少し?」

「一人でいるほうが辛いから…だから、誰かと…
 その誰かが、好きな人となら、もっと」

「ソラ君」

「そのうち死ぬ体で独りぼっちで生きるのと、永遠に独りぼっちで生きるのとだったら、永遠は嫌ですけど、永遠に誰かと一緒だっていうなら…」

「うん…うん、もう、一人にしない」

「…ずっと一緒に、いてくれますか」

「ずっと一緒に、いるよ」

「…ロウさん、おれのこと、好き?」

「うん、好き、大好き。愛してる。」

「……おれのこと、…抱きたいって…思う?」

「うん、キスして、触りっこして、そんで…繋がりたい。ソラ君のなかに、これ…入れたい」

オレは、ソラ君の手をとって、そっと自分のちんちんを、ズボン越しに触らせる。ソラ君が息を飲んで、オレの顔を見る。
ソラ君は、少し真剣な顔になってから…言った。

「…おれ、抱く方も抱かれる方も経験ないから…任せっきりになるけど…いい?」

「うん」

「……あと。
 痛いばっかりのやつは……いや、です」

「うん、いっぱい気持ちよくする、約束する!」

本当に、本当に、本当?
夢じゃなくて?
疑うオレに、ソラ君が言う。

「それと、おれもロウさんのこと、好きだよ」
「えっ!!」

「抱き合って眠った日のこと、覚えてる?
 ロウさん、おれのおでこにキスしたよね。
 あんとき、おれロウさんが好きだって分かった」
「……うん」

「ここに来るまで色々考えたけど、ロウさんのこと嫌いになるどころか、好きだったのにって、思うことばっかりで」
「うん……!」

「ねえ、ロウさん。
 おれ、ロウさんの隣に誰がいても、別にいい。
 でも、おれのこと、一人にしないで。
 その人と一緒でもいいから、一人にしないで」

「うん…うん」

「おれが寂しくならないように、時々ぎゅっとしてほしいな、あと、その、キス…も」


なんて……
なんて可愛いんだろう!!
もう誰にもあげない、絶対に一人にしない!

「もう二度と嘘なんかつかない。
 ソラ君を手に入れるために嘘をついてきたけど、もう必要ない…愛してる、ソラ君!!」

オレはたまらなくなって、ソラ君の顔をペロペロと舐めた。ソラ君はくすぐったそうな顔をして、笑った。
そして、

「狼とキスするって、どうやったらいいですか?」

と聞いた。
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