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幕間 2
作戦会議 〜恋のラブラブ大作戦〜
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恋のラブラブ大作戦、という頭の悪いタイトルを考えた男が言う。
「というわけで、エースがクロエくんとラブラブになるための作戦を考えるよ!」
「はい先生」
「はいユーゴくん、どうぞ」
「ラブラブってなんですか?」
「それはね、僕達みたいな仲のことだよ!」
「なるほどわかりやすい」
「さりげなく惚気るのやめてくれんかの!?」
先生、と呼ばれた男が言う。
「エースはね、すぐ諦めすぎ!押しが足りないうちに引いたら駄目だよ!」
銀髪の男が返す。
「…それで嫌われたら、どうするんじゃ」
背の高い男が言う。
「フラれた時点では嫌われてないと思ってんのな」
3人は口々に話し始める。
「嫌われとるのか!?儂、嫌われとるのか!?」
「嫌われてるってのも違うかなぁ……」
「激しく警戒されてるって感じだろうな。
大体よ、一回告白してフラれた段階で「今までと同じ関係でいましょう」たって、戻れるわけねーだろ、普通」
「むぐ」
「だったらもう、押すしかねーだろ」
背の高い男は続ける。
「好きだとか愛してるとか、バンバン言うんだよ。
『でも』とか『だって』とか言われようが押す。
本気が伝わるまで押しまくる!」
先生は頭を抱えながら言う。
「…確かに、ユーゴはそういう子だよね…」
「それ以外に相手の心を動かす方法はねーだろ?
こっちの本気を、証明するんだよ」
「…どうやって?」
「例えばだな、あと10年経っても、自分があなたのこと好きだったら、恋人になってくれませんかって言うだろ、んで、それをきっちり実行すればいいんだ」
「そんな前から先生のこと好きだったのかお前」
「それがどうかしたか」
先生と呼ばれた男は真っ赤になって、会話に入る。
「その、僕はね?元々押しに弱いとこあるし…
元々眷属だから、10年くらい待っててあげてもいいかなって簡単に思えるから、待ってただけでね?
クロエくんがどうかは知らないからね?」
「むむむ」
「ユーゴも、自分のやり方を押し付けちゃ駄目」
「すみません先生」
恋愛は人それぞれ、と言って、先生は続ける。
「とにかく今回のは、だね。
もしクロエ君を眷属にしたいんだったら、だよ?
まずはエースとクロエくんをくっつけなきゃいけないのよね。
そうしないと「条件」が解除されなくて、何度やっても駄目だからね」
「うぐぐ」
「んで、クロエくんは人間じゃん。
人間は、怪我でも病気でも死ぬし、何より寿命があるわけだから、10年とか待ってらんない。」
「あっ、そうか」
「何とか1年以内に、恋人になってもらいたい。
これは医者の立場からだけど、あの子の成長を阻害するものは早めに取り除かないと……
最悪、壊れてしまうかも」
「何じゃと?」
「あの子、頭と体が釣り合ってないでしょう?
帝国では周りが彼を「大人」として認識してたから、頭の方も混乱しなくて済んでたと思うんだ。
でもこっちの国ではどう見ても子どもだし、現に学生たちは彼を子どもとして認識してる。
子ども扱いされ続けることで、今まで抑制出来てたことが出来なくなるかもしれない」
「それは、どういう…」
「推測になるけど、彼は何回も度を越した性的虐待を受け続けてきたわけでしょ?
なのに、それを自分の心の内で決着つけるっていう大人でも相当難しいことをやってるわけ。
それは、辺境領主っていう甘えられない立場にいたからこその強さだと思うんだよね。
でも、甘えられる立場になったら…どうかな?
ただでさえ、ここに来てからは領主でも指揮官でもないただの人なんだよね。
それが『子どもだから甘えてもいいんだよ』って周りが扱い始めたら、ギリギリで保ってた精神の均衡が崩れちゃうんじゃないかって…」
「そんな…」
「別にエースだけのせいじゃないよ。
あの条件に当てはまるような事が多すぎたんだ。
あの子に汚い欲望を押し付ける奴が多すぎる!
確かにかわいいよ、でも、かわいいからって犯してやろうとはならないよ、普通。
誰かがそう仕向けてる…と思えるくらい」
やや沈黙があって、銀髪が言う。
「つまり仕向けてるやつを処すればよいのか」
「北の猟犬みたいなこと言わないでよ」
「そいつを、こう、格好良く処せば、あの子が儂のこと見直すかもしれんじゃろ」
「「思考がヤバい」」
「それでなくとも、より安心できるじゃろうし…。
…それで、兄か、父か、どっちじゃ」
「仮定の段階で相当犯人を絞り込んだね」
「まだ、後ろで誰かが糸引いてるかどうかもわかんねーって言ってるだろうが」
「…どうせ、この戦を止めるのには、やつらを吊るすしかないしの、ついでじゃ。爪の1枚も剥がしてやれば、ピィピィうたいよるに違いないからのう、聞いてみるとするかの」
「聞いてどうするの?」
「そりゃあもう、罪のぶんだけ、首を吊るす前に切り落とす部位を増やすのよ」
「それ自分がやられたやつじゃん…」
「あれ結構辛いから、罰としちゃ妥当かもな」
涼しい顔でいう銀髪と長身に、先生がツッコむ。
それから、会話の内容を変えて言う。
「とりあえず、あの子には、「伴侶」って言葉は、帝国とうちの国とでは意味が違うって言っといたから」
「何と…!」
「さすが先生」
「んで、それの説明のときに、性行為とエッチなこととは違うって言ってあるから」
「えっちなこと?」
「君が言うところの閨とか夜伽ってやつ」
「…なるほど?」
「性行為はただ痛くてつらいけど、エッチなことは気持ちいいことだから大丈夫だよ~って。
あとは、君のテク…性技にかかってるからね、とにかく気持ちよくしてあげるように」
「うむ、まかせろ」
「ほんと大丈夫かよ…」
「一夜の相手ならいくらでもおったわい!」
「いや、がっついちゃだめってとこよ」
「…善処する」
先生が続ける。
「んでね、大事なことだけど…
あの子、精通してないから」
「なっ…!」
「何にもしてないからね!?
回路を調べたときわかったの。
しっかり休養と栄養をとって回復から成長にエネルギーを回してけば、そのうち来ると思うけど…
仮に、エッチなことして、あの子が射精に至らなくても、無理強いしちゃだめだよ。
射精がないとイッたかどうかわからないっていうなら、精通までは軽めのキスだけにして」
「うむ」
「あと、ほんとに処女の子とおんなじだからね、しっかり慣らしてから入れないと駄目だからね?
その上、日にちをかけて慣らして~ってのも出来ないからね?回復で元に戻っちゃうから。
しかも、ちょっとでも痛い思いさせたら、エッチは性行為と違うっていう理論が崩れるかもしれないからね?ほんと頼むよ?」
「うむ」
キリッとした顔をする銀髪に、長身が言う。
「…で、エッチまで行く方法は、どうする」
沈黙再び。
「…出来るだけ会いに来る。会って話をする」
「会って話をする…って、何をよ」
「…」
「会話の内容によっちゃ、またやられるぞ」
「…何か、いい方法は、ないか…?」
「「そこからか…」」
振り出しに戻ったような徒労感が、3人を包んだ。
「というわけで、エースがクロエくんとラブラブになるための作戦を考えるよ!」
「はい先生」
「はいユーゴくん、どうぞ」
「ラブラブってなんですか?」
「それはね、僕達みたいな仲のことだよ!」
「なるほどわかりやすい」
「さりげなく惚気るのやめてくれんかの!?」
先生、と呼ばれた男が言う。
「エースはね、すぐ諦めすぎ!押しが足りないうちに引いたら駄目だよ!」
銀髪の男が返す。
「…それで嫌われたら、どうするんじゃ」
背の高い男が言う。
「フラれた時点では嫌われてないと思ってんのな」
3人は口々に話し始める。
「嫌われとるのか!?儂、嫌われとるのか!?」
「嫌われてるってのも違うかなぁ……」
「激しく警戒されてるって感じだろうな。
大体よ、一回告白してフラれた段階で「今までと同じ関係でいましょう」たって、戻れるわけねーだろ、普通」
「むぐ」
「だったらもう、押すしかねーだろ」
背の高い男は続ける。
「好きだとか愛してるとか、バンバン言うんだよ。
『でも』とか『だって』とか言われようが押す。
本気が伝わるまで押しまくる!」
先生は頭を抱えながら言う。
「…確かに、ユーゴはそういう子だよね…」
「それ以外に相手の心を動かす方法はねーだろ?
こっちの本気を、証明するんだよ」
「…どうやって?」
「例えばだな、あと10年経っても、自分があなたのこと好きだったら、恋人になってくれませんかって言うだろ、んで、それをきっちり実行すればいいんだ」
「そんな前から先生のこと好きだったのかお前」
「それがどうかしたか」
先生と呼ばれた男は真っ赤になって、会話に入る。
「その、僕はね?元々押しに弱いとこあるし…
元々眷属だから、10年くらい待っててあげてもいいかなって簡単に思えるから、待ってただけでね?
クロエくんがどうかは知らないからね?」
「むむむ」
「ユーゴも、自分のやり方を押し付けちゃ駄目」
「すみません先生」
恋愛は人それぞれ、と言って、先生は続ける。
「とにかく今回のは、だね。
もしクロエ君を眷属にしたいんだったら、だよ?
まずはエースとクロエくんをくっつけなきゃいけないのよね。
そうしないと「条件」が解除されなくて、何度やっても駄目だからね」
「うぐぐ」
「んで、クロエくんは人間じゃん。
人間は、怪我でも病気でも死ぬし、何より寿命があるわけだから、10年とか待ってらんない。」
「あっ、そうか」
「何とか1年以内に、恋人になってもらいたい。
これは医者の立場からだけど、あの子の成長を阻害するものは早めに取り除かないと……
最悪、壊れてしまうかも」
「何じゃと?」
「あの子、頭と体が釣り合ってないでしょう?
帝国では周りが彼を「大人」として認識してたから、頭の方も混乱しなくて済んでたと思うんだ。
でもこっちの国ではどう見ても子どもだし、現に学生たちは彼を子どもとして認識してる。
子ども扱いされ続けることで、今まで抑制出来てたことが出来なくなるかもしれない」
「それは、どういう…」
「推測になるけど、彼は何回も度を越した性的虐待を受け続けてきたわけでしょ?
なのに、それを自分の心の内で決着つけるっていう大人でも相当難しいことをやってるわけ。
それは、辺境領主っていう甘えられない立場にいたからこその強さだと思うんだよね。
でも、甘えられる立場になったら…どうかな?
ただでさえ、ここに来てからは領主でも指揮官でもないただの人なんだよね。
それが『子どもだから甘えてもいいんだよ』って周りが扱い始めたら、ギリギリで保ってた精神の均衡が崩れちゃうんじゃないかって…」
「そんな…」
「別にエースだけのせいじゃないよ。
あの条件に当てはまるような事が多すぎたんだ。
あの子に汚い欲望を押し付ける奴が多すぎる!
確かにかわいいよ、でも、かわいいからって犯してやろうとはならないよ、普通。
誰かがそう仕向けてる…と思えるくらい」
やや沈黙があって、銀髪が言う。
「つまり仕向けてるやつを処すればよいのか」
「北の猟犬みたいなこと言わないでよ」
「そいつを、こう、格好良く処せば、あの子が儂のこと見直すかもしれんじゃろ」
「「思考がヤバい」」
「それでなくとも、より安心できるじゃろうし…。
…それで、兄か、父か、どっちじゃ」
「仮定の段階で相当犯人を絞り込んだね」
「まだ、後ろで誰かが糸引いてるかどうかもわかんねーって言ってるだろうが」
「…どうせ、この戦を止めるのには、やつらを吊るすしかないしの、ついでじゃ。爪の1枚も剥がしてやれば、ピィピィうたいよるに違いないからのう、聞いてみるとするかの」
「聞いてどうするの?」
「そりゃあもう、罪のぶんだけ、首を吊るす前に切り落とす部位を増やすのよ」
「それ自分がやられたやつじゃん…」
「あれ結構辛いから、罰としちゃ妥当かもな」
涼しい顔でいう銀髪と長身に、先生がツッコむ。
それから、会話の内容を変えて言う。
「とりあえず、あの子には、「伴侶」って言葉は、帝国とうちの国とでは意味が違うって言っといたから」
「何と…!」
「さすが先生」
「んで、それの説明のときに、性行為とエッチなこととは違うって言ってあるから」
「えっちなこと?」
「君が言うところの閨とか夜伽ってやつ」
「…なるほど?」
「性行為はただ痛くてつらいけど、エッチなことは気持ちいいことだから大丈夫だよ~って。
あとは、君のテク…性技にかかってるからね、とにかく気持ちよくしてあげるように」
「うむ、まかせろ」
「ほんと大丈夫かよ…」
「一夜の相手ならいくらでもおったわい!」
「いや、がっついちゃだめってとこよ」
「…善処する」
先生が続ける。
「んでね、大事なことだけど…
あの子、精通してないから」
「なっ…!」
「何にもしてないからね!?
回路を調べたときわかったの。
しっかり休養と栄養をとって回復から成長にエネルギーを回してけば、そのうち来ると思うけど…
仮に、エッチなことして、あの子が射精に至らなくても、無理強いしちゃだめだよ。
射精がないとイッたかどうかわからないっていうなら、精通までは軽めのキスだけにして」
「うむ」
「あと、ほんとに処女の子とおんなじだからね、しっかり慣らしてから入れないと駄目だからね?
その上、日にちをかけて慣らして~ってのも出来ないからね?回復で元に戻っちゃうから。
しかも、ちょっとでも痛い思いさせたら、エッチは性行為と違うっていう理論が崩れるかもしれないからね?ほんと頼むよ?」
「うむ」
キリッとした顔をする銀髪に、長身が言う。
「…で、エッチまで行く方法は、どうする」
沈黙再び。
「…出来るだけ会いに来る。会って話をする」
「会って話をする…って、何をよ」
「…」
「会話の内容によっちゃ、またやられるぞ」
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