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王子様と皇太子殿下 2
先生、病室で皇太子と北の猟犬と
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エースが呆然とした顔で歩き、その隣を僕の優秀な助手にして恋人のユーゴが追いかけていく。
あの感じ、知ってる。
エースが失恋したときのあの感じ。
「駄目だったかぁ」
僕は独り言ちて、クロエくんの病室に向かう。
ちょうどあの「ああいえばこういう」のメンバーが一人、入っていくところだったので、僕も一緒に入る。
「クロエくん、エースと話、できた?」
と聞くと、
「はい、大変有意義なお話しができました」
と言う。
「ああいえばこういう」のやつが彼に話しかける。
話の内容を教えて欲しいらしい…僕がいるとこで聞いていい話なのか?
知らんけど。
彼は言った。
「エース殿が、お前たちにお慈悲を下さるそうだ。
望むなら北の領地へ帰って良いと言質を頂いた」
「さすが殿下!
では、希望者を募ります。
ところで……希望しない場合、このままこの国にいることはできるんでしょうか?」
「望まなければ帰らなくても構わない、ということにはなるだろうが…
帰りたくない者などいないだろう?
家族も仲間も北で帰りを待っているしな」
「では、北の領地とここを行き来することは?」
「それは国交が正常化した後で考えることだ。今すぐに要求できることではない」
「…あの王子様が「いい」といえばいいんで?」
「エース殿の裁量にそういったことが含まれていればそうだろうが…2度目も帝国が負けたのだろう?
今はしおらしくしておくのがいいだろうな」
なるほど、こいつらはクロエくんラブなんだな。
心配だからそばを離れたくないやつもいるし、家族の元へ帰っても時々顔を見に来たいやつもいるだろうし……ってことか。
なんだ、良かった。
ちゃんと愛されてるんだ、この子。
いやぁ、クロエくんがお願いすれば、エースのやつ、ホイホイ許可を出すと思うけどなぁー。
「お前たちがどうしてもというなら…さっきは断ったが、彼の伴侶になることを条件に再度交渉するが」
「伴侶?王子様の?」
「国交を正常化させるのに王族同士で婚姻関係を結ぶなど、よくあることだろう?
男同士の婚姻はマルーンでは認められていないが…ここの法ならそれもも可能なのかもしれん。
「子を成さないのが良い」そうだしな」
………!?
「っ、そんなのは駄目です!!
あの野郎は次の戦で殺す……!!」
「はは、エース殿下は強いぞ。勝てるのか?」
……今、聞き捨てならないことを聞いたぞ。
「伴侶」?
もー、あの子何いきなりプロポーズしてんのよ。
先生ドン引き…ドン引きですよ!?
「伴侶とはまた、いきなりだね」
「はい、エース殿下はそう言われましたが…
自分には、伴侶という立場を充てが割れる意味が分かりかねます。
自分では子を成すことは出来ません。
ただ定期的な性行為をご希望ならば、性欲処理係で良いのでは…とご提案致しましたら、それはしないと仰いますし…どういうことなのか、と。
この国の王族や貴族にとっては、帝国のと伴侶の意味が違うのでしょうか?
自分は、伴侶とは「特定の相手と子を産むために性行為をする者」だと理解しておりますが」
あっ、そこに疑問を持ったのか。
……これは少し光明があるぞ!
「うん…そうだね。
トーリではね、誰にとっても、伴侶ってそういうものじゃないんだ。
一緒にごはん食べたり、おでかけしたり、おしゃべりしたり…同じ空間にいるだけで心が穏やかになる…お互いがお互いを思いやる関係だよ」
するとクロエ君は一瞬考えてから言った。
「それは、友人と何が違うのでしょうか」
「それは…キスしたいなとか…エッチなことしたいなって思うことで…うーん、そうか、なるほど」
彼が前にユーゴに言った「死ぬより辛い目」っていうのは、セックスのことなんだ。
そうか、この子は一度も気持ちいいセックスをしたことないんだもの…。
というか、あれはセックスじゃないし!!
「…その、エースと「性行為」はしたくないと?」
「昔お会いした時は、そのような非道をする方には思えませんでしたので……余計に」
「そういうことするやつじゃないって、分かってくれてはいるんだ?」
「…はい、それは…何となく」
何だ、根っから嫌われてるとかじゃないんだ。
良かったねエース!
まだ何とか希望はあるよ!
「…その、ね、君の思うソレと、僕の言うエッチなこととは、別物というか、とにかく違うもので」
「はい、エッチと言う言葉は聞いたことがありませんので、別のものだと考えることは出来ますが。
つまり、友人関係に加え…キス?とか…エッチなこと?…をするのが、こちらの国での「伴侶」の意味なのですね」
「そう!そういうこと!」
僕はそのまま「エッチなこととは何か」を話そうとしたけれど、北の猟犬ににらまれたのでやめた。
部屋を出るときにそいつは僕にこう言った。
「殿下を傷つけた者は俺たちが殺す。
エースにもそう伝えておけ、先生」
愛がクッソ重いな、猟犬…。
あの感じ、知ってる。
エースが失恋したときのあの感じ。
「駄目だったかぁ」
僕は独り言ちて、クロエくんの病室に向かう。
ちょうどあの「ああいえばこういう」のメンバーが一人、入っていくところだったので、僕も一緒に入る。
「クロエくん、エースと話、できた?」
と聞くと、
「はい、大変有意義なお話しができました」
と言う。
「ああいえばこういう」のやつが彼に話しかける。
話の内容を教えて欲しいらしい…僕がいるとこで聞いていい話なのか?
知らんけど。
彼は言った。
「エース殿が、お前たちにお慈悲を下さるそうだ。
望むなら北の領地へ帰って良いと言質を頂いた」
「さすが殿下!
では、希望者を募ります。
ところで……希望しない場合、このままこの国にいることはできるんでしょうか?」
「望まなければ帰らなくても構わない、ということにはなるだろうが…
帰りたくない者などいないだろう?
家族も仲間も北で帰りを待っているしな」
「では、北の領地とここを行き来することは?」
「それは国交が正常化した後で考えることだ。今すぐに要求できることではない」
「…あの王子様が「いい」といえばいいんで?」
「エース殿の裁量にそういったことが含まれていればそうだろうが…2度目も帝国が負けたのだろう?
今はしおらしくしておくのがいいだろうな」
なるほど、こいつらはクロエくんラブなんだな。
心配だからそばを離れたくないやつもいるし、家族の元へ帰っても時々顔を見に来たいやつもいるだろうし……ってことか。
なんだ、良かった。
ちゃんと愛されてるんだ、この子。
いやぁ、クロエくんがお願いすれば、エースのやつ、ホイホイ許可を出すと思うけどなぁー。
「お前たちがどうしてもというなら…さっきは断ったが、彼の伴侶になることを条件に再度交渉するが」
「伴侶?王子様の?」
「国交を正常化させるのに王族同士で婚姻関係を結ぶなど、よくあることだろう?
男同士の婚姻はマルーンでは認められていないが…ここの法ならそれもも可能なのかもしれん。
「子を成さないのが良い」そうだしな」
………!?
「っ、そんなのは駄目です!!
あの野郎は次の戦で殺す……!!」
「はは、エース殿下は強いぞ。勝てるのか?」
……今、聞き捨てならないことを聞いたぞ。
「伴侶」?
もー、あの子何いきなりプロポーズしてんのよ。
先生ドン引き…ドン引きですよ!?
「伴侶とはまた、いきなりだね」
「はい、エース殿下はそう言われましたが…
自分には、伴侶という立場を充てが割れる意味が分かりかねます。
自分では子を成すことは出来ません。
ただ定期的な性行為をご希望ならば、性欲処理係で良いのでは…とご提案致しましたら、それはしないと仰いますし…どういうことなのか、と。
この国の王族や貴族にとっては、帝国のと伴侶の意味が違うのでしょうか?
自分は、伴侶とは「特定の相手と子を産むために性行為をする者」だと理解しておりますが」
あっ、そこに疑問を持ったのか。
……これは少し光明があるぞ!
「うん…そうだね。
トーリではね、誰にとっても、伴侶ってそういうものじゃないんだ。
一緒にごはん食べたり、おでかけしたり、おしゃべりしたり…同じ空間にいるだけで心が穏やかになる…お互いがお互いを思いやる関係だよ」
するとクロエ君は一瞬考えてから言った。
「それは、友人と何が違うのでしょうか」
「それは…キスしたいなとか…エッチなことしたいなって思うことで…うーん、そうか、なるほど」
彼が前にユーゴに言った「死ぬより辛い目」っていうのは、セックスのことなんだ。
そうか、この子は一度も気持ちいいセックスをしたことないんだもの…。
というか、あれはセックスじゃないし!!
「…その、エースと「性行為」はしたくないと?」
「昔お会いした時は、そのような非道をする方には思えませんでしたので……余計に」
「そういうことするやつじゃないって、分かってくれてはいるんだ?」
「…はい、それは…何となく」
何だ、根っから嫌われてるとかじゃないんだ。
良かったねエース!
まだ何とか希望はあるよ!
「…その、ね、君の思うソレと、僕の言うエッチなこととは、別物というか、とにかく違うもので」
「はい、エッチと言う言葉は聞いたことがありませんので、別のものだと考えることは出来ますが。
つまり、友人関係に加え…キス?とか…エッチなこと?…をするのが、こちらの国での「伴侶」の意味なのですね」
「そう!そういうこと!」
僕はそのまま「エッチなこととは何か」を話そうとしたけれど、北の猟犬ににらまれたのでやめた。
部屋を出るときにそいつは僕にこう言った。
「殿下を傷つけた者は俺たちが殺す。
エースにもそう伝えておけ、先生」
愛がクッソ重いな、猟犬…。
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