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王子様と皇太子殿下 1
北の猟犬は、皇太子の番犬でもある
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殿下がここへ運び込まれてから、1ヶ月。
今日もスヤスヤと眠る殿下の体を起こして、ひとさじずつ蜂蜜入りのヤギ乳を飲ませる。
初日は湯だったが、調子を見て少しずつ内臓に負荷のかかる?ものに変えていくんだと。
よくわかんないけど、ヤギ乳は赤ん坊にも飲ませたりするくらいだから体にいいんだろう。
ヤギもそういえば飼ってたな。
村に2,3頭しかいなかったけど。
「もっと飲ませてあげれたらいいのになあ」
何せ寝てるから、ちょっとずつしかあげられない。
1時間おきに2~3さじ程度しか駄目なんだって。
朝のぶんが終わったらまた寝かして、小便やら大便やら確認して、出ていればおむつを変えて、きれいに拭いて、頭を撫でる。
頭を撫でると、殿下がちょっとだけ笑うような気がするから、何となくいつもそうしている。
「今日もいい天気ですよ~」
天気のいい日の声かけは、大体これ。
いつ目を覚ますのかな。
でも、今まで、寝ないで頑張ることも多かったし、
戦のときは寝かしてもらえないようなこともあったし、だからいっぱい寝るといいと思う。
殿下は、少しだけまた、小さくなった気がする。
寝る子は育つっていうしな。寝て少しでも大きくなってくれたらいいんだけど。
さて、俺はそろそろ交代だ。
みんなが公平に殿下の世話を焼けるように、3時間交代で入れ替わる。次は外で見張りをしてるやつの番だ。
時々王子のやつも見舞いに来る。
そんで殿下の手を握ったり話しかけたりしている。
殿下の命が助かったのはあいつのおかげでもあるから、見舞いくらいは許してやることにした。
ただそれ以上の手出しはさせない。
だからそんときは俺たちで奴を見張る。
何せ、おむつを変えるのを、下心ありそうなやつに任せるわけにはいかないからな。
俺らに下心はないのかって?
そんなもん持ってるやつはいないね。
だって、こんな小さな殿下に欲情するほうがおかしいだろ。俺らにあるのは父性とか母性とか、そういうやつだ。もしくは忠誠心、または義理人情。
殿下は俺たちの心の真ん中にいるんだ。
神様みたいなもんかな。
神様みたいに恐れ多くはないけど、多分。
大事で、守らなきゃいけない人。
いつまでも生きていて欲しい人。
俺たちは殿下のために生きる。
殿下が「俺のために死ぬのは許さない」っていうから、じゃあ殿下のために生きるんならいいだろうって、みんなで決めてそうなった。
そのぐらい大切な人なんだ。
だから、王子様だろうがなんだろうが、殿下に手を出そうってんなら殺す。
戦場でも、どさくさに紛れて殿下に手を出したやつを何人も殺してきたからな。
……だってよ、あいつが言ったんだ。
殿下に手を出したら戦死するって噂になれば、そういうことするやつが減るかもしれないだろ?って。
そいつは名案だって、みんなで「そうしよう」ってことになったんだ。
そういえばあいつ、急に転属させられちまって…
元気にしてりゃいいんだけどな。
王命か何か知らねえけど、あいつらすーぐ権力使ってこっちを甚振ってきやがる。
どんだけ殿下を虐めたいんだよ。
どう考えたって狂ってるだろ。
俺たちの考えが極端なのは分かってるさ。
だけど話が通じねぇんだからどうしようもねー。
イカレたモノは処分するしかねーじゃん。
だろ?
誰かが言ってた。
「北の猟犬は、忠実な番犬で、狂犬」。
はっ、大いに結構。
少なくとも、ホコリタカキテイコクシンミン様と同じ括りには入りたくねーからな。
…しかし、犬以外の例えはないのかね?
犬は好きだけど、ちょっと複雑だな。
今日もスヤスヤと眠る殿下の体を起こして、ひとさじずつ蜂蜜入りのヤギ乳を飲ませる。
初日は湯だったが、調子を見て少しずつ内臓に負荷のかかる?ものに変えていくんだと。
よくわかんないけど、ヤギ乳は赤ん坊にも飲ませたりするくらいだから体にいいんだろう。
ヤギもそういえば飼ってたな。
村に2,3頭しかいなかったけど。
「もっと飲ませてあげれたらいいのになあ」
何せ寝てるから、ちょっとずつしかあげられない。
1時間おきに2~3さじ程度しか駄目なんだって。
朝のぶんが終わったらまた寝かして、小便やら大便やら確認して、出ていればおむつを変えて、きれいに拭いて、頭を撫でる。
頭を撫でると、殿下がちょっとだけ笑うような気がするから、何となくいつもそうしている。
「今日もいい天気ですよ~」
天気のいい日の声かけは、大体これ。
いつ目を覚ますのかな。
でも、今まで、寝ないで頑張ることも多かったし、
戦のときは寝かしてもらえないようなこともあったし、だからいっぱい寝るといいと思う。
殿下は、少しだけまた、小さくなった気がする。
寝る子は育つっていうしな。寝て少しでも大きくなってくれたらいいんだけど。
さて、俺はそろそろ交代だ。
みんなが公平に殿下の世話を焼けるように、3時間交代で入れ替わる。次は外で見張りをしてるやつの番だ。
時々王子のやつも見舞いに来る。
そんで殿下の手を握ったり話しかけたりしている。
殿下の命が助かったのはあいつのおかげでもあるから、見舞いくらいは許してやることにした。
ただそれ以上の手出しはさせない。
だからそんときは俺たちで奴を見張る。
何せ、おむつを変えるのを、下心ありそうなやつに任せるわけにはいかないからな。
俺らに下心はないのかって?
そんなもん持ってるやつはいないね。
だって、こんな小さな殿下に欲情するほうがおかしいだろ。俺らにあるのは父性とか母性とか、そういうやつだ。もしくは忠誠心、または義理人情。
殿下は俺たちの心の真ん中にいるんだ。
神様みたいなもんかな。
神様みたいに恐れ多くはないけど、多分。
大事で、守らなきゃいけない人。
いつまでも生きていて欲しい人。
俺たちは殿下のために生きる。
殿下が「俺のために死ぬのは許さない」っていうから、じゃあ殿下のために生きるんならいいだろうって、みんなで決めてそうなった。
そのぐらい大切な人なんだ。
だから、王子様だろうがなんだろうが、殿下に手を出そうってんなら殺す。
戦場でも、どさくさに紛れて殿下に手を出したやつを何人も殺してきたからな。
……だってよ、あいつが言ったんだ。
殿下に手を出したら戦死するって噂になれば、そういうことするやつが減るかもしれないだろ?って。
そいつは名案だって、みんなで「そうしよう」ってことになったんだ。
そういえばあいつ、急に転属させられちまって…
元気にしてりゃいいんだけどな。
王命か何か知らねえけど、あいつらすーぐ権力使ってこっちを甚振ってきやがる。
どんだけ殿下を虐めたいんだよ。
どう考えたって狂ってるだろ。
俺たちの考えが極端なのは分かってるさ。
だけど話が通じねぇんだからどうしようもねー。
イカレたモノは処分するしかねーじゃん。
だろ?
誰かが言ってた。
「北の猟犬は、忠実な番犬で、狂犬」。
はっ、大いに結構。
少なくとも、ホコリタカキテイコクシンミン様と同じ括りには入りたくねーからな。
…しかし、犬以外の例えはないのかね?
犬は好きだけど、ちょっと複雑だな。
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