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ロイ・ユーフォルビアの恋愛相談室
公爵家同士、一人っ子同士 5 ※~ラミー・フリージア視点~
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アウディが手配してくれた補佐局の一室で、私はトーリが風呂から出てくるのを待つ。
閨着に袖を通し、心許ない生地の薄さに慄きながらベッドの上で縮こまる。
今日、ついに、既成事実を作るのだ。
怖いけれど前に進まなくては…。
だが…
「うまく、できただろうか…」
準備の仕方は補佐局にいるジュリに習った。
かつてアルファード殿下の閨係に選ばれただけあって、ジュリはとても分かりやすく丁寧に教えてくれた。
そして一言…頑張れ、と言ってくれた。
「…トーリ、準備、できた?」
「ああ、まあ、何とか…ラミーは」
「私も…何とか」
一昨日、ロイ・ユーフォルビア殿の口利きでブレティラ殿に処方してもらった2本の秘薬。
その小瓶を、私たちはお互いに手に取った。
この薬を飲めば、自分が抱かれたい人間なのか抱きたい人間なのかがはっきりする…そうだ。
そういった欲望をさらけ出させる薬だと…ブレティラ殿から説明を受けた。
「これを飲めば、解決できる…」
「かもしれない、だ、ラミー。
世の中に絶対はない…と、言われただろう」
確かにそうだ。
だがこれは、飲む直前まで性交渉に至っていなかったであろうコーラスとミカの間に子を成した、その切っ掛けになった薬…
「藁にも縋るとはこのことだな」
今まで、性的な事からは出来る限り距離を置いて生きて来た。
私は、自分を産んだお父様から、性的欲求は恥ずべき事と言われ続け、子どもが2人以上いる親はふしだらだ、最低だと吹き込まれ続けてきた。
私はお前を産む為に生き恥を堪えたのだと…
どうして、そんな事を言ったんだろう。
お父様は私を恨んでいたのだろうか…
それとも、父上を恨んでいたのだろうか。
それでも。
「…過去と、父と、決別するんだ。
私は…愛する人と、結ばれたい」
「ラミー…」
「恥なんてことがあるものか…!!」
「っ、ラミー!?」
半分自棄になりながら、私は一気に薬を呷った。
愛する人の前で、何もかもさらけ出せないでどうする…!
「…っ!」
喉が焼けるように熱くなる。
その熱さが腹の中へ広がる。
「…、ラミー、大丈夫か…?」
「は…、トーリ…わたしは、」
熱さが次第に下腹部へ、全身へと漲る。
私は…わたしは…
「ラミー…?」
「は…あ、つい、脱がせて…」
「あ、ああ…分かった」
トーリが慣れない手つきで私の閨着を…
「んっ…あ、はぁっ…」
「…ラミー」
「…これが、んっ…かい、らく…?」
布が擦れるだけで、熱を帯びる…カラダ。
下半身の甘い疼き…ああ、そうか…
やはり。
「トーリ…わたしは、きみに、だかれたい…」
「待てラミー、私もこの薬を、」
「まてない…っ、ね、トーリは、わたしの、この…すがた、で、こうふん…しない…?」
「っ、しないわけ、ないだろ…!」
そうだ、バイオレット家の次期主君たるトーリ…わたしはしってる、かれの家が、どういう家か…
わたしの無知とは、ちがう…
すきを見せないために、いろごとを、さけてきた、だけ…だから…
トーリはきっと、これを、はじだから、かくすのでは、ない…
かくす、りゆうが、べつに、あるから…
それだけ…
ほんとうは、それだけで…
「トーリ、ほんとうは、わたしのこころが決まるまで待っていてくれたんだろ…」
「そっ…れは、そう…そんなこと、気にするな!」
トーリはいつも冷静だ。
その彼が顔を赤くする理由は…
恥ずかしいからじゃなくて、私との行為を想像して…だから…
「とーり…あいしてる」
「ああ、俺もラミーを、愛してるよ」
熱に浮かされた深いキス。
あれほど怖かったキスが…たまらなく、……いい。
「んっ…ふ、んぅ…」
耳に響く水音、粘膜の擦れ合う音…
トーリの指が私の胸に触れる、粒を指で押し上げて、円を描く。
「は…ん、ふ…ぅぁ」
両方の粒をそうして何度も…して、優しくつまんで…抓って、何度も、優しく。
「あんっ…あん、うん、ふぁっ…あん」
自分の中心が立ち上がり、トーリのガウンに当たる。
「トーリ…ぬいで、よごれる」
「気にするな、洗えば良いだけだ」
「あっ、ん、ちが、ぬいで、ああんっ!」
わたしははだかなのに、トーリは服をきてるなんて、ずるい…
「わたしもトーリのはだか、みたい…」
「…分かった」
トーリがさらりとガウンを脱ぐ。
大事な部分を包み込む下着は…
紫の、シルク…その奥は…。
「やらしい…とーり」
「ラミーのここも、やらしくなってる」
ラミーがわたしのそこを撫でる。
撫でてから、つつみこむように、にぎって、全体を撫でるように…動く。
「あ…あ、だめ、そこ、さわっちゃ…」
「ラミー、まずはイってみて…?
それから、次の段階へ、進もう…」
トーリの手が私のそれをしごくようにして高める。
「あ、あ…むふ」
トーリがまたキスをくれる。
深くてやらしい、舌を入れて絡ませるのを…
「ん、んん、ん…っ、、!」
そこから先、覚えているのは…
トーリのそれを、後孔へ収めて、腰を振って…
胸を吸われて、噛まれて、白濁をまき散らして…
奥の奥まで、彼のもので埋め尽くされて…
「トーリ、あ、トーリ!トーリぃッ!!」
彼の名前を叫んで、何度も絶頂を迎えて、それでもまだ足りないとねだる自分…だった。
閨着に袖を通し、心許ない生地の薄さに慄きながらベッドの上で縮こまる。
今日、ついに、既成事実を作るのだ。
怖いけれど前に進まなくては…。
だが…
「うまく、できただろうか…」
準備の仕方は補佐局にいるジュリに習った。
かつてアルファード殿下の閨係に選ばれただけあって、ジュリはとても分かりやすく丁寧に教えてくれた。
そして一言…頑張れ、と言ってくれた。
「…トーリ、準備、できた?」
「ああ、まあ、何とか…ラミーは」
「私も…何とか」
一昨日、ロイ・ユーフォルビア殿の口利きでブレティラ殿に処方してもらった2本の秘薬。
その小瓶を、私たちはお互いに手に取った。
この薬を飲めば、自分が抱かれたい人間なのか抱きたい人間なのかがはっきりする…そうだ。
そういった欲望をさらけ出させる薬だと…ブレティラ殿から説明を受けた。
「これを飲めば、解決できる…」
「かもしれない、だ、ラミー。
世の中に絶対はない…と、言われただろう」
確かにそうだ。
だがこれは、飲む直前まで性交渉に至っていなかったであろうコーラスとミカの間に子を成した、その切っ掛けになった薬…
「藁にも縋るとはこのことだな」
今まで、性的な事からは出来る限り距離を置いて生きて来た。
私は、自分を産んだお父様から、性的欲求は恥ずべき事と言われ続け、子どもが2人以上いる親はふしだらだ、最低だと吹き込まれ続けてきた。
私はお前を産む為に生き恥を堪えたのだと…
どうして、そんな事を言ったんだろう。
お父様は私を恨んでいたのだろうか…
それとも、父上を恨んでいたのだろうか。
それでも。
「…過去と、父と、決別するんだ。
私は…愛する人と、結ばれたい」
「ラミー…」
「恥なんてことがあるものか…!!」
「っ、ラミー!?」
半分自棄になりながら、私は一気に薬を呷った。
愛する人の前で、何もかもさらけ出せないでどうする…!
「…っ!」
喉が焼けるように熱くなる。
その熱さが腹の中へ広がる。
「…、ラミー、大丈夫か…?」
「は…、トーリ…わたしは、」
熱さが次第に下腹部へ、全身へと漲る。
私は…わたしは…
「ラミー…?」
「は…あ、つい、脱がせて…」
「あ、ああ…分かった」
トーリが慣れない手つきで私の閨着を…
「んっ…あ、はぁっ…」
「…ラミー」
「…これが、んっ…かい、らく…?」
布が擦れるだけで、熱を帯びる…カラダ。
下半身の甘い疼き…ああ、そうか…
やはり。
「トーリ…わたしは、きみに、だかれたい…」
「待てラミー、私もこの薬を、」
「まてない…っ、ね、トーリは、わたしの、この…すがた、で、こうふん…しない…?」
「っ、しないわけ、ないだろ…!」
そうだ、バイオレット家の次期主君たるトーリ…わたしはしってる、かれの家が、どういう家か…
わたしの無知とは、ちがう…
すきを見せないために、いろごとを、さけてきた、だけ…だから…
トーリはきっと、これを、はじだから、かくすのでは、ない…
かくす、りゆうが、べつに、あるから…
それだけ…
ほんとうは、それだけで…
「トーリ、ほんとうは、わたしのこころが決まるまで待っていてくれたんだろ…」
「そっ…れは、そう…そんなこと、気にするな!」
トーリはいつも冷静だ。
その彼が顔を赤くする理由は…
恥ずかしいからじゃなくて、私との行為を想像して…だから…
「とーり…あいしてる」
「ああ、俺もラミーを、愛してるよ」
熱に浮かされた深いキス。
あれほど怖かったキスが…たまらなく、……いい。
「んっ…ふ、んぅ…」
耳に響く水音、粘膜の擦れ合う音…
トーリの指が私の胸に触れる、粒を指で押し上げて、円を描く。
「は…ん、ふ…ぅぁ」
両方の粒をそうして何度も…して、優しくつまんで…抓って、何度も、優しく。
「あんっ…あん、うん、ふぁっ…あん」
自分の中心が立ち上がり、トーリのガウンに当たる。
「トーリ…ぬいで、よごれる」
「気にするな、洗えば良いだけだ」
「あっ、ん、ちが、ぬいで、ああんっ!」
わたしははだかなのに、トーリは服をきてるなんて、ずるい…
「わたしもトーリのはだか、みたい…」
「…分かった」
トーリがさらりとガウンを脱ぐ。
大事な部分を包み込む下着は…
紫の、シルク…その奥は…。
「やらしい…とーり」
「ラミーのここも、やらしくなってる」
ラミーがわたしのそこを撫でる。
撫でてから、つつみこむように、にぎって、全体を撫でるように…動く。
「あ…あ、だめ、そこ、さわっちゃ…」
「ラミー、まずはイってみて…?
それから、次の段階へ、進もう…」
トーリの手が私のそれをしごくようにして高める。
「あ、あ…むふ」
トーリがまたキスをくれる。
深くてやらしい、舌を入れて絡ませるのを…
「ん、んん、ん…っ、、!」
そこから先、覚えているのは…
トーリのそれを、後孔へ収めて、腰を振って…
胸を吸われて、噛まれて、白濁をまき散らして…
奥の奥まで、彼のもので埋め尽くされて…
「トーリ、あ、トーリ!トーリぃッ!!」
彼の名前を叫んで、何度も絶頂を迎えて、それでもまだ足りないとねだる自分…だった。
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