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学園6年目
英雄と答え合わせ
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「逆カプは地雷なんで先に聞いときます」
「は…はあ」
「カー×ヘザ?ヘザ×カー?」
「いや…ちょっと、まだカート君が16歳なんで」
「じゃあ、ジョン×エルかエル×ジョンかは?」
「そこは素直にジョン×エルですよ」
「あとイド×ソラ超以外!
サークル3つくらいしか見た事無い」
「あるのはあるんだ…」
英雄…という二つ名のオタクで腐男子の桜井さんが、敬語をかなぐり捨ててマシンガンの如く喋る。
こんなに喋る英雄を見たことがないらしいアンジャベル卿は固まっている。
桜井さんによると、ゲームで後宮へ入れることが出来る30人のメンバーは、
・エルさま ・ジョンさん
・ヘザー先輩 ・カート君
・カレンデュラ先生 ・アレクさん
・イドラ君 ・ソラン先輩
・ワルド先輩 ・ルディ君
・カイト君 ・デューイ君
・ノースさん ・ガーベラ先輩
・セント神官長 ・ダグさん
・コーラス君 ・シャムロック様
・バイオレット先輩 ・フリージア先輩
・アウディ君 ・フィーデ君
・ウィン兄 ・ディー兄
・トレッドさん ・クリビアさん
・モロー君 ・薬学の助手さん
・ケンタウレア先生 ・ゴード先輩
だそうだ。
最後の2人が衝撃過ぎて、俺は桜井さんに確認した。
「最後の筋肉山脈どもはどういう需要があって…?」
すると、桜井さんは驚愕の事実を教えてくれた。
「ゴード君はともかく、ケンタウレア先生は元々あんな厳つくなかったんだよね。
ゲームでも中国拳法の達人みたいな体形だった」
「……は?」
「俺、だいぶ昔に一回ここで教師やったんだ。
そん時は全然…それがこんなことになるなんて」
「まさか、あの体形…桜井さんの影響!?」
「多分」
英雄に憧れて肉体改造したって事!?
それで筋トレに詳しいの!?
まじか…!!
「だから、あのフェンネルって人が代わりに入ってるんじゃないかな…と思ってたんだ」
「体形基準!?」
「いや、あの人どうみても攻めっぽいじゃない?
ゲームのケンタウレア先生も、すらっとして雰囲気のある攻め感全開のおじさまだったもん」
「つまり『枠』基準ってことですか?」
「多分ね。
だって筋肉キャラがそんなに居ても…
ジョンさんと被るじゃん、マッチョおじさま枠」
「…既婚者枠って無かったんですか?」
「ゲームのケンタウレア先生は独身だもん!
だから多分、そこはクリビアさんだよね。
バツイチじゃん?あの人。
ガチ既婚はちょっと倫理的にな……。
NTRはやっぱ一般ウケしないんじゃないかな」
一棒一穴主義が基本だから~とか、謎の言語を話す47歳のおじさん。
異世界関係者同士でも言語が分かりません…!!
でも桜井さんは構わず話し続けた。
「でもまさか麗しの眼鏡様が魔王と結婚とは!
予想もつかなかったなー」
クリビアさん、麗しの眼鏡様って呼ばれてんだ…
多分前世での話だと思うけど。
……ん?
「あれ……?もしかしてゲームでもヘヴィさんって魔王って呼ばれてるんですか?」
「うん、バッドエンドで出てきて、王都を火の海にする役だからね」
「ええええ…」
「当て馬固定のバッドエンド固定。
30人分のしっかりした個別ストーリーと10種類に及ぶグッドエンド、4分37秒に及ぶアニメーション付トゥルーエンド、美麗なスチルにグラフィックがある分、そこに予算が割けなかったんじゃない?
それか、そこにも考察の余地を残したかどっちか」
「是非とも後者でお願いしたい」
でなかったら何か俺不憫じゃない?
切実に意味があって欲しいよ。
「ところで、俺が救われるエンドは無いんですか?」
「無いよ?
攻略対象が攻めだって分かる描写に使われたりもするけど、基本モブレスチル埋める役だからね」
「も、もぶれ?」
「顔も知らない男に強姦されたり輪姦されたりするって事だけど」
「うそやあああん!?」
桜井さん曰く、どのルートでも大体ついてくる話なのだそうだ。
スチル数何と12枚…って、グッドエンド10にトゥルーとバッド足したら12やんか!!
救いが無さ過ぎる!!
「だって30人に抱いてくれって言いまわるんだよ?
尻軽すぎじゃない?」
「そうだな」
横から急に殿下が不機嫌全開の顔で口を挟む。
そのツッコミに桜井さんが言う。
「だから「尻軽すぎること」の説明をつけるのに、必要だったんじゃないかな」
「理不尽だ!!」
「ははは……だよねえ……。」
俺の怒りに桜井さんはため息交じりに同意してくれた後、またも爆弾を落とした。
「だから、ルース君の薄い本はいっぱい出てたよ」
「…はっ?」
「最大派閥だもん、アル×ルー」
「あ、あるるー?」
あるるーのおんなたち?
何で急にクラシックの話?
いやいやそういう事じゃなくて…えっ?
俺の混乱をよそに、桜井さんは言った。
「アルファード殿下とルース君がくっつくのが正解だ、って思った人が多かったってことさ。
ゲームでも『正室』が誰なのかは分からないし、公式からも明かされていないんだ。
だからその辺に何かあるんじゃないかって…みんなが考察したりしたんだよ」
「そうか……」
つまり、俺がアルと一緒になることは、前世でも支持されてたってこと…?
「何だかちょっと、ほっとしました…」
「ははは、それなら良かった」
最後の最後何が起きるかと思ったけど、「英雄」さんも俺と殿下の結婚に異論はないみたいで良…
「ん…?」
「どうした、ルース」
さっき桜井さんは高2でこっちに来たって…
あれ?
「あの、確か薔薇の楽園は18き…」
「細かい事は気にしないでください」
桜井さんは「それ以上言うな」という圧倒的威圧を強めに出した後、
「高校生のリビドーは時に法を飛び越えるのだ…」
とカッコ良く言って……
いやいやいやいや騙されまへんで!?
こら、しれっと去ろうとすな!!
説明せえ!!!
「は…はあ」
「カー×ヘザ?ヘザ×カー?」
「いや…ちょっと、まだカート君が16歳なんで」
「じゃあ、ジョン×エルかエル×ジョンかは?」
「そこは素直にジョン×エルですよ」
「あとイド×ソラ超以外!
サークル3つくらいしか見た事無い」
「あるのはあるんだ…」
英雄…という二つ名のオタクで腐男子の桜井さんが、敬語をかなぐり捨ててマシンガンの如く喋る。
こんなに喋る英雄を見たことがないらしいアンジャベル卿は固まっている。
桜井さんによると、ゲームで後宮へ入れることが出来る30人のメンバーは、
・エルさま ・ジョンさん
・ヘザー先輩 ・カート君
・カレンデュラ先生 ・アレクさん
・イドラ君 ・ソラン先輩
・ワルド先輩 ・ルディ君
・カイト君 ・デューイ君
・ノースさん ・ガーベラ先輩
・セント神官長 ・ダグさん
・コーラス君 ・シャムロック様
・バイオレット先輩 ・フリージア先輩
・アウディ君 ・フィーデ君
・ウィン兄 ・ディー兄
・トレッドさん ・クリビアさん
・モロー君 ・薬学の助手さん
・ケンタウレア先生 ・ゴード先輩
だそうだ。
最後の2人が衝撃過ぎて、俺は桜井さんに確認した。
「最後の筋肉山脈どもはどういう需要があって…?」
すると、桜井さんは驚愕の事実を教えてくれた。
「ゴード君はともかく、ケンタウレア先生は元々あんな厳つくなかったんだよね。
ゲームでも中国拳法の達人みたいな体形だった」
「……は?」
「俺、だいぶ昔に一回ここで教師やったんだ。
そん時は全然…それがこんなことになるなんて」
「まさか、あの体形…桜井さんの影響!?」
「多分」
英雄に憧れて肉体改造したって事!?
それで筋トレに詳しいの!?
まじか…!!
「だから、あのフェンネルって人が代わりに入ってるんじゃないかな…と思ってたんだ」
「体形基準!?」
「いや、あの人どうみても攻めっぽいじゃない?
ゲームのケンタウレア先生も、すらっとして雰囲気のある攻め感全開のおじさまだったもん」
「つまり『枠』基準ってことですか?」
「多分ね。
だって筋肉キャラがそんなに居ても…
ジョンさんと被るじゃん、マッチョおじさま枠」
「…既婚者枠って無かったんですか?」
「ゲームのケンタウレア先生は独身だもん!
だから多分、そこはクリビアさんだよね。
バツイチじゃん?あの人。
ガチ既婚はちょっと倫理的にな……。
NTRはやっぱ一般ウケしないんじゃないかな」
一棒一穴主義が基本だから~とか、謎の言語を話す47歳のおじさん。
異世界関係者同士でも言語が分かりません…!!
でも桜井さんは構わず話し続けた。
「でもまさか麗しの眼鏡様が魔王と結婚とは!
予想もつかなかったなー」
クリビアさん、麗しの眼鏡様って呼ばれてんだ…
多分前世での話だと思うけど。
……ん?
「あれ……?もしかしてゲームでもヘヴィさんって魔王って呼ばれてるんですか?」
「うん、バッドエンドで出てきて、王都を火の海にする役だからね」
「ええええ…」
「当て馬固定のバッドエンド固定。
30人分のしっかりした個別ストーリーと10種類に及ぶグッドエンド、4分37秒に及ぶアニメーション付トゥルーエンド、美麗なスチルにグラフィックがある分、そこに予算が割けなかったんじゃない?
それか、そこにも考察の余地を残したかどっちか」
「是非とも後者でお願いしたい」
でなかったら何か俺不憫じゃない?
切実に意味があって欲しいよ。
「ところで、俺が救われるエンドは無いんですか?」
「無いよ?
攻略対象が攻めだって分かる描写に使われたりもするけど、基本モブレスチル埋める役だからね」
「も、もぶれ?」
「顔も知らない男に強姦されたり輪姦されたりするって事だけど」
「うそやあああん!?」
桜井さん曰く、どのルートでも大体ついてくる話なのだそうだ。
スチル数何と12枚…って、グッドエンド10にトゥルーとバッド足したら12やんか!!
救いが無さ過ぎる!!
「だって30人に抱いてくれって言いまわるんだよ?
尻軽すぎじゃない?」
「そうだな」
横から急に殿下が不機嫌全開の顔で口を挟む。
そのツッコミに桜井さんが言う。
「だから「尻軽すぎること」の説明をつけるのに、必要だったんじゃないかな」
「理不尽だ!!」
「ははは……だよねえ……。」
俺の怒りに桜井さんはため息交じりに同意してくれた後、またも爆弾を落とした。
「だから、ルース君の薄い本はいっぱい出てたよ」
「…はっ?」
「最大派閥だもん、アル×ルー」
「あ、あるるー?」
あるるーのおんなたち?
何で急にクラシックの話?
いやいやそういう事じゃなくて…えっ?
俺の混乱をよそに、桜井さんは言った。
「アルファード殿下とルース君がくっつくのが正解だ、って思った人が多かったってことさ。
ゲームでも『正室』が誰なのかは分からないし、公式からも明かされていないんだ。
だからその辺に何かあるんじゃないかって…みんなが考察したりしたんだよ」
「そうか……」
つまり、俺がアルと一緒になることは、前世でも支持されてたってこと…?
「何だかちょっと、ほっとしました…」
「ははは、それなら良かった」
最後の最後何が起きるかと思ったけど、「英雄」さんも俺と殿下の結婚に異論はないみたいで良…
「ん…?」
「どうした、ルース」
さっき桜井さんは高2でこっちに来たって…
あれ?
「あの、確か薔薇の楽園は18き…」
「細かい事は気にしないでください」
桜井さんは「それ以上言うな」という圧倒的威圧を強めに出した後、
「高校生のリビドーは時に法を飛び越えるのだ…」
とカッコ良く言って……
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説明せえ!!!
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