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学園6年目
着々と迫る結婚
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3学期早々。
おじいちゃん先生の最後の我儘がさく裂し、王宮と学園を結ぶ通信用タイプライターの設置工事が始まった。
後宮と魔法棟の研究室を繋ぎ、定期連絡装置として使用するらしい。
後宮側のタイプライターは1階の「魔法総合研究室王宮支部」、学園側はこの部屋を使うことになったので朝からネリネ教授が部屋の中をウロウロしている。
「王宮から学園までほぼ真っ直ぐだから道に穴開けて導線引くのも早いみたいでな…
ほら、土魔法で一気に直線で掘るアレ」
「でもここ4階ですよ?」
「けどここなら隣はうちだし、異常があっても俺が対応できるしな。
それにこれで通信する為に、俺ら3人魔法の特訓もしてるんだ。
そもそも、サーシェが後宮に行っちまうんじゃないかと思って俺が校長を焚きつけたんだし…
責任もって管理するよ」
「そうだったんですね」
そういえばネリネ教授とマグノリア教授って付き合ってるんだっけ。
結婚とか考えたりしてるのかしら…
ってことは、学園内に保育所作った方が良さそうだな。
そしたら4つ子ちゃんたちもそこで預かって貰えるし…貴族の初等教育について考えるいい機会にもなるか。
ベルガモット新校長に提案してみよ。
「卒業する前にまた仕事が増えたな…」
「また何か思いついたのか?」
「ええ、まあ…」
「本当ルースは仕事好きだな」
…と、そんな会話をしているところへ、アレクさんがスケジュール帳を片手にやってきた。
***
アレクさんは俺に1枚の予定表を渡して言った。
「ルース様、こちら2月14日の予定です」
「午前に立太子式で午後に結婚式だっけ」
「そうっす。
披露宴は2月15日で、初夜は16日っす」
「初夜の予定まで!?」
やだ恥ずかしい!
「んで、初夜から1週間、お2人で殿下の部屋に籠り切りになります」
「いっしゅうかん」
長っ!?
「そっす、その後は学園に戻って卒業式。
それが終わったら新婚旅行も込みで3ヶ月かけて国内すべての領へ視察に行くっす」
「3ヶ月も!?」
長っ!!
「新婚旅行は俺とトルセンも付いて行くっす。
護衛とスケジュール管理は任してください!」
「あれっ、ウィン兄とディー兄は?」
「一旦里帰りっすね。
なんで、アナガリス領までは同行するっす」
「おお、なるほど?」
「御者はモロー…セリンセ商会に一任してます。
途中で荷物が増えたら配送も頼めるってことで」
「ここにきてモロー君…有難いなあ」
やっぱ物流を仕切ってるってデカいよな。
お返しに何か商売の種を考えつけたらいいんだけど。
「あと、どうやらエル王子がご懐妊してるっす」
「えっ、まじですか」
「なんで、もう側室とか後宮って言葉を改める事になったっす」
「それ早急にやらないといけないやつじゃ…?」
そうしないと、殿下の子どもじゃないのに殿下の子どもになっちゃうじゃん。
色々と問題でしょ…
「それにしてもめでたい事が続きますね」
「そうっすね、うちもそろそろ考えようって…トルセンが」
「はは…まあ授かり物だから、早めに始めた方がいいかもしれませんね」
とはいうものの、俺、確実に産まないといけないんだよな。
出来るかなあ…。
「はあ…」
考えても仕方ない。
色んな意味で、やるしかない。
おじいちゃん先生の最後の我儘がさく裂し、王宮と学園を結ぶ通信用タイプライターの設置工事が始まった。
後宮と魔法棟の研究室を繋ぎ、定期連絡装置として使用するらしい。
後宮側のタイプライターは1階の「魔法総合研究室王宮支部」、学園側はこの部屋を使うことになったので朝からネリネ教授が部屋の中をウロウロしている。
「王宮から学園までほぼ真っ直ぐだから道に穴開けて導線引くのも早いみたいでな…
ほら、土魔法で一気に直線で掘るアレ」
「でもここ4階ですよ?」
「けどここなら隣はうちだし、異常があっても俺が対応できるしな。
それにこれで通信する為に、俺ら3人魔法の特訓もしてるんだ。
そもそも、サーシェが後宮に行っちまうんじゃないかと思って俺が校長を焚きつけたんだし…
責任もって管理するよ」
「そうだったんですね」
そういえばネリネ教授とマグノリア教授って付き合ってるんだっけ。
結婚とか考えたりしてるのかしら…
ってことは、学園内に保育所作った方が良さそうだな。
そしたら4つ子ちゃんたちもそこで預かって貰えるし…貴族の初等教育について考えるいい機会にもなるか。
ベルガモット新校長に提案してみよ。
「卒業する前にまた仕事が増えたな…」
「また何か思いついたのか?」
「ええ、まあ…」
「本当ルースは仕事好きだな」
…と、そんな会話をしているところへ、アレクさんがスケジュール帳を片手にやってきた。
***
アレクさんは俺に1枚の予定表を渡して言った。
「ルース様、こちら2月14日の予定です」
「午前に立太子式で午後に結婚式だっけ」
「そうっす。
披露宴は2月15日で、初夜は16日っす」
「初夜の予定まで!?」
やだ恥ずかしい!
「んで、初夜から1週間、お2人で殿下の部屋に籠り切りになります」
「いっしゅうかん」
長っ!?
「そっす、その後は学園に戻って卒業式。
それが終わったら新婚旅行も込みで3ヶ月かけて国内すべての領へ視察に行くっす」
「3ヶ月も!?」
長っ!!
「新婚旅行は俺とトルセンも付いて行くっす。
護衛とスケジュール管理は任してください!」
「あれっ、ウィン兄とディー兄は?」
「一旦里帰りっすね。
なんで、アナガリス領までは同行するっす」
「おお、なるほど?」
「御者はモロー…セリンセ商会に一任してます。
途中で荷物が増えたら配送も頼めるってことで」
「ここにきてモロー君…有難いなあ」
やっぱ物流を仕切ってるってデカいよな。
お返しに何か商売の種を考えつけたらいいんだけど。
「あと、どうやらエル王子がご懐妊してるっす」
「えっ、まじですか」
「なんで、もう側室とか後宮って言葉を改める事になったっす」
「それ早急にやらないといけないやつじゃ…?」
そうしないと、殿下の子どもじゃないのに殿下の子どもになっちゃうじゃん。
色々と問題でしょ…
「それにしてもめでたい事が続きますね」
「そうっすね、うちもそろそろ考えようって…トルセンが」
「はは…まあ授かり物だから、早めに始めた方がいいかもしれませんね」
とはいうものの、俺、確実に産まないといけないんだよな。
出来るかなあ…。
「はあ…」
考えても仕方ない。
色んな意味で、やるしかない。
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