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学園6年目

到着、そしてお家騒動 1

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あれから国境でもある大きな河を越え、何日か馬車を走らせ、カメリア王国の王都へ到着。

予定通り、王城宿泊組…
・俺と殿下
・側近ズ+カレンデュラ先生
・エルさまとジョンさん
前国王殿下おじいちゃんせんせい
・ケンタウレア先生とヘヴィさん

ローズ大使館宿泊組…
・魔法棟5侯爵
・カート君とヘザー先輩
・デューイ君とカイト君
・古代魔法3人衆
・ネリネ教授

アイリス商会カメリア支店宿泊組…
・イドラ君とソラン先輩
・ガーベラ先輩とノースさん
・モロー君
・ビスカリア教授

に分かれて宿泊することになった。

「じゃあ、僕たちは王都観光にでも行こうかな」
「あ、俺も行きたい!」
「まず挨拶をしてからな」

というわけで、王城宿泊組は謁見まで待機。
ローズ大使館組は観光、アイリス商会組は商談…
でもソラン先輩とビスカリア教授には他にお仕事があるらしい。

「僕とビスカリア教授は、こっちの冒険者ギルドに呼ばれてるから…」
「盾の話と、魔生物講習について知りたいんだと」
「あー、それならクリビアさんに付いてきてもらえば良かったですね」
「いや、多分行った先に居ると思う…この話はローズのギルドを通して聞いたから」
「なんですと?」

そういえばシャラパールの時もいつの間にかいたんだよな…
ギルド同士、国を越えた独自の交流があっても不思議じゃない。
そのうちあのランクアップシステムが世界中へ広がるかもしれないな…

とんでもねえ。

「あー、でももしクリビアさんが居るんなら、ヘヴィさんと一緒にパーティーに出て貰えないかなぁ」
「えっ、何で?」
「踊らないのは踊れないからじゃないところを見せる為で…っと、実は、ヘヴィさんはクリビアさん以外の人と踊れないんですよ…ね、ヘヴィさん」
「…うむ」

その言葉に色めき立つ魔法馬鹿4人組。

「え、それって…」
「もしかして、そうなんですか!?」
「父さん、ようやく踏ん切りがついたんだね…良かった」
「ふむ、それは何よりじゃな!」
「あ、いや、そういう事では無くて」

クリビアさんに頼んでヘヴィさんにダンスを教えてもらったのはいいけれど、本来リードする側のダンスを踊るヘヴィさんは、リードされる側のダンスを踊る人にコントロールされないと踊れないのだ。
つまり、そういった事を知っているクリビアさんとじゃないと「物理的に」踊れないという事なのだ。

「色気の無い話で申し訳ない」
「えー、そんなあ」

すると、ヘザー先輩が怒った。

「父さん、クリビアさんの事好きなんじゃないの!?」
「それは、その…好きか嫌いかで言えば、好きだが…」
「なんなのそれ!?どういう事!!」
「どうもこうも…俺がクリビア殿に恋愛感情を持った事は…無い」
「ひどいよ父さん…!!」
「ひ…ひどい?何がだ」

言い合いをするヘヴィさんとヘザー先輩。
気持ちはわかる…なんせ相当な数の人たちが勘違いしているからな。
「ヘヴィさんとクリビアさんがお付き合いしてる」って…。

かく言う俺もそう思ってたよ。

隠してるんだと思ってたから言わなかったし、態度に出さなかっただけでさ…

だけど、ヘヴィさんだけがそうかと思ったらクリビアさんもどうやらそうみたいで、特に恋愛感情は無い、なんて言うんだよな。
つまり、盛り上がってるのは周りだけ…

しょうもない話だよなあ。

「もうっ、父さんったら!」
「し、しかし、その…だな」

ちょっとした親子喧嘩が続いているのを見ながら、俺はただ謁見の時間が来るのを待ったのだった…。
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