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学園6年目
学内探索 4
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第3~6寮、特に問題なし。
闇魔法に掛かった人たちの共通点を探してそこを集中的に調べる作戦にしたほうが良さそう…
移動の度に人が増えて、いつの間にかケンタウレア先生の新しいお弟子さん2人に各種剣術体術の研究生までくっついてきた。
人手があるから捜索の時間は短くて済むんだけど、闇飛ばしは俺1人だからなあ…
結構大変。
現在は一般棟で、各研究室を訪ね歩き片っ端から闇飛ばし中。
結果、殆どの教授が闇魔法の影響下にあるという有様で、多くの授業が自習になった。
「どこで掛かってきたんですかね」
「知らん、後で聞いてみるしかないな」
ぐったりしている教授たちを一つの教室に集め、見張りに武術棟の数人を残す。
今日は自習デーだな…
授業開始早々、とんでもない騒ぎだ。
そんなわけで、騒ぎを聞きつけた殿下がフィーデ君とプリムラ君をつれてやってきた。
「この調子で7~12寮まで続けるのか?」
「各教室も調査するとなると、班で分かれた方が良いんじゃないですかね」
「そうですね、じゃあ手分けして…」
捜索係をネリネ・ルディ班とガーベラ・ワルド班に分ける。
人を調べるのは魔法総合と殿下だ。
「寮にはそれほど人はいないでしょうから、我々は一般棟と魔法棟でそれっぽい人を探しましょう」
「それより、ルースの魔力が持つのか?
その闇飛ばしを誰かに教えて、人手を増やした方が良いんじゃないか」
「そうですね、今日一日なら何とかなりそうですけど…
今日以降は光のヒソップ教授の手を借りられるようにお願いしてみましょう」
教授の都合もあるだろうし、さすがに教えてすぐ…ってわけにはいかないもんな。
いやヒソップ教授なら出来そうだけど…一応。
「光の侯爵様か…ヒソップ家はずっと光属性なんですかね」
「確か光属性の者が跡を継ぐというやり方を取っているはずだ。
ヒソップ家でも光属性以外の者が生まれる事があるそうでな」
ふーん、やっぱり純粋に遺伝ってことじゃなさそうだな。
ただ、今は最初の発現属性から派生して多属性を取得できるようになったからその辺は気楽になったかも…
ってことは純粋に魔力量がものをいう事になるのかしら。
そんな話を殿下としていると、おじいちゃん先生が言った。
「さっきの話じゃがの?
少なくとも魔力量は遺伝かもしれん。
魔法棟5侯爵の家は代々魔力量が多いからのう…
ベルガモット家にしても属性は代々バラバラじゃが、かなり高位の魔法使いになるからの」
「そういや火の侯爵って、実は空席なんでしたっけ」
「僕、ずっとベルガモット家が火の侯爵家だと思ってたのになあ…」
俺も俺も、と色んな所から声が上がり…まあ確かに火魔法への教授の拘りって勘違いを産むくらい強いもんな。
正確には「魔法のような、練習量がものをいう能力を鍛える」ことへの執着だけど…。
努力すれば報われるってすごく分かりやすい構図だもんな、魔法って。
しかし、そうなると問題はベルガモット教授がやたらと対抗心を燃やすあの人だ。
「ただそうなると、ヘヴィさんの存在が困ったことになりません?」
「そうじゃの…それが魔法師団の中で不和が起こった理由でもあるしの」
だって元々平民だもん。
平民と貴族で何が違うって、基本的には魔力量なわけで…。
だからこそ「魔力無し」って言葉は貴族間でそこそこの悪口になるんだけどね。
するとデューイ君が「あっ!」と声を上げて、言う。
「実は先祖が高名な貴族のご落胤とか!?」
「それは無いよ!突然変異か何かじゃないの」
毎度のヘザー先輩の言いぐさに全員が苦笑する。
まあ、多分それが正解だとは思うんだけど…あっ。
「…そういうことにすればグロリオサ家を侯爵家にしても言い訳が立ちますね?」
「ほう…確かにそうじゃの」
「えっ、うち侯爵家になるの!?」
「領地ならイフェイオン領も空いとるし、もうすぐエルム領も空くから問題ないぞい」
「本当ですか!?すごい、大出世ですよ!」
「ええええ」
どっちも侯爵の一個上の公爵家の領地だけど、半分くらいにすれば侯爵家にはちょうどいいんじゃないか…とか勝手に話を進めるおじいちゃん先生とカート君に、ヘザー先輩は及び腰だ。
「僕とヘザー先輩が後宮を辞めたらそこに住みましょう!」
「そんな、勝手に…僕領地経営なんか分かんないよ」
「後宮にいるうちに教わればいいじゃない」
「俺だって国家運営なんかした事無いのに正室になるんですから、何とかなりますよ。
1人で全部しなきゃいけないわけじゃないし」
そんな話をしながら俺たちは一般棟から魔法棟へ移動する。
結構な話題を歩きながらしてるけど気にしない。
やつらに話が届こうがもう構う事はない。
王家の暴走を止める機構は、公爵派から別へ移動させる。
その話はもうすでに、神殿と冒険者ギルドの間で始まっている…
よね?
頼むぜおっさん!!
闇魔法に掛かった人たちの共通点を探してそこを集中的に調べる作戦にしたほうが良さそう…
移動の度に人が増えて、いつの間にかケンタウレア先生の新しいお弟子さん2人に各種剣術体術の研究生までくっついてきた。
人手があるから捜索の時間は短くて済むんだけど、闇飛ばしは俺1人だからなあ…
結構大変。
現在は一般棟で、各研究室を訪ね歩き片っ端から闇飛ばし中。
結果、殆どの教授が闇魔法の影響下にあるという有様で、多くの授業が自習になった。
「どこで掛かってきたんですかね」
「知らん、後で聞いてみるしかないな」
ぐったりしている教授たちを一つの教室に集め、見張りに武術棟の数人を残す。
今日は自習デーだな…
授業開始早々、とんでもない騒ぎだ。
そんなわけで、騒ぎを聞きつけた殿下がフィーデ君とプリムラ君をつれてやってきた。
「この調子で7~12寮まで続けるのか?」
「各教室も調査するとなると、班で分かれた方が良いんじゃないですかね」
「そうですね、じゃあ手分けして…」
捜索係をネリネ・ルディ班とガーベラ・ワルド班に分ける。
人を調べるのは魔法総合と殿下だ。
「寮にはそれほど人はいないでしょうから、我々は一般棟と魔法棟でそれっぽい人を探しましょう」
「それより、ルースの魔力が持つのか?
その闇飛ばしを誰かに教えて、人手を増やした方が良いんじゃないか」
「そうですね、今日一日なら何とかなりそうですけど…
今日以降は光のヒソップ教授の手を借りられるようにお願いしてみましょう」
教授の都合もあるだろうし、さすがに教えてすぐ…ってわけにはいかないもんな。
いやヒソップ教授なら出来そうだけど…一応。
「光の侯爵様か…ヒソップ家はずっと光属性なんですかね」
「確か光属性の者が跡を継ぐというやり方を取っているはずだ。
ヒソップ家でも光属性以外の者が生まれる事があるそうでな」
ふーん、やっぱり純粋に遺伝ってことじゃなさそうだな。
ただ、今は最初の発現属性から派生して多属性を取得できるようになったからその辺は気楽になったかも…
ってことは純粋に魔力量がものをいう事になるのかしら。
そんな話を殿下としていると、おじいちゃん先生が言った。
「さっきの話じゃがの?
少なくとも魔力量は遺伝かもしれん。
魔法棟5侯爵の家は代々魔力量が多いからのう…
ベルガモット家にしても属性は代々バラバラじゃが、かなり高位の魔法使いになるからの」
「そういや火の侯爵って、実は空席なんでしたっけ」
「僕、ずっとベルガモット家が火の侯爵家だと思ってたのになあ…」
俺も俺も、と色んな所から声が上がり…まあ確かに火魔法への教授の拘りって勘違いを産むくらい強いもんな。
正確には「魔法のような、練習量がものをいう能力を鍛える」ことへの執着だけど…。
努力すれば報われるってすごく分かりやすい構図だもんな、魔法って。
しかし、そうなると問題はベルガモット教授がやたらと対抗心を燃やすあの人だ。
「ただそうなると、ヘヴィさんの存在が困ったことになりません?」
「そうじゃの…それが魔法師団の中で不和が起こった理由でもあるしの」
だって元々平民だもん。
平民と貴族で何が違うって、基本的には魔力量なわけで…。
だからこそ「魔力無し」って言葉は貴族間でそこそこの悪口になるんだけどね。
するとデューイ君が「あっ!」と声を上げて、言う。
「実は先祖が高名な貴族のご落胤とか!?」
「それは無いよ!突然変異か何かじゃないの」
毎度のヘザー先輩の言いぐさに全員が苦笑する。
まあ、多分それが正解だとは思うんだけど…あっ。
「…そういうことにすればグロリオサ家を侯爵家にしても言い訳が立ちますね?」
「ほう…確かにそうじゃの」
「えっ、うち侯爵家になるの!?」
「領地ならイフェイオン領も空いとるし、もうすぐエルム領も空くから問題ないぞい」
「本当ですか!?すごい、大出世ですよ!」
「ええええ」
どっちも侯爵の一個上の公爵家の領地だけど、半分くらいにすれば侯爵家にはちょうどいいんじゃないか…とか勝手に話を進めるおじいちゃん先生とカート君に、ヘザー先輩は及び腰だ。
「僕とヘザー先輩が後宮を辞めたらそこに住みましょう!」
「そんな、勝手に…僕領地経営なんか分かんないよ」
「後宮にいるうちに教わればいいじゃない」
「俺だって国家運営なんかした事無いのに正室になるんですから、何とかなりますよ。
1人で全部しなきゃいけないわけじゃないし」
そんな話をしながら俺たちは一般棟から魔法棟へ移動する。
結構な話題を歩きながらしてるけど気にしない。
やつらに話が届こうがもう構う事はない。
王家の暴走を止める機構は、公爵派から別へ移動させる。
その話はもうすでに、神殿と冒険者ギルドの間で始まっている…
よね?
頼むぜおっさん!!
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