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学園5年目
デューイ君ちの白い粉 2
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「そんな!なぜなんです!?」
なぜそんな事に、と聞きたいと思われるデューイ君。
だがその言葉尻を取って、殿下は何故自白したのかという話にすり替える。
「当然だろう?
ハイペリカム領があるデニー地方の小麦は、ここ2~3年で急に人気が出て、高値が付くようになった。
麦の収穫は初夏だ。
とっくに粉になって半分近くがどこかへ販売され、消費されている。
クリスマス用の菓子やケーキにもだ。
それだけではない。
人気のある商品だからこそ、次の分まで売り先も決まっているし、何なら取引も終わっているだろう。
その麦を「毒が検出された」と言って全て回収する。
全て返金して、もし被害が出ていれば当然補償も必要だ、となればどうなる」
「…お金も、信用も、失う…?」
そうだ、と殿下は頷く。
「どのくらいの打撃を被るかは予想もつかないが、家が没落するのは確実だ。
ならばそれよりは、やったことを正直に話して回収を止めさせる方がましだ…ということだろうな」
そこまで話を進めた時、外が急に騒がしくなった。
多分カイト君が来たんだな…外で殴り合いに発展しなきゃいいんだけど。
「ただね、「正直に話したから無罪放免」ってわけにはいかないでしょ?」
「…はい」
「ハイペリカム侯爵家当主と伴侶については蟄居。
領地・領軍については一子・二子とともに王家の監視下に置く。
…お前は人質として、後宮へ入れる」
「…そんな…!僕には、大切な人が、もう…!」
「それはそれ、これはこれだ。諦めろ」
外の騒ぎが大きくなってきた。
俺はアレクさんに指示を出して、扉を開けてもらう。
開けた途端にカイト君がウィン兄・ディー兄と一緒に転がり込んでくる。
そして叫ぶ。
「デューイ!!何があった!?」
殿下は不機嫌そうに側近ズに言う。
「…誰も入れるなと言ったはずだが?」
3人は黙ってお辞儀する。
俺は敢えてカイト君を無視して続ける。
「…デューイ君、ごめん。
これしか、思いつかなかったんだ…」
「そんな…!!」
殿下はちらりと外を見る。
俺も横目でそちらを確認する。
影さんとおぼしき手のサムズアップが見える。
あれ、どこまで浸透してるんだ…
いや、イイんならいいんすけど。
それを見て殿下が続ける。
「安心しろ、こいつも一緒に後宮へ入れてやる」
「…は?」
「…え?」
きょとんとしている2人に俺から改めて言う。
「そういうわけだから、デューイ君とカイト君は今日から殿下の側室ってことで」
「…は?」
「…え?」
「細かい話は…ちょっと移動しよっか」
「…は、はあ…?」
未だキョトン顔の2人を今度は魔法棟へ連行する。
野次馬が順調に増えているご様子…
作戦通り。
***
俺の研究室について、俺たちは一息つく。
「は~、緊張したぁ…」
「たった2回移動しただけなのに?」
「はは、まあアレクさんにはおいおい慣れてもらうとして…。
お茶でも入れますか?
今日のおやつはチョコチップマフィンですよ」
「ならば今すぐ茶にしよう、腹も減ったしな」
「はいはい…デューイ君、カイト君、カモミールとラベンダー、どっちにする?」
「…は?」
「…えっ?」
…あかん。
キョトンが行き過ぎとるがな。
「…とりあえずお茶にしよう」
そのうち現実に戻ってくるだろ…
戻ってくる、よね?
なぜそんな事に、と聞きたいと思われるデューイ君。
だがその言葉尻を取って、殿下は何故自白したのかという話にすり替える。
「当然だろう?
ハイペリカム領があるデニー地方の小麦は、ここ2~3年で急に人気が出て、高値が付くようになった。
麦の収穫は初夏だ。
とっくに粉になって半分近くがどこかへ販売され、消費されている。
クリスマス用の菓子やケーキにもだ。
それだけではない。
人気のある商品だからこそ、次の分まで売り先も決まっているし、何なら取引も終わっているだろう。
その麦を「毒が検出された」と言って全て回収する。
全て返金して、もし被害が出ていれば当然補償も必要だ、となればどうなる」
「…お金も、信用も、失う…?」
そうだ、と殿下は頷く。
「どのくらいの打撃を被るかは予想もつかないが、家が没落するのは確実だ。
ならばそれよりは、やったことを正直に話して回収を止めさせる方がましだ…ということだろうな」
そこまで話を進めた時、外が急に騒がしくなった。
多分カイト君が来たんだな…外で殴り合いに発展しなきゃいいんだけど。
「ただね、「正直に話したから無罪放免」ってわけにはいかないでしょ?」
「…はい」
「ハイペリカム侯爵家当主と伴侶については蟄居。
領地・領軍については一子・二子とともに王家の監視下に置く。
…お前は人質として、後宮へ入れる」
「…そんな…!僕には、大切な人が、もう…!」
「それはそれ、これはこれだ。諦めろ」
外の騒ぎが大きくなってきた。
俺はアレクさんに指示を出して、扉を開けてもらう。
開けた途端にカイト君がウィン兄・ディー兄と一緒に転がり込んでくる。
そして叫ぶ。
「デューイ!!何があった!?」
殿下は不機嫌そうに側近ズに言う。
「…誰も入れるなと言ったはずだが?」
3人は黙ってお辞儀する。
俺は敢えてカイト君を無視して続ける。
「…デューイ君、ごめん。
これしか、思いつかなかったんだ…」
「そんな…!!」
殿下はちらりと外を見る。
俺も横目でそちらを確認する。
影さんとおぼしき手のサムズアップが見える。
あれ、どこまで浸透してるんだ…
いや、イイんならいいんすけど。
それを見て殿下が続ける。
「安心しろ、こいつも一緒に後宮へ入れてやる」
「…は?」
「…え?」
きょとんとしている2人に俺から改めて言う。
「そういうわけだから、デューイ君とカイト君は今日から殿下の側室ってことで」
「…は?」
「…え?」
「細かい話は…ちょっと移動しよっか」
「…は、はあ…?」
未だキョトン顔の2人を今度は魔法棟へ連行する。
野次馬が順調に増えているご様子…
作戦通り。
***
俺の研究室について、俺たちは一息つく。
「は~、緊張したぁ…」
「たった2回移動しただけなのに?」
「はは、まあアレクさんにはおいおい慣れてもらうとして…。
お茶でも入れますか?
今日のおやつはチョコチップマフィンですよ」
「ならば今すぐ茶にしよう、腹も減ったしな」
「はいはい…デューイ君、カイト君、カモミールとラベンダー、どっちにする?」
「…は?」
「…えっ?」
…あかん。
キョトンが行き過ぎとるがな。
「…とりあえずお茶にしよう」
そのうち現実に戻ってくるだろ…
戻ってくる、よね?
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