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学園5年目
新しい部屋と決定事項
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シャラパールから帰ってきてみると、俺の時間割はすでに出来上がっていた。
「5時間目と6時間目に補習…」
先生たちが「テストが0点だったので」ってさ…。
あれだけ頑張ったのに何だか納得いかない。
ちなみに1~4時間目までは授業なし。
だったら普通に授業に出ますけど…って言ったら、おじいちゃん先生がおかしな事を言い始めた。
「今年はルースの研究室を作るぞい」
「は?」
「正確には、儂の研究室の分室じゃの。
呼ばれて行くより、来てもらう方が早かろ?」
「…はあ」
ということで今日は 、俺と殿下と側近ズの5人で現在物置として利用している旧魔法総合研究室を整えることになった。
とはいえジョンさんとカレンデュラ先生の荷物の運び出しと運搬が終わったら、後は掃除して荷物を入れるだけ…なんだけど。
「ルー、掃除終わった?
これ、第一砦にあったやつだけど~」
「こっちは第二砦にあったやつと~魔法拳研究室にあったやつ~」
「ルースサマぁ、これ、寮の空き部屋に入れてたやつ…と、寮のベッドの下にあったやつ」
「何、まだあったのか?部屋のものは全部持ってきたと思ったのだがな…。
おいアレク、この箱は俺の物だ、速やかに戻せ」
「はっ!かしこまるっす」
「……」
せっかく一部屋貰えるんなら、って今まで貰ったり書いたり作ったりした諸々を持ってこようと思ったんだけど…自分の部屋に収まりきらなくて色んなところへ置いていたもんだから、集めるのも一苦労。
ついでに分類も整理も一苦労…こんなに量あったっけかね?
誰か水増ししてない?
「…とりあえずこの棚は論文の棚で」
「うっす、かしこまるっす!」
「かしこまりました、だよ、アレク」
「うす、かしこまりましたっす」
壁が全面造り付けの棚になってるから入れる分には余裕がある。
とりあえず何となくで入れとこう…分類は後々。
「誰が来るのか分からないけど、おもてなしはできたほうが良いかな…」
「では魔石オーブンをもう一つ買うか?」
「いや、さすがに場所がないです。
ポットとカップがあれば十分かと…」
「むう…」
何故か不機嫌になる殿下。
焼きたてが食べたかったのかな?
でももう第1砦にあるからなあ…。
「第1砦はそこだし、お菓子はあっちで焼きましょ?」
「……むう」
何か不機嫌というより不満…なのかな?
殿下のお菓子への情熱はどうしたもんか。
生活習慣病とか大丈夫かなあ…。
「あ、ルースサマ、市場へ行くっすか?」
「そうですね、消耗品と雑貨は買おうかな。
家具は…それらしいの、学園の倉庫に無いかな」
「事務のほうへ確認しとくっす」
「お願いします」
「では必要なものを書き出して、早速市場へ行くか」
殿下のその言葉で、ウィン兄とディー兄は馬車を用意しに、アレクさんは学園の事務局へ家具の事を聞きに行った。
側近ズがしっかり側近してるな…。
そういえば再来年には俺と殿下は学園を卒業して結婚することになるのか…
順調にいけば。
はー、勝手にあっちの派閥が無くなったりしないもんかね。
しないから大変な目にあってんだけどね。
欲しい物を書き出して、市場に行く準備をする。
しかし手持ちが不安だな…備品代くらい学園から出してもらえるといいんだけど。
あっ、領収書貰うの忘れないようにしないとね。
「さて、行くか」
「えっ、殿下も行くんですか?」
「当然だろう」
「だって、明日から新学期で、明々後日は入学式でしょ?生徒会は大丈夫なんですか?」
「ああ、入学式は例年通りだからな。俺は祝辞を読むだけだ。それももう考えてある」
そう、卒業式には出られなかったけど、フリージア様とバイオレット様は無事にご卒業あそばされたので、今年から殿下が生徒会長になったのだ。
副会長はコーラス様とプリムラ様の2人体制で、会計はシャムロック様、書記はフィーデ君。
総務に誰を入れるかは、まだ意見がまとまっていないらしい。
「実務的な事で言えばお前だ、と奴らが主張するんだがどう思う」
「うーん…これ以上影さんたちの負担を増やすのもなあ…」
いっそ敵の懐に切り込むってのはアリなんだと思うけど。
「もう少し準備をしてからでもいいですかね?」
「準備?」
「ええ、実家の整理をしようかと」
「…そうか」
常に最悪の事態には備えなきゃならない。
公爵派がしびれを切らして内戦に突入する可能性に、カメリア王国が戦争をしかけてくる可能性に…
それから、どうしても気になるサンドワームの異常増殖。
最後のユーフォルビアになる覚悟で挑もう。
かつて王様に意見した、ご先祖様みたいに。
「5時間目と6時間目に補習…」
先生たちが「テストが0点だったので」ってさ…。
あれだけ頑張ったのに何だか納得いかない。
ちなみに1~4時間目までは授業なし。
だったら普通に授業に出ますけど…って言ったら、おじいちゃん先生がおかしな事を言い始めた。
「今年はルースの研究室を作るぞい」
「は?」
「正確には、儂の研究室の分室じゃの。
呼ばれて行くより、来てもらう方が早かろ?」
「…はあ」
ということで今日は 、俺と殿下と側近ズの5人で現在物置として利用している旧魔法総合研究室を整えることになった。
とはいえジョンさんとカレンデュラ先生の荷物の運び出しと運搬が終わったら、後は掃除して荷物を入れるだけ…なんだけど。
「ルー、掃除終わった?
これ、第一砦にあったやつだけど~」
「こっちは第二砦にあったやつと~魔法拳研究室にあったやつ~」
「ルースサマぁ、これ、寮の空き部屋に入れてたやつ…と、寮のベッドの下にあったやつ」
「何、まだあったのか?部屋のものは全部持ってきたと思ったのだがな…。
おいアレク、この箱は俺の物だ、速やかに戻せ」
「はっ!かしこまるっす」
「……」
せっかく一部屋貰えるんなら、って今まで貰ったり書いたり作ったりした諸々を持ってこようと思ったんだけど…自分の部屋に収まりきらなくて色んなところへ置いていたもんだから、集めるのも一苦労。
ついでに分類も整理も一苦労…こんなに量あったっけかね?
誰か水増ししてない?
「…とりあえずこの棚は論文の棚で」
「うっす、かしこまるっす!」
「かしこまりました、だよ、アレク」
「うす、かしこまりましたっす」
壁が全面造り付けの棚になってるから入れる分には余裕がある。
とりあえず何となくで入れとこう…分類は後々。
「誰が来るのか分からないけど、おもてなしはできたほうが良いかな…」
「では魔石オーブンをもう一つ買うか?」
「いや、さすがに場所がないです。
ポットとカップがあれば十分かと…」
「むう…」
何故か不機嫌になる殿下。
焼きたてが食べたかったのかな?
でももう第1砦にあるからなあ…。
「第1砦はそこだし、お菓子はあっちで焼きましょ?」
「……むう」
何か不機嫌というより不満…なのかな?
殿下のお菓子への情熱はどうしたもんか。
生活習慣病とか大丈夫かなあ…。
「あ、ルースサマ、市場へ行くっすか?」
「そうですね、消耗品と雑貨は買おうかな。
家具は…それらしいの、学園の倉庫に無いかな」
「事務のほうへ確認しとくっす」
「お願いします」
「では必要なものを書き出して、早速市場へ行くか」
殿下のその言葉で、ウィン兄とディー兄は馬車を用意しに、アレクさんは学園の事務局へ家具の事を聞きに行った。
側近ズがしっかり側近してるな…。
そういえば再来年には俺と殿下は学園を卒業して結婚することになるのか…
順調にいけば。
はー、勝手にあっちの派閥が無くなったりしないもんかね。
しないから大変な目にあってんだけどね。
欲しい物を書き出して、市場に行く準備をする。
しかし手持ちが不安だな…備品代くらい学園から出してもらえるといいんだけど。
あっ、領収書貰うの忘れないようにしないとね。
「さて、行くか」
「えっ、殿下も行くんですか?」
「当然だろう」
「だって、明日から新学期で、明々後日は入学式でしょ?生徒会は大丈夫なんですか?」
「ああ、入学式は例年通りだからな。俺は祝辞を読むだけだ。それももう考えてある」
そう、卒業式には出られなかったけど、フリージア様とバイオレット様は無事にご卒業あそばされたので、今年から殿下が生徒会長になったのだ。
副会長はコーラス様とプリムラ様の2人体制で、会計はシャムロック様、書記はフィーデ君。
総務に誰を入れるかは、まだ意見がまとまっていないらしい。
「実務的な事で言えばお前だ、と奴らが主張するんだがどう思う」
「うーん…これ以上影さんたちの負担を増やすのもなあ…」
いっそ敵の懐に切り込むってのはアリなんだと思うけど。
「もう少し準備をしてからでもいいですかね?」
「準備?」
「ええ、実家の整理をしようかと」
「…そうか」
常に最悪の事態には備えなきゃならない。
公爵派がしびれを切らして内戦に突入する可能性に、カメリア王国が戦争をしかけてくる可能性に…
それから、どうしても気になるサンドワームの異常増殖。
最後のユーフォルビアになる覚悟で挑もう。
かつて王様に意見した、ご先祖様みたいに。
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