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学園4年目

なぜうちに泊まる 3

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宮中晩餐会が終わってすぐにサロン室へ連れていかれ、話し込んでいるうちにクリビアさんちのお子様2人はすっかりおねむ。
話はまた明日ということで一旦解散となった。

俺と殿下はうちにお泊りする(している)人たちと一緒にユーフォルビア邸へ。
数人の使用人さんと料理人さんはすでに出発しており、俺たちが家へ着いたときには王宮の使用人さんたちをバックに、執事リチャードがしょぼん…と玄関に佇んでいた。

「お部屋の準備は完璧になりました…。
 屋敷もすっかり綺麗になり…不甲斐ない…」

リチャードさんは自分の仕事が甘かったと猛省しているらしく、すっかりしょげ返っている。

「そんな落ち込まなくても大丈夫だよ、王宮で働く人はその道でトップクラスの人ばっかりなんだからさ」
「ですが…」
「良いんだって、その代わりリチャードさんはユーフォルビア特化型の執事なんだからさ。
 いい機会だし少し休ませてもらいなよ!
 俺が帰って来てから働きづめだもん。
 先にお風呂使っていいから…」

すると殿下が俺に聞いた。

「お前の家では、執事と主人が同じ風呂を使っているのか?」
「そうですよ?」

だって人を雇うなんて長らく無かった家だもの。

「客人用の浴室は?」
「それも無いですね」

たとえそんな場所があったとしても、今や「執事と庭師の部屋」以外は全部子ども部屋と物置に変貌している。
何せ歴代でぶっちぎりの子どもの多さだから…。

「つまり、学園の寮と変わらんという事か」
「そうですね、言われてみれば」

ごはんと風呂を用意してくれるぶん、寮のほうが豪華とも言える…あーでも実家は1人部屋だからな~。
どっちが豪華か甲乙つけがたいかも。

「…組立式シャワールームを早急に開発しろ」
「えっ、何ですか急に?」
「皆に風呂の時間を配分していたら、お前とゆっくり風呂に入れんではないか」
「ふぇっ…!」

こ、子どものお客様がいるのになんてこと!!

「一体何の問題がある?
 婚約者同士はするのが普通だ」
「そ、そ、それは…そう、ですけど」
「ならば良いな?
 おいリチャード、の部屋はどこだ」
「あ、はい、ただいま!!」

慌てて俺と殿下を案内するリチャードさん。
どうやら父さんたちの寝室を使う事になるようだ…

「こちらは当屋敷で最もお部屋でございます」
「えっ、リチャードさん!!?」
「ほう、なるほど…ああルース、心配するな。
 マットレスもシーツも王宮から運ばせてあるものだ。
 何をしようが証拠は残らん」
「!!!」
「では、これにて失礼致します」

…………。

「さて、風呂に入る前にひと汗かいておくか」
「はいっ!?」

待って!
行かないで執事リチャード!
ルース坊ちゃまは大ピンチですぞ!!

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