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学園3年目
パーティーの〆はまたも対戦
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「おいし~!仔豚の丸焼きなんて初めて食べました!めっちゃジューシー!」
「仔豚の丸焼きはあと2つ用意してるからな!
遠慮せず食えよ!」
「ルースは体が小さいからな。
しっかり食べて大きくなるんだぞ」
カレンデュラ先生とジョンさんに仔豚の丸焼きを切り分けてもらって食べ、
「あ~!この香り…たまんない」
「はは、大げさねルース!今度作り方教えるよ」
「本当ですか!?やった!」
ノースさんの連れてきた料理人さんが作ったというスパイスカレーに舌鼓をうち…。
カレーはさすがにカレールーからしか作ったことないから、教えて欲しかったんだあ。
「んー、どれも美味しい…」
「最近、ゆっくり食べてる暇がないですもんね」
「そうなんだよね~、食べてる間も打ち合わせとかアイデア出しとかしてるから…」
「ルースさん中心で進んでるものが多いから…」
「めちゃくちゃ仕事人間だな、ルース」
「でも、俺の思いつきを形にしてくれるのはみんなだから…ありがたいよね」
最初から最後まで全部1人でやってたら、とてもじゃないけどここまで来れなかったと思うんだ。
「みんなが居なかったら、俺なんかお菓子焼いてるだけの人になってたと思うからさ」
「えー、そんなことないですよ!」
「はは、カート君はそう言ってくれるけど、多分そうだったと思うよ、だから…ありがとう、みんな」
「ふふ、ルース先生ったら、感傷的」
「こちらこそだよ!
ルース君が居なかったらまず水蒸気爆発が実用化されてないもの、そうしたらカートがうちの研究室に来ることも無かったと思うし…ね」
そういってヘザー先輩とカート君が笑いあって…
…………
おや?
この2人、いい雰囲気じゃない?
歳の差7つか…結構離れてるな。
ま、年の差でいうとエルさまとジョンさんのほうが離れてるのか…親子ぐらい違うもんな。
「あ…れ?」
……もしかしてこの世界、歳の差カップルが基本だったりする?
あとでアレクさんに聞いてみよう。
俺たちは和気あいあいと飯を食い、シュークリームをつまみながら、今年の成果と来年に持ち越した課題、スライムの汚物分解力を使った街の美化、土魔法で下水道工事をする話で盛り上がる。
結局こういう話になっちゃうのなー、なんて言いながら穏やかな時間が流れ…………
「ヘヴィ・グロリオサはいるか!!」
「!?」
唐突に、ベルガモット教授が乗り込んで来た。
***
魔法棟で他の属性魔法研究室の教授たちと無詠唱発動について考察をしていたところ、俺の声が聞こえたのでやってきたというベルガモット教授。
いきなりの闖入者にも関わらず、ケンタウレア先生が恐ろしく普通に対応する。
「この後、演武をする予定なんだが」
「その後で構わん!"火の侯爵"の名に賭けて、ヘヴィ・グロリオサ、勝負だ!」
「…それは、構いませんが…」
サンタ魔王、困惑気味。
どうしてこう…何着ても魔王なのかな…。
「では、この後一試合、頼む」
すると、他からも声が上がる。
「俺も!グロリオサ卿と手合わせしたいです!」
「おおゴード、奇遇だな。俺もグロリオサ卿とお手合わせ願おうと思ってな…さて、どうするか」
「……っ、ぼ、僕も!僕もやりたいです!」
「ふえっ!カート君!?」
すると、最強の魔法使いに挑みたい人が次々に現れ…
「私が最初に頼んだのだぞ!!」
「そうかもしれんが、挑みたい気持ちは皆同じだ」
「しかし、1人1人を相手するわけには参りません」
「む、なぜだ!?」
「ヘヴィの魔力は国防に直結しておりますので、平時でもあまり使わせるわけにはいかないんです」
何せ1人で一個師団だから…という、トナカイパパさんの発言に全員が黙ったその時。
「…だったら、挑む者を決めれば良い」
「は?」
「お前ら、勝負だ!!」
ベルガモット教授の一言で「ヘヴィさん挑戦権」を賭けてのトーナメントが始まった…。
***
そして、一方。
「…そういえば親父、そろそろ俺も近衛騎士団に入れないかなーと思ってんだけど」
「何だ急に……気持ち悪い」
「気持ち悪くはねーだろ!」
「そうだな、なら見てやるか…王宮での帯剣許可が下りるに足る人間かどうか、な」
「ケイ殿!王宮で帯剣するには許可がいるのか?」
「あー、そうだな。ミモザ卿も今は客人扱いだから帯剣できるが、客人で無くなるなら許可がいる」
「……私も、見て頂いて宜しいか」
「もちろん。あと、ウィンとディーもな!」
「「ええー!」」
「なら俺も参加するか…久々に稽古をつけて貰おう」
「御意」
こちらでは「近衛騎士団長にみんなで挑戦!」がスタートすることになった…。
「仔豚の丸焼きはあと2つ用意してるからな!
遠慮せず食えよ!」
「ルースは体が小さいからな。
しっかり食べて大きくなるんだぞ」
カレンデュラ先生とジョンさんに仔豚の丸焼きを切り分けてもらって食べ、
「あ~!この香り…たまんない」
「はは、大げさねルース!今度作り方教えるよ」
「本当ですか!?やった!」
ノースさんの連れてきた料理人さんが作ったというスパイスカレーに舌鼓をうち…。
カレーはさすがにカレールーからしか作ったことないから、教えて欲しかったんだあ。
「んー、どれも美味しい…」
「最近、ゆっくり食べてる暇がないですもんね」
「そうなんだよね~、食べてる間も打ち合わせとかアイデア出しとかしてるから…」
「ルースさん中心で進んでるものが多いから…」
「めちゃくちゃ仕事人間だな、ルース」
「でも、俺の思いつきを形にしてくれるのはみんなだから…ありがたいよね」
最初から最後まで全部1人でやってたら、とてもじゃないけどここまで来れなかったと思うんだ。
「みんなが居なかったら、俺なんかお菓子焼いてるだけの人になってたと思うからさ」
「えー、そんなことないですよ!」
「はは、カート君はそう言ってくれるけど、多分そうだったと思うよ、だから…ありがとう、みんな」
「ふふ、ルース先生ったら、感傷的」
「こちらこそだよ!
ルース君が居なかったらまず水蒸気爆発が実用化されてないもの、そうしたらカートがうちの研究室に来ることも無かったと思うし…ね」
そういってヘザー先輩とカート君が笑いあって…
…………
おや?
この2人、いい雰囲気じゃない?
歳の差7つか…結構離れてるな。
ま、年の差でいうとエルさまとジョンさんのほうが離れてるのか…親子ぐらい違うもんな。
「あ…れ?」
……もしかしてこの世界、歳の差カップルが基本だったりする?
あとでアレクさんに聞いてみよう。
俺たちは和気あいあいと飯を食い、シュークリームをつまみながら、今年の成果と来年に持ち越した課題、スライムの汚物分解力を使った街の美化、土魔法で下水道工事をする話で盛り上がる。
結局こういう話になっちゃうのなー、なんて言いながら穏やかな時間が流れ…………
「ヘヴィ・グロリオサはいるか!!」
「!?」
唐突に、ベルガモット教授が乗り込んで来た。
***
魔法棟で他の属性魔法研究室の教授たちと無詠唱発動について考察をしていたところ、俺の声が聞こえたのでやってきたというベルガモット教授。
いきなりの闖入者にも関わらず、ケンタウレア先生が恐ろしく普通に対応する。
「この後、演武をする予定なんだが」
「その後で構わん!"火の侯爵"の名に賭けて、ヘヴィ・グロリオサ、勝負だ!」
「…それは、構いませんが…」
サンタ魔王、困惑気味。
どうしてこう…何着ても魔王なのかな…。
「では、この後一試合、頼む」
すると、他からも声が上がる。
「俺も!グロリオサ卿と手合わせしたいです!」
「おおゴード、奇遇だな。俺もグロリオサ卿とお手合わせ願おうと思ってな…さて、どうするか」
「……っ、ぼ、僕も!僕もやりたいです!」
「ふえっ!カート君!?」
すると、最強の魔法使いに挑みたい人が次々に現れ…
「私が最初に頼んだのだぞ!!」
「そうかもしれんが、挑みたい気持ちは皆同じだ」
「しかし、1人1人を相手するわけには参りません」
「む、なぜだ!?」
「ヘヴィの魔力は国防に直結しておりますので、平時でもあまり使わせるわけにはいかないんです」
何せ1人で一個師団だから…という、トナカイパパさんの発言に全員が黙ったその時。
「…だったら、挑む者を決めれば良い」
「は?」
「お前ら、勝負だ!!」
ベルガモット教授の一言で「ヘヴィさん挑戦権」を賭けてのトーナメントが始まった…。
***
そして、一方。
「…そういえば親父、そろそろ俺も近衛騎士団に入れないかなーと思ってんだけど」
「何だ急に……気持ち悪い」
「気持ち悪くはねーだろ!」
「そうだな、なら見てやるか…王宮での帯剣許可が下りるに足る人間かどうか、な」
「ケイ殿!王宮で帯剣するには許可がいるのか?」
「あー、そうだな。ミモザ卿も今は客人扱いだから帯剣できるが、客人で無くなるなら許可がいる」
「……私も、見て頂いて宜しいか」
「もちろん。あと、ウィンとディーもな!」
「「ええー!」」
「なら俺も参加するか…久々に稽古をつけて貰おう」
「御意」
こちらでは「近衛騎士団長にみんなで挑戦!」がスタートすることになった…。
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