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学園3年目

「秘儀」もまあまあ下ネタ

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「…ミゼはあんなやつじゃなかった」

ジュリさんが俺たちに悲しそうに言う。

「ミゼが部屋に呼ばれるようになってしばらくして、俺に色々言うようになったんだ。
 『お呼びが掛からないなんて可哀想ですね』とか…『ジュリさんはもう必要ないみたいですよ』とか」
「元はどういう方なんですか?」
「そんな嫌味なことするやつじゃなかった。
 俺の弟分みたいなもんだったし、最初は予定よりかなり早く呼ばれた事に不安そうな顔をしてた」
「それが、シャムロック様に呼び出されるようになってから変わってったと」

支配人さんも俺たちに訴える。

「どんなに騙されてたって、自分の後輩に『哀れな性奴隷』とか『汚らしい肉便器』とか、そんなこと言うようになるとは思えなくて、それに、何だか表情も…」
「後輩さんを大事にする方だったんですね」
「そうです、ジュリがみんなの兄貴なら、ミゼはみんなのお兄さんでした。お客様から頂いたお菓子を下の子たちに配ってやったりして…」

そうか…それは宜しくないな。

「どう思います、殿下」
「話からの推測だが、魔法深度はジュリより浅そうだ。ただ魔法に拠らない洗脳と同時に施されているとすれば、アレだけでは駄目かもしれんな」
「ミゼさんは、いつからシャムロック様に呼ばれるようになったんですか?」
「去年の夏休みからです」
「夏からですか…1年半ほど経ってますね」
「出来るか?」
「うーん…まずは魔法の解除からやりましょう。
 ミゼさんは今どちらに?」

俺たちは連れだってミゼさんの待つ部屋に行く。
3階の角…貴族御用達らしく、大きなベッドとソファー、シャワールームを備えたお部屋だ。
そのベッドの上にミゼさんはスケスケのエロいワンピースを着て座っていた。
どうしても断り切れない客がある、というテイで呼び出したらしいので、「準備万端」というところだろうか…。

「とりあえず俺1人で行ってみますので、皆さんは扉の前で待機お願いします」
「1人で大丈夫なのか?」
「複数人を相手させられるっていう誤解を招くよりは良いかと」
「…確かに、それもそうか」

というわけで代表して部屋に入る。

「ミゼさん、初めまして。俺は…」
「ルース・ユーフォルビア。知ってる。ミカ様がいつも言ってる。貴族の顔した娼夫だって」
あいつ言いたい放題だな…。
「そう、じゃあ俺がここに来た理由は分かる?」
「知らない。僕の童貞を奪いに来たとか?」
どういう理屈だよ。まあいいか。
「童貞ね…俺も昔は捨てようと必死だったことがあるよ。でももう諦めちゃった。ミゼはまだ諦めてないの?」
「僕?僕は…そうだね、諦めてないかな」
「抱きたい人がいるの?」
「…そうだね、抱いてみたい人は、いるよ」
あー、ね。闇魔法で触れた部分は多分ここだな。
「ふうん、それってもしかして、俺?」
「うん、そう」

まあ、学内で俺を傷物にしようってんなら、彼らは手駒としては妥当だよね。口封じも簡単だし。
多分やつらの用意した台本は「ミゼさんと肉体関係を持った俺を嫉妬からジュリさんが殺す」だろう。
ただそれだと、何でジュリさんの感情の中から「恐怖」を選んで増幅させたかの理由がつかんけど…
ほんで俺の代わりになるユーフォルビアを、良さげなトコから取り戻すように王家を唆す、と。
んでもめ事、からの戦争…なら大義名分も作れそうだしな。


知らんけど。


俺はミゼさんの隣に座って、にじり寄る。
「それって本当?ミゼ」
両手で顔をホールドし、彼の目を見つめる。
「本当だよ、だってユーフォルビアは究極の…」
あと数センチでキスの距離……
「穴「秘儀・闇飛ばしっ!」ピカァーーーー!!
「ぎゃあああ!」

究極の…何だって?
ったくマジで何吹き込んでんだあのクソガキ。
お上品な顔して超ド下ネタぶっこむんじゃねーよ!

しばくど!!

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