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学園3年目

化物退治と証拠集め 2

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「…どうですか」
「…っと、やっぱり、うまく思い出せない…ですね」

ジュリさんが目を覚ますまで時間がかかりそうなので、ひと休み(ご休憩)してからここの支配人さんと従業員さんに「闇飛ばし」をしてみたんだけど大して効果は無かった。
そもそも「忘れさせる」というのは「洗脳=思い込ませる」こととかなり違うし、最初から期待はしてなかったけどやっぱり悔しい。
「思い出させないようにする」だったらワンチャン、と思ったんだけどな。

「そうそう上手くいかないか…」
何だか諦められなくて、支配人さんとお話ししてみることにした。

「ジュリさんが学園に来る前、何かお話をしたりはしたんですよね?」
「その…殿下の入学と同時に派遣してくれ、と、そういう話で…ジュリも『それじゃお呼びが掛かるまでたっぷり時間もあるし、授業に潜り込んでがっつり勉強しようかな~』なんて言って…『側室狙うってんならアホじゃ駄目でしょ』って…。
 そういうことは思い出せるんですけど、その…」

うん…あれ?うん?

「待ってください!
 ジュリさんは「殿下から暫くはお呼びが掛かることはない」って知ってたんですか?」
「そ、そりゃ、学園は12歳からと決まってますし、
 通常「閨教育は15歳から」ですし、少なくとも入ってから3年はお呼びが掛からないだろうと踏んで…」

ちょ、ちょっと待って?

「さっき、イドラ君、言ってたよね?
 『お給料は入って来るけど何もしない日々が続いて焦っていた』って。
 そこを誰かに付け込まれたんじゃないか…って」
「…言ったね」
「誰からその話を聞いたの?」
「第1寮にいる他の閨係から部下が…」
「じゃあその人が、誰の閨係かって…言うと」
「誰のだ」
「…ミカ・シャムロック様の、です」
「……は?」

ちょっと待て。
シャムロック様って、まだ14歳…

「はぁ!?え!?閨教育は15歳からって、今!」
「そ、それはですね、もし病気などを貰ってはコトだからと、1~2年早めに入れるのが慣例になっておりまして」
「だから俺の閨係を3年も早く派遣することに違和感が無かったということか」
「は、はい、ですからそれほど印象に残らなかったのかと…」

支配人さんは真っ青になりながら答える。
だけど、これは俺たちが無知なのが悪いんだ。

「ってことは、入ってすぐにお声が掛からないっていうのはほぼ常識ってこと…」
「…こういうことを知らなさすぎたな」
「そこに漬け込まれたって事ですね…あっ!」
「どうした」
「じゃあ、ここに俺たちが来ることも、想定して…?
 まさかこれ、罠なんじゃ!?」

殿下と俺は別々に娼館に来た、だったらどっちかを切り取って目撃者を集めて、スキャンダルに仕立てあげて…!
あのときの雑誌の記事なんか比べ物にならない、だって、事実ここに俺と殿下が、それにイドラ君とノースさんも…

「ど、どうしよう、どうしよう…!!」

俺は半分パニックになって言った。
すると殿下とイドラ君とノースさんが笑った。

「ははは、もしそうならすぐ尻尾が掴めるな」
「ふふ、むしろ罠を張ってくれてたら、ねえ」
「そうね~!罠なってる、都合よろしいです」

は?どういうこと?

「知らない?ルース、影いっぱいいる」
「は?」
「そうそう、10人くらい付いてる」
「な、なにが」
「だから、「影」がだ」
「か、影?影は、俺1人分…」
「ププ」「く…くく」「ははは」

な、なんだよ!!影ってなんだよ!!

「いや、だから、じじいが言ってただろ、お前に監視をつけると…あれだ、あれがだな、は、ははは」
「に、鈍い、鈍すぎる…プププ」
「し、仕方ないよ、なんせ全員、トップクラスの、実りょ、く、クククク…」

ぬあああ!!いつの間に!?

いや助かるけど!助かるけどもやな!


俺のプライベートはどうなるんや!?

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