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卒業後
【おまけ】ゼフ・ユーフォルビアの手記
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我が息子、ルースへ
この手帳には、今までお前にあえて知らせて来なかった事実を記しておく。
余ったページはお前の日記にでも使うといい。
まず、お前の兄弟のことだ。
一番目の子…クリス。
私が18の時に、前の夫リードとの間に初めて出来た子だ。
初夜で孕んだものだから、私はこの血が恐ろしくなった。
だが産まれてみると小さくて可愛くて、12歳で学園に入るまでは精一杯愛情を注ごう、と決めた。
他では、18歳で独り立ちさせるのが一般的だが、当家は違う。
12歳になり、学園に通わせたその時から、その子は自分のものではなくこの国のものになる。
だからどの子にも12歳までに家族の愛、親の愛を伝えたかった。
私の父たちもそうだったから。
二番目の子…ジッド。
三番目の子…レデュエ。
やはり私と前夫の間の子だ。
これほど立て続けに産まれると、いよいよ自分もユーフォルビアの軛から逃れられぬのだ思うようになった。
だがどの子も可愛くて、リードと一緒になって育児に明け暮れた。
2人目だから、3人目だからと言っても、クリスを育てたときとはまた違って、特にジッドは夜泣きが酷くて大変だったから、リードの連れ子だったロイも私を休ませるためにと一生懸命手伝ってくれた。
だが、問題はこの先だ。
だからもうかっこつけた書き方もやめよう。
レデュエが産まれて暫く、自分の兄弟たちの数が足りない分を補わなければならないとなって、リードと別れ話をすることになった。
3番目の兄がイフェイオン家に無理やり引きずられていって駄目になってしまったこともあって、少々話を急ぎすぎたせいもあったと思う。
リードは納得してくれなくてね、離縁は絶対にしない、って…。
愛しているんだ、ゼフと一緒じゃなければ生きていけない…と言ってね。
とうとう殺されてしまったんだ。
事故ということになっているけどね。
リードの葬儀が終わったその日に、エルム公爵が私を犯しながら自慢げに自白したよ。
「あの男が命を掛けて独占したがっただけのことはある身体だ」ってね。
「孕ませた後も時々相手をしてやろうか?」とも言っていたね。
随分偉そうな科白だろう?
だからね、あの男の子どもなんて絶対に産まないと決めたんだ。
ユーフォルビア家に伝わる「絶対に孕まない」秘術があるんだよ。
一番後ろのページにやり方は書いておく…ルースにならすぐに出来るよ。
ついでにエルム公のセックスだけど、まあ、結婚前だったし童貞だってことを考えてもド下手糞だったよね。
前戯もおざなり、しかも突っ込んで腰振って自分だけ出したら終わりっていう…
「勃たせて、入れて、腰を触れ」…って、闇魔法で命令するだけのマグロプレイも随分お好きだったよ?
下手とかいう以前の問題だよね。
そのくせに一度「抜かずの」2回目をしようとして、中折れしたのには笑ったよね。
よくあれでコーラス君が作れたな…
正室さんは本当に頑張ったよ。
まあ、それは置いといて、だ。
四番目の子…ノース。
エルム公爵が自分の子だとずっと信じていたけどね、私とロイの間に生まれた子だよ。
ロイと公爵の目の色は似ているだろう?
だからね、頼んだんだ。
ロイが私をそういう意味で愛しているのも知っていたから、利用した。
でも自分から「孕ませてくれ」なんて言ったのは、あの時が初めてだったよ。
五番目の子…トーレス。
「子種を蒔いた」のはバイオレット公爵。
大金を積んでお前を買ってやった…と言って、最初は随分偉そうだったけどね。
私と寝るってことは私にシモの弱みを握られるって事を分かってなかったようでね?
まあ、簡単にいうと短小で早漏。あと仮性包茎で…ナニの洗い方を教わらなかったのかな?
カスが溜まって臭くてね…。
洗い方を教えてあげたら、その後正室さんとの間にも子どもが出来たんだよね。
清潔って大事なんだなって改めて思ったよ。
六番目の子…ヒデル。
ヒデルの「子種を蒔いた」のはフリージア公爵。
まあ…面白みのないセックスというか…可もなく不可もなく?
気持ちよくは無かったかな…あんまり印象が残っていないんだ。
金払いが悪いってことだけ覚えてるよ。
エルム公から順番を買ってお金が無くなったのかな?
「子種を恵んでやる」とか言ってたから、逆にうちが払えって思ってた可能性もあるけど。
実は貧乏なんじゃないかな。
養育費も約束の10分の1も払わずに踏み倒したくらいだからね。
七番目の子…ベリル。
「子種」はプリムラ公爵。
まあ…本人曰く「絶倫」だそうだけど、要は遅漏だよね。
床オナのしすぎじゃないかな?変に曲がってるし。
絶倫って、射精に時間がかかることじゃないんですよ~って教えてあげて?
機会があったらね。
八番目の子…ジュリイ。
テナチュール侯爵が「種を蒔いた」子だよ。
新婚早々に順番が回ってきたもんだから、随分家は荒れただろうね?
しかも、「貴族であること」を正しく実践している古風な家の出の伴侶さんだからね。
ベルガモット侯爵家…学園で彼の兄が教授をしてるからルースも知ってるんじゃないかな?
結構苛烈な性格でしょう?伴侶の方は彼とそっくりだよ。
だから随分虐められただろうね、でも順番が回ってきそうな時に結婚するほうが悪いよね。
計画性が無さ過ぎる。
ああ、セックスのほうは私が手取り足取り教えてあげたから、及第点にはなってるよ。
何とか二人目が出来るといいんだけど…
ベルガモット様の為にね。
九番目の子…カレイド。
ようやくお役目も終わったからね、ロイと正式に結婚して…
やっぱり初夜で身ごもった子だよ。
もう産んであげられないと思っていたから、嬉しかったな。
その頃、王家から打診があってね。
養育費を援助するのと引き換えに、何とか産めるだけ産んでくれって…ユーフォルビアの子をできるだけの王家に嫁がせたいとのことでね。
神の怒りに触れそうな王家が十二もあるって知らされたんだ。
もちろんローズ王家もそうなりそうな気配だった。陛下…当時は王太子殿下…の結婚が遅れていたからね。
何せ一粒種の王家ばかりで、他国の王家から伴侶を迎えることが出来なさそうな状況だったし、公爵家にしてもそうだったから、難航したんだよね。
その後殿下はエランティス辺境伯の子と婚約したけど、その時はまさかどの子かを親子ほど年の離れたところへ嫁がせなきゃならないんじゃないかってヒヤヒヤしたもんだよ。
十番目の子…サロニア。
もう生まれる前からどこかの王家に嫁ぐって分かってる子だったけど、可愛いのはやっぱり一緒でね。
結局、産まれてみればどの子も可愛いのさ。
種がどこから来たのかも関係なく、ロイは子どもたちを公平に愛そうとしてくれたし、私もそうしようと努めたよ。
目の色や髪の色、顔つきが違う兄弟が沢山いたって、そんなこと気にならないくらい愛してあげようって。
そうロイと決めたんだ。
生活は苦しかったけど、王家から補助が出るようになって、少しましになったかな。
何とか砂糖くらいは気にせずに買えるようになったからね。
十一番目の子…デカール。
もう産むのにもすっかり慣れていたけど、ロイはいつも隣で「頑張って」って励ましてくれた。
子どもたちも大きくなって、上の子が下の子の面倒を見てくれたりね…。
賑やかで楽しかったよ。
さて、ここだ。
十二番目の子…ダグラス。
もう知っているね?イフェイオンのご老人のほうとの間に生まれた子さ。
イフェイオン翁は神の怒りから逃れたい一心だったんだろうね。
だけどやり方は滅茶苦茶だった。
ある日いきなり家に押し入られて連行されて…私は子を孕むまで監禁された。
どうやら「無理矢理犯す」ことで最高に興奮するのか、それともそうしなければ勃起しないのかは分からないけれど、闇魔法で相手に自分が化物に見えるような暗示をかけてから犯すのが好きな人でね。
とにかく性癖も性格も最悪だ。
三番目の兄がどうして壊れてしまったのか…
私もその時思い知ったよ。
あれじゃどこから正室が来たって1年持たないわけだ。
もしかしたら血筋に拘るあまりに、血が濃くなりすぎて狂ったのかもしれないな。
こっちはたまったもんじゃないけどね。
それから、4年。
4年かかってようやく、ロイとまた「繋がる」ことができるようになった。
最初の1年は恐怖で寝られなくて、幻覚が見えるようになって。
次の1年で、薬の力を使ってでも寝ることを覚えて、すこしましになって。
その次の1年で、薬を使わなくても寝られるように減薬して。
さらにその次の1年で…ロイと一緒なら怖くない、と思えるようになって。
ようやく出来た十三番目…
それが、ルース。
お前だよ。
「最後の子、と決めて産んだ」。
この意味がルースにもそのうち分かるといいな。
僕がルースを身ごもったのは、ちょうど国王陛下の伴侶がご懐妊が発表された頃でね。
街は随分と浮かれていたよ。
私が何人産んだって、それは当たり前のことすぎて誰も気にしなかったのに、国王の正室は身ごもっただけでこれほど祝ってもらえるのか、と…
私だってあいつらの家を神の怒りから遠ざける為に必死で産んできてやったのに、産ませた方はそれが当然だろうと祝いの一つも寄越さなかったな。
養育費の請求をすれば、子種を授けてやったのに偉そうだ…だとさ。
…だからね、そういう奴らの家を滅ぼしてもらいたいんだ。
特に公爵家は全部いらないからね。
ああでも、イフェイオンは自滅すると思うからほっといてやればそれで良いよ。
知ってるかい?
ここ2代の慰謝料で、あそこはそろそろ破産する。
最初の正室に迎えた相手が悪かったね。
領地は丸々そこに差し押さえられるんじゃない?
だけどそんな借金背負う必要はないんだって…どうにかしてダグラスに伝えて欲しい。
ところでね。
僕の3番目の兄…カールの事だけど、あの悪魔から何とか助け出した時にはすっかり廃人になっていてね。
今も海の近くの治療院にいるから、一度訪ねてやって欲しい。
お前は闇魔法を解くのが得意だと聞いて…もしかしたらと思うんだ。
頼んだよ。
ゼフ・ユーフォルビアより
この手帳には、今までお前にあえて知らせて来なかった事実を記しておく。
余ったページはお前の日記にでも使うといい。
まず、お前の兄弟のことだ。
一番目の子…クリス。
私が18の時に、前の夫リードとの間に初めて出来た子だ。
初夜で孕んだものだから、私はこの血が恐ろしくなった。
だが産まれてみると小さくて可愛くて、12歳で学園に入るまでは精一杯愛情を注ごう、と決めた。
他では、18歳で独り立ちさせるのが一般的だが、当家は違う。
12歳になり、学園に通わせたその時から、その子は自分のものではなくこの国のものになる。
だからどの子にも12歳までに家族の愛、親の愛を伝えたかった。
私の父たちもそうだったから。
二番目の子…ジッド。
三番目の子…レデュエ。
やはり私と前夫の間の子だ。
これほど立て続けに産まれると、いよいよ自分もユーフォルビアの軛から逃れられぬのだ思うようになった。
だがどの子も可愛くて、リードと一緒になって育児に明け暮れた。
2人目だから、3人目だからと言っても、クリスを育てたときとはまた違って、特にジッドは夜泣きが酷くて大変だったから、リードの連れ子だったロイも私を休ませるためにと一生懸命手伝ってくれた。
だが、問題はこの先だ。
だからもうかっこつけた書き方もやめよう。
レデュエが産まれて暫く、自分の兄弟たちの数が足りない分を補わなければならないとなって、リードと別れ話をすることになった。
3番目の兄がイフェイオン家に無理やり引きずられていって駄目になってしまったこともあって、少々話を急ぎすぎたせいもあったと思う。
リードは納得してくれなくてね、離縁は絶対にしない、って…。
愛しているんだ、ゼフと一緒じゃなければ生きていけない…と言ってね。
とうとう殺されてしまったんだ。
事故ということになっているけどね。
リードの葬儀が終わったその日に、エルム公爵が私を犯しながら自慢げに自白したよ。
「あの男が命を掛けて独占したがっただけのことはある身体だ」ってね。
「孕ませた後も時々相手をしてやろうか?」とも言っていたね。
随分偉そうな科白だろう?
だからね、あの男の子どもなんて絶対に産まないと決めたんだ。
ユーフォルビア家に伝わる「絶対に孕まない」秘術があるんだよ。
一番後ろのページにやり方は書いておく…ルースにならすぐに出来るよ。
ついでにエルム公のセックスだけど、まあ、結婚前だったし童貞だってことを考えてもド下手糞だったよね。
前戯もおざなり、しかも突っ込んで腰振って自分だけ出したら終わりっていう…
「勃たせて、入れて、腰を触れ」…って、闇魔法で命令するだけのマグロプレイも随分お好きだったよ?
下手とかいう以前の問題だよね。
そのくせに一度「抜かずの」2回目をしようとして、中折れしたのには笑ったよね。
よくあれでコーラス君が作れたな…
正室さんは本当に頑張ったよ。
まあ、それは置いといて、だ。
四番目の子…ノース。
エルム公爵が自分の子だとずっと信じていたけどね、私とロイの間に生まれた子だよ。
ロイと公爵の目の色は似ているだろう?
だからね、頼んだんだ。
ロイが私をそういう意味で愛しているのも知っていたから、利用した。
でも自分から「孕ませてくれ」なんて言ったのは、あの時が初めてだったよ。
五番目の子…トーレス。
「子種を蒔いた」のはバイオレット公爵。
大金を積んでお前を買ってやった…と言って、最初は随分偉そうだったけどね。
私と寝るってことは私にシモの弱みを握られるって事を分かってなかったようでね?
まあ、簡単にいうと短小で早漏。あと仮性包茎で…ナニの洗い方を教わらなかったのかな?
カスが溜まって臭くてね…。
洗い方を教えてあげたら、その後正室さんとの間にも子どもが出来たんだよね。
清潔って大事なんだなって改めて思ったよ。
六番目の子…ヒデル。
ヒデルの「子種を蒔いた」のはフリージア公爵。
まあ…面白みのないセックスというか…可もなく不可もなく?
気持ちよくは無かったかな…あんまり印象が残っていないんだ。
金払いが悪いってことだけ覚えてるよ。
エルム公から順番を買ってお金が無くなったのかな?
「子種を恵んでやる」とか言ってたから、逆にうちが払えって思ってた可能性もあるけど。
実は貧乏なんじゃないかな。
養育費も約束の10分の1も払わずに踏み倒したくらいだからね。
七番目の子…ベリル。
「子種」はプリムラ公爵。
まあ…本人曰く「絶倫」だそうだけど、要は遅漏だよね。
床オナのしすぎじゃないかな?変に曲がってるし。
絶倫って、射精に時間がかかることじゃないんですよ~って教えてあげて?
機会があったらね。
八番目の子…ジュリイ。
テナチュール侯爵が「種を蒔いた」子だよ。
新婚早々に順番が回ってきたもんだから、随分家は荒れただろうね?
しかも、「貴族であること」を正しく実践している古風な家の出の伴侶さんだからね。
ベルガモット侯爵家…学園で彼の兄が教授をしてるからルースも知ってるんじゃないかな?
結構苛烈な性格でしょう?伴侶の方は彼とそっくりだよ。
だから随分虐められただろうね、でも順番が回ってきそうな時に結婚するほうが悪いよね。
計画性が無さ過ぎる。
ああ、セックスのほうは私が手取り足取り教えてあげたから、及第点にはなってるよ。
何とか二人目が出来るといいんだけど…
ベルガモット様の為にね。
九番目の子…カレイド。
ようやくお役目も終わったからね、ロイと正式に結婚して…
やっぱり初夜で身ごもった子だよ。
もう産んであげられないと思っていたから、嬉しかったな。
その頃、王家から打診があってね。
養育費を援助するのと引き換えに、何とか産めるだけ産んでくれって…ユーフォルビアの子をできるだけの王家に嫁がせたいとのことでね。
神の怒りに触れそうな王家が十二もあるって知らされたんだ。
もちろんローズ王家もそうなりそうな気配だった。陛下…当時は王太子殿下…の結婚が遅れていたからね。
何せ一粒種の王家ばかりで、他国の王家から伴侶を迎えることが出来なさそうな状況だったし、公爵家にしてもそうだったから、難航したんだよね。
その後殿下はエランティス辺境伯の子と婚約したけど、その時はまさかどの子かを親子ほど年の離れたところへ嫁がせなきゃならないんじゃないかってヒヤヒヤしたもんだよ。
十番目の子…サロニア。
もう生まれる前からどこかの王家に嫁ぐって分かってる子だったけど、可愛いのはやっぱり一緒でね。
結局、産まれてみればどの子も可愛いのさ。
種がどこから来たのかも関係なく、ロイは子どもたちを公平に愛そうとしてくれたし、私もそうしようと努めたよ。
目の色や髪の色、顔つきが違う兄弟が沢山いたって、そんなこと気にならないくらい愛してあげようって。
そうロイと決めたんだ。
生活は苦しかったけど、王家から補助が出るようになって、少しましになったかな。
何とか砂糖くらいは気にせずに買えるようになったからね。
十一番目の子…デカール。
もう産むのにもすっかり慣れていたけど、ロイはいつも隣で「頑張って」って励ましてくれた。
子どもたちも大きくなって、上の子が下の子の面倒を見てくれたりね…。
賑やかで楽しかったよ。
さて、ここだ。
十二番目の子…ダグラス。
もう知っているね?イフェイオンのご老人のほうとの間に生まれた子さ。
イフェイオン翁は神の怒りから逃れたい一心だったんだろうね。
だけどやり方は滅茶苦茶だった。
ある日いきなり家に押し入られて連行されて…私は子を孕むまで監禁された。
どうやら「無理矢理犯す」ことで最高に興奮するのか、それともそうしなければ勃起しないのかは分からないけれど、闇魔法で相手に自分が化物に見えるような暗示をかけてから犯すのが好きな人でね。
とにかく性癖も性格も最悪だ。
三番目の兄がどうして壊れてしまったのか…
私もその時思い知ったよ。
あれじゃどこから正室が来たって1年持たないわけだ。
もしかしたら血筋に拘るあまりに、血が濃くなりすぎて狂ったのかもしれないな。
こっちはたまったもんじゃないけどね。
それから、4年。
4年かかってようやく、ロイとまた「繋がる」ことができるようになった。
最初の1年は恐怖で寝られなくて、幻覚が見えるようになって。
次の1年で、薬の力を使ってでも寝ることを覚えて、すこしましになって。
その次の1年で、薬を使わなくても寝られるように減薬して。
さらにその次の1年で…ロイと一緒なら怖くない、と思えるようになって。
ようやく出来た十三番目…
それが、ルース。
お前だよ。
「最後の子、と決めて産んだ」。
この意味がルースにもそのうち分かるといいな。
僕がルースを身ごもったのは、ちょうど国王陛下の伴侶がご懐妊が発表された頃でね。
街は随分と浮かれていたよ。
私が何人産んだって、それは当たり前のことすぎて誰も気にしなかったのに、国王の正室は身ごもっただけでこれほど祝ってもらえるのか、と…
私だってあいつらの家を神の怒りから遠ざける為に必死で産んできてやったのに、産ませた方はそれが当然だろうと祝いの一つも寄越さなかったな。
養育費の請求をすれば、子種を授けてやったのに偉そうだ…だとさ。
…だからね、そういう奴らの家を滅ぼしてもらいたいんだ。
特に公爵家は全部いらないからね。
ああでも、イフェイオンは自滅すると思うからほっといてやればそれで良いよ。
知ってるかい?
ここ2代の慰謝料で、あそこはそろそろ破産する。
最初の正室に迎えた相手が悪かったね。
領地は丸々そこに差し押さえられるんじゃない?
だけどそんな借金背負う必要はないんだって…どうにかしてダグラスに伝えて欲しい。
ところでね。
僕の3番目の兄…カールの事だけど、あの悪魔から何とか助け出した時にはすっかり廃人になっていてね。
今も海の近くの治療院にいるから、一度訪ねてやって欲しい。
お前は闇魔法を解くのが得意だと聞いて…もしかしたらと思うんだ。
頼んだよ。
ゼフ・ユーフォルビアより
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