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学園3年目

怒涛の学外研修(学園~古龍の墓)

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「各馬車、点呼終了しました」
「では、出発!」

…この馬車だけ点呼終わってませんけどね。

イドラ君が用意して特製馬車に殿下と2人。
御者は…近衛騎士団の団員さんだ。

「俺は視察、という形で同行する。
 御者に近衛が付くのは当たり前だろう?」
「あー…はあ、なるほど」

…そうなの?

「王家の徽章も付けているしな。
 古龍の墓へは王族として足を運ぶ。
 あそこはフリージア公の管轄だ、堂々と行く」
「会長は、殿下と交流がないのを随分と気にしてましたけど…そのお父上はどうなんですかね?
 何とか向こうから来てくれるといいんですが」

こっちからわざわざ出向くとなると、
相手に色々バレちゃうからなあ。
一種の賭けよね、こうなると。

「生徒会のほうもあの茶話会以降、しつこい誘いも無くなって実にやりやすくなった」
「それは何よりですね」
「何なら来年から生徒会に入るか?」
「さすがにこれ以上何かするのは無理ですよ…」
「そうだな、お前はいつも忙しそうだ」

そう言うと、殿下は俺の隣に移動してきた。
そして、ブーツを脱ぎ始めた。
「お前も脱げ」というので俺も脱いだ。
何だ?と思っていると、殿下はさっきまで座っていたシートの座面を手前に引いた。
「脚を上げろ、挟まれるぞ」
「えっ、はい、うわっ!」
座面が隙間を埋め、背もたれの部分がスライドして水平になり、室内がフルフラットになった。
急にくつろぎ空間が出来てびっくりする暇もなく、殿下が俺を押し倒した。
「な、うわ、わ!」
「これなら移動中の閨も辛くなかろう?」
「!!」

ちょっと待て、おい。
これ、その為だけの馬車なの!?

「こんな、こんなことのためにお金かけて」
「ああ、これはアイリス男爵からの前祝だ」
「は?何のです!?」
「婚約のだ」
「は、んむっ…!ん、んーーー!」

濃厚キッスで俺の叫びを食べてしまってから、
殿下はとっても素敵な笑顔で俺に言った。

「アイリス家は、商会をあげて支持するそうだ」
「……は?なにを、です…?」
「お前が俺の正室になる事をだ」
「んー!?」

もう一度口を口で塞がれて舌で舌を宥められる。

ガタゴトと馬車の音。

2人の息遣いと唾液が混ざる音。

暑いからって上着を脱いでたもんだから、俺の防御力はほぼゼロ。
シャツの上から敏感なトコを刺激されて、腰が砕けて抵抗できなくなる。

「は…あんっ、も、やっ…ぁ、だめ、まだ朝…」
「昼の休憩までは、まだ時間があるだろう?」

あかん…あかんって…

くそ、あの親子め…!
商会をあげて快適なカーセックスをサポート…
って、いらんことせんで、ええねん…!
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