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学園3年目
本業はこちら 〜トレッド視点〜
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「王宮内部の勢力図…これは、本当なのか?」
「そうですね、何せ王宮に泊まり込んでこの目で見てこの耳で聞きましたから…間違いないです」
「ふーむ…」
上司は考え込んだ。
巷での噂とあまりに違う…そんなところだろう。
「正室はルース・ユーフォルビアで決定なのか?」
「余程のことがない限りは」
殿下の正室を当てる賭けが始まってからしばらく。
世間では家格順が順当…と思われているらしく、やはり一番人気はカメリア王国第二王子「エルグラン・カメリア」だ。その次は公爵家のご子息…。
しかし、俺は確定事項として、エルグラン王子は側室に入ると知っている。
何せ本人がそう公言している。
恋人ともラブラブだし。
ただ、学園内のことが外へ漏れることは殆ど無いから、平民の耳には届いていない。
「だが、公爵家が黙っていないだろう」
「ええ、それは間違いなく。
なので事件が起こることは間違いありません」
「そうか…まだ続けられそうか?」
「それは問題なく。
取材対象の方々とも友好な関係です」
「そうか、期待してるぞ!」
上司は俺の肩をポンと叩いて、上機嫌で席を立つ。
きっともう1つ上へ報告に行ったんだろう。
ただ、ワケあって、ここ1年ほど俺の書いた記事は当たり障りのないやつに変更されている。
上司の上司がとある公爵家に買収されていることになっているからだ。
それを知らずに怒鳴り込んだら、
「うん、買収?されてるよ?
結構お金くれるっていうからさ~。
その上カワイイ子紹介してくれるって言うし?
あ、どっちも手はつけてないから大丈夫よ!」
って軽く言い放たれた上に、
「某公爵家が失脚したら、お前の取材を纏めたルポ本出して大儲けだぜ~!」
と言われて、あっハイ…となった俺の気持ちよ…。
おまけに、
「そーそー、会社ぐるみで買収されてることになってっからさ、そのつもりでやってちょ。
君は「俺の記事が握りつぶされてる!」って酒場で嘆く係だかんね、それもヨロ~」
だとよ。
本当にタヌキ野郎しかいねえなこの新聞社。
んでもって、俺の上司は俺の記事をいちいち報告して上に指示を仰いで記事を差し替える係。
「この記事クソつまんねーって思うけど、これで買収してきたやつらを騙してるんだと思うとスラスラ書けちゃうんだよなぁ…俺天才じゃね?」
はいはい、天才天才。
そんなわけで、これからも俺は心置きなく潜入取材を続けられるってことだ。
つまり、まだまだあいつらと楽しく付き合ってていいってことでもあるな。
俺の学生時代なんてバイトばっかで何にも無くて…
それがこんなふうにやり直せるなんて、思っても見なかったな。
本当、あいつらには感謝しないと…
特に、気づいても見て見ぬ振りの殿下と、俺の仕事に無頓着なルースにはね。
「さてと、次は何を口実にあそこへ行くかね…」
魔石工学の上級でも取るかなあ。
それが1番手っ取り早い。
「もー1年くらい学生さして貰うかな」
学費はおいおいルポ本の売上で返すってことで。
「そうですね、何せ王宮に泊まり込んでこの目で見てこの耳で聞きましたから…間違いないです」
「ふーむ…」
上司は考え込んだ。
巷での噂とあまりに違う…そんなところだろう。
「正室はルース・ユーフォルビアで決定なのか?」
「余程のことがない限りは」
殿下の正室を当てる賭けが始まってからしばらく。
世間では家格順が順当…と思われているらしく、やはり一番人気はカメリア王国第二王子「エルグラン・カメリア」だ。その次は公爵家のご子息…。
しかし、俺は確定事項として、エルグラン王子は側室に入ると知っている。
何せ本人がそう公言している。
恋人ともラブラブだし。
ただ、学園内のことが外へ漏れることは殆ど無いから、平民の耳には届いていない。
「だが、公爵家が黙っていないだろう」
「ええ、それは間違いなく。
なので事件が起こることは間違いありません」
「そうか…まだ続けられそうか?」
「それは問題なく。
取材対象の方々とも友好な関係です」
「そうか、期待してるぞ!」
上司は俺の肩をポンと叩いて、上機嫌で席を立つ。
きっともう1つ上へ報告に行ったんだろう。
ただ、ワケあって、ここ1年ほど俺の書いた記事は当たり障りのないやつに変更されている。
上司の上司がとある公爵家に買収されていることになっているからだ。
それを知らずに怒鳴り込んだら、
「うん、買収?されてるよ?
結構お金くれるっていうからさ~。
その上カワイイ子紹介してくれるって言うし?
あ、どっちも手はつけてないから大丈夫よ!」
って軽く言い放たれた上に、
「某公爵家が失脚したら、お前の取材を纏めたルポ本出して大儲けだぜ~!」
と言われて、あっハイ…となった俺の気持ちよ…。
おまけに、
「そーそー、会社ぐるみで買収されてることになってっからさ、そのつもりでやってちょ。
君は「俺の記事が握りつぶされてる!」って酒場で嘆く係だかんね、それもヨロ~」
だとよ。
本当にタヌキ野郎しかいねえなこの新聞社。
んでもって、俺の上司は俺の記事をいちいち報告して上に指示を仰いで記事を差し替える係。
「この記事クソつまんねーって思うけど、これで買収してきたやつらを騙してるんだと思うとスラスラ書けちゃうんだよなぁ…俺天才じゃね?」
はいはい、天才天才。
そんなわけで、これからも俺は心置きなく潜入取材を続けられるってことだ。
つまり、まだまだあいつらと楽しく付き合ってていいってことでもあるな。
俺の学生時代なんてバイトばっかで何にも無くて…
それがこんなふうにやり直せるなんて、思っても見なかったな。
本当、あいつらには感謝しないと…
特に、気づいても見て見ぬ振りの殿下と、俺の仕事に無頓着なルースにはね。
「さてと、次は何を口実にあそこへ行くかね…」
魔石工学の上級でも取るかなあ。
それが1番手っ取り早い。
「もー1年くらい学生さして貰うかな」
学費はおいおいルポ本の売上で返すってことで。
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