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学園3年目

12号棟の夜 ※

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寮の共同浴場は、定員4名ほど。
予約制で、各部屋ごとに15分刻み。
俺も殿下も最近忙しいし、晩御飯を砦で食べてくることが多いので、一番最後に予約を入れている。
最後なので湯が多少ぬるかったりする。
いっそ冬は砦のサウナで済ますのもありかもな…。


最近、殿下は俺にくっつきたがる。

2人きりの時だけだし、これで少しでも心が安定するといいな…と思って、俺も素直に受け入れてる…

受け入れているが、だ。

殿下は、風呂の中でもくっつきたがる。
あんまりくっつきたがるので、時にお互いの体でお互いの体を洗う事態になる。

前世の知識では、こういうプレイはそういうお店でするものだったと思うんだけど?

2人で泡まみれになってくすぐり合ったりなんかして、やめろ、やめてよ、こらくすぐったい、あはは、ふふ、ひゃっ!あはは!ってやってるうちに…

「あは…、あんっ」
「ん?ここがどうかしたか?」

何でそこ感じるの?分かんない、ってとこから快感が這い上がってきたりして、

「ここか?ルース……」
「だめったら、だめっ…!も、アルっ!」

…というような具合になって…。
そうなると、こっちもお年頃の男子だもんで、股間のアイツがむくむく…と存在を主張してしまう。

お互いに。

もうそうなったら1番最後だし、朝まで誰も片付けにはこないから…って、なぜか大胆になっちゃう。



「んっ…は、はう…っあ、」

ぴちゃぴちゃいうのはお湯でも水でもなくて、
アルが俺の耳を舌で転がす音。
最近のアルのマイブームは、洗い場の鏡の前で俺の乳首を後ろから弄くり回すことだ。

「ほら…鏡、見ろ…可愛い顔で…欲情している」
「やぁ、あ、見れない…っばぁ、やあっ!」
「こんなに可愛いのに…見なければ損だぞ?
 ほら、目を開けろ…ルース」
「む、りぃ、ひぁん!」
「…そうか」

アルの舌と手が止まる。
終わったのかな…と思って、そっと目を開けると、

「ひゃう!あ、や!」
乳首をきゅっ、とつねられて、腰が跳ねる。
「ふふっ…可愛い」

そうでしょうね!
いつもこれで騙されて目を開けちゃうんだもんね!

「や、やだぁ!あぅん、ぁっ!」

顔を横へ背けると、
アルが無理矢理キスを仕掛けてくる。

「んく、ん…」

俺は、もっとちゃんとキスしたくて身じろぐ。
アルの唇や舌使いに夢中になっていると、いつの間にかお互いに向き合う姿勢になって…

お互いのムスコがムクムク成長して、つばぜり合いする頃合いに、唇を離して、笑う。

「ルースのココもがっているぞ?」
「アルのだって…バキバキじゃん」

お互いに相手のソレを握ってイかせ合いが始まる。

先に、イかされた、ほうが後で、イったほうの、お願いを何か、1つだけ聞くと、いう謎の、ルール…っ

「ん…ふぅ、は、はっ…く、」
「ふ…、上手く、なった…な、ルース…」

はっきり…言って、勝率、は…低っ…い、

「っは、早く達け、ルース」
「あっ、る、こそっ……っ、んあっ!」

にやり、とアルが笑った。

破格の気持ち良さと負けた悔しさが混じった白い液体が飛び散って、アルの手に掛かった。

俺のムスコは今日も負けか…。

アルは俺の手を、俺をイかせた手で包んで、促す。
同時にちゅ、ちゅ、と軽いキスの応酬。
ぼんやりした頭で、アルがイく時の顔を見る。

「…っ、く、」

その顔がセクシーすぎて痺れる。


そのあとは風呂の床にへたり込んでイチャイチャ…。
暫くしてふと2人で我に返って、慌てて体を流し、湯船に30秒だけ浸かって風呂場を出る。

バタバタと部屋に戻り、魔法で殿下の髪を乾かす。
「ドライヤーのターボ」ブオオォォ…。
それが終わったら自分の頭も乾かす。
「ドライヤーのターボ」ブオオォォ…。

寒いのでせわしなく2人でベッドに入る。
去年の後半くらいからベッドをくっつけているから、2人で寝てもやや余裕がある。

眠たくならないうちに、お互い今日あったこと、明日の予定などを話す。

「そうだ、殿下。
 今度の7の日、神殿に行きませんか」
「……?」
「神職の結界がね…」

思いついたことを提案してみる。

「…どうですか?」
「…なるほど、少し考えてみる」

ふう、良かった。
これで安心して…

「ところでルース、今日の負け分だがな」
「……はい」

ちっ、忘れて無かったか…。

「裸になって、俺の抱き枕になれ」
「はぁ!?何で2つも」
「一昨日の分を忘れていた」
「駄目っ!忘れた分はノーカン!!」
「ノーカン?」
「数に入れちゃ駄目ってこと!」

ふーん?
と殿下は少し考え込み、ニヤ、と笑って言った。

「じゃあ、裸になるだけでいい」
「えー、そっちぃ…? うー…仕方ない」

パジャマを脱いでパンツも脱いで全裸になる。
殿下がじっ……と見てくる。
恥ずかしいので、ベッドに潜る。

…いかん、寒い。

ちょっと震えていると、殿下がもぞもぞ…と隣にやってきて俺にくっついた。

「こうしていれば温かいな?」
「うん……」
「朝までこうしていろ、風邪を引く」
「……うん」


殿下ってば優しいな…



って、なると思うてか!!

「殿下、ズルくないですか!?」
「狡くはないな」

いや、ズルいよ!
これ裸で抱き枕じゃん!!
くそう…策士め…!

幸せそうに笑ったって…駄目なんだからな…。

「…ルース」
「何ですか?」
「俺は今日も、ちゃんとお前の事が好きだぞ」
「…はい」


おやすみのキス。

明日もちゃんと…できますように。
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