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学園3年目
神官の思惑への裏切り
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丸一日かけても全ての楽譜の演奏は終わらない。
それに聞いてもすぐには覚えられない…ので、王宮音楽隊のみなさんと相談して、借りてきた楽譜を手分けして写すことにした。
「楽譜用のノート、持ってきたよ~」
「ありがとう!」
昨日イドラ君に楽譜の話をしたら、写す用の五線譜がいるでしょ?という話になり、このくらい…と物を見せたら大体を把握して持ってきてくれたのだ。
さすがアイリス商会。
代金は古代魔法研究室の研究費(少ない)から捻出するとのことで…マグノリア先生の、何としてもこれをモノにしようという意気込みを感じる。
「さあ、楽譜を写そう…えー、すいませんが音楽隊のみなさん、お手伝い願えますか?」
「もちろんですとも」
「僕も手伝いますよ!」
「そうだね、みんなでやれば早いよ」
「私も音楽なら多少の心得がありますから…」
「では、私はこれが丁度収まる棚を作っておこう。まだ板は沢山あるからな」
「俺も手伝うよ、お菓子作ってくれるお礼に」
「わあ、ありがとう!」
「もちろん我々音楽隊にもお任せください」
さすがにこの量の楽譜はすぐに写せないなあ…と思っていたら、さすが王宮音楽隊、これまた早い。
俺の所属する全部の研究室のみんなも手伝ってくれて、人海戦術で一気に楽譜の写しは加速した。
「先に聞いて頂きましたら、私にも音楽の心得くらいはありましたのに」
「ほんとそうでした…。
カメリアの国立音楽院って有名ですもんね」
「ルディさんがいたセラリア聖歌隊も、ローズ王国では有名ですよ!
リリー侯爵領に神殿があるので、何度か聞きにいったことがあります」
「そ、そうなの…ですか?き、聞かれちゃったかな…何か恥ずかしいな…です」
そっか、ルディ君のほうがリリー君より1個上か。
飛び級って、同い年の友達ができにくいんだな…。
今年入ってきた子じゃあ、まだ入門の授業受けてるところだろうし。
「おーいルース、こっちは出来たぞ~」
「早いねカイト君!」
「そりゃだって量が少なかったから…」
「でも、机に向かうだけでも苦行、って人がやってくれるだけで嬉しいよ!ありがとう!」
「おう…」
カイト君が照れてる。
何だろう…。
「ま、まあ、これくらいなんてことないぞ!まだ終わってないやつあったら貰ってく」
「うん…だけどこっちももう終わりそうだよ!練習再開してもらって大丈夫!」
王宮音楽隊の皆様の速度がすごいのよ。
うちらの3倍は速い。
言語を知ってると文章写すのも速い…みたいな…
「あっ、そうか」
「何じゃいな」
「楽譜って言語に似てるな~って」
「言語?」
「初めて見る言語の本だと、書き写すのに時間がかかるでしょ?知ってる言語だと、書き写すのに時間が短くて済むじゃないですか、同じことが楽譜にも言えるな~って…
あっ!」
俺は王宮音楽隊の人に聞いた。
「言葉を楽譜に起こすって可能ですか?」
「言葉を?楽譜に?」
「古代魔法の詠唱の言葉を音に置き換えられないかって…それがあれば、詠唱が乗せやすい音楽がある程度絞り込めるんじゃないかと思って」
「ははあ…なるほど、出来なくはないかと」
「すみません、無理言って…。
でもアプローチは多いほうがいいかと」
「分かりました」
とにかく属性付与は早めに結果が欲しい。
出来るにしてもできないにしても…。
「それでは、絶対音感持ちを…そういえば、学園の音楽科にもいたな」
「そうなんですか!?」
「何度か教えにも来ていますから、顔も効きますので…音楽科に行って、何人か連れてきましょう」
やったぜ。
これで音楽隊も王宮に帰せる…
楽譜も早いとこ返してあげないとな。
「写せた楽譜、返しに行きましょうか」
「そうだな、さすがにがめつく借りすぎたもんな…」
俺とワルド先輩はてへへ…と笑いあって、借りた楽譜をまとめようとしたところへ…
「おい、不信心者共。楽譜を返してもらおう」
あの神官長が来たのであった。
それに聞いてもすぐには覚えられない…ので、王宮音楽隊のみなさんと相談して、借りてきた楽譜を手分けして写すことにした。
「楽譜用のノート、持ってきたよ~」
「ありがとう!」
昨日イドラ君に楽譜の話をしたら、写す用の五線譜がいるでしょ?という話になり、このくらい…と物を見せたら大体を把握して持ってきてくれたのだ。
さすがアイリス商会。
代金は古代魔法研究室の研究費(少ない)から捻出するとのことで…マグノリア先生の、何としてもこれをモノにしようという意気込みを感じる。
「さあ、楽譜を写そう…えー、すいませんが音楽隊のみなさん、お手伝い願えますか?」
「もちろんですとも」
「僕も手伝いますよ!」
「そうだね、みんなでやれば早いよ」
「私も音楽なら多少の心得がありますから…」
「では、私はこれが丁度収まる棚を作っておこう。まだ板は沢山あるからな」
「俺も手伝うよ、お菓子作ってくれるお礼に」
「わあ、ありがとう!」
「もちろん我々音楽隊にもお任せください」
さすがにこの量の楽譜はすぐに写せないなあ…と思っていたら、さすが王宮音楽隊、これまた早い。
俺の所属する全部の研究室のみんなも手伝ってくれて、人海戦術で一気に楽譜の写しは加速した。
「先に聞いて頂きましたら、私にも音楽の心得くらいはありましたのに」
「ほんとそうでした…。
カメリアの国立音楽院って有名ですもんね」
「ルディさんがいたセラリア聖歌隊も、ローズ王国では有名ですよ!
リリー侯爵領に神殿があるので、何度か聞きにいったことがあります」
「そ、そうなの…ですか?き、聞かれちゃったかな…何か恥ずかしいな…です」
そっか、ルディ君のほうがリリー君より1個上か。
飛び級って、同い年の友達ができにくいんだな…。
今年入ってきた子じゃあ、まだ入門の授業受けてるところだろうし。
「おーいルース、こっちは出来たぞ~」
「早いねカイト君!」
「そりゃだって量が少なかったから…」
「でも、机に向かうだけでも苦行、って人がやってくれるだけで嬉しいよ!ありがとう!」
「おう…」
カイト君が照れてる。
何だろう…。
「ま、まあ、これくらいなんてことないぞ!まだ終わってないやつあったら貰ってく」
「うん…だけどこっちももう終わりそうだよ!練習再開してもらって大丈夫!」
王宮音楽隊の皆様の速度がすごいのよ。
うちらの3倍は速い。
言語を知ってると文章写すのも速い…みたいな…
「あっ、そうか」
「何じゃいな」
「楽譜って言語に似てるな~って」
「言語?」
「初めて見る言語の本だと、書き写すのに時間がかかるでしょ?知ってる言語だと、書き写すのに時間が短くて済むじゃないですか、同じことが楽譜にも言えるな~って…
あっ!」
俺は王宮音楽隊の人に聞いた。
「言葉を楽譜に起こすって可能ですか?」
「言葉を?楽譜に?」
「古代魔法の詠唱の言葉を音に置き換えられないかって…それがあれば、詠唱が乗せやすい音楽がある程度絞り込めるんじゃないかと思って」
「ははあ…なるほど、出来なくはないかと」
「すみません、無理言って…。
でもアプローチは多いほうがいいかと」
「分かりました」
とにかく属性付与は早めに結果が欲しい。
出来るにしてもできないにしても…。
「それでは、絶対音感持ちを…そういえば、学園の音楽科にもいたな」
「そうなんですか!?」
「何度か教えにも来ていますから、顔も効きますので…音楽科に行って、何人か連れてきましょう」
やったぜ。
これで音楽隊も王宮に帰せる…
楽譜も早いとこ返してあげないとな。
「写せた楽譜、返しに行きましょうか」
「そうだな、さすがにがめつく借りすぎたもんな…」
俺とワルド先輩はてへへ…と笑いあって、借りた楽譜をまとめようとしたところへ…
「おい、不信心者共。楽譜を返してもらおう」
あの神官長が来たのであった。
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