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学園2年目
ダンジョン再生計画7.計画中断
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ウィン兄と一緒に外に出ると、ディー兄はまだそこにいた。
「ディー、この前の石、拾え。
すぐ山を下りる、馬で」
「分かった、何かあったの?」
「今は何もない、だけど急いで1層のみんなに伝えないといけないことがある」
そう言うと、ウィン兄は俺を馬に乗せ、自分もその後ろに乗って、山を下り始めた。
速い!馬速い!そして高い!怖い!!
「口閉じてろ、舌噛むぞ!」
ウィン兄の声に、ギュッと鞍に掴まる。
吹き飛ばされそうな体をウィン兄が後ろから支えてくれる。頼もしい。さすが辺境の双璧…!
------------
馬を飛ばして1時間弱。
ダンジョンの入り口へ着いた時にはもう限界。
歩けない俺を、今度はディー兄がお姫様抱っこして運んでくれる。
「先生!みんな!無事ですか!?」
「おお?どうしたんじゃ?」
「すいません、もしかしたら、もしかしたらなんですけど、とんでもない魔物が棲んでいる可能性があります」
「どういうことじゃ?」
「後で説明します!
とりあえず、みなさんに外へ出てもらってください、早急に」
「おお、分かった…
おーい、みんな、一旦外へ出るぞい」
遠くからは~いと返事が聞こえる。
特に今は何の変化もないようだ。
「みなさーん!
作業をいったん中断して外へ出てください!」
「全員ダンジョンから出て!急いで!」
間違いだったらそれでいい。
だけど、当たってたら…
急いでみんなを非難させる。
「何かあったのか?」
「ルース、顔色悪いぞ…どうした?」
「山でなんかあったのか?」
「いや、何でも…馬で酔ったのかもしれません」
可能性は低いんだと思う。
ソラン先輩の反応からすると「無くはない」という感じだろうか…
だからといって避難させないという選択肢は無い。
前世の記憶が「命の危険が少しでもあれば避難する」ことを訴えている。
「全員揃っとるか?」
「魔石工学教室、全員います!」
「うちのは…大丈夫じゃな、学園まで帰るぞ!」
みんな揃ってる?
誰かいないなんてことは…ないよね?
「俺、最後、確認してきます!」
「待ってルー、一緒に行く!ディー!」
「分かった」
ウィン兄とディー兄と俺で、中に逃げ遅れた人がいないか確認に入る。
魔道灯は順調に取り付けが進んでいたようで、だいぶ明るい。
「作業、結構進んでたんですね」
「そうだな、半分近く…?ん?」
「どうした、ウィン」
「あそこ…何か、動いたぞ」
「動いた?」
「そう、あそこのとこ…」
3人で見に行ってみる。
「ここだよ、ここの壁…」
「えっ、ここ…?ここは…何だろう?」
「壁が剥がれて落ちて、中身が見えてる…みたいな?」
で、その中身が…
「!!!」
動いた!?
「…ここ、もしかして…脇道?」
「脇道への入り口を…何かの生き物が塞いでるってこと…?」
もし、この動いてるのがサンドワームだとしたら…
めちゃくちゃでかくない?
「急いで見回りして、戻ろう!」
「うん…ライト!明るめ!」
端まで明るくなるくらい、一気に照らす。
「誰か見える?」
「大丈夫だ、誰もいない」
「俺にも人の姿は見えないな」
「じゃあ、出よう!」
来た道を急いで戻る。
足が遅いからと今度はウィン兄に抱っこされる。
「あのさ…何だか過保護すぎない?」
「そりゃ、ルーに何かあったら困るもん」
「そうそう、殿下に頼まれちゃったからなあ」
「えっ…?」
マヌケな顔でぽかんとした俺に、
ウィン兄が教えてくれた。
「あのプライドの塊みたいなやつがなあ。
わざわざ厩舎まで来て、お前の事頼むって、頭下げてったんだぞ」
殿下が…俺のために?
「殿下…」
「あいつ、ルーのこと…本気なんだなって」
「だから、ルーのこと好きだって気持ちは、認めてやってもいいかなって思ってさ」
殿下がそんなに俺のこと、思ってくれてるなんて。
顔がかあっと熱くなって、どんな顔をしたらいいか分からないでいると、2人が声を揃えて言った。
「「だからって、負けないけどね」」
辺境伯をただの田舎者だって思ってるやつは多いみたいだけど、王家の次に私兵が多いのはうちだからね。
だから、中央の言うことを何でもホイホイ聞いてやる必要なんて無いんだぜ。
いざとなったら力づくでも奪いにいけるんだからな!
…なんて、ウィン兄は物騒なことを言う。
本気だよ、とディー兄も笑いながら言う。
「そのうちルーに「傾国」って二つ名がついたりして」
「はっ?この顔で!?」
無い無い無い無い!
”盛りすぎ=ただの嘘”ですぞ!!
「ディー、この前の石、拾え。
すぐ山を下りる、馬で」
「分かった、何かあったの?」
「今は何もない、だけど急いで1層のみんなに伝えないといけないことがある」
そう言うと、ウィン兄は俺を馬に乗せ、自分もその後ろに乗って、山を下り始めた。
速い!馬速い!そして高い!怖い!!
「口閉じてろ、舌噛むぞ!」
ウィン兄の声に、ギュッと鞍に掴まる。
吹き飛ばされそうな体をウィン兄が後ろから支えてくれる。頼もしい。さすが辺境の双璧…!
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馬を飛ばして1時間弱。
ダンジョンの入り口へ着いた時にはもう限界。
歩けない俺を、今度はディー兄がお姫様抱っこして運んでくれる。
「先生!みんな!無事ですか!?」
「おお?どうしたんじゃ?」
「すいません、もしかしたら、もしかしたらなんですけど、とんでもない魔物が棲んでいる可能性があります」
「どういうことじゃ?」
「後で説明します!
とりあえず、みなさんに外へ出てもらってください、早急に」
「おお、分かった…
おーい、みんな、一旦外へ出るぞい」
遠くからは~いと返事が聞こえる。
特に今は何の変化もないようだ。
「みなさーん!
作業をいったん中断して外へ出てください!」
「全員ダンジョンから出て!急いで!」
間違いだったらそれでいい。
だけど、当たってたら…
急いでみんなを非難させる。
「何かあったのか?」
「ルース、顔色悪いぞ…どうした?」
「山でなんかあったのか?」
「いや、何でも…馬で酔ったのかもしれません」
可能性は低いんだと思う。
ソラン先輩の反応からすると「無くはない」という感じだろうか…
だからといって避難させないという選択肢は無い。
前世の記憶が「命の危険が少しでもあれば避難する」ことを訴えている。
「全員揃っとるか?」
「魔石工学教室、全員います!」
「うちのは…大丈夫じゃな、学園まで帰るぞ!」
みんな揃ってる?
誰かいないなんてことは…ないよね?
「俺、最後、確認してきます!」
「待ってルー、一緒に行く!ディー!」
「分かった」
ウィン兄とディー兄と俺で、中に逃げ遅れた人がいないか確認に入る。
魔道灯は順調に取り付けが進んでいたようで、だいぶ明るい。
「作業、結構進んでたんですね」
「そうだな、半分近く…?ん?」
「どうした、ウィン」
「あそこ…何か、動いたぞ」
「動いた?」
「そう、あそこのとこ…」
3人で見に行ってみる。
「ここだよ、ここの壁…」
「えっ、ここ…?ここは…何だろう?」
「壁が剥がれて落ちて、中身が見えてる…みたいな?」
で、その中身が…
「!!!」
動いた!?
「…ここ、もしかして…脇道?」
「脇道への入り口を…何かの生き物が塞いでるってこと…?」
もし、この動いてるのがサンドワームだとしたら…
めちゃくちゃでかくない?
「急いで見回りして、戻ろう!」
「うん…ライト!明るめ!」
端まで明るくなるくらい、一気に照らす。
「誰か見える?」
「大丈夫だ、誰もいない」
「俺にも人の姿は見えないな」
「じゃあ、出よう!」
来た道を急いで戻る。
足が遅いからと今度はウィン兄に抱っこされる。
「あのさ…何だか過保護すぎない?」
「そりゃ、ルーに何かあったら困るもん」
「そうそう、殿下に頼まれちゃったからなあ」
「えっ…?」
マヌケな顔でぽかんとした俺に、
ウィン兄が教えてくれた。
「あのプライドの塊みたいなやつがなあ。
わざわざ厩舎まで来て、お前の事頼むって、頭下げてったんだぞ」
殿下が…俺のために?
「殿下…」
「あいつ、ルーのこと…本気なんだなって」
「だから、ルーのこと好きだって気持ちは、認めてやってもいいかなって思ってさ」
殿下がそんなに俺のこと、思ってくれてるなんて。
顔がかあっと熱くなって、どんな顔をしたらいいか分からないでいると、2人が声を揃えて言った。
「「だからって、負けないけどね」」
辺境伯をただの田舎者だって思ってるやつは多いみたいだけど、王家の次に私兵が多いのはうちだからね。
だから、中央の言うことを何でもホイホイ聞いてやる必要なんて無いんだぜ。
いざとなったら力づくでも奪いにいけるんだからな!
…なんて、ウィン兄は物騒なことを言う。
本気だよ、とディー兄も笑いながら言う。
「そのうちルーに「傾国」って二つ名がついたりして」
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無い無い無い無い!
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