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学園1年目

バタバタの日常

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「殿下、今日のお昼のご都合はいかがですか」
「ああ、特に何もない」
「では、昼食会を開催させて頂きます」
「うむ」

あれから週に3回ほどのペースで昼食会を開いている。
最近は他のクラスや上級生からも問い合わせが来るようになった。
この昼食会に参加すれば、アルファード殿下だけでなくエルグラン王子やジョンさんもついてくるので、またとない社交の場になっている…と、周囲からの評価も上々だ。

面倒なのは、俺を通して話をしないと殿下がほぼ「ああ」と「いや」しか言わないところだ。
ゲームって「はい」と「いいえ」だけで進むようなやつもあるから、そのせいなのかもしれないけど、もうちょっと選択肢があっても良くない?
でもまあ、エルグラン王子とジョンさんに対してはそれなりに話すようになったようだから、まあいいか。

昼飯がわりのスコーンやマフィンと交換に殿下が昼食会以外でも昼飯をおごってくれるので、しばらく購買に行かなかったらホットドッグはちゃんとパンもソーセージも火が通ったのを売るようになっていた。
きっとおじいちゃん先生のおかげだろう。

この間の剣術の授業はすごかった。
カレンデュラ先生とジョンさんが「見て覚えろ」と言って、みんなの前で模擬試合をしてくれたのだ。
もうカッコいいとかいうレベルじゃなかった。
カレンデュラ先生が強いのは知ってたけど、ジョンさんがあんなに強いなんて…。
俺は知らなかったけど、「カメリアの剣」って呼ばれてるんだって。

でも、二つ名とかいいなー、俺も欲しいなー、と言っていたら、殿下が「駄犬」とあだ名をつけようとしてきて…。
そんな一悶着あったりなんかもしたけど、剣術を諦めないで頑張ろうと思った。

魔法の授業では、こんなところにいないで研究室へ行きなさいと言われたりしたけど、殿下が「不許可」と言って無しになった。
そりゃまあ、付き人いなくなったら困るもんな…。
というわけで、基礎固めのためにも真面目に受けているけど、おじいちゃん先生(校長先生だった)が時々乗り込んできて連れて行かれる。

殿下もおじいちゃん先生だけは止められないらしく、学校中を連れまわされているものだから、昼食会のことも相まって上級生にも顔を覚えられるようになったりして、声をかけられることも増えた。

入学1年目にしてやたら忙しい。
これで6年間、やっていけるんだろうか?

「おい、行くぞ」
「あっ、はい」

考えても仕方ない。
けど、30回フラれる未来を何とか変えなきゃ…

せめて今生は、脱童貞したい。
おっぱいは…この際「雄っぱい」でも…
フラれないということは、その後その男と付き合うってことだし…そもそも男しかいないんだから…


いや、弱気になっちゃ駄目だ!
女の子を探すために、俺は冒険に出るんだ!

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