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学園1年目

エルグラン殿下と魔法科とヘザー先輩

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俺と殿下と王子とジョンさんで魔法科へ行く。
2回目でもでけー。

入口でリリー君となぜかヘザー先輩が待っていた。

「わざわざお越し頂き有難うございます、アルファード殿下。それに、ルースさんも!
 ところで、そちらの方は…」

俺は王子とジョンさんにリリー君とヘザー先輩を紹介し、リリー君とヘザー先輩にも王子とジョンさんを紹介する。
エルグラン王子とジョンさんが二人に挨拶する。

「若くして新しい魔法を開発された天才と、魔法の理論を実用へ結びつける秀才が、このようにお揃いになっておられるとは…さすがローズ王国ですね」
「まあこの2人は我が国が誇る魔法科でも、そこそこやるほうだろう」
「殿下、口が悪いですよ」
「あ?」
「いやいや、6つもの属性を操れる方がお側にいつもいらっしゃるような方に、そのような評価を頂けただけでも大変に光栄です」
「俺への評価高すぎません?ヘザー先輩」
「いやあ、だって、前代未聞だよ?6つは」
「そうですかね…それなら、10歳でもう研究室に入ってるリリー君のほうがすごくないですか?」
「そんなことないですよ!ね、ヘザー先輩」
「そうだねえ、なんだか僕だけしょぼいよねえ」
「しょぼいって…。エルグラン王子にめちゃめちゃ褒められてたじゃないですか」

6人で和気あいあい(殿下除く)と話しながら、リリー君とヘザー先輩が所属している研究室についた。

研究室に入ると…なぜかおじいちゃん先生がいた。
そしておじいちゃんとは思えない速度で俺に近づき、言った。

「お主!6属性とは、本当なのか!?いや、疑っておるわけではないが、とにかく見たい、見せてほしいのじゃ!おいヘザー、あれを持ってこい」
「はい」

先生に言われたヘザー先輩は、なぜかホットドッグを持ってきた。

「これを美味しく焼く魔法を、まず見せてくれ」
「はい…いいですけど、このホットドッグ、なんでパンもソーセージも加熱しないんですか?熱々のほうが絶対美味しいと思うんですけど…」
「まあまあ、いいからいいから」

いや、美味しい状態で売る方が大事だろ…まあいいか。

「ちょっとファイヤー」パチパチ…こんがり。

かぶりつきでみていたおじいちゃん先生にどうぞ、と渡す。

「ほほ~、これは…」ぱく。「美味い!」

食うのかよ!
おじいちゃん、すごい勢いで食ってるし。
そんなむしゃむしゃ食って大丈夫なの?と思ったら…

「む、むぐぐ…水、水」
ああああ、ほら、喉に詰まってるじゃん!
「水!?ええと、」
リリー君が困っているので、俺は机の上にあった空のコップを持って
「ちょっとウォーター」こぽこぽ…
と水をいれて差し上げた。
「うわあ!すごい、水属性も「ちょっと」ができるの!?」
そんなことはいいからおじいちゃんに水!水!
仕方ない、俺が
「先生、水ですよ」
おじいちゃんはそれをひったくって一気に…
「~~っん、ごほ、ごほ、ゴフッ」「うわっ」
ほらあ!むせるじゃん!床に膝ついちゃって、んでコップ飛んでっちゃって、王子に当たって、水ビシャーって…ていうか、そんな近くで見てたの!?
やだ恥ずかしい。
っと、それどころじゃない。
「あああ、大丈夫ですか、乾かさないと…」慌てて拭こうとするヘザー先輩、床に膝をついて苦しむおじいちゃん、そんなおじいちゃんに対してジョンさんが「貴様」わー!剣を抜くのやめてー!すぐ、すぐ乾かすから!

「ドライヤーのターボ」ブオオオオオ………………
「すごい…乾いていく!」「おおお!?」「なにそれ!?ドライヤーって何?」

やばい、ついついやっちゃった。
この世界にドライヤー無いんだった…

「髪を乾かすときに使う魔法だ」
「殿下!ご存じなんですか!?」
「風呂上がりにこれで髪を乾かさせているからな」

そう、毎日殿下相手に使ってるから、すっかり感覚がずれちゃって…。

…って、なんでお前が得意げなんだよ!
あーもー、こうなったら全部見せちゃえ!

「ええと、ここまで、火と水と風はお見せしたんで、あとは…」

土と雷と、光か。

「土は外でないと…なので、残りは外でもいいですか」

土は、まだ「ちょっと」が出来ないんだよな…雷はともかく、ちょっと土ってイメージ湧かないから。

「おおお、外、外へいくぞ!カート、ヘザー、急げ!」
「はい!」

そう言って、3人は俺より先に出てったけど…




どこへ行ったの?

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