獣人姫は逃げまくる~箱入りな魔性獣人姫は初恋の人と初彼と幼馴染と義父に手籠めにされかかって逃げたけどそのうちの一人と番になりました~ R18

鈴田在可

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シドハッピーエンド 王の女

8 さよならリュージュ ✤✤✤

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寝取り(寝取られ)注意、見せつけ注意

シリアス展開ですm(__)m

***





「起きろ、ヴィクトリア」

 最愛の男に名を呼ばれるのと共に、ズン、と身体の奥に重い快感が走った。反射的に口から溢れる自分の喘ぎを聞きながら、ヴィクトリアは瞼を開けて眠りから目覚めた。

 周囲は緑の樹木に溢れていて、今いるのは森の中のようだった。

 完全に屋外なのにも関わらず、シドは寝ているヴィクトリアを貫き性交を始めていた。一応二人とも服は着たままで、太い樹の幹にもたれたシドは股間だけを露出させた上にヴィクトリアを跨がらせ、ずらした下着の間から怒張を突っ込んでいた。

 スカートに隠れて結合部は見えないが、ズチュズチュと二人の交わりの音は激しくなる一方で、それに合わせてヴィクトリアの甲高い声も大きくなり、森の中に響き渡る。

 ガクガクと腰が小刻みに揺れ、ヴィクトリアは絶頂の予感に目の前にいるシドに強くしがみついた。

「ヴィクトリア、出すぞ」

 シドが初めての中出し宣言をしてきたので、ヴィクトリアの瞳は喜びに輝いた。

「シド! シド! 愛してる! 来て! いっぱい出して!」

 ヴィクトリアは愛を叫び、シドの唇に自分からキスをしにいった。

 シドはヴィクトリアの口内の性感帯に舌を這わせて刺激しながら、腰をグッと抑え、抜き差しを小刻みなものに変えて最奥を素早く突いた。

 途端に達したヴィクトリアは背を仰け反らせ、シドの唇から口を離して高い嬌声を上げたが、シドは追いかけて再びヴィクトリアの唇を塞ぎ、ねっとりと味わって吸い上げながらヴィクトリアの腹に精を注いだ。

 一度吐精してもシドの性欲は底がない様子で、ジュボジュボとお互いの体液が混じり合った執拗な突き上げは止まらない。ヴィクトリアは何度も絶頂の波に呑まれ、その度にシドの子種を腹の奥に受け止め続けた。

「ヴィクトリア、幸せか?」

 あまりにもイきすぎて絶頂寝落ちしそうになった所で、シドは一旦動きを止めてヴィクトリアを落ち着かせてから、そんなことを聞いてきた。

「うん、幸せ」

 ヴィクトリアは迷わずにそう答えた。

 抽送は止まったが、シドの息子はヴィクトリアの中に埋まったままだ。シドは何を思ったのか凶器を抜かずに立ち上がると、繋がったままでどこかへ移動し始めた。

 歩く振動で膣壁が擦れて感じてしまい、ヴィクトリアは気持ち良さに任せて喘いでいたが、快感で上気していたはずのその顔色は、途中からみるみる青くなっていった。

 泣き声が聞こえる。

 ヴィクトリアは森の中で起こされてからずっと、シドがもたらす快楽に落ちていて、彼の存在にも、匂いにも、全く気付かなかった。

 リュージュはおそらく魔の森の中でヴィクトリアの帰りを待ち続けていたのだろう。

 ヴィクトリアは顔を上げられなかった。シドの胸に顔を伏せた状態でも、リュージュがその場に膝を突いて、号泣している様子が嗅覚でわかる。

 状況に流された結果だとしても、ヴィクトリアの番がシドになったことは、リュージュにとっては絶望でしかないのだろう。

 シドの処刑の前々日、リュージュがヴィクトリアを手放したのは、リュージュの本心ではなくて、ヴィクトリアの心を守るためだった。リュージュは決して、ヴィクトリアがシドと番になる結末は望んでいなかったはずだ。

 ヴィクトリアは口を開けば喘ぎ声が漏れてしまいそうだったが、リュージュの父親と性交している音はできるだけ聞かせたくなくて、唇を噛みしめて必死に声を出さないようにしていた。

 しかし、シドは歩きながらヴィクトリアの身体を敢えてゆさゆさと揺らしていて、どうしたって唇の隙間から音が漏れてしまうし、シドの男根を咥える下腹部からの淫らな結合音だって響いてしまう。

 二人が繋がっている陰部からはシドが注いだ白濁液が漏れてヴィクトリアの脚を伝い、地面にポタポタと落ちていた。

 シドはヴィクトリアを抱いたまま、リュージュのいる場所へ向かって真っ直ぐに進んでいた。ただ泣くばかりのリュージュが逃げる気配は微塵もない。

(殺さないで! お願い殺さないで!)

 口は引き結んだまま、ヴィクトリアは顔を上げて目線だけでシドにそう訴えた。

 これまでのシドであれば、ヴィクトリアに手を出そうとする男がいれば絶対に許さなかった。

 リュージュとは性交直前までいったので、ヴィクトリアはシドが怒りの勢いに任せて、リュージュを殺してしまうのではないかと思った。

 けれど、飄々としているシドの顔に怒りの表情は見えない。



(…………シドは、私にとってはリュージュが大事な存在だって、受け入れてくれたのかしら?)

 シドは一言しか言わなかったが、番になってから何となくの以心伝心のような心の動きがあって、ヴィクトリアはシドにリュージュへの殺意はないようだと汲み取った。

 リュージュはこの里で孤独感を募らせていたヴィクトリアを救ってくれた唯一の存在だった。 

 未だに揺さぶられていてリュージュの前で快楽に悶えされられているとんでもない状況ではあったが、『シドは私の大事なものは壊さないのでは?』と、ヴィクトリアはシドのことを信じることができた。

 シドは崩れ落ちた様子で号泣し続けるリュージュの前に立つと、それまで緩く打ち付けていた腰の動きを急に早めた。

(そ、それだめっ!)

 ゴッ! ゴッ! と子宮口を高速で叩き付けられ、蕩けるような快感の渦がお腹から全身に広がっていく。

 ヴィクトリアは堪えきれずに叫び出しそうになった唇をシドに塞がれた。

「……っ! ……んっ……! っんんッ!」

 愛撫されるような口付けと抽送の強烈な感覚が気持ち良くて、ヴィクトリアは膣内と全身を痙攣させながら達した。同時にシドの肉棒も蠢き、熱い精液で中が満たされるのも感じる。

 ジュボリ…… とシドがようやく入れっぱなしだった肉棒を引き抜くと、栓が抜けたせいでボタボタッと大量の精子がその場に落ちた。

「こいつは俺のだ」

 ヴィクトリアはシドの胸に顔を埋めたまま、リュージュの方を見ることができなかったし、何も言えなかった。それはリュージュも同様で、下を向き涙を流していて言葉は発しない。

「里から出ていけ。二度とそのツラ見せるな」

 その言葉に驚いたヴィクトリアは顔を上げ、シドに非難を込めた視線を送った。リュージュを里から追放するなんて、許せないと思ったからだ。しかし――――

「わかりました。出て行きます」

 リュージュのその答えは、ヴィクトリアの心を抉った。

「そんな、リュージュ……」

 ヴィクトリアはリュージュを振り返ったが、その時にはもうリュージュは踵を返していて、ヴィクトリアたちには背を向けていた。
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