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アルベールハッピーエンド あなたと生きる道

6 アルなんて大っ嫌い ✤✤✤

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【注意】 睡姦(強姦)注意










***

『……っふ…… ん…… あっ……』

 吐息混じりの甘ったるい声と、ぐちゅぐちゅと水と水が絡まり合うような音がどこからかともなく聞こえてくる。

 ヴィクトリアはぼんやりとした思考と霞がかった視界の中で、揺れる金色を見ていた。

 ヴィクトリアは一体何が起こっているのか良くわからなかったが、何か熱くて硬いものによって、身体の内側がしきりに抉られているのはわかった。

 ヴィクトリアの身体は行き来する硬いものをその場に留まらせようとするかのように、ぎゅうっ、ぎゅうっ、と締め付けていて、ソレが抜けそうになると切なくなるが、ぐぐっとまた中に入ってくると、身体と心がまるで踊るように歓喜して幸せに包まれた。

 先端が最奥に辿り着いてズンズンと突かれるたびに、うねるような快楽が増幅されていった。

 これまで経験したことのなかった最奥での深すぎる快感はどこか怖いのに、でも気持ち良くて、ヴィクトリアは自分が自分ではなくなってしまうような焦燥感を感じながらも、自分を抱く男に身を委ねた。

 ヴィクトリアは、馬車の中の長椅子に仰向けに寝かされて脚を開いていたが、座席は寝そべる仕様ではないので狭く、彼女は片脚だけを背もたれに添わせるように立てて開脚しながら、秘所に男を受け入れていた。

 ヴィクトリアの上に乗っている男は場所の狭さものともせず、縦横無尽に彼女の中を責め立てている。ヴィクトリアも彼の動きに合わせて喘ぎながら、より快感を貪るかのように、出入りする肉棒の動きに合わせて腰を揺らしていた。

『ひっ……! ぁっ……! あぁぁっ……!』

 これまで感じたことのない強い悦楽の波に襲われたヴィクトリアの身体が跳ねた。

 ヴィクトリアは何も考えられなくなって、真っ白な世界の中でただ全身を痙攣させていた。

 男と繋がるヴィクトリアの繊細な場所が、破瓜の血が混じる愛液をだらだらと零し続けている。

 快感の波に翻弄されているヴィクトリアの耳元で、男が嬉しそうに囁いた。

『ヴィー、またイった? 寝てる時にイクと気持ちいいよね。何回でもイっていいんだよ』

 男は、『ほら、ほら』と言いながら、声に合わせるようにヴィクトリアの身体を蹂躙して突き上げてくる。

『あっ! あっ! やっ……! ひんっっ……!』

 男が動きを激しくすると、呼応するようにヴィクトリアの声と身体も跳ねた。きゅうっ、と乳首を痛いくらいに摘まれると涙が出たが、痛みの奥に快感を発見してしまい、ヴィクトリアは甲高い声を上げて絶頂した。

『好き…… 好き……』

 ヴィクトリアは自分を貫く男に抱き付きながら、獣人の本能が赴くままに、うわ言のように彼への好意を口にした。

 男はヴィクトリアの首筋に舌を這わせ、噛み跡から血を啜っている最中だったが、ヴィクトリアの愛の告白を聞いてハッとした表情になり、吸血を止めた。

『嬉しい…… 俺も好き…… 世界で一番愛してる』

 男は感極まった声音でそう言い涙ぐむと、ヴィクトリアに口付けた。

 ヴィクトリアは、血の匂いのする男の唇と口内をまさぐる舌の感触を心地良く感じながら、動き早めた彼が、喉の奥で呻きながら自分の最奥に熱い飛沫を注ぐのを感じ、それだけでまた達した。















「ひょっ、ひょええぇぇぇっ!」

 ヴィクトリアはそれまで、顔も輪郭もおぼろげな金色の髪の男と交わっていたのは、夢の中の出来事だと思っていた。

 しかし、気が付いた時にはそれは夢じゃなくて現実で、素っ裸な自分の膣内にはアルベールの陽物が突き刺さっているし、膣壁を押し広げているその陰茎の感触も生々しくて、ヴィクトリアは顔を真っ青にしながら悲鳴にも似た素っ頓狂な声を上げていた。

 ヴィクトリアはアルベールとの性交セックスによって多量の愛液を垂れ流し、汗もたくさん掻いて、おまけに噛まれた首元の傷から血を流していたため、図らずも摂取させられた麻酔成分を体外に排出していた。

 半覚醒の状態で三度イかされた後も、ヴィクトリアはしばらく夢うつつなまま、快楽の余韻に浸っていた。

 しかし、アルベールはキスした状態で絶頂した後に、ヴィクトリアの身体の上に乗ったまま意識を失っていた。

 アルベールはそれまでヴィクトリアに何度か口付けていたことで、彼女の口内に少しだけ残っていた麻酔成分を摂取していたし、ヴィクトリアの血中に薄まりながらも残っていた麻酔成分を吸血行為で取り込んでいた影響もあり、絶頂直後というとんでもない場面で眠ってしまった。

 のしかかるアルベールに重苦しさを覚えていたヴィクトリアは、徐々に本覚醒していき、そこで、金髪の男――アルベール――と性交していたことが、夢の中の出来事ではなくて現実だと知った。

 意識を完全回復させたヴィクトリアは素っ頓狂な声を上げた後に、上に乗っていた全裸のアルベールを思い切り突き飛ばした。

 繋がったままだった陰部から、アルベールの男根が卑猥な音を立てて抜けていく。抜けるその感触に快感を感じてしまったヴィクトリアは、軽く喘いで身体をビクつかせてしまったが、淫らな自分の様子に恥じ入った。

 だが、淫らなのは中出しされまくって膣口からアルベールの精液をトロトロとこぼしているヴィクトリアだけではなかった。

 座席から落とされたアルベールは馬車の床上に仰向けで転がっていた。二人の体液混じりのアルベールの分身が、まだ元気いっぱいな様子でそそり勃っている様子が、見たくもないのにヴィクトリアの視界に入ってきてしまう。

(な、長っ……)

 アルベールの陰茎は、これまで見たり嗅いだりしたことのある、シド、レイン、リュージュの誰よりも長かった。

 ヴィクトリアは、幼い頃に一緒にお風呂に入った時以来の、成長してからは初めて見るアルベールの裸身を見つめて動揺していたし、頭の中もかなり混乱していた。

(アルに純潔を奪われた……)

 ヴィクトリアは川辺で魚を食べていたはずなのに、気付いたらエッチな夢を見ていて、でもそれは夢じゃなくて現実だった。

 ヴィクトリアはアルベールに裏切られたように感じていた。

(前から酷い人だったけど、意識のない状態で襲ってくるなんて、最低中の最低よ!)

 アルベールとは番になってしまったのだろうが、番を得られたという幸福感はまるでなく、それよりも、無理矢理身体を暴かれて奪われたという、悲しみと悔しさの方が強かった。

「アルなんて大っ嫌いよ…… 馬鹿」

 ヴィクトリアはそう独り言ちて、泣いた。
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