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アルベールハッピーエンド あなたと生きる道
1 ここは私たちのいるべき場所じゃない
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アルベールハッピーエンドです
【このエンドでは注意ワードがありますが、ネタバレ防止の為伏せています。注意事項発生する回は前書きに注意書きを入れます】←おしりはありません……^^;
***
レインはヴィクトリアの心臓目掛けて、打突を放った。
鋭く光る剣先がまさにヴィクトリアの胸へ突き刺さろうとしたその刹那、邪魔が入った。
レインの剣は、飛んできたナタによって、激しい音を立てて遠くへ弾き飛ばされた。
ナタが飛んできた方向――人間たちが一人もいなくなってしまったその観客席には、シド亡き今おそらく「最強」の名を冠するだろう、濃紫の髪と黒眼を持った美しくも優しい化け物オニキスがいた。
それから金髪と金色の目を持ち、ヴィクトリアに不要な執着を向けていた、ヴィクトリアの大嫌いな幼馴染アルベールも立っていた。
アルベールが現れたことに気付いても、ヴィクトリアの心の中はレインのことばかりだった。
ヴィクトリアは、レインが自分の胸に剣を突き立てようとしてきたことはすぐに理解した。
オニキスが投げたらしきナタによってレインに刺されることは回避されたが、ヴィクトリアは最愛の人が自分を殺そうとしてきたことに衝撃を受け、ゼウスへの魔法攻撃や呼吸を含む全ての動きを止めた。
「ヴィー!」
愛する人の行動が信じられずに愕然としていると、それまでレインの声しか届かなかったヴィクトリアの耳に、自分の愛称を呼ぶアルベールの声が聞こえた。
「そこのゴミ銃騎士! よくも俺のヴィーを殺そうとしたな!」
怒気をふんだんに含んだその声を聞いたヴィクトリアは、そこでハッと完全に正気を取り戻した。
「よせ! アル坊!」
オニキスの声も聞こえてくる。
普通であれば、首都近郊にあるこの処刑場に、獣人が自ら現れることは考えられない。
しかしアルベールはヴィクトリアを思うがあまり、里から再び出奔したヴィクトリアを探すため、夜中に見回りに来た獣人を倒して、医療棟の地下にある囚人用の病室から脱走していた。
本日未明の脱走に気付いたオニキスがアルベールを追いかけたが、追いついたオニキスはアルベールを里に連れ戻すのではなくて、協力するようになり、二人は獣人にとっては危険な人間の生活圏でヴィクトリアを探していた。
途中でアルベールはヴィクトリアの匂いを追えなくなってしまったが、もしかしたら、とシドが処刑されるこの場所に来た二人は、シドの処刑には間に合わなかったが、ヴィクトリアが害される決定的な瞬間には間に合った。
アルベールはとんでもない速さでこちらにやって来ると、剣を鞘から抜刀してレインに狙いを定めた。レインも腰にあるもう一本の剣を掴み、戦闘に備えた。
「アル! やめて!」
ヴィクトリアは攻撃をやめさせようと叫んだが、二つの白刃が衝突し合い、戦闘が始まってしまった。
最初ヴィクトリアは、人間であるレインは獣人のアルベールにすぐに殺されてしまうのではないかとハラハラしたが、その予想に反してレインがアルベールの動きについていくので驚いた。
魔法使いに覚醒したばかりのヴィクトリアは気付いていなかったが、レインはアークがかけた『身体強化の魔法』により、現在、A級と等級付けされているアルベールと同じくらいの身体能力があった。
レインは人間では出し得ない速度で身体を動かしてアルベールと斬り合い、鍔迫り合いを起こしては、防御の狭間で攻撃を繰り出していく。
ただし、ヴィクトリアを攻撃したレインにアルベールはキレているらしく、渾身の一撃のような重く鋭い破壊的な斬撃を連続で放っていて、レインの方が押され気味だった。
「俺はヴィーを殺そうとしたお前を絶対に許さない! お前にヴィーの番になる資格はない!」
「……」
アルベールとの戦闘で精一杯の様子のレインは、その言葉に何も反論しなかった。
アルベールの足技が出る。アルベールの動きを予見できなかったレインは、斬撃からの流れるような足蹴りの初手をまともに喰らって吹っ飛んだ。
「レイン!」
レインのことが心配なヴィクトリアは名を呼びそばに行こうとしたが、アルベールがそれを邪魔するようにレインとの間に立ち塞がった。
ヴィクトリアを見るアルベールは眉根を寄せていて、殺されそうになったにも関わらずレインを助けるべく駆け寄ろうとしたことを、責めているようだった。
口を開いたアルベールが何かを言う前に、彼が素早い動きで自分の首の後ろに手を回して、そこから針のような鋭いものを抜いた。
「……毒か」
背中を向けて隙を見せてしまったことに舌打ちしつつ、振り返ったアルベールは、自身の首筋に猛毒の針を打ち込んだレインを睨んだ。
「お前、卑怯だな」
おそらく油断させるために地面に寝転んだままだったレインは、銃型の毒針発射装置を手にしていた。
レインは正攻法ではない戦い方を非難されても無言のままだった。飄々とした様子で土埃を払いながら立ち上がるレインのその表情からは、『何とでも言え』と思っているらしきことが伺えた。
アルベールの膝がガクリと落ちる。急に咳き込み始めて口元を押さえたアルベールの手が、真っ赤に染まっていた。
「アル!!」
ヴィクトリアはアルベールの愛称を叫び、彼の元へ駆けつけた。
蹲るアルベールの身体を支えるように抱きしめたヴィクトリアは、覚醒させたばかりの魔法の力で毒を何とかできないかと、昔読んだ魔法書を頼りに治癒魔法をかけてみた。
しかし、急速に損傷していく身体の内側を治したそばから、再び強力な毒によってアルベールの肉体が傷付けられていくのが嗅覚でわかった。
(治癒魔法じゃ駄目なの?!)
ヴィクトリアが読んだことのある魔法書には、治癒魔法や転移魔法などについては詳しく書かれていたが、果たして解毒魔法ついての記載はあっただろうかと、記憶を辿ってみたが、即死してしまいそうなアルベールを前に、慌ててしまって上手く思い出せない。
「ヴィー…… 愛、して、る」
アルベールは吐血のせいで上手くしゃべれないようだったが、何とかヴィクトリアへの愛を伝えた後は、心底嬉しそうな様子でヴィクトリアに向かってニコッと笑いかけていた。
アルベールの身体の中は、毒による破壊と、ヴィクトリアが続ける治癒魔法による修復を繰り返していて、本来ならとても苦しいはずなのに、たぶん頭がちょっとおかしなアルベールは、『愛しいヴィーの胸の中で死ねるなら本望だ』とでも思っていそうだった。
「アル! アル! 死なないで! 帰ろう! ここは私たち獣人のいるべき場所じゃないの! 帰ろう!」
里に戻れば医療棟の医師たちに頼んで何とか解毒してもらえるのではないかと思ったヴィクトリアは、アルベールと共に転移魔法を使って処刑場から離れようとした。
けれど、アークがヴィクトリアの周囲のみにかけていた『転移魔法封じの魔法』により、ヴィクトリアたちが里に帰ることは叶わなかった。
***
《エンド分岐について補足》
・レインがヴィクトリアの心臓を刺さなかった場合→レインハッピーエンド
・レインがヴィクトリアの心臓を刺した場合→リュージュハッピーエンド
・レインがヴィクトリアの心臓を刺す・刺さないに関わらず、アルベールが脱走できて処刑場に現れた場合→アルベールハッピーエンド
・「一瞬の煌めき」話でシドが死ななかった場合→シドハッピーエンド
【このエンドでは注意ワードがありますが、ネタバレ防止の為伏せています。注意事項発生する回は前書きに注意書きを入れます】←おしりはありません……^^;
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レインはヴィクトリアの心臓目掛けて、打突を放った。
鋭く光る剣先がまさにヴィクトリアの胸へ突き刺さろうとしたその刹那、邪魔が入った。
レインの剣は、飛んできたナタによって、激しい音を立てて遠くへ弾き飛ばされた。
ナタが飛んできた方向――人間たちが一人もいなくなってしまったその観客席には、シド亡き今おそらく「最強」の名を冠するだろう、濃紫の髪と黒眼を持った美しくも優しい化け物オニキスがいた。
それから金髪と金色の目を持ち、ヴィクトリアに不要な執着を向けていた、ヴィクトリアの大嫌いな幼馴染アルベールも立っていた。
アルベールが現れたことに気付いても、ヴィクトリアの心の中はレインのことばかりだった。
ヴィクトリアは、レインが自分の胸に剣を突き立てようとしてきたことはすぐに理解した。
オニキスが投げたらしきナタによってレインに刺されることは回避されたが、ヴィクトリアは最愛の人が自分を殺そうとしてきたことに衝撃を受け、ゼウスへの魔法攻撃や呼吸を含む全ての動きを止めた。
「ヴィー!」
愛する人の行動が信じられずに愕然としていると、それまでレインの声しか届かなかったヴィクトリアの耳に、自分の愛称を呼ぶアルベールの声が聞こえた。
「そこのゴミ銃騎士! よくも俺のヴィーを殺そうとしたな!」
怒気をふんだんに含んだその声を聞いたヴィクトリアは、そこでハッと完全に正気を取り戻した。
「よせ! アル坊!」
オニキスの声も聞こえてくる。
普通であれば、首都近郊にあるこの処刑場に、獣人が自ら現れることは考えられない。
しかしアルベールはヴィクトリアを思うがあまり、里から再び出奔したヴィクトリアを探すため、夜中に見回りに来た獣人を倒して、医療棟の地下にある囚人用の病室から脱走していた。
本日未明の脱走に気付いたオニキスがアルベールを追いかけたが、追いついたオニキスはアルベールを里に連れ戻すのではなくて、協力するようになり、二人は獣人にとっては危険な人間の生活圏でヴィクトリアを探していた。
途中でアルベールはヴィクトリアの匂いを追えなくなってしまったが、もしかしたら、とシドが処刑されるこの場所に来た二人は、シドの処刑には間に合わなかったが、ヴィクトリアが害される決定的な瞬間には間に合った。
アルベールはとんでもない速さでこちらにやって来ると、剣を鞘から抜刀してレインに狙いを定めた。レインも腰にあるもう一本の剣を掴み、戦闘に備えた。
「アル! やめて!」
ヴィクトリアは攻撃をやめさせようと叫んだが、二つの白刃が衝突し合い、戦闘が始まってしまった。
最初ヴィクトリアは、人間であるレインは獣人のアルベールにすぐに殺されてしまうのではないかとハラハラしたが、その予想に反してレインがアルベールの動きについていくので驚いた。
魔法使いに覚醒したばかりのヴィクトリアは気付いていなかったが、レインはアークがかけた『身体強化の魔法』により、現在、A級と等級付けされているアルベールと同じくらいの身体能力があった。
レインは人間では出し得ない速度で身体を動かしてアルベールと斬り合い、鍔迫り合いを起こしては、防御の狭間で攻撃を繰り出していく。
ただし、ヴィクトリアを攻撃したレインにアルベールはキレているらしく、渾身の一撃のような重く鋭い破壊的な斬撃を連続で放っていて、レインの方が押され気味だった。
「俺はヴィーを殺そうとしたお前を絶対に許さない! お前にヴィーの番になる資格はない!」
「……」
アルベールとの戦闘で精一杯の様子のレインは、その言葉に何も反論しなかった。
アルベールの足技が出る。アルベールの動きを予見できなかったレインは、斬撃からの流れるような足蹴りの初手をまともに喰らって吹っ飛んだ。
「レイン!」
レインのことが心配なヴィクトリアは名を呼びそばに行こうとしたが、アルベールがそれを邪魔するようにレインとの間に立ち塞がった。
ヴィクトリアを見るアルベールは眉根を寄せていて、殺されそうになったにも関わらずレインを助けるべく駆け寄ろうとしたことを、責めているようだった。
口を開いたアルベールが何かを言う前に、彼が素早い動きで自分の首の後ろに手を回して、そこから針のような鋭いものを抜いた。
「……毒か」
背中を向けて隙を見せてしまったことに舌打ちしつつ、振り返ったアルベールは、自身の首筋に猛毒の針を打ち込んだレインを睨んだ。
「お前、卑怯だな」
おそらく油断させるために地面に寝転んだままだったレインは、銃型の毒針発射装置を手にしていた。
レインは正攻法ではない戦い方を非難されても無言のままだった。飄々とした様子で土埃を払いながら立ち上がるレインのその表情からは、『何とでも言え』と思っているらしきことが伺えた。
アルベールの膝がガクリと落ちる。急に咳き込み始めて口元を押さえたアルベールの手が、真っ赤に染まっていた。
「アル!!」
ヴィクトリアはアルベールの愛称を叫び、彼の元へ駆けつけた。
蹲るアルベールの身体を支えるように抱きしめたヴィクトリアは、覚醒させたばかりの魔法の力で毒を何とかできないかと、昔読んだ魔法書を頼りに治癒魔法をかけてみた。
しかし、急速に損傷していく身体の内側を治したそばから、再び強力な毒によってアルベールの肉体が傷付けられていくのが嗅覚でわかった。
(治癒魔法じゃ駄目なの?!)
ヴィクトリアが読んだことのある魔法書には、治癒魔法や転移魔法などについては詳しく書かれていたが、果たして解毒魔法ついての記載はあっただろうかと、記憶を辿ってみたが、即死してしまいそうなアルベールを前に、慌ててしまって上手く思い出せない。
「ヴィー…… 愛、して、る」
アルベールは吐血のせいで上手くしゃべれないようだったが、何とかヴィクトリアへの愛を伝えた後は、心底嬉しそうな様子でヴィクトリアに向かってニコッと笑いかけていた。
アルベールの身体の中は、毒による破壊と、ヴィクトリアが続ける治癒魔法による修復を繰り返していて、本来ならとても苦しいはずなのに、たぶん頭がちょっとおかしなアルベールは、『愛しいヴィーの胸の中で死ねるなら本望だ』とでも思っていそうだった。
「アル! アル! 死なないで! 帰ろう! ここは私たち獣人のいるべき場所じゃないの! 帰ろう!」
里に戻れば医療棟の医師たちに頼んで何とか解毒してもらえるのではないかと思ったヴィクトリアは、アルベールと共に転移魔法を使って処刑場から離れようとした。
けれど、アークがヴィクトリアの周囲のみにかけていた『転移魔法封じの魔法』により、ヴィクトリアたちが里に帰ることは叶わなかった。
***
《エンド分岐について補足》
・レインがヴィクトリアの心臓を刺さなかった場合→レインハッピーエンド
・レインがヴィクトリアの心臓を刺した場合→リュージュハッピーエンド
・レインがヴィクトリアの心臓を刺す・刺さないに関わらず、アルベールが脱走できて処刑場に現れた場合→アルベールハッピーエンド
・「一瞬の煌めき」話でシドが死ななかった場合→シドハッピーエンド
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