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リュージュハッピーエンド 私の王子様

9 私の王子様 ✤✤✤

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 一つになった後、リュージュは最奥を突いた状態で止まり、ヴィクトリアの身体を抱きしめたまま動こうとしなかったが、お互いの涙が落ち着いた頃に、ゆっくりと律動を開始した。

「っ…… あっ……」

 ヴィクトリアは身体が思うように動かないので、嬌声になりきらない声を反射的に立てながら、リュージュに全てを委ねるのみだった。

「痛いか? 大丈夫か?」

 リュージュと繋がってから、分泌される愛液の量が増えたのか、グチュグチュと恥ずかしい音は響きつつも、最初の頃よりも痛みは少し収まってきた気がした。

 大丈夫なことを伝えるためにまた笑みを浮かべると、何故かぐぐっとリュージュの雄の質量が増した気がした。

「やべぇ、もう出る……」

 リュージュは動かせないヴィクトリアの腕を取り、自分に抱きつかせるようにして背中側に回すと、リュージュ自身もヴィクトリアの身体を強く抱きしめて、それまでよりも動きを早めながら労わるような優しい抽送を続けた。

 ヴィクトリアは、リュージュはたぶんもっと激しくしたいのだろうと思ったが、自分よりもヴィクトリアのことを考えて動いてくれるリュージュの優しさが、じんわりと身にしみてきて心も身体も温かくなった。

「ヴィクトリア…… ヴィクトリア……」

 リュージュはやがて色っぽい表情でうわ言のようにヴィクトリアの名前を繰り返し呼びながら、彼女の中で達した。

 吐精しても、リュージュの陰茎は硬度を保ったまで、抜かずにまたヴィクトリアの中を行き来し始めた。

 ヴィクトリアはリュージュにとても大切に愛されていると感じられて、嬉しかった。口付けを交わしながらリュージュがヴィクトリアの膣奥に二度目の精を放った時には、身体の高ぶりを感じて一緒に絶頂した。

 リュージュは中々の絶倫で、ヴィクトリアが初めて中で達した後も、繰り返しヴィクトリアの中に精を注ぎ続けた。

 このままでは妊娠してしまうと思ったが、リュージュの子供なら何人でも欲しいと思ったヴィクトリアは、喜んでリュージュの精を受け続けた。



 実は避妊薬を飲まされていたと聞き、ヴィクトリアがちょぴり残念に思うのは、翌日になってからの話だった。










 疲れていつの間にか眠りに落ちていたヴィクトリアは、パンパンと背後から響く音で目を覚ました。

「ああっ…… あんっ…… あんっ……」

 ヴィクトリアはうつ伏せに寝かされた状態で、後ろからリュージュの怒張を受け入れていた。
 寝る前にもされていた体位だが、身体が動き難くなっているヴィクトリアには、これが一番性交するのには楽な姿勢だった。

「ヴィクトリア、起きた?」

 喘ぎ声を漏らし始めたヴィクトリアに、リュージュが声をかけてくる。

「うん…… リュージュ…… 気持ちいい……」

 返事をしようとすると、寝る前は出しにくかった声が、比較的元の通りに出せることに気付く。

 たぶん、リュージュとの交わりによって魔力が回復してきた証なのだろうと思った。

「俺もすごく気持ち良い…… 

 ヴィクトリア、もっと気持ち良くしてやろうか? お前、たぶん奥を突かれるのが一番好きだろ?」

「あっ……! あっ……!」

 リュージュの動きが早くなる。ゴツゴツと子宮がこじ開けられそうなほどの強さで最奥を突かれて、目の前でバチバチと快感の星が飛んだ。

 つい数時間前まで処女だったヴィクトリアだが、リュージュの形を覚えそうなくらいに何度も穿たれた膣内は柔らかくなっていて、激しい突き上げにより痛みではなくて快感を覚えるほどになっていた。

「ひっ……! ああっ……! あああっ……!」

 ゴツゴツと最奥を叩かれてヴィクトリアは達した。ぷしゅりと初めての潮まで吹き出してしまう。

 膣肉がぎゅうっとリュージュを締め付けると、熱杭がビクビクと脈打つ。ヴィクトリアを生かしてくれるリュージュの生命の源によって、性器の内部だけではなくて全身が満たされた。

 ヴィクトリアは、リュージュがいてくれる限り、自分が死ぬことはないのだろうと思った。

 同じ体勢のままで、リュージュがまたパンパンと肌を打って抽送を再開してくる。

 ヴィクトリアは全身を駆け巡る快感とリュージュの雄に翻弄され続け、いつの間にかまた心地良い眠りに落ちていた。










 次に目を覚ました時、部屋の中は既に白み始めていて、朝が来た様子だった。

 ヴィクトリアの目の前には、流石に疲れたのか眠っているリュージュの寝顔があった。

 最近はすっかり精悍な顔付きになってきたが、眠ると昔の可愛らしい面影が見え隠れする。

 ヴィクトリアはリュージュへの愛しさが溢れてきて、彼の唇に自分からキスをした。

 ちゅっと音を立てた程度の軽めのキスだったが、リュージュはすぐに目を開けて、ヴィクトリアを見るなり心配そうな顔を向けてきた。

「ヴィクトリア、身体は大丈夫か?」

「ええ、大丈夫よ。

 私が生きてるのはリュージュのおかげだわ。ありがとう」

「俺はお前のためにできることなら何でもする。

 愛してる、ヴィクトリア」

「リュージュ、私もあなたを愛してる」

 二人はそのまま吸い寄せられるように熱い口付けを交わした。

 ヴィクトリアは幸せに包まれていて、お互いの間に確かな愛情があることを確かめ合った。

 身体が回復したと思ったヴィクトリアは寝台から出て立ち上がろうとしたが、脚に力が入らずにふらりとよろけてしまい、リュージュに支えられた。

 ヴィクトリアが朝の空気が吸いたいと希望を言うと、リュージュは部屋の中から真っ白なバスタオルを見つけてきて、ヴィクトリアの身体に巻き付けて身体を隠した。

 リュージュはお姫様抱っこで窓際まで連れて行ってくれる。

 カーテンを開けると、薄明の中で浮かび上がる里の風景があったが、時間帯のせいなのかいつも見ていたものとは一際違っていて、不思議な感じがした。
 窓を開けると風が吹き込み、肩のあたりまでになっていたヴィクトリアの銀髪を揺らす。

「ちょうど日の出だな」

 言われて遠くを見れば、森の木々の向こうから折良く朝日が顔を出し始めていて、温かな光の筋をこちらにまで届けていた。

「そうね」と相槌をして言葉と共にリュージュを振り仰いだヴィクトリアは、陽の光で赤茶色の髪をより一層鮮やかに輝かせ始めたリュージュの姿を見て、目が釘付けになった。

「綺麗……」

 思わず呟き、手を伸ばして髪に触れると、それに反応してぱっとヴィクトリアを向いたリュージュの頬が、照れくさそうに朱に染まった。

「お前の方が綺麗だよ。お姫様みたいにキラキラ輝いてて、世界一綺麗だ」

 褒められたヴィクトリアは嬉しくなって笑みを溢す。

「ありがとう。じゃあ、私がお姫様ならリュージュは王子様ね」

「王子様? うーん…… どっちかと言ったらお前を守る騎士の方が良いんだけど」

 ヴィクトリアの恋愛小説の感想発表会にいつも付き合わされていたリュージュは、ヴィクトリアの乙女っぽい話題には慣れていた。

「騎士もいいけど、私にとってはリュージュは王子様なの。また私が魔力切れで気を失ったら、リュージュのキスで目覚めさせてね」

 そう言って笑顔を向けると、リュージュは「当たり前だろ」と言って、ヴィクトリアの唇に何度も深いキスをした。
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