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処刑場編
124 覚醒(ヴィクトリア視点→三人称→レイン視点)
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ナディアが殺された。
混乱が次第に収まり始めたヴィクトリアの中に、深い悲しみとやるせない怒りが生まれる。
(どうして殺したの…………!)
ナディアを撃ったゼウスはナディアの恋人だった人だ。
流れ込んできたナディアの記憶の奔流から、彼女がゼウスを深く愛していたことがわかるし、ゼウス自身もナディアを深く愛していたはずだった。
けれどそれは一年ほど前の過去の話であって、ゼウスはナディアが獣人であることを知った後は、ナディアの記憶によれば、一転して彼女を探し出して殺そうとしていた。
にも関わらず、ナディアは死の最期の瞬間にはゼウスに殺されることを受け入れて許していた。ナディアの記憶と共に彼女の気持ちまで身体の中に流れ込んできたヴィクトリアには、それがわかった。
(でも、私は許せない)
――――心が、凍る。
それは静かな怒りだった。けれどそれは根を張るように、ヴィクトリアの身も心も侵食していく…………
ヴィクトリアの周囲の温度が急速に下がる。
変化は急激だった。
冬でもないのにヴィクトリアの吐き出す息は白く濁り、流す涙も凍て付いた氷の粒となり、地面にいくつも落ちていく。
「ヴィクトリア!」
レインの声がする。
******
獣人王シドを討ち取った奇跡に湧き続ける隊員がいる一方、人間にしか見えない少女――ナディア――が撃ち殺されたことに、シリウスが彼女の死を激しく嘆き叫んでいることも相まって、何が起こった? と騒然とする隊員も多く、処刑場は再び緊張感を孕みつつあった。
暗闇の巨大空間が消失してシドが死んだ直後から、ヴィクトリアを注視している者は皆無だった。
処刑場にいた一般人はほとんどが避難していなくなっているし、残っているのは命懸けで仕事を全うしようとしていた新聞記者や、腰が抜けたり避難の際に怪我などをして動けなくなってしまった者たちくらいで、その人数は多くない。
今や処刑場にいる多くが銃騎士隊員や警務隊員たちだが、その中でも一番早くヴィクトリアの異変に気付いたのは、魔力切れを起こしているジュリアスと、ナディアの死に我を忘れたように慟哭しているシリウスを除く、ブラッドレイ家の魔法使い――アーク、ノエル、セシル――の三人だった。
三人は、この場に自分たち以外の魔力が生じたことを感知した。
『真眼』の魔法使いではない。マグノリアとは別の魔力の気配だ。
三人の視線の先にはヴィクトリアがいた。
ピキリ、パキリと、ヴィクトリアの周囲にある空気中の水分が冷えて、氷の塊がいくつも作り出されていく。
これまでヴィクトリアには魔力の気配は皆無だった。しかし、目の前で起こっている現象は、彼女が確かに魔法を使っていると、如実に示すものだった。
ヴィクトリアが魔法使いとして覚醒したことを、三人は同時に気付いた。
******
(ヴィクトリア! ヴィクトリア! ヴィクトリア!)
ヴィクトリアがジュリアスに連れ去られてからずっと、レインはヴィクトリアを案じ続けながら、拘束から逃れようと躍起になっていた。
しかし、動かせるのは目と瞼と、それから呼吸ができるくらいで、為す術もなかった。
ところが、その拘束がいきなり外れて自由に動けるようになったので、レインは驚いた。
ジュリアスが気絶したために拘束の魔法や沈黙の魔法が解けたからだが、レインは、ジュリアスが魔法を解いたのだろうか? と思いながらも、ヴィクトリアが連れて行かれたはずの処刑場広場へと急ぐ。
この時のレインは、ヴィクトリアが魔法使いとして覚醒したことには全く気付いていなかった。
建物内部から観覧席に出たレインはヴィクトリアの姿を探した。首から上がないシドの胴体があるのは見えて、隊員たちの歓声からシドが倒されたのではないかと予想していたが、その通りになっていた。
シドを必ずあの世に送るというレインの悲願が、叶った。
しかし、シリウスが錯乱した様子で叫びながら意識のないナディアの身体を掻き抱いているのが気になった。
ナディアの衣服には血は付いていなかったが、まさか、先程聞こえた銃声は彼女を撃ったものではないかと思った。
シリウスならばすぐに魔法で治療して事なきを得るはずだが、シリウスの様子が尋常ではないことから、もしかしたら、彼女はもう――――
シリウスたちから離れた場所に、銃騎士隊の後輩であるゼウスが、まるで魂が取られたようも見える愕然とした表情で立ち尽くしていた。
天涯孤独であるレインにとっては、ゼウスは家族にも等しい、弟のような大切な存在だ。
ゼウスの手には、愛用の銃が握られていた。
「ゼウス…………」
レインは思わず呟く。状況からするに、ゼウスがナディアを撃って、シリウスが治療したが間に合わず、ナディアが死亡してしまったようにも見える。
しかしレインは、ゼウスはナディアを絶対に撃たないと思っていた。
会うたびにナディアの情報は何かないかと聞いてきて、仄暗い眼で殺す殺す言っていたゼウスだったが、そんなものは本心ではないことはレインには丸わかりだった。
ゼウスはこれまで真っ直ぐに生きすぎたせいなのか、ナディアとの別れを経てその反動のように少々歪み、殊ナディアに関してだけは素直ではなくなっただけだった。
レインにとっては、あの真面目人間が獣人とはいえ女の子に拘束具を使いたいと、仕事で扱うことはあるがそれ以上にそっち系の道具に興味を持ったことに、自分と同じ場所まで降りてきてくれたように感じて嬉しいとも思っていた。
殺したいのでも痛め付けたいのでもない。愛情がほんの少し歪んでしまっただけで、ゼウスがナディアを殺すはずがない。
(これは絶対に何かあるぞ…………)
レインの脳裏に、一年前の南西列島でのあの事件のことがよぎる。
ゼウスのことも心配だが、レインはその場に座り込んで俯いたまま動かないヴィクトリアのことも心配だった。
ヴィクトリアはレインから逃げた後にナディアと交流を持っていた。
もしもナディアが死んでいたら、心優しいヴィクトリアはきっと傷付く。抱きしめて大丈夫だと慰めてやりたい。
(一生彼女のそばに寄り添うのは、この俺だ!)
とりあえずヴィクトリアを確保して、シリウスの所に行ってナディアの生死を確かめる。
生きていればいいが、死んでいた場合は、シリウスがまたゼウスに何かするかもしれないから、最大限の警戒が必要だ。
処刑場には隊長や他のブラッドレイ家の魔法使いもいるから、一年前にシリウスがゼウスを殺そうとしたようなことがまた起こっても、何とか止められるはずだとは思うが――――
レインはゼウスに重きを置きながらも、友人シリウスの精神も心配ではあった。
様々なことを考えながらも、レインは観覧席の硝子窓が割れている場所から降りて、見つけたヴィクトリアに向かって一直線に進んでいく。
レインの視線の先でヴィクトリアは立ち上がっていた。
レインは目を見開く。
「ヴィクトリア!」
それに気付いたレインは鬼気迫る勢いで彼女の名を叫んだ。ヴィクトリアの周囲になぜか氷の塊がいくつも出現していたのだ。
レインからすれば、魔法使いのうちの誰かが、ヴィクトリアに攻撃を仕掛けているように見えた。
しかし、攻撃対象はヴィクトリアではなかった。
ヴィクトリアの周りで空中に浮いている氷の塊は、やがて鋭さを持つ大きな氷柱となった。
そして、ナディアの死を悟ったのか自身も死にそうな顔をしているゼウスに向かって、ものすごい早さで飛んでいった――――
混乱が次第に収まり始めたヴィクトリアの中に、深い悲しみとやるせない怒りが生まれる。
(どうして殺したの…………!)
ナディアを撃ったゼウスはナディアの恋人だった人だ。
流れ込んできたナディアの記憶の奔流から、彼女がゼウスを深く愛していたことがわかるし、ゼウス自身もナディアを深く愛していたはずだった。
けれどそれは一年ほど前の過去の話であって、ゼウスはナディアが獣人であることを知った後は、ナディアの記憶によれば、一転して彼女を探し出して殺そうとしていた。
にも関わらず、ナディアは死の最期の瞬間にはゼウスに殺されることを受け入れて許していた。ナディアの記憶と共に彼女の気持ちまで身体の中に流れ込んできたヴィクトリアには、それがわかった。
(でも、私は許せない)
――――心が、凍る。
それは静かな怒りだった。けれどそれは根を張るように、ヴィクトリアの身も心も侵食していく…………
ヴィクトリアの周囲の温度が急速に下がる。
変化は急激だった。
冬でもないのにヴィクトリアの吐き出す息は白く濁り、流す涙も凍て付いた氷の粒となり、地面にいくつも落ちていく。
「ヴィクトリア!」
レインの声がする。
******
獣人王シドを討ち取った奇跡に湧き続ける隊員がいる一方、人間にしか見えない少女――ナディア――が撃ち殺されたことに、シリウスが彼女の死を激しく嘆き叫んでいることも相まって、何が起こった? と騒然とする隊員も多く、処刑場は再び緊張感を孕みつつあった。
暗闇の巨大空間が消失してシドが死んだ直後から、ヴィクトリアを注視している者は皆無だった。
処刑場にいた一般人はほとんどが避難していなくなっているし、残っているのは命懸けで仕事を全うしようとしていた新聞記者や、腰が抜けたり避難の際に怪我などをして動けなくなってしまった者たちくらいで、その人数は多くない。
今や処刑場にいる多くが銃騎士隊員や警務隊員たちだが、その中でも一番早くヴィクトリアの異変に気付いたのは、魔力切れを起こしているジュリアスと、ナディアの死に我を忘れたように慟哭しているシリウスを除く、ブラッドレイ家の魔法使い――アーク、ノエル、セシル――の三人だった。
三人は、この場に自分たち以外の魔力が生じたことを感知した。
『真眼』の魔法使いではない。マグノリアとは別の魔力の気配だ。
三人の視線の先にはヴィクトリアがいた。
ピキリ、パキリと、ヴィクトリアの周囲にある空気中の水分が冷えて、氷の塊がいくつも作り出されていく。
これまでヴィクトリアには魔力の気配は皆無だった。しかし、目の前で起こっている現象は、彼女が確かに魔法を使っていると、如実に示すものだった。
ヴィクトリアが魔法使いとして覚醒したことを、三人は同時に気付いた。
******
(ヴィクトリア! ヴィクトリア! ヴィクトリア!)
ヴィクトリアがジュリアスに連れ去られてからずっと、レインはヴィクトリアを案じ続けながら、拘束から逃れようと躍起になっていた。
しかし、動かせるのは目と瞼と、それから呼吸ができるくらいで、為す術もなかった。
ところが、その拘束がいきなり外れて自由に動けるようになったので、レインは驚いた。
ジュリアスが気絶したために拘束の魔法や沈黙の魔法が解けたからだが、レインは、ジュリアスが魔法を解いたのだろうか? と思いながらも、ヴィクトリアが連れて行かれたはずの処刑場広場へと急ぐ。
この時のレインは、ヴィクトリアが魔法使いとして覚醒したことには全く気付いていなかった。
建物内部から観覧席に出たレインはヴィクトリアの姿を探した。首から上がないシドの胴体があるのは見えて、隊員たちの歓声からシドが倒されたのではないかと予想していたが、その通りになっていた。
シドを必ずあの世に送るというレインの悲願が、叶った。
しかし、シリウスが錯乱した様子で叫びながら意識のないナディアの身体を掻き抱いているのが気になった。
ナディアの衣服には血は付いていなかったが、まさか、先程聞こえた銃声は彼女を撃ったものではないかと思った。
シリウスならばすぐに魔法で治療して事なきを得るはずだが、シリウスの様子が尋常ではないことから、もしかしたら、彼女はもう――――
シリウスたちから離れた場所に、銃騎士隊の後輩であるゼウスが、まるで魂が取られたようも見える愕然とした表情で立ち尽くしていた。
天涯孤独であるレインにとっては、ゼウスは家族にも等しい、弟のような大切な存在だ。
ゼウスの手には、愛用の銃が握られていた。
「ゼウス…………」
レインは思わず呟く。状況からするに、ゼウスがナディアを撃って、シリウスが治療したが間に合わず、ナディアが死亡してしまったようにも見える。
しかしレインは、ゼウスはナディアを絶対に撃たないと思っていた。
会うたびにナディアの情報は何かないかと聞いてきて、仄暗い眼で殺す殺す言っていたゼウスだったが、そんなものは本心ではないことはレインには丸わかりだった。
ゼウスはこれまで真っ直ぐに生きすぎたせいなのか、ナディアとの別れを経てその反動のように少々歪み、殊ナディアに関してだけは素直ではなくなっただけだった。
レインにとっては、あの真面目人間が獣人とはいえ女の子に拘束具を使いたいと、仕事で扱うことはあるがそれ以上にそっち系の道具に興味を持ったことに、自分と同じ場所まで降りてきてくれたように感じて嬉しいとも思っていた。
殺したいのでも痛め付けたいのでもない。愛情がほんの少し歪んでしまっただけで、ゼウスがナディアを殺すはずがない。
(これは絶対に何かあるぞ…………)
レインの脳裏に、一年前の南西列島でのあの事件のことがよぎる。
ゼウスのことも心配だが、レインはその場に座り込んで俯いたまま動かないヴィクトリアのことも心配だった。
ヴィクトリアはレインから逃げた後にナディアと交流を持っていた。
もしもナディアが死んでいたら、心優しいヴィクトリアはきっと傷付く。抱きしめて大丈夫だと慰めてやりたい。
(一生彼女のそばに寄り添うのは、この俺だ!)
とりあえずヴィクトリアを確保して、シリウスの所に行ってナディアの生死を確かめる。
生きていればいいが、死んでいた場合は、シリウスがまたゼウスに何かするかもしれないから、最大限の警戒が必要だ。
処刑場には隊長や他のブラッドレイ家の魔法使いもいるから、一年前にシリウスがゼウスを殺そうとしたようなことがまた起こっても、何とか止められるはずだとは思うが――――
レインはゼウスに重きを置きながらも、友人シリウスの精神も心配ではあった。
様々なことを考えながらも、レインは観覧席の硝子窓が割れている場所から降りて、見つけたヴィクトリアに向かって一直線に進んでいく。
レインの視線の先でヴィクトリアは立ち上がっていた。
レインは目を見開く。
「ヴィクトリア!」
それに気付いたレインは鬼気迫る勢いで彼女の名を叫んだ。ヴィクトリアの周囲になぜか氷の塊がいくつも出現していたのだ。
レインからすれば、魔法使いのうちの誰かが、ヴィクトリアに攻撃を仕掛けているように見えた。
しかし、攻撃対象はヴィクトリアではなかった。
ヴィクトリアの周りで空中に浮いている氷の塊は、やがて鋭さを持つ大きな氷柱となった。
そして、ナディアの死を悟ったのか自身も死にそうな顔をしているゼウスに向かって、ものすごい早さで飛んでいった――――
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