143 / 220
処刑場編
114 どうしてもお前に言っておかねばならないことがある(三番隊長マクドナルド視点→アーク視点)
しおりを挟む
「マック隊長! どうしますか!」
「マック隊長!」
三番隊長マクドナルド・オーキットはまだ動ける三番隊の部下たちや、今回のシドの処刑の応援に来ていた四番隊や五番隊の銃騎士たちに囲まれて、声をかけられていた。
輪の中には四番隊長と五番隊長もいるが、彼らは元々は三番隊所属であり、マクドナルドの部下だった。
隊長交代のために誰か良い人材はいないかと相談されて推薦したのだが彼らだった。
一番隊長は貴族や観客たちの避難の誘導にあたっているし、同期でもある二番隊長アークに至っては、先程のシドとの戦闘で腕を吹っ飛ばされて負傷中だ。
今この場にいる上役の中で取りまとめ役はマクドナルドしかいない。
シドが自ら鎖を破壊して暴れ初めた直後は、「絶対にシドを処刑場から出すな!」と仲間を鼓舞していたマクドナルドだったが、その後シドが突然出現した暗黒の闇の中に閉じこめられてしまい、対応を考えあぐねている最中だった。
「ジュリ! 死ぬな! 私を置いて行くな! 私はどうしてもお前に面と向かって言わなければならないことがあるんだ!」
悲痛な叫び声が聞こえてきてそちらに目をやれば、銃騎士隊副総隊長でありジュリアスの親友でもある、美しき銀髪の貴公子ロレンツォ・バルト公爵令息が必死な様子で暗黒の壁を叩き、ジュリアスを愛称で呼びながら語りかけていた。
マクドナルドはロレンツォの発言の内容にぎょっとしていた。
突然出現したこの闇は、魔法使いの一家であるブラッドレイ家の誰かがやったのだろうなとは思っていたが、少し離れた場所にいる一家の面子は父親のアークと三男と意識のない四男の三人だけだ。
次男はシドの処刑前に戦線離脱してこの場にはいないという話だったから、ロレンツォの言動から中にいると思われるジュリアスは、たった一人でシドと戦っていることになる。
(一騎打ちだと? 死ぬぞ…………)
今回のシド捕獲劇は二番隊の中でも特にジュリアスの肝煎り案件だったらしい。
難攻不落と言われていたシドの捕獲を成し遂げた栄誉から一転、拘束を破られたという失態を取り戻すために躍起になっているのかもしれないが、もっと仲間を頼ってくれていいのにと思ってしまう。
もっとも、先程のシドとの戦闘では、自分も含めてジュリアス以外の銃騎士ではシドに全く歯が立たなかった。
閉ざされた闇の中に入ってシドと一対一で戦うのは、銃騎士隊にこれ以上の被害を出さないようにしたいというジュリアスの意図も見え隠れする。
ジュリアスにそんなことをさせてしまう自分の無力さが口惜しいとマクドナルドは思った。
「マクドナルド」
声と共に気配が増えて、離れた場所にいたはずのアークが近くまで来ていたことに気付く。
「お前…… 腕、死んでんじゃねえか?」
アークは瞬間移動の魔法を使ってここまで来たようだが、全く力が入っていない様子で垂れ下がっているアークの利き腕を見たマクドナルドは、思わず呟いていた。
アークは自分の治癒魔法で治療を施したが、完全に元の通りには戻せなかった。
アークはセシルの治療を優先させた結果、もがれた自分の腕の接合には成功したものの、以前と全く同じようには動かせなくなっていた。
「問題ない」
問題なくはないだろうと思ったが、自分のことは後回しにしたいというアークの意図を感じ取ったマクドナルドは黙った。
アークは利き手とは逆の手に出現させた何枚かの札をマクドナルドに押し付けてきた。
「これを持っていれば闇の中が見えるはずだ」
アークに促されて闇空間に視線をやれば、確かに剣を持ったジュリアスと、獣人姫を抱えているシドが戦っている様子が見えた。
「俺はしばらくここを離れる。あとを頼む」
「おいコラ! ちょっと待て!」
マクドナルドは札の説明しかせずに瞬間移動で消え去ろうとするアークを呼び止めようとしたが、アークは問答無用でそのまま消えてしまった。
「おいいいいいいっ! 人の話を聞けーっ!」
制止を聞かずに行ってしまったアークに対して、マクドナルドは額に青筋を浮かべていた。
「相変わらず勝手な野郎だな!」
アークに対して悪態を吐きつつも、マクドナルドは持っていた札を隊長たちや主立った銃騎士たちに渡していった。
「これは…………」
暗闇の中の様子を見た銃騎士が絶句する声が聞こえた。
シドと一対一で戦うなんて、銃騎士隊最強と言われているジュリアスでも、流石に自殺行為だと理解しているようだった。
「すぐに加勢を!」
「駄目だ! この闇色の壁はどうやったって破壊できないぞ!」
「マック隊長! どうしたらいいですか!」
部下たちから指示を仰ぐ声がする。
「待機だ!」
「ですがマック隊長!」
マクドナルドの指示は逃げのようでもあり、血気盛んな銃騎士たちからは反対の声も上がる。
「まだ戦える奴は闇の壁を取り囲んで等間隔で包囲しろ! 壁が消えた時にシドが死んでいなかったら全員で攻撃する! それまでは待て!」
暗黒の壁を壊せるのならとっくにアークがやっているだろう。奴がそれをしなかったということは、現状では壁の向こう側へ行ってジュリアスに助太刀する方法がないということだ。
どこかへ行ってしまったアークはジュリアスを見捨てたのではないと思う。
あの男は一見血も涙もない冷血漢のように見えるが、家族のことは愛している。
理由はわからないが必要があってこの場を離れたのだろう。
魔法使いが作り出したこの闇の壁の向こう側に行くのは困難だと判断したマクドナルドは、隊員たちの体力を温存させることにした。
今は戦いの行方を見守ることしかできないが、ジュリアスがシドに勝ってくれることを信じようと思う。
壁を破壊するために戦力を使うよりは、万が一の際に、ジュリアスの代わりに自分たちがシドを討ち取らなければならないのだと、マクドナルドはその役割を隊員たちに説いた。
ここでシドを取り逃したら大惨事になる。何が何でもこの場でシドの首を斬らなければならないことは、マクドナルドも理解していた。
最後にマクドナルドは、隊員たちの士気を高めるためににこう叫んだ。
「仲間を信じろ! それしかねぇだろ!」
******
アークは海辺に近いキャンベル伯爵家の別荘まで来ていた。
ここにジュリアスの恋人フィオナを眠らせて隠していることは、ジュリアス本人から聞いていた。
そこには、もしも自分が死んだらフィオナを頼むという意味もあった気がする。
ジュリアスは今回の作戦において死を覚悟していたようだった。
別荘には強力な結界の魔法がかかっていて、簡単には中に入り込めない。
本来であれば魔法の効力が切れるまで待つ所ではあるが、そんなには待てない。アークは結界を破るために利き腕を犠牲にした。
元々利き腕はシドにもがれた後に魔法で接合してはしたが、もう思ったようには動かせなくなっていた。
息子を失うことに比べれば、こんな腕ぐらいくれてやるとアークは思っていた。
迷宮の魔法も解いてフィオナが眠る部屋へ辿り着き、最後に眠りの魔法も解いた時には、アークの片腕の大部分は真っ黒焦げになっていた。
「隊、長…………?」
眠りの魔法を解くと程なくフィオナは目を覚ましたが、アークの姿を認めるなり困惑顔になっていた。
きょろきょろとあたりを見回すフィオナは、寝入った時は寮の自分の部屋だったはずなのに、いつの間にか実家の別荘にあるフィオナ用の部屋にいることに気付いたようで、そのことにも驚いていた。
「キャンベル、一緒に来てくれ。このままではジュリアスが死ぬ可能性が高い」
アークは仕事上の理由からフィオナを名字で呼んでいた。
「待て」
アークの言葉に眠気が吹っ飛んだらしいフィオナは、詳細も聞かずに可愛らしい寝間着姿のままで部屋を飛び出していこうとしたが、アークがそれを止めた。
「キャンベル、ジュリアスの所に行く前に、どうしてもお前に言っておかねばならないことがある」
「マック隊長!」
三番隊長マクドナルド・オーキットはまだ動ける三番隊の部下たちや、今回のシドの処刑の応援に来ていた四番隊や五番隊の銃騎士たちに囲まれて、声をかけられていた。
輪の中には四番隊長と五番隊長もいるが、彼らは元々は三番隊所属であり、マクドナルドの部下だった。
隊長交代のために誰か良い人材はいないかと相談されて推薦したのだが彼らだった。
一番隊長は貴族や観客たちの避難の誘導にあたっているし、同期でもある二番隊長アークに至っては、先程のシドとの戦闘で腕を吹っ飛ばされて負傷中だ。
今この場にいる上役の中で取りまとめ役はマクドナルドしかいない。
シドが自ら鎖を破壊して暴れ初めた直後は、「絶対にシドを処刑場から出すな!」と仲間を鼓舞していたマクドナルドだったが、その後シドが突然出現した暗黒の闇の中に閉じこめられてしまい、対応を考えあぐねている最中だった。
「ジュリ! 死ぬな! 私を置いて行くな! 私はどうしてもお前に面と向かって言わなければならないことがあるんだ!」
悲痛な叫び声が聞こえてきてそちらに目をやれば、銃騎士隊副総隊長でありジュリアスの親友でもある、美しき銀髪の貴公子ロレンツォ・バルト公爵令息が必死な様子で暗黒の壁を叩き、ジュリアスを愛称で呼びながら語りかけていた。
マクドナルドはロレンツォの発言の内容にぎょっとしていた。
突然出現したこの闇は、魔法使いの一家であるブラッドレイ家の誰かがやったのだろうなとは思っていたが、少し離れた場所にいる一家の面子は父親のアークと三男と意識のない四男の三人だけだ。
次男はシドの処刑前に戦線離脱してこの場にはいないという話だったから、ロレンツォの言動から中にいると思われるジュリアスは、たった一人でシドと戦っていることになる。
(一騎打ちだと? 死ぬぞ…………)
今回のシド捕獲劇は二番隊の中でも特にジュリアスの肝煎り案件だったらしい。
難攻不落と言われていたシドの捕獲を成し遂げた栄誉から一転、拘束を破られたという失態を取り戻すために躍起になっているのかもしれないが、もっと仲間を頼ってくれていいのにと思ってしまう。
もっとも、先程のシドとの戦闘では、自分も含めてジュリアス以外の銃騎士ではシドに全く歯が立たなかった。
閉ざされた闇の中に入ってシドと一対一で戦うのは、銃騎士隊にこれ以上の被害を出さないようにしたいというジュリアスの意図も見え隠れする。
ジュリアスにそんなことをさせてしまう自分の無力さが口惜しいとマクドナルドは思った。
「マクドナルド」
声と共に気配が増えて、離れた場所にいたはずのアークが近くまで来ていたことに気付く。
「お前…… 腕、死んでんじゃねえか?」
アークは瞬間移動の魔法を使ってここまで来たようだが、全く力が入っていない様子で垂れ下がっているアークの利き腕を見たマクドナルドは、思わず呟いていた。
アークは自分の治癒魔法で治療を施したが、完全に元の通りには戻せなかった。
アークはセシルの治療を優先させた結果、もがれた自分の腕の接合には成功したものの、以前と全く同じようには動かせなくなっていた。
「問題ない」
問題なくはないだろうと思ったが、自分のことは後回しにしたいというアークの意図を感じ取ったマクドナルドは黙った。
アークは利き手とは逆の手に出現させた何枚かの札をマクドナルドに押し付けてきた。
「これを持っていれば闇の中が見えるはずだ」
アークに促されて闇空間に視線をやれば、確かに剣を持ったジュリアスと、獣人姫を抱えているシドが戦っている様子が見えた。
「俺はしばらくここを離れる。あとを頼む」
「おいコラ! ちょっと待て!」
マクドナルドは札の説明しかせずに瞬間移動で消え去ろうとするアークを呼び止めようとしたが、アークは問答無用でそのまま消えてしまった。
「おいいいいいいっ! 人の話を聞けーっ!」
制止を聞かずに行ってしまったアークに対して、マクドナルドは額に青筋を浮かべていた。
「相変わらず勝手な野郎だな!」
アークに対して悪態を吐きつつも、マクドナルドは持っていた札を隊長たちや主立った銃騎士たちに渡していった。
「これは…………」
暗闇の中の様子を見た銃騎士が絶句する声が聞こえた。
シドと一対一で戦うなんて、銃騎士隊最強と言われているジュリアスでも、流石に自殺行為だと理解しているようだった。
「すぐに加勢を!」
「駄目だ! この闇色の壁はどうやったって破壊できないぞ!」
「マック隊長! どうしたらいいですか!」
部下たちから指示を仰ぐ声がする。
「待機だ!」
「ですがマック隊長!」
マクドナルドの指示は逃げのようでもあり、血気盛んな銃騎士たちからは反対の声も上がる。
「まだ戦える奴は闇の壁を取り囲んで等間隔で包囲しろ! 壁が消えた時にシドが死んでいなかったら全員で攻撃する! それまでは待て!」
暗黒の壁を壊せるのならとっくにアークがやっているだろう。奴がそれをしなかったということは、現状では壁の向こう側へ行ってジュリアスに助太刀する方法がないということだ。
どこかへ行ってしまったアークはジュリアスを見捨てたのではないと思う。
あの男は一見血も涙もない冷血漢のように見えるが、家族のことは愛している。
理由はわからないが必要があってこの場を離れたのだろう。
魔法使いが作り出したこの闇の壁の向こう側に行くのは困難だと判断したマクドナルドは、隊員たちの体力を温存させることにした。
今は戦いの行方を見守ることしかできないが、ジュリアスがシドに勝ってくれることを信じようと思う。
壁を破壊するために戦力を使うよりは、万が一の際に、ジュリアスの代わりに自分たちがシドを討ち取らなければならないのだと、マクドナルドはその役割を隊員たちに説いた。
ここでシドを取り逃したら大惨事になる。何が何でもこの場でシドの首を斬らなければならないことは、マクドナルドも理解していた。
最後にマクドナルドは、隊員たちの士気を高めるためににこう叫んだ。
「仲間を信じろ! それしかねぇだろ!」
******
アークは海辺に近いキャンベル伯爵家の別荘まで来ていた。
ここにジュリアスの恋人フィオナを眠らせて隠していることは、ジュリアス本人から聞いていた。
そこには、もしも自分が死んだらフィオナを頼むという意味もあった気がする。
ジュリアスは今回の作戦において死を覚悟していたようだった。
別荘には強力な結界の魔法がかかっていて、簡単には中に入り込めない。
本来であれば魔法の効力が切れるまで待つ所ではあるが、そんなには待てない。アークは結界を破るために利き腕を犠牲にした。
元々利き腕はシドにもがれた後に魔法で接合してはしたが、もう思ったようには動かせなくなっていた。
息子を失うことに比べれば、こんな腕ぐらいくれてやるとアークは思っていた。
迷宮の魔法も解いてフィオナが眠る部屋へ辿り着き、最後に眠りの魔法も解いた時には、アークの片腕の大部分は真っ黒焦げになっていた。
「隊、長…………?」
眠りの魔法を解くと程なくフィオナは目を覚ましたが、アークの姿を認めるなり困惑顔になっていた。
きょろきょろとあたりを見回すフィオナは、寝入った時は寮の自分の部屋だったはずなのに、いつの間にか実家の別荘にあるフィオナ用の部屋にいることに気付いたようで、そのことにも驚いていた。
「キャンベル、一緒に来てくれ。このままではジュリアスが死ぬ可能性が高い」
アークは仕事上の理由からフィオナを名字で呼んでいた。
「待て」
アークの言葉に眠気が吹っ飛んだらしいフィオナは、詳細も聞かずに可愛らしい寝間着姿のままで部屋を飛び出していこうとしたが、アークがそれを止めた。
「キャンベル、ジュリアスの所に行く前に、どうしてもお前に言っておかねばならないことがある」
0
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
獣人公爵のエスコート
ざっく
恋愛
デビューの日、城に着いたが、会場に入れてもらえず、別室に通されたフィディア。エスコート役が来ると言うが、心当たりがない。
将軍閣下は、番を見つけて興奮していた。すぐに他の男からの視線が無い場所へ、移動してもらうべく、副官に命令した。
軽いすれ違いです。
書籍化していただくことになりました!それに伴い、11月10日に削除いたします。
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※
執着系狼獣人が子犬のような伴侶をみつけると
真木
恋愛
獣人の里で他の男の狼獣人に怯えていた、子犬のような狼獣人、ロシェ。彼女は海の向こうの狼獣人、ジェイドに奪われるように伴侶にされるが、彼は穏やかそうに見えて殊更執着の強い獣人で……。
オネエなエリート研究者がしつこすぎて困ってます!
まるい丸
恋愛
獣人と人の割合が6対4という世界で暮らしているマリは25歳になり早く結婚せねばと焦っていた。しかし婚活は20連敗中。そんな連敗続きの彼女に1年前から猛アプローチしてくる国立研究所に勤めるエリート研究者がいた。けれどその人は癖アリで……
「マリちゃんあたしがお嫁さんにしてあ・げ・る♡」
「早く結婚したいけどあなたとは嫌です!!」
「照れてないで素直になりなさい♡」
果たして彼女の婚活は成功するのか
※全5話完結
※ムーンライトノベルズでも同タイトルで掲載しています、興味がありましたらそちらもご覧いただけると嬉しいです!
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる