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処刑場編
111 呼べない(ノエル視点)
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血飛沫が舞う。
ノエルはシドを拘束する魔法は発動したままで、気絶しているマグノリアをアテナの家に預け行っていた。
処刑場から離れてもある一定の距離までなら効果は消えない。
説明もそこそこに――――それでも瞬間移動で消える寸前にアテナは「説明っ! 説明不足ーっ!」と叫んでいた気がしたが――――ノエルは急いで処刑場まで戻ってきた。
そして、すぐ下の弟セシルの背中からシドの腕が生えた瞬間を見てしまった。
「セシっ!!」
叫んだのは兄のジュリアスだ。シドに相対する形で背中側にいるアークを庇ったセシルは、口からごぼりと血を吐き出した後にすぐに意識を失った。
無表情でいることが常であるようなアークも、この時ばかりは驚いた表情で衝撃に目を見開いていた。
シドに腕を引き抜かれ、その場に崩れ落ちるセシルをアークは片手で抱き止めた。
父アークの右腕は既にシドにもがれていて、空中高くに投げられていた。
おそらくアークは、対象に直に触れることが条件だが、発動すれば致死率百パーセントである一撃必殺のあの魔法をシドにかけようとして失敗し、逆にシドに殺されそうになっていた所をセシルに庇われたのだろう。
セシルは瞬間移動で二人の間に割って入り、アーク自身も止める隙もなかったはずだ。
自己犠牲を良しとしてしまうセシルならやりかねないことだが、セシルの行動を止められずに、セシルもアークも守れなったことが悔やまれる。
ノエルはマグノリアを預けに行った僅か数分の間に事態がこれほどまでに悪化するとは思っていなかった。まさに想定外すぎる。
弟が殺されかかっている衝撃にノエルの身体の周囲から意図せず風が吹き荒れて、ジュリアスが目くらまし代わりに魔法で立てていたらしき砂塵を、その場から吹き消してしまう。
周囲には多くの銃騎士隊員たちが倒れていて、何人かは治療魔法の光に包まれていた。
ジュリアスが治療魔法で仲間たちの治療を施していたようで、まだ全員息があるらしいことが救いだ。
アークはセシルを腕の中に抱きしめた状態で座り込んでいる。盾の魔法で防御をしながら、セシルに治癒魔法をかけ始めていた。
シドはすぐに腕を振り上げて尚も二人に攻撃を仕掛けようとしていた。
ノエルはすぐに魔法で風の矢を作り出してシドに射掛けた。
風の矢は避けられたが攻撃目標がこちらに変わったようなので、ノエルは応戦するべく地面を蹴って移動し、怒りのままにシドと一戦交えようとした。
「駄目だ! ノエっ!」
シドの動きが早すぎる。
恐るべき力の差を理解したのは、不快そうな表情でこちらを見ているシドがいつの間にか目の前にいて、自分の胸にも風穴を開けようとする直前だった。
ノエルはジュリアスの手が伸びてきて難を逃れる。身体を強く引っ張られることでシドの拳を何とか避けた。
続く攻撃を警戒したが、シドはジュリアスの斬撃を避けながらこちらと距離を取った。
「落ち着け、セシは死んでない」
ジュリアスの声にセシルたちがいる方向を振り返る。
アークの治癒魔法が効いているらしく、セシルの顔色はそこまで悪くない。どうやら急所は外れていたらしく、セシルは九死に一生を得たようだ。
『接近するのは危険だ。魔法の遠隔攻撃でシドを追い込んでいくしかない』
ほっとする間もなかった。状況が地獄であることに変わりはない。精神感応によるジュリアスの指示にノエルは頷いた。
接近戦はするなと言いつつ、ジュリアスは果敢にもシドに剣で戦いを挑み、そしてノエルを守ってくれた。
剣を使ってあの男と対等に近い形で戦えるのは、今の銃騎士隊の中ではジュリアスしかいないのではないかとノエルは思った。元々の持って生まれた資質もあるが、ノエルは兄の努力を知っていた。
対するノエルの戦闘形態は魔法を除けば体術が基本だ。魔法に頼りきっていたこともあるが、これまで剣術が必要になることもなかったし、正式な扱い方も知らない。
獣人界最強の男を目の前にしたノエルは、今更ながらに銃騎士養成学校に入校してきちんと剣術を学んでおけば良かったと後悔した。
獣人は身体能力が高く素早い動きをするために、銃で戦ったとしても結局は接近戦になる。魔法の使えない者たちにとっては、剣術は最後の砦なのだ。
兄ジュリアスは忙しすぎてノエルに訓練を付けてくれる暇もなかったし――――入校を辞退したのはノエルなので教えてくれと言い辛かったのもあるが――――父アークに至っては、「魔法があれば不要だ」などと言い、ノエルを含めた息子たち全員に訓練を付けることは皆無だった。
アークは息子たちが強くなりすぎて自分では制御できなくなることを恐れていた節がある。
これまでノエルはハンター活動の中で他の獣人と戦うことになっても、大きな危機に見舞われることもなく自己流で何とかやってきた。
しかし今、ノエルはシドとの圧倒的な力の差に打ちのめされていた。こんな化け物には勝てる気がしない。
『兄さん、シドの処刑は最早不可能です。私もとても悔しいのですが、これ以上の犠牲が出る前に、撤退しましょう。シドを転移魔法で里へ帰すのです』
ノエルは精神感応でジュリアスに語りかけた。
『駄目だ。奴は今回のことを恨みに思い、必ず報復に来るだろう。俺たち一家が魔法が使えることにも気付かれているし、シドは警戒を強めて隙を見せなくなるはずだ。
今回がシドを葬ることのできる最初で最後の機会だった。次はない。もう引き返せないんだ』
『ですが……』
『獣人たちを引き連れて首都に大規模な襲撃を仕掛けることもありそうだが、一番最初に狙われるのは俺たち家族だろうな。皆殺し―――― いや、母さんだけは殺されないかもしれないが…………』
ジュリアスは最後までは言わなかったが、ノエルはその意図することを理解して背中に怖気を走らせた。あの男ならば母を奪うことくらいはやりかねない。
「ヴィクトリアァァァァァーーッ!」
ノエルが眉根を寄せていると、突然、こちらと距離を取っていたシドが獣人姫の名を絶叫したので、かなり驚いた。
シドは観客席のある一点を鬼のような形相で見つめている。おそらく視線の先には、レインと一緒にいるはずの獣人姫ヴィクトリアがいるのだろう。
シドが移動を開始する。
このままではヴィクトリアが殺される、とノエルは青くなったが、ジュリアスがすぐさまとある魔法を発動させたことで、シドは観客席に入ることなく処刑場広場に足止めされた。
シドがいたはずの空間には暗黒の闇が広がっていて、シドはその中に囚われたようだった。
これは闇魔法を極めた者にしか使えない空間を歪める魔法だ。今シドは闇で覆われた膜の中に閉じ込められていて、術者の意図があれば別だが、どんな怪力を持ってしても外に出ることは不可能だ。
中から出られない代わりに、外からの干渉も一切不可能になっている。中でシドを処刑するためには術者の手によって処刑人も中に入る必要があるが、中は真っ暗で何も見えず、処刑にも戦闘にも不向きである。
外から見てもその空間は真っ黒で、透視の魔法があれば中の様子も探れるが、一般人では中がどうなっているのかは全くわからないだろう。
この魔法は時間が経つと闇が薄くなって消えてしまうので、シドを永遠に閉じ込めておくこともできない。いずれあの怪物も外に出てきてしまう。
避難中の観客はまだ大勢が避難中である。それまではジュリアスも、魔法の存在に気付かれないように砂で目くらましなどして対策をしていたようだが、もう形振り構わなくなってきたようだ。
処刑場広場に、いきなりある程度の大きさを持つ謎の黒い空間が出現したら、その不気味さや禍々しさも相まって、不審に思う者も大勢いるはずだが、ノエルとしてももうそこら辺には目を瞑ろうと思った。
魔法の存在を隠すことよりも、シドをどうにかすることの方が重要だった。
ノエルはジュリアスが作り出した暗黒の空間を見つめながら、この場では最適解だと思われる言葉を口にした。
「兄さん、シー兄さんを呼び戻しましょう」
ジュリアスも同じことを考えていたのかもしれないが、思う所があるのか沈黙で返してきた。
「協力しないなんて言っていましたが、私達の危機を知れば、必ず来てくれるはずです。
セシが回復して目を覚ましてくれたら――――なんとかなります。
シー兄さんが来てくれるまで、このままジュリ兄さんの魔法でシドを閉じ込めて、時間稼ぎをするのです」
ノエルはこの方法しかないと思ったが、しかし、ジュリアスは是とは言わない。
「シーは、呼べない…………」
「兄さん…………」
この期に及んでもまだ、長兄は次兄への罪の意識のようなものを抱えているのだろうか。
「これ以上あいつを縛り付けたくないし、自由にしてやりたいんだ。すまない、これは俺のわがままだ」
「ですが、このままでは私たち一家は全滅してしまいますよ」
もしかするとジュリアスにとっては、自分を含めた家族の誰よりも、次兄シリウスこそが一番に大切なのだろうなと思ってしまって、ノエルは悲しくなる。
「俺に策がある。シドは出てこられないはずだが、このまま見張っていてくれ。俺は少しこの場を離れる。父さんたちを頼む」
ジュリアスはそう言ってから、すぐに瞬間移動で消えてしまった。
ノエルはシドを拘束する魔法は発動したままで、気絶しているマグノリアをアテナの家に預け行っていた。
処刑場から離れてもある一定の距離までなら効果は消えない。
説明もそこそこに――――それでも瞬間移動で消える寸前にアテナは「説明っ! 説明不足ーっ!」と叫んでいた気がしたが――――ノエルは急いで処刑場まで戻ってきた。
そして、すぐ下の弟セシルの背中からシドの腕が生えた瞬間を見てしまった。
「セシっ!!」
叫んだのは兄のジュリアスだ。シドに相対する形で背中側にいるアークを庇ったセシルは、口からごぼりと血を吐き出した後にすぐに意識を失った。
無表情でいることが常であるようなアークも、この時ばかりは驚いた表情で衝撃に目を見開いていた。
シドに腕を引き抜かれ、その場に崩れ落ちるセシルをアークは片手で抱き止めた。
父アークの右腕は既にシドにもがれていて、空中高くに投げられていた。
おそらくアークは、対象に直に触れることが条件だが、発動すれば致死率百パーセントである一撃必殺のあの魔法をシドにかけようとして失敗し、逆にシドに殺されそうになっていた所をセシルに庇われたのだろう。
セシルは瞬間移動で二人の間に割って入り、アーク自身も止める隙もなかったはずだ。
自己犠牲を良しとしてしまうセシルならやりかねないことだが、セシルの行動を止められずに、セシルもアークも守れなったことが悔やまれる。
ノエルはマグノリアを預けに行った僅か数分の間に事態がこれほどまでに悪化するとは思っていなかった。まさに想定外すぎる。
弟が殺されかかっている衝撃にノエルの身体の周囲から意図せず風が吹き荒れて、ジュリアスが目くらまし代わりに魔法で立てていたらしき砂塵を、その場から吹き消してしまう。
周囲には多くの銃騎士隊員たちが倒れていて、何人かは治療魔法の光に包まれていた。
ジュリアスが治療魔法で仲間たちの治療を施していたようで、まだ全員息があるらしいことが救いだ。
アークはセシルを腕の中に抱きしめた状態で座り込んでいる。盾の魔法で防御をしながら、セシルに治癒魔法をかけ始めていた。
シドはすぐに腕を振り上げて尚も二人に攻撃を仕掛けようとしていた。
ノエルはすぐに魔法で風の矢を作り出してシドに射掛けた。
風の矢は避けられたが攻撃目標がこちらに変わったようなので、ノエルは応戦するべく地面を蹴って移動し、怒りのままにシドと一戦交えようとした。
「駄目だ! ノエっ!」
シドの動きが早すぎる。
恐るべき力の差を理解したのは、不快そうな表情でこちらを見ているシドがいつの間にか目の前にいて、自分の胸にも風穴を開けようとする直前だった。
ノエルはジュリアスの手が伸びてきて難を逃れる。身体を強く引っ張られることでシドの拳を何とか避けた。
続く攻撃を警戒したが、シドはジュリアスの斬撃を避けながらこちらと距離を取った。
「落ち着け、セシは死んでない」
ジュリアスの声にセシルたちがいる方向を振り返る。
アークの治癒魔法が効いているらしく、セシルの顔色はそこまで悪くない。どうやら急所は外れていたらしく、セシルは九死に一生を得たようだ。
『接近するのは危険だ。魔法の遠隔攻撃でシドを追い込んでいくしかない』
ほっとする間もなかった。状況が地獄であることに変わりはない。精神感応によるジュリアスの指示にノエルは頷いた。
接近戦はするなと言いつつ、ジュリアスは果敢にもシドに剣で戦いを挑み、そしてノエルを守ってくれた。
剣を使ってあの男と対等に近い形で戦えるのは、今の銃騎士隊の中ではジュリアスしかいないのではないかとノエルは思った。元々の持って生まれた資質もあるが、ノエルは兄の努力を知っていた。
対するノエルの戦闘形態は魔法を除けば体術が基本だ。魔法に頼りきっていたこともあるが、これまで剣術が必要になることもなかったし、正式な扱い方も知らない。
獣人界最強の男を目の前にしたノエルは、今更ながらに銃騎士養成学校に入校してきちんと剣術を学んでおけば良かったと後悔した。
獣人は身体能力が高く素早い動きをするために、銃で戦ったとしても結局は接近戦になる。魔法の使えない者たちにとっては、剣術は最後の砦なのだ。
兄ジュリアスは忙しすぎてノエルに訓練を付けてくれる暇もなかったし――――入校を辞退したのはノエルなので教えてくれと言い辛かったのもあるが――――父アークに至っては、「魔法があれば不要だ」などと言い、ノエルを含めた息子たち全員に訓練を付けることは皆無だった。
アークは息子たちが強くなりすぎて自分では制御できなくなることを恐れていた節がある。
これまでノエルはハンター活動の中で他の獣人と戦うことになっても、大きな危機に見舞われることもなく自己流で何とかやってきた。
しかし今、ノエルはシドとの圧倒的な力の差に打ちのめされていた。こんな化け物には勝てる気がしない。
『兄さん、シドの処刑は最早不可能です。私もとても悔しいのですが、これ以上の犠牲が出る前に、撤退しましょう。シドを転移魔法で里へ帰すのです』
ノエルは精神感応でジュリアスに語りかけた。
『駄目だ。奴は今回のことを恨みに思い、必ず報復に来るだろう。俺たち一家が魔法が使えることにも気付かれているし、シドは警戒を強めて隙を見せなくなるはずだ。
今回がシドを葬ることのできる最初で最後の機会だった。次はない。もう引き返せないんだ』
『ですが……』
『獣人たちを引き連れて首都に大規模な襲撃を仕掛けることもありそうだが、一番最初に狙われるのは俺たち家族だろうな。皆殺し―――― いや、母さんだけは殺されないかもしれないが…………』
ジュリアスは最後までは言わなかったが、ノエルはその意図することを理解して背中に怖気を走らせた。あの男ならば母を奪うことくらいはやりかねない。
「ヴィクトリアァァァァァーーッ!」
ノエルが眉根を寄せていると、突然、こちらと距離を取っていたシドが獣人姫の名を絶叫したので、かなり驚いた。
シドは観客席のある一点を鬼のような形相で見つめている。おそらく視線の先には、レインと一緒にいるはずの獣人姫ヴィクトリアがいるのだろう。
シドが移動を開始する。
このままではヴィクトリアが殺される、とノエルは青くなったが、ジュリアスがすぐさまとある魔法を発動させたことで、シドは観客席に入ることなく処刑場広場に足止めされた。
シドがいたはずの空間には暗黒の闇が広がっていて、シドはその中に囚われたようだった。
これは闇魔法を極めた者にしか使えない空間を歪める魔法だ。今シドは闇で覆われた膜の中に閉じ込められていて、術者の意図があれば別だが、どんな怪力を持ってしても外に出ることは不可能だ。
中から出られない代わりに、外からの干渉も一切不可能になっている。中でシドを処刑するためには術者の手によって処刑人も中に入る必要があるが、中は真っ暗で何も見えず、処刑にも戦闘にも不向きである。
外から見てもその空間は真っ黒で、透視の魔法があれば中の様子も探れるが、一般人では中がどうなっているのかは全くわからないだろう。
この魔法は時間が経つと闇が薄くなって消えてしまうので、シドを永遠に閉じ込めておくこともできない。いずれあの怪物も外に出てきてしまう。
避難中の観客はまだ大勢が避難中である。それまではジュリアスも、魔法の存在に気付かれないように砂で目くらましなどして対策をしていたようだが、もう形振り構わなくなってきたようだ。
処刑場広場に、いきなりある程度の大きさを持つ謎の黒い空間が出現したら、その不気味さや禍々しさも相まって、不審に思う者も大勢いるはずだが、ノエルとしてももうそこら辺には目を瞑ろうと思った。
魔法の存在を隠すことよりも、シドをどうにかすることの方が重要だった。
ノエルはジュリアスが作り出した暗黒の空間を見つめながら、この場では最適解だと思われる言葉を口にした。
「兄さん、シー兄さんを呼び戻しましょう」
ジュリアスも同じことを考えていたのかもしれないが、思う所があるのか沈黙で返してきた。
「協力しないなんて言っていましたが、私達の危機を知れば、必ず来てくれるはずです。
セシが回復して目を覚ましてくれたら――――なんとかなります。
シー兄さんが来てくれるまで、このままジュリ兄さんの魔法でシドを閉じ込めて、時間稼ぎをするのです」
ノエルはこの方法しかないと思ったが、しかし、ジュリアスは是とは言わない。
「シーは、呼べない…………」
「兄さん…………」
この期に及んでもまだ、長兄は次兄への罪の意識のようなものを抱えているのだろうか。
「これ以上あいつを縛り付けたくないし、自由にしてやりたいんだ。すまない、これは俺のわがままだ」
「ですが、このままでは私たち一家は全滅してしまいますよ」
もしかするとジュリアスにとっては、自分を含めた家族の誰よりも、次兄シリウスこそが一番に大切なのだろうなと思ってしまって、ノエルは悲しくなる。
「俺に策がある。シドは出てこられないはずだが、このまま見張っていてくれ。俺は少しこの場を離れる。父さんたちを頼む」
ジュリアスはそう言ってから、すぐに瞬間移動で消えてしまった。
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